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第53話 【ダイナス恐怖の10日間】~9日目夜の部~
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コンコンコン・・・。
「俺だけど入っても良いかな?」
「あっ!少しだけお待ちください」
着崩れている所がないか確認してから、マリアはドアの向こうにハジメを中に招き入れた。
「はい、どうぞお待たせしました」
(こんな夜更けに一体どうされたのだろう?まさか、私を抱く為に!?)
途端に胸の鼓動が早くなる、実際の所ハジメが来る事を期待していなかったといえば嘘になるかもしれない。ハジメとミリンダが夕飯の時間になっても戻らず、残った面々で先に食事を済ませたのだが胸の中に小さなしこりの様な物を感じていた。
アルラウネとしてハジメの前に初めて姿を見せた時、彼には既に3人の女性が居た。セシリア・ラン・サリーネの3名は経緯は様々だがハジメの人柄等に惹かれ共に歩む道を選んでいる。その中に自分も入る事が出来るのだろうか?また入る事を許されるのだろうか?そんな不安を感じている事自体が彼に好意以上の気持ちを抱いている証拠だろう。
小さなテーブルに向かい合わせで座る、マリアとハジメ。マリアは薄明かりの中で頬を微かに赤く染めていたが、ハジメは気付かなかった。
「ラーセッツの奴がとんでもない事をした所為でマリアにも要らない心配を掛けさせたと思う、済まなかった」
「いいえ、そんな事無いです!お陰でアインさんとエイラさんの関係を問い詰める人も出ませんでした、本来ならば不義密通を疑われてもおかしくないのにクレアにとっても良い結果となったのではないでしょうか」
「そうか、そう言ってもらえると俺も嬉しいよ。これで安心してルピナスに帰れる」
(えっ・・・今なんて!?)
マリアは動揺して思わずハジメの手を掴んでしまった!
「ハジメさん、ルピナスに帰るって本当ですか!?」
「ああ、元々ダイナスは10日間の滞在予定だったから明日商業ギルドで馬車を受け取ったら戻る予定だよ。今度の合同会議には魔王も参加するから大変だよ」
「そうですか・・・」
(明日にはハジメさんはルピナスに帰ってしまう、でも一緒に連れて行って欲しいなんて都合の良い事を言える訳ないわ!)
そんなマリアの焦燥を感じ取ったのか、ハジメはマリアの手を握り返しながら心待ちにしていた言葉を言った。
「マリア、良かったら俺達と一緒にルピナスに来ないか?始とセレスが住んでいた家が空き家になる予定だから、そこに住むと良い。俺の家もそこから近いから、いつでも遊びに来れるよ」
ズキンッ! ハジメの優しさがマリアの心を痛ませた。もっと一緒に居たい、共に過ごしたい、心と身体の全てを彼に捧げたい。その想いが止め処もなく溢れ出し、マリアは思いの丈をハジメにぶつけた。
「あの・・・私もハジメさんと一緒に住む事は出来ませんか?ハジメさんと過ごした時間は他の3人と比べて短いかもしれませんが、この気持ちに蓋をする事が出来そうにありません。ハジメさん、私の全てを受け取ってもらえますか?」
マリアは席を立つとハジメの前で全てを曝け出した、目を閉じてハジメの指先が肌に触れる瞬間を待つが数分待っても触れられる様子が無い。マリアは羞恥に耐えられなくなり下着に手を伸ばそうとした瞬間、ハジメの心が流れ込んできた。口ではとても言えそうにないその中身にマリアは驚き言葉も出ない。
「もう、間違いでしたなんて言わないでくれよ。これ以上我慢出来そうも無いから全て貰うよ、俺やセシリア達と一緒にルピナスで暮らそう」
「はい、喜んで」
ハジメはマリアをゆっくりと抱きしめながら肌の感触を確かめる、そして抱きかかえる様にしてベッドまで運ぶとマリアがまだ見せていない顔を見る為に部屋中にフェロモンを散布させた・・・。
「まあね、こうなる事は最初から予想していましたけどハジメは声が筒抜けだって事気付いていないのかしら?」
セシリアは頬を膨らませながらランとサリーネの3人で夜の女子会を開いていた。
「まあ、そう目くじらを立てる必要も有るまい。アレは私達の仲間入りをする一種の儀式みたいなモノだ」
「わ、私もあんな声を出していたのでしょうか!?」
サリーネは羞恥のあまり両手で顔を覆ってしまう。
「あなたの場合、ハジメはちゃんと遮音結界を張っていたわよ。今回は張り忘れているだけ」
「・・・・それはそれでマリアさんが少し可哀相に思えてきました」
そう言いながら、サリーネは背後のベッドで寝息を立てているミリンダを見ながら微笑んだ。
「ミリンダ姉さま、今まで見た事の無い落ち着いた寝顔をされていますね」
「暗殺者だった頃の過去も含めて丸ごとハジメ様が飲み込んでくれたからの。当然じゃ」
そんな事を話していると、上の階から漏れてくる声が更に大きくなった。
「おっ!?ハジメ様が本気を出し始めたな、アレを喰らってはひとたまりもないぞ」
「確かにアレは思い出すだけで、気を失いそうになってしまいます」
セシリアとランが急に顔を赤面させるので、サリーネはハジメの本気がどんなものか知りたくなった。自分の際は何が起きているのか分からないまま失神していたからだ。
「あのハジメさんが本気を出すとどうなるのですか?私、発情していて何が起きていたのかはっきりと覚えていないんです」
セシリアとランは顔を見合わせて考え込む、はたして正直に話して良いものなのだろうか?と
「聞いても後悔しないと約束してくれるか?サリーネ」
「はい、それは勿論ですラン姉さま」
「それじゃあ話すけど、驚かないで聞いてねサリーネ」
2人からハジメの本気の正体を聞いたサリーネはその内容に絶句しショックで気を失った・・・。
「俺だけど入っても良いかな?」
「あっ!少しだけお待ちください」
着崩れている所がないか確認してから、マリアはドアの向こうにハジメを中に招き入れた。
「はい、どうぞお待たせしました」
(こんな夜更けに一体どうされたのだろう?まさか、私を抱く為に!?)
途端に胸の鼓動が早くなる、実際の所ハジメが来る事を期待していなかったといえば嘘になるかもしれない。ハジメとミリンダが夕飯の時間になっても戻らず、残った面々で先に食事を済ませたのだが胸の中に小さなしこりの様な物を感じていた。
アルラウネとしてハジメの前に初めて姿を見せた時、彼には既に3人の女性が居た。セシリア・ラン・サリーネの3名は経緯は様々だがハジメの人柄等に惹かれ共に歩む道を選んでいる。その中に自分も入る事が出来るのだろうか?また入る事を許されるのだろうか?そんな不安を感じている事自体が彼に好意以上の気持ちを抱いている証拠だろう。
小さなテーブルに向かい合わせで座る、マリアとハジメ。マリアは薄明かりの中で頬を微かに赤く染めていたが、ハジメは気付かなかった。
「ラーセッツの奴がとんでもない事をした所為でマリアにも要らない心配を掛けさせたと思う、済まなかった」
「いいえ、そんな事無いです!お陰でアインさんとエイラさんの関係を問い詰める人も出ませんでした、本来ならば不義密通を疑われてもおかしくないのにクレアにとっても良い結果となったのではないでしょうか」
「そうか、そう言ってもらえると俺も嬉しいよ。これで安心してルピナスに帰れる」
(えっ・・・今なんて!?)
マリアは動揺して思わずハジメの手を掴んでしまった!
「ハジメさん、ルピナスに帰るって本当ですか!?」
「ああ、元々ダイナスは10日間の滞在予定だったから明日商業ギルドで馬車を受け取ったら戻る予定だよ。今度の合同会議には魔王も参加するから大変だよ」
「そうですか・・・」
(明日にはハジメさんはルピナスに帰ってしまう、でも一緒に連れて行って欲しいなんて都合の良い事を言える訳ないわ!)
そんなマリアの焦燥を感じ取ったのか、ハジメはマリアの手を握り返しながら心待ちにしていた言葉を言った。
「マリア、良かったら俺達と一緒にルピナスに来ないか?始とセレスが住んでいた家が空き家になる予定だから、そこに住むと良い。俺の家もそこから近いから、いつでも遊びに来れるよ」
ズキンッ! ハジメの優しさがマリアの心を痛ませた。もっと一緒に居たい、共に過ごしたい、心と身体の全てを彼に捧げたい。その想いが止め処もなく溢れ出し、マリアは思いの丈をハジメにぶつけた。
「あの・・・私もハジメさんと一緒に住む事は出来ませんか?ハジメさんと過ごした時間は他の3人と比べて短いかもしれませんが、この気持ちに蓋をする事が出来そうにありません。ハジメさん、私の全てを受け取ってもらえますか?」
マリアは席を立つとハジメの前で全てを曝け出した、目を閉じてハジメの指先が肌に触れる瞬間を待つが数分待っても触れられる様子が無い。マリアは羞恥に耐えられなくなり下着に手を伸ばそうとした瞬間、ハジメの心が流れ込んできた。口ではとても言えそうにないその中身にマリアは驚き言葉も出ない。
「もう、間違いでしたなんて言わないでくれよ。これ以上我慢出来そうも無いから全て貰うよ、俺やセシリア達と一緒にルピナスで暮らそう」
「はい、喜んで」
ハジメはマリアをゆっくりと抱きしめながら肌の感触を確かめる、そして抱きかかえる様にしてベッドまで運ぶとマリアがまだ見せていない顔を見る為に部屋中にフェロモンを散布させた・・・。
「まあね、こうなる事は最初から予想していましたけどハジメは声が筒抜けだって事気付いていないのかしら?」
セシリアは頬を膨らませながらランとサリーネの3人で夜の女子会を開いていた。
「まあ、そう目くじらを立てる必要も有るまい。アレは私達の仲間入りをする一種の儀式みたいなモノだ」
「わ、私もあんな声を出していたのでしょうか!?」
サリーネは羞恥のあまり両手で顔を覆ってしまう。
「あなたの場合、ハジメはちゃんと遮音結界を張っていたわよ。今回は張り忘れているだけ」
「・・・・それはそれでマリアさんが少し可哀相に思えてきました」
そう言いながら、サリーネは背後のベッドで寝息を立てているミリンダを見ながら微笑んだ。
「ミリンダ姉さま、今まで見た事の無い落ち着いた寝顔をされていますね」
「暗殺者だった頃の過去も含めて丸ごとハジメ様が飲み込んでくれたからの。当然じゃ」
そんな事を話していると、上の階から漏れてくる声が更に大きくなった。
「おっ!?ハジメ様が本気を出し始めたな、アレを喰らってはひとたまりもないぞ」
「確かにアレは思い出すだけで、気を失いそうになってしまいます」
セシリアとランが急に顔を赤面させるので、サリーネはハジメの本気がどんなものか知りたくなった。自分の際は何が起きているのか分からないまま失神していたからだ。
「あのハジメさんが本気を出すとどうなるのですか?私、発情していて何が起きていたのかはっきりと覚えていないんです」
セシリアとランは顔を見合わせて考え込む、はたして正直に話して良いものなのだろうか?と
「聞いても後悔しないと約束してくれるか?サリーネ」
「はい、それは勿論ですラン姉さま」
「それじゃあ話すけど、驚かないで聞いてねサリーネ」
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