星見と私

ほろ苦

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デート 7

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「『星見』は未来を予知できる特殊な能力をもった『特別な存在』、王家にしか仕えないし、一部の上位貴族しかその存在をしらない、だから基本表には出ない人々なんだ。それゆえにその言葉は色々な意味で『力』を持っている」
「力…」
「まず『星見』を知っている家というだけで国の上層ってわけだし、その言葉に従うことは必然なんだ」

ということは、「運命を共に」は必然…
嬉しい反面、私は腑に落ちなかった。
絶対にさからえない、決まっている運命なんてあるのだろうか?

「サナって呼んでもいいかな?俺はジレンで構わない」
「は、はい!」

私はくすぐったくて顔を紅くした。
この日はお互い他愛のない話をして、また食事に行く約束をして帰った。
まるで夢のような時間だった。
ふわふわとした幸せな気持ちで部屋に入ると、なぜか普通にレイ様がくつろいでいた。

「あの~」
「お帰り。デートどうだった?」
「はあ…楽しかったですが…」
「よかったな!」

満足げに笑うレイ様に私はナンだかしゃくにさわり、顔を少しひきつらせた。

「レイ様、『星見』なんですね」
「言ってなかったっけ?」
「全く聞いてません。こうなることも解っていたのですか?」
「ん~ちょっと違うけど、大体は。」
「何をしに来たのですか?」
「それは言えない。ただ、これだけは信じて欲しいんだ」

レイ様はくつろいでいた体制を起こして立ち上がり私の真正面に立った。
その様子は今までになく真剣で私の全てを見透かしているような瞳だ。

「サナは自分の心に正直に進めばいい。それが真実だ」
「どういう意味?」
「そのままの意味。数日間ありがとう、わたしは今晩ここを去るよ」
「こんな夜なのに?」
「行かなきゃいけない所があるから。また近いうちに会いに来るから、そんな寂しがらないで」
「別に寂しくなんかないですよ、まじで」

そんなやり取りをしたのち、レイ様は部屋を出て行った。
『星見』という位の高い人だろうが、私には全くそう思えなかった。

それから数回、私はジレンと食事に出掛けた。
ギコちなかった会話も少しずつ自然になり、ドキドキはするけどそれが心地いい位に慣れてきた。
今日は私おすすめの居酒屋風なお店で一緒に夕食を食べていた。

「王都の社交界に招待されているのだけど、今度一緒に行ってくれないかな?」
「え?私?」
「他に誰がいるんだよ。」
「でも、私社交界なんて…」
「…ちゃんとエスコートする、心配ないよ」
「わ、わかった!頑張る!」
「ありがとう。それで、ハッキリとさせたいことがあるんだ」
「なに?」

私は何を聞かれるのか緊張して、ごくりと喉を鳴らした。
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