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友達以上彼女未満
14話 決戦!
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水曜日から土曜日まで、
キツかった・・・。
優里ちゃんの察しの良さに、
驚きながらも、
無事に過ごせた。
今日は決戦の日だ・・・!
絶対に負けない!
指定は2時だったが、
優里ちゃんの両親と話をするため、
早めに父親の運転する車で、
1:30には学園の駐車場にいた。
その後、
優里ちゃんの両親が到着する。
相変わらず様になる二人だ。
「お待たせしました」
真矢さんがお辞儀する。
「いえいえ、
こちらも少し前に、
来たばかりですので」
「本日はよろしくお願いします」
慶さんが言う。
「いえ、こちらこそ!
頭の固いやつらに、
分からせてやりましょう!」
「そうですね」
しばしの談笑が始まったが、
直ぐにおわる。
「今日は君の気持ちが、
試される日だ。
覚悟はできているのかな?」
慶さんが問いかけてくる。
皆の目が俺に向く。
覚悟はできている!
「はいっ!」
「よし、行くとしますか」
皆で学園へと向かう。
応接室では狭いので、
会議室へと案内された。
シンプルな部屋で、
ホワイトボードと、
十人が座れる様な、
テーブルと椅子があった。
そこで校長が入ってくる。
後ろには、PTA会長と、
教育委員会会長らしき人がいた。
「お待たせしました」
校長が言い、
テーブルの端の中央に座る。
残りの二人は対面する形になり、
中央に座る俺を見てくる。
「わたくし、PTA会長の、
神崎真由美と申します」
40代後半だろうか?
キツめな印象を与える人で、
メガネをかけ、
スーツを着こなしている。
「自分は、教育委員会会長の、
佐原誠治と申します」
50代くらいのこれといって特徴のないおじさんだった。
皆で自己紹介をし、
話し合いが始まる。
「犬飼優人君が、
司優里ちゃんと、
お付き合いをしていると、
息子から聞き、
このような場を、
設けさしていただきました」
神崎さんが話始める。
「これは、事実ですか?」
俺はぎゅっと両手を握り、
「はい。事実です」
と、答えた。
神崎さんはため息をつくと、
「貴方は高校生、彼女は小学生。
普通に考えたら駄目でしょう?」
「僕は真剣に彼女を、
好きになりました。
そして彼女も僕のことを、
好きになってくれました。
確かに最初は悩みました。
しかし、彼女は大人の女の子でした。そして、お付き合いを、
させていただいてます」
深いため息をつく神崎さん。
「ご両親方は、
どうお考えなのですか?」
佐原さんが問いかけてきた。
「では私が。」
真矢さんが話始める。
「優人君には娘を助けて頂いており、そして娘もお礼をしたいという事で、
こちらまで、
お礼に来させて頂きました。
娘の様子から恋に落ちたのだろう、
と思っておりました。
いつもは男の子なんて嫌い、
などという娘が、
すごく嬉しそうに、
話していたのですから」
「そして、私も優人君と出会い、
信用できる優しい子だと思い、
娘を任せよう、と思いました」
「しかし、優人君も最初は、
妹さんのように見ていた様で、
仲の良い兄妹のような関係でした。
ですが、
優人君のご両親に挨拶に伺い、
娘から優人君に告白をしました。
そうして一人の女の子として、
見てもらう様になりました」
「そうですか。
お父様はどうお考えで?」
「私は反対でした。
いくらなんでも早すぎると、
しかし、妻に説得され、
一度会ってみることにしました」
「しかし、会っている時の娘の表情、彼の考え方や態度を見て諦めました。託してもいいのだろうと、
しかも彼は娘が卒業したら、
改めて自分から告白すると言って、
それまでは、
友達以上彼女未満の関係で、
いさせてくださいと言っています。
私達夫婦の考えとしては何も問題ないと思っております」
二人はサラッと答えた。
いいよどむ事もなく、
自分たちの考えを述べた。
格好いい人達だ・・・。
「そうですか、
ありがとうございます」
「では、
犬飼さんのご両親はどうお考えで?」
「何の問題もないでしょう?
好きあっている二人が、
いるだけですね。
私にも娘がいるんですがね、
中1なんですけど娘より、
優里ちゃんの方が、
年上に感じますよ!」
笑いながら言う父さん。
「私も嬉しく思っております。
確かに優里ちゃんは小学生ですが、
しっかりしたお嬢さんですし、
息子も嬉しそうにしています」
母さんも援護してくれた。
「そうですか」
佐原さんはにこりと笑い、
「神崎さん?
ご両親も納得されていて、
本人同士も好きあっている様ですし、何も問題は無いのでは?」
「・・・一応校長先生からも、
ご意見を伺いたいのですが?」
「私は生徒同士の純粋な恋愛は、
自由だと思っています。
誰かを好きになる気持ち、
別れて悲しい気持ち、
それらを経験して生徒達は、
大人になっていくと思います。
学校という場所は、
勉強だけの場では無いのです」
俺は改めて大人の凄さを知った。
自分の考えを持ち、
しっかり人に伝える事が出来る。
俺もそういう大人になりたい。
「そうですね・・・。
聞かされていた話と、
少し違う様でして・・・。
この度は、
誠に申し訳ありませんでした・・・」
神崎さんが席を立ち、頭を下げる。
「いえいえ!
そんなことはないです。
こちらこそ誤解を、
招く様になってしまい、
申し訳ありませんでした!」
俺は立ち上がりそう言った。
「そう言って頂けると助かるわ。
犬飼くん」
そして、二時間弱の話し合いは、
終了し、解散となった。
駐車場にて、
皆で笑いながら話をした後、
車に乗り込み学園を後にする。
長い二時間だった。
精も根も尽き果てた。
家に帰るなり、凜が
「どうなったの!?」
「認めてもらえたよ」
「やったじゃん!」
「今日はありがとな」
「楽しかったからいいよ!」
そして、ゆっくりした後、
夕食等を済ませ、
自分の部屋に戻った。
「疲れたなぁ」
するとメッセージが来た。
優里ちゃんからで、
今日は凜お姉ちゃんと、
遊べて楽しかったです!
ごめんね?用事があって遊べなくて。
いいです!また今度遊んでください!
そうだね。約束するよ
はい!おやすみなさい!
おやすみ。
これからも優里ちゃんと、
一緒に歩いていける。
ただただ嬉しかった・・・。
少し泣いてしまった・・・。
もう、寝よう・・・。
ゆっくりと、
濡れた目を閉じていく・・・。
キツかった・・・。
優里ちゃんの察しの良さに、
驚きながらも、
無事に過ごせた。
今日は決戦の日だ・・・!
絶対に負けない!
指定は2時だったが、
優里ちゃんの両親と話をするため、
早めに父親の運転する車で、
1:30には学園の駐車場にいた。
その後、
優里ちゃんの両親が到着する。
相変わらず様になる二人だ。
「お待たせしました」
真矢さんがお辞儀する。
「いえいえ、
こちらも少し前に、
来たばかりですので」
「本日はよろしくお願いします」
慶さんが言う。
「いえ、こちらこそ!
頭の固いやつらに、
分からせてやりましょう!」
「そうですね」
しばしの談笑が始まったが、
直ぐにおわる。
「今日は君の気持ちが、
試される日だ。
覚悟はできているのかな?」
慶さんが問いかけてくる。
皆の目が俺に向く。
覚悟はできている!
「はいっ!」
「よし、行くとしますか」
皆で学園へと向かう。
応接室では狭いので、
会議室へと案内された。
シンプルな部屋で、
ホワイトボードと、
十人が座れる様な、
テーブルと椅子があった。
そこで校長が入ってくる。
後ろには、PTA会長と、
教育委員会会長らしき人がいた。
「お待たせしました」
校長が言い、
テーブルの端の中央に座る。
残りの二人は対面する形になり、
中央に座る俺を見てくる。
「わたくし、PTA会長の、
神崎真由美と申します」
40代後半だろうか?
キツめな印象を与える人で、
メガネをかけ、
スーツを着こなしている。
「自分は、教育委員会会長の、
佐原誠治と申します」
50代くらいのこれといって特徴のないおじさんだった。
皆で自己紹介をし、
話し合いが始まる。
「犬飼優人君が、
司優里ちゃんと、
お付き合いをしていると、
息子から聞き、
このような場を、
設けさしていただきました」
神崎さんが話始める。
「これは、事実ですか?」
俺はぎゅっと両手を握り、
「はい。事実です」
と、答えた。
神崎さんはため息をつくと、
「貴方は高校生、彼女は小学生。
普通に考えたら駄目でしょう?」
「僕は真剣に彼女を、
好きになりました。
そして彼女も僕のことを、
好きになってくれました。
確かに最初は悩みました。
しかし、彼女は大人の女の子でした。そして、お付き合いを、
させていただいてます」
深いため息をつく神崎さん。
「ご両親方は、
どうお考えなのですか?」
佐原さんが問いかけてきた。
「では私が。」
真矢さんが話始める。
「優人君には娘を助けて頂いており、そして娘もお礼をしたいという事で、
こちらまで、
お礼に来させて頂きました。
娘の様子から恋に落ちたのだろう、
と思っておりました。
いつもは男の子なんて嫌い、
などという娘が、
すごく嬉しそうに、
話していたのですから」
「そして、私も優人君と出会い、
信用できる優しい子だと思い、
娘を任せよう、と思いました」
「しかし、優人君も最初は、
妹さんのように見ていた様で、
仲の良い兄妹のような関係でした。
ですが、
優人君のご両親に挨拶に伺い、
娘から優人君に告白をしました。
そうして一人の女の子として、
見てもらう様になりました」
「そうですか。
お父様はどうお考えで?」
「私は反対でした。
いくらなんでも早すぎると、
しかし、妻に説得され、
一度会ってみることにしました」
「しかし、会っている時の娘の表情、彼の考え方や態度を見て諦めました。託してもいいのだろうと、
しかも彼は娘が卒業したら、
改めて自分から告白すると言って、
それまでは、
友達以上彼女未満の関係で、
いさせてくださいと言っています。
私達夫婦の考えとしては何も問題ないと思っております」
二人はサラッと答えた。
いいよどむ事もなく、
自分たちの考えを述べた。
格好いい人達だ・・・。
「そうですか、
ありがとうございます」
「では、
犬飼さんのご両親はどうお考えで?」
「何の問題もないでしょう?
好きあっている二人が、
いるだけですね。
私にも娘がいるんですがね、
中1なんですけど娘より、
優里ちゃんの方が、
年上に感じますよ!」
笑いながら言う父さん。
「私も嬉しく思っております。
確かに優里ちゃんは小学生ですが、
しっかりしたお嬢さんですし、
息子も嬉しそうにしています」
母さんも援護してくれた。
「そうですか」
佐原さんはにこりと笑い、
「神崎さん?
ご両親も納得されていて、
本人同士も好きあっている様ですし、何も問題は無いのでは?」
「・・・一応校長先生からも、
ご意見を伺いたいのですが?」
「私は生徒同士の純粋な恋愛は、
自由だと思っています。
誰かを好きになる気持ち、
別れて悲しい気持ち、
それらを経験して生徒達は、
大人になっていくと思います。
学校という場所は、
勉強だけの場では無いのです」
俺は改めて大人の凄さを知った。
自分の考えを持ち、
しっかり人に伝える事が出来る。
俺もそういう大人になりたい。
「そうですね・・・。
聞かされていた話と、
少し違う様でして・・・。
この度は、
誠に申し訳ありませんでした・・・」
神崎さんが席を立ち、頭を下げる。
「いえいえ!
そんなことはないです。
こちらこそ誤解を、
招く様になってしまい、
申し訳ありませんでした!」
俺は立ち上がりそう言った。
「そう言って頂けると助かるわ。
犬飼くん」
そして、二時間弱の話し合いは、
終了し、解散となった。
駐車場にて、
皆で笑いながら話をした後、
車に乗り込み学園を後にする。
長い二時間だった。
精も根も尽き果てた。
家に帰るなり、凜が
「どうなったの!?」
「認めてもらえたよ」
「やったじゃん!」
「今日はありがとな」
「楽しかったからいいよ!」
そして、ゆっくりした後、
夕食等を済ませ、
自分の部屋に戻った。
「疲れたなぁ」
するとメッセージが来た。
優里ちゃんからで、
今日は凜お姉ちゃんと、
遊べて楽しかったです!
ごめんね?用事があって遊べなくて。
いいです!また今度遊んでください!
そうだね。約束するよ
はい!おやすみなさい!
おやすみ。
これからも優里ちゃんと、
一緒に歩いていける。
ただただ嬉しかった・・・。
少し泣いてしまった・・・。
もう、寝よう・・・。
ゆっくりと、
濡れた目を閉じていく・・・。
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