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出会いから告白まで

3話 告白

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土曜日の朝

学校は休みだ。

優里ちゃんに会えないのは少し残念だなと、
ふとおもう。

父さんはスーツを新調しに出かけ、

母さんは大掃除レベルで掃除をしていた。

凜は特に気にせず部屋でまったりしているみたいだ。

好意をもたれていることには気付いている。

しかし彼女はまだ小学生だ、憧れと好きを間違えてる可能性もある。

だが涼は同世代の子ということで考えてみろという。

もし彼女が同級生という仮定で考える・・・

目をつむり想像する・・・・

今までの事を振りかえる。

うん。間違いない。

大好きだわ!

黒髪ストレートで大人びた雰囲気で清楚!

「優人くん・・・。好きな女の子いる?」

とか

「好きな女の子のタイプは・・・?」

って、聞かれてんだろ!?

そんなん秒で好きになるわ!

こちとら健全な男子高校生だぜ!

しかし、実年齢は小学生・・・。

妹よりも年下・・・。
(あきらかに優里ちゃんのほうが大人っぽいが)

うーん。どうしたものか?

慕ってくれてるのは嬉しいし、妹の様に感じるのも事実だ。

色々考えていたら、あっという間に日がくれていた・・・。

その日の夕食

「いやぁ明日は楽しみだなぁ!その子の母親は美人さんなんだろ?」

父さんがのんきにビールを飲みそんな事を言う

「あらあら浮気ですか?貴方?」

「いやぁ俺は母さん一筋だぜ!でも美人さんを見るのは好きだ!これは男だから仕方ない!」

まあ父さんの気持ちはよく分かる・・・。

だが母さんと凜の冷たい視線が怖いので黙っておこう・・・。

沈黙は金なり・・・

「明日は2時頃に家にくるのよね?」

「そうだね。1時半くらいに学園で待ち合わせしてるよ」

「兄ちゃんの助けた子かぁー。どんな子なの?」

「凜より可愛くて大人びた子だよ」

「はぁ!?小学生でしょう!?負けないよ!」

どこからその自信が出てくるんだ?こいつは?

小学生の時に女の子にラブレターもらってたくせに、まあ、制服着て大人しくしてたら可愛いとは思うが。

「明日を楽しみにしときな」

「上等だよ!可愛い服着て出迎えてやるんだから」

こいつシャツとズボンしか持ってないんじゃないか?

話は盛り上がり、夕食がおわる。

俺は自分の部屋に戻り、ベッドにもぐりこむ。

明日かぁー・・・

優里ちゃんの笑顔を思い出すと、自然と笑顔になった。

これからも
仲良く出来るようになれればいいな。

そして眠りに落ちた。

日曜日の朝

色々と準備をしている内に昼になり、母さんに昼食が出来たわよと言われたので部屋を出る。

凜も同時にでてきたが、服装を見て驚いた。

ボーイッシュな服装ではなく春らしいピンクをメインにした上着にインナーは白いシャツ、スカートは白と黒のストライプ。

「どうよ・・・」

少し照れた凜。

「良く似合ってるよ。可愛いな。」

素直に感想を言ったら

凜はまたしてもローキックをかましてきた!

「いってーー!」

凜は黙って階段降りていった。

これは分かる。

あの質問に正解はない・・・

似合ってないと言っても同じ運命だ・・・

理不尽すぎる・・・

痛みをこらえて階段を降りると、

父さんも母さんも凜を褒めていた。

それを嬉しそうにする凜。

なんたる理不尽だ。

父さんと母さんも外出用の
服装に着替えていた。

昼食を終え約束の時間が近づいてくる。

「じゃあそろそろ行ってくるよ」

家を出る。

いつもの景色がかわって見える。

そうしている内に学園につき、
駐車場へ向かう。

まだ来てない様で少しまったが、

真っ白な車が駐車場に入ってきた。

綺麗な5人乗りの乗用車だ。

助手席から真矢さんが降りてきて、

「待たせちゃったかしら?」

上品な白いスーツでただでさえ綺麗なのに似合いすぎて困った。

この人を家へ招くのかと思うと、
場違いすぎる。

例えるなら普通の家に有名な彫刻が飾られていると言ったら伝わるだろうか?

「いえ僕もさっき来たところです」

なんとかそう答えると運転席から誰かが降りてきた。

高級感溢れる茶色のスーツを着こなし、若々しくもあるが威厳ある男の人だった。

「はじめまして。優里の父親の司慶だ。」

威圧感が半端ない・・・。

魔王か?この人は?

「はじめ、まして犬飼優人です・・・」

震える声で自己紹介をする。

「貴方?」

真矢さんが冷たい声で話しかける?

慶さんは少ししゅんとなった。

「娘を助けてくれてありがとう」

大分話しやすくなった俺は、

「いえいえ本当に当たり前の事をしただけですので・・・恐縮です」

慶さんはぐっとした顔をしたが、真矢さんが

「優里、出て来て挨拶しなさい」

後部座席から優里ちゃんがでてくる。

いつもの制服ではなく黒のブラウスに茶色のタイトスカート。長い黒髪は後ろで束ね、ポニーテールにしている。

俺はポカーンとしていた。

はぁ?

大人びた服装で恥ずかしそうにうつむいている優里ちゃんを見てこっちも恥ずかしくなる。

女の子は変わる。

俺は学んだ。

真矢さんが

「どう?優里の服装は?制服しか見てないから新鮮じゃない?」

はっと気付く。

「いつもの雰囲気と全然違ってびっくりしました。良くに似合っていて可愛いです。」

そういうと優里ちゃんは真っ赤になりまたうつむく。

真矢さんはニコニコしていたが、慶さんは何かを噛みしめているようにこちらをみていた。

「さあいきましょうか?優人くんも後ろに乗って?」

皆が車に乗り込み発進する。

道案内をしながらも俺はドキドキしていた。

チラッと優里ちゃんの方を見ると目があってしまう。

お互いふっと目をそらす。

きまずい・・・

家に到着すると、車を家の隣にある駐車スペースに停めてもらい、車を降りる。

俺は先導して

「どうぞ」

案内をする。

自分の家でチャイムを押すのも変な感じだったが、

ピンポーン

と鳴らす。

そうして扉を開くと家族が出迎えにきた。

家の母親が

「ようこそいらっしゃいました」

「突然のご訪問失礼します」

真矢さんが答える。

「立ち話もなんですからどうぞどうぞ」

母親がそういい

「では失礼します」

司さん一家が家へと入っていく。

和室の客間に案内をし、

「どうぞどうぞ座ってください」

父さんが言う。

「では失礼しまして」

慶さんが座り、真矢さんと優里ちゃんもそれに続く。

「では改めまして、司慶と申します」

「真矢です」

「優里です・・・」

「これはご丁寧に犬飼宗一です」

「純子です」

「凜です」

「優人です」

各、自己紹介が終わり和やかな談笑が始まる。

父さんは慶さんの名刺をもらうと

「いつもお世話になっております!」

「いえいえこちらこそ御社の製品には助けられております」

どうやら取引先のつながりがあるようだ。

「凜ちゃんは可愛らしいですね」

「いえ、そんなことは・・・」

凜は緊張してうまくしゃべれていない。

「優里ちゃんもなんて大人びた可愛い子なんでしょう。びっくりしました」

「ありがとうございます・・・」

優里ちゃんも緊張しているようだ。

俺はというとただひたすらに話を聞いているだけだった。

母さんが飲み物を用意して人心地がついたとき 

「このたびは娘を助けていただきありがとうございます。」

慶さん、真矢さん、優里ちゃんが頭を下げた。

「いやいやそんな息子も当たり前の事をしただけですし」

父親が答える。

「私達にとっては可愛い一人娘。当たり前の事といってくれますが、万が一何かあったらと思うと感謝の気持ちしかありません」

慶さんが続ける。

「その想い良くわかります。やはり子は可愛いものですから。その気持ち快く受けさせていただきます。」

父さんが答え、

「ありがとうございます」

慶さんが答える。

そうしてまたしばらく談笑が続き、父親同士

仲良く話しあい、母親同士も楽しく会話していた。

凜は優里ちゃんと仲良く話していた。

「優里ちゃん!かわいいね!いいなぁさらさらの黒髪憧れちゃうよー」

「凜さんも綺麗ですよ。それにスタイルもいいですし。」

「本当嬉しいなー!ねぇねぇ、お姉ちゃんって呼んでみて!」

「えっ・・・あのいいんですか?」

「いいからいいから!」

優里ちゃんは照れながら

「お、お姉ちゃん・・・」

「あぁーーーー!たまんない!」

優里ちゃんのほっぺたに自分のほっぺたをすりすりさせる。

「私、妹ほしかったんだよねー!」

「私もお兄さんやお姉さんがいたらなぁとおもいます。」

「えーあんまりいいもんじゃないよー。あーだこーだいってくるし、格好よくもないし」

好き勝手いいやがって。

「お兄さんは格好いいですよ・・・。優しいですし・・・羨ましいです・・・」

「兄ちゃん?優里ちゃんに何したの?脅迫でもしてるの?」

「してねーよ!お前は俺をなんだと思ってるんだ!」

などと話をしていたらあっという間に時間が過ぎていた。

「そろそろおいとましますか」

慶さんが言う。

「そうですね、そろそろ暗くなりますし。」

そうして解散のムードが漂って来た中。

「優里、言うことがあるんじゃないの?」

真矢さんが優里ちゃんに向かって言う。

優里ちゃんはプルプルとふるえながら顔を真っ赤にしていた。

少しの間、シーンとなった。

「優里、頑張りなさい。」

優里ちゃんは意を決した様に、
真っ赤な顔を俺に向けこういった。

「お兄さんが大好きです!恋人になってください!」

でかい爆弾を落とした。
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