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30話 幸せになろう

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 ローザが落ち着きを取り戻すと、リビングに布団を敷き、座布団を枕にして二人の抱き枕として身を寄せ合ってご休憩。
 だが触れ合うローザの身体が本気でやば過ぎた。

 なにこのお肉の柔らかさ。
 オパーイとは違った面性圧力に、我が軍は敗走を余儀なくされているだと!?
 だが撤退は許されない。
 なぜなら反対側から攻めて来たリシアは、そのオパーイと甘え上手による局地戦で圧倒的強さを誇り、二人の妻達に挟撃され、俺に逃げる場所など存在しないのだ!
 くそっ、夜戦になったら全力で反攻作戦を開始する! それまで持ちこたえてくれ我が理性そこくよ!!

 脳内で謎の防衛戦を展開しながらも、二人の甘えんぼうさんに腕枕をしながらその髪を撫でる。

 以前ローザを〝人を駄目にするクッション〟と評したのが児戯に等しく思える程のぷにぷに触感が、体の半面を包み込む。
 愛嬌のある顔立ちに慈母の如き笑み、そこに豊満な肉体による物理的な包容力が加わると、とてつもないママ味による破壊力を醸し出されていた。
 そんなだからか、俺に抱きついているリシアも恍惚とした表情でローザのお腹を触っていた。

 リシアさん、そのトリップ気味の顔でローザのお腹を揉みしだくの、少し怖いのでやめてください。
 それと亭主の方を見てくれないのは寂しいんですけど?
 
 だがそんな何かに夢中なリシアもかわいいと思っていると、リシアが俺の胸やら脇やらを洗い吐息ではむはむし始める。
 その行為が徐々に顔へと近付いてくると、やがて唇が重なり、自ら舌を挿し込んできた。
 突然スイッチが入った愛妻に、支えきれなくなった理性そこくが崩壊。
 二面同時作戦を余儀なくされた。

「ほら、ローザちゃんも」
「おいで、ローザ」
「でも……」

 俺とリシアとの淫らなキスを見せつけられ、俺の脇に頭を預けているローザが、赤面しながらもこちらを凝視している。
 興味はあるが怖気付いているといったところか。

「大丈夫だよ、ローザちゃん。トシオ様に任せておけば、初めてでもよくしてくれるんだから……」

 ローザが初めての濡れ場に戸惑っていると、リシアがイケない遊びに誘う。
 それでも前に出れないローザを、俺は下に寝かせて覆いかぶさる。

「ローザも十分過ぎるくらい綺麗で魅力的だよ」

 外見にコンプレックスを抱える少女の外見を好きだと肯定し、唇を重ねる。

「このムチムチしたお腹も波打つ太ももも、ふっくらとしたほっぺも、どれもむしゃぶりつきたくなる程おいしそうだよ」

 肉厚な唇を更に蹂躙し、そのわがままな肉体にしゃぶりつく。
 そこにリシアも加わって、二人でローザの体を愛してあげる。
 
「こんなの知りません、私知りませんわ……!」

 押し寄せる快楽の波に、ローザがイヤイヤと首を振るも、知らないのであれば教え込むまでだと、更に敏感な場所を刺激する。
 ローザが数度目の波にのまれたところで、快楽に緩み切った顔を覗き込む。

「綺麗だよローザ、愛してる」
「私なんかを本当に愛してくださるのですか?」
「ローザだから良いんだよ」
「私は幸せになってもいいのでしょうか?」
「いいんだよ、ローザちゃん。トシオ様ならきっと私たちを幸せにしてくれるわ」

 まだ不安を払しょくしきれていないローザに、何度も唇と優しくついばみ、リシアと共に肯定し続ける。
 恋人同士の甘く緩やかな優しいキスと共に愛情を植え付けた。


「トシオ様、私の事も忘れちゃ嫌です……」

 ローザとの行為を終えたばかりの俺に、休むことを許さないとリシア。

「我慢できなくなっちゃったの?」
「……トシオ様は意地悪です……」
「ごめんごめん、愛してるよ」
「私もです……」

 そんな愛おしくも淫らな新妻を激しく愛し、逆に返り討ちにしてさしあげた。 

 ―――どちらも最高でした。

 その後のピロートークだが、しばらく会話的なものは殆どなく、二人が俺へと交互に口づけをしては3人で肌を寄せ合いイチャイチャするだけだった。
 そしてそれも落ち着いたところで、俺は自分の素性を二人に話す。
 今までの簡単な生い立ちや、この世界に飛ばされてきた事を。

「大変だったのですね」
「さぞ心細かったのでは……」

 二人から気遣いを受ける。

 以外にもすんなり受け入れられたなぁ。

「初日からリベクさんに拾ってもらえたからそうでもなかったよ。何よりずっとそばにリシアが居てくれたからね。4人の中では運が良い方だよ」

 むしろ今一番心配なのはシンくんだ。
 もう所持金も尽きかけているだろうし、明日狩りに行かねば食事にもありつけなくなるかもしれないからだ。

「では、私を助けてくださったのって」
「ここに来て数時間しか経ってなかったかな?」
「あれがトシオ様にとって初めての実戦だったのですね……」
「まぁそうなるね」
 
 リシアが自分のせいで俺を危険に巻き込んだ事を知り心を痛める。

「でも今はこうして二人と居るんだから、結果良ければってやつかな」

 優しい少女の頭を撫で、心の痛みを取り除く。

「では、その御友人の方と再会するのが、当面の目標という事でよろしいですね?」
「うん、今のところ遠い道のりだから、再開できる見込みが全く立っていないけどね」

 リシアの質問に答えると、ローザが浮かない顔で口を開く。

「あの……、もし元の世界に戻る手段が見つかった場合、トシオさんはどうされるおつもりですか……?」
「どうもしないかな」
「どうもされない……のですか……?」
「うん。もう両親は居ないし、向こうの世界にはさほどの未練はないし」

 おっかなびっくりと言った様子のローザは、俺と話すのにまだ慣れない様子。
 これからは毎日スキンシップを取って、徐々に解していこう。
 まぁ一応アニヲタなだけに、アニメや漫画に関しては少しだけ未練がなくもないが、二人と比べたら些末事だ。

 あーでも、機甲兵装ヴァルガラックの16話以降がどうなったのかだけは、少し気になるな。

「それとこれが一番大きな理由だけど、二人が居てくれるだけで、俺が向こうに戻る全ての理由が霞んでしまう。二人を残して戻るとかも絶対にあり得ないよ」

 アニメへの想いを振り払いそう告げると、二人は安堵の表情を浮かべ、全力で抱きしめてくれた。
 妻達の愛情が心地良い。



 リシアとローザに昼食を作ってもらっていると、いつの間にか居なくなり、いつの間にか戻ってきていたルーナを合わせ、3人と1匹で平らげてから話し合いに入いる。
 1匹は話が始まる前にまたまた部屋から出て行ったが。
 二足歩行のルーナが、座布団を爪に引っ掛け引きずっていく姿が愛らしかった。
 さすがリアル猫神様。

「今後のことだけど、まずPTの増員を考えて新しく女性、もしくは魔物を迎え入れる。当然二人と相性が合わない場合は即外す」

 二人が納得し、頷くのを確認してから話を続ける。

「それとローザには戦いよりもこの家の事を任せたい。家を任せられる人が居てくれると何かとありがたいからね」
「そうですね、ローザちゃんが家に居てくれたら、私もすごく安心するわ」
「……常にトシオさんの傍に居られないのは残念ですが、少しでも二人の支えになれるように家でがんばりますわ」

 真剣な眼差しで頷くローザ。

 聞き分けが良くて助かった。
 しかし、家に帰ったら愛する嫁と暖かい食事が待つ家とか、男のロマンの一つでは無いだろうか。
 それだけでがんばれると言うものだ。

 そういう意味では、彼女の家庭的な部分は貴重である。

「一応話も決まったことだし、今からリベクさんに挨拶しに行かなきゃだね」
「そうですね。きちんと報告された方が、リベクさんも安心なさるでしょうし」
 
 リシアも同意する。
  
 俺が親なら今この瞬間も気が気じゃないだろう。
 ならリシアの言う通り、さっさと行って安心させてやらなきゃいけない。
 あと、リシアのリベクさんの呼び方が旦那様からリベクさんに変わったのは、彼の庇護下から出た故か。

「ローザ、リベクさんやジョゼットさんの好物とか知ってる?」
「東通りにある有名なパン屋のカステラが大好きです。なんでも二人にとって思い出の食べ物だと昔聞いたことがありますわ」
「あそこのカステラは甘くて香ばしく、男性にも人気です。生クリームの乗ったプティングも美味しいですよ」
「チョコレートドーナツも絶品ですわ」

 二人の女の子が甘未に思いを馳せながら目を輝かせる。
 やはり仲の良い女性が二人いるだけでかしましいが、リシアの声は脳が溶けそうなほどに心地よく、ローザの声は穏やかで心が落ち着く。

「そこでカステラを買って行こうか」

 ついでに二人にもプリンを食べさせ、旦那としての株を上げる計画を脳内で立案すると、ルーナに留守番を頼んでその店に案内してもらった。

 お店で食べたプリンはやや固く、卵の濃い味わいと甘い生クリームがマッチしてとても美味かった。

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