上 下
95 / 102
後日談

後日談:呼び名   *R18

しおりを挟む

 

 シリウス様のお願いはなるべく聞いてあげたいと思う。シリウス様は、いつもリーディアを甘やかしてくれるから、自分も彼を甘やかしてあげたい・・・。だが、どうしても難しい事がある。

 それは、呼び名だ。


 結婚しても、子ができても、どうしてもシリウス様をシリウスとは呼べない。
 シリウス様を思っていた時期が長いせいもあるためか、シリウスと、呼び捨てにする事を許さない自分がいる。


 シリウス様には2人の時間の際に、様はつけずに呼んでほしいと言われたりもしたが、結局呼べずに何年も過ぎてしまった。


 シリウス様は名を呼んでほしいのだろうが、呼んでしまう事での変化が気になり出来なかった。


だが、身内での集まりの際に、レティシアにも言われたのだ。
 2人の時にまで、まだ様を付けているのかと・・・それをシリウス様がいるところで言うため、シリウス様から熱い期待の籠った眼差しを向けられた。
 

 普段ない眼差しは、ときめくくらいの威力だ。


 けれどやっぱり、言えなかった。


 あの頃と変わらず、いや、より愛されていると自覚はあるが、やはり、なかなか呼び名は変えられない。変えた事で、何が変わるわけではないかもしれないが、あの頃の事を忘れられそうで、変わってしまえば元に戻れない気がして声がでなかった。


 そして、珍しくシリウス様がお酒に酔われ様で、兄に肩を担がれ帰ってきた。
 
「ディア、こいつはだいぶ、辛抱強く待ったみたいだが、限界みたいだぞ。そろそろ名前を呼んでやれ、何が気になってるんだ」
 兄はシリウスを部屋まで運んでくれる。


「・・・・・・何故、今までの呼び方ではいけないのですか。私は変わりたくないんです」
 

「今までもいろんな変化があっただろう・・・それにこいつと夫婦になったのは変化があってこそだろう」
 兄の言い分もわかるのだが、やはり受け入れる気持ちにはなっていない。


「でも、変わりたくないものもあります」


「お前も頑固だな・・・」
 兄は腕を組み、仕方ないなと言った感じでため息をついた。

「お兄様に言われたくありません。シリウス様を送っていただきありがとうございます。今日はお帰りください」 
 兄と話しても、説き伏せようとするだけだとリーディアはシリウス様がいる寝室へ向かった。


 珍しく酔ったシリウス様を介抱する。シリウス様にお水を飲ませるのを介助して、服を脱がせてガウンに着替えをさせる。


 なんとか言われるままにシリウス様は着替えをされるが、酔っているのかふらふらだ。
「シリウス様・・・しっかりしてください」

 シリウスはリーディアの膝に倒れ込み腰に腕を回してきた。
「シリウス様ッ」


「ちゃんと呼ばれるまで、離さないからな・・・」
 ちょっと呂律が回らない感じで言われる。こんな感じになるのは初めてでリーディアは戸惑った。
 

「それとも、離れてほしくはないのか?」
 甘えるようにリーディアを見上げてくる。


「~~ッ」
  

「私はディアに、名だけで呼ばれたい」
 シリウス様は手を伸ばしてきて、リーディアを引き寄せた。膝枕をしている体勢で引き寄せられ、口付けされる。


「んッ」
 口内を蹂躙され、舌を絡めとられる。


「この、君の口から・・・」
 シリウス様はリーディアの唇を舐め、指でなぞってくる。いまつにも増して、シリウス様の行動に翻弄されてしまう。


「んんッ、やっ」


 シリウス様は、リーディアの夜着に手をかけてきた。
「おねだりもだめなら・・・お仕置きだな。今日はディアが言うまでやめない・・・」


「シリウス様ッ」
 シリウス様の力は酔っていても強いく、リーディアの抵抗は意味はない。リーディアの夜着はすぐに胸元を肌けさせられ、うなじに顔を埋めて舐めあげられた。


「やッ、首はッ、だめッん」
 シリウス様は執拗にリーディアの弱い所を刺激する。舐め上げられながら、曝け出された乳房を持ち上げられ、指で先端を捏ねくりまわされる。


「一緒ッ、嫌っ」


「嫌じゃないだろう・・・。いつも嫌がるから、しつこくはしないが今日はお仕置きだからな。ディアのここを、ずっといじっていじめてみようか・・・」
 シリウス様は宣言通り執拗にリーディアの先端を弄り続けた。


「もうッやっ・・・許してッ」


「今日は泣いてもやめない・・・ディア、頼む。よんでくれ」
 シリウス様はなんだか切実な表情をしている。こんな顔をさせたいわけじゃなかったのたが、こんなにも気にされているとは思わなかった。
 シリウス様に刺激され続けて、奥からトロリと愛液が溢れだす。 


「もうッシリウス様・・・ッ下さい」


「なら、相応のいい方があるだろう・・・私が望んでいるな」
 リーディアがなかなか言えずにいると、シリウス様は秘部に触れ指で中を掻き回してきた。

 だが、指1本での刺激では足りずに腰が揺らめく。

「足りないのだろう?・・・言えば、ディアがほしいものをやる」
 シリウス様は、リーディアに軽く刺激を与えながら片手で乳房を揉み見下ろしてくる。


 片手で乳房を揉みしだかれながら、片方もシリウス様の舌で食まれる。先端には直接の刺激がなく、避けられるように周りばかり舐められた。もどかしく、直接の刺激が欲しくて堪らなかった。


 生理的に涙が溢れ、シリウス様の表情が変わる。すぐに目尻にキスをして吸い取られ、頬へ手が添えられる。
「本当は、泣かせたいわけじゃない・・・意地悪すぎか?嫌だったか?」


 涙は嫌で、でたわけでなく、生理的なものだったのだが・・・結局泣いてもやめないと言われたが、やはりシリウス様はあまい。本当に泣けば、リーディアを気にして無理にすすようとはしないのだ。


「意地悪ですけど、嫌いにはなれません。だって・・・・・・シリウスを愛してますから」

 リーディアの涙を拭うシリウスの手に、頬擦りするように擦り寄る。シリウス様はリーディアに呼ばれて嬉しいのか、幸せそうなはにかむような笑みを浮かべた。


 リーディアの方が恥ずかしくなるくらいの笑みに、リーディアの頬の赤みも増してしまう。


「私も勿論愛しているよ」
そしてシリウスは、リーディアの蕩けきった中に自身を沈めた。


「ッん」


「・・・ありがとうディア」
 いつもより質量が増していて、既にシリウス様は限界なんだと感じる。リーディアはシリウスに奥を突かれて、高みに登らされていった。


「あッ、んっ、いきそう、ですッ、一緒にぃッ、シリウスッ」


「くッ、」
 リーディアはシリウスの名を呼び、シリウスはリーディアの最奥に精を注ぎこむのだった。




 だが、シリウスと呼ぶのはこの時だけで、日頃は今までのように様付けで呼ぶのは変わらなかった。
 名を呼んだ時に、シリウス様はたびたび、あの時の表情をされてしまうので、リーディアが耐えられなかったのと、周りにはシリウス様のあの表情は見せたくないと思ったからだ。
 時々は情事の時に呼ぶ事で話はついて、シリウス様は満足気だ。
 
 リーディアは結局、シリウス様には弱いなぁと、惚れた弱みだなと思うのだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

米国名門令嬢と当代66番目の勇者は異世界でキャンプカー生活をする!~錬金術スキルで異世界を平和へ導く~

だるま 
ファンタジー
ニューヨークの超お嬢様学校に通うマリは日本人とアメリカ人のハーフ。 うっとおしい婚約者との縁をきるため、アニオタ執事のセバスちゃんと異世界に渡ったら、キャンプカーマスタースキルと錬金術スキルをゲット!でもフライパンと銃器があったら上等! 勇者だぁ!? そんなん知るか! 追放だ! 小説家になろうでも連載中です~

冷徹御曹司と極上の一夜に溺れたら愛を孕みました

せいとも
恋愛
旧題:運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜 神楽坂グループ傘下『田崎ホールディングス』の創業50周年パーティーが開催された。 舞台で挨拶するのは、専務の田崎悠太だ。 専務の秘書で彼女の月島さくらは、会場で挨拶を聞いていた。 そこで、今の瞬間まで彼氏だと思っていた悠太の口から、別の女性との婚約が発表された。 さくらは、訳が分からずショックを受け会場を後にする。 その様子を見ていたのが、神楽坂グループの御曹司で、社長の怜だった。 海外出張から一時帰国して、パーティーに出席していたのだ。 会場から出たさくらを追いかけ、忘れさせてやると一夜の関係をもつ。 一生をさくらと共にしようと考えていた怜と、怜とは一夜の関係だと割り切り前に進むさくらとの、長い長いすれ違いが始まる。 再会の日は……。

ふたりは片想い 〜騎士団長と司書の恋のゆくえ〜

長岡更紗
恋愛
王立図書館の司書として働いているミシェルが好きになったのは、騎士団長のスタンリー。 幼い頃に助けてもらった時から、スタンリーはミシェルのヒーローだった。 そんなずっと憧れていた人と、18歳で再会し、恋心を募らせながらミシェルはスタンリーと仲良くなっていく。 けれどお互いにお互いの気持ちを勘違いしまくりで……?! 元気いっぱいミシェルと、大人な魅力のスタンリー。そんな二人の恋の行方は。 他サイトにも投稿しています。

【R18】聖なる☆契約結婚

mokumoku
恋愛
東の聖女セラフィナは西の聖騎士クライドと国同士の友好の証明のために結婚させられる。 「これは契約結婚だ。……勘違いするな、ということです。この先、何があったとしても」 そんな夫は結婚初日にそう吐き捨てるとセラフィナの処女を「国からの指示だ」と奪い、部屋を出て行った。 一人部屋に残されたセラフィナは涙をポツリと落としはせずに夫の肩に噛みついた。 聖女として育ったわんぱく庶民セラフィナと謎の聖騎士クライドの契約結婚生活がはじまる。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

つがいの皇帝に溺愛される幼い皇女の至福

ゆきむら さり
恋愛
稚拙な私の作品をHOTランキング(7/1)に入れて頂き、ありがとうございます✨ 読んで下さる皆様のおかげです🧡 〔あらすじ〕📝強大な魔帝国を治める時の皇帝オーブリー。壮年期を迎えても皇后を迎えない彼には、幼少期より憧れを抱く美しい人がいる。その美しい人の産んだ幼な姫が、自身のつがいだと本能的に悟る皇帝オーブリーは、外の世界に憧れを抱くその幼な姫の皇女ベハティを魔帝国へと招待することに……。 完結した【堕ちた御子姫は帝国に囚われる】のスピンオフ。前作の登場人物達の子供達のお話に加えて、前作の登場人物達のその後も書かれておりますので、気になる方は是非ご一読下さい🤗 ゆるふわで甘いお話し。溺愛。ハピエン♥️ ※設定などは独自の世界観でご都合主義となります。

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

処理中です...