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3.パーティ
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後日、招待状に記された通り、2人は互いの妹とパーティに参加した。
騎士団団長ジルベルトのパートナーであるリーディアは兄の希望もあり、ドレスは動きやすいシルエットのマーメイドドレスにスリットが入ったものを選んだ。色は特に指定されなかったため、シリウス様の瞳の色にしたのは、兄には内緒だ。
招待状が届き、妹同伴の指定に、兄にダンス勝負をするのだと聞かされた。リーディアはダンスは嫌いではないが、あまり重要視はしておらず、いつもそつなくこなす程度しかしてこなかった。
しかし、勝負にこだわる兄はリーディアにダンスの練習を強要した。難しく、テンポの速いダンスがこなせるように、この2週間猛特訓されのだ。
リーディアは運動神経がよかったためか、兄の指導がよかったのか、練習では問題なく踊るようになっていた。
踊れるようになったが、シアの方が自分よりダンスが上手いというのは理解しているため、不安はあった。
それにダンスのうまさを誰がどのように勝負をきめるのかもわからなかったため、負けた場合の兄の機嫌が悪くなる事を考え憂鬱になった。
パーティにはすでに、魔導師団団長シリウスと、パートナーのレティシアが来ていた。レティシアもリーディア同様、ジルベルトの瞳の色のドレスを身につけていた。
お互いに目で、似た者同士だとアイコンタクトし口元が緩んだ。
「やっときたか、ジルベルト。遅かったから、来ないのかと思ったぞ」
シリウスはジルベルトと対峙し睨み合った。シリウスもレティシアとダンスをあわせてきたのだろう、自信溢れる様子だ。
「時間には別に遅れたりはしていないさ。お前が気がせいて、早く来すぎたのだろ」
ジルベルトも相変わらず反論している。
リーディアもレティシアも、相変わらずの仲の悪さに呆れている。
しかし、今後この状態が続くとお互いまずい。
レティシアはジルベルトと婚約する予定であるし、リーディアはシリウスに想いをよせているのだから。2人が仲良くとはならずとも、ある程度普通に接することができるようになればと願うばかりだ。
「お兄様、少しディアと話したいから席を外すますね」
レティシアは、リーディアを2人から離れた。レティシアがいなくなったことに気付かず、2人相変わらず言い合いを続けている。
レティシアは飲み物をリーディアに手渡し、壁側まで誘導した。
「本当、お兄様たちには困ったものね。ジル様も私の兄とも義理の兄になるのだから、少しは仲良くするようにしてほしいものだわ。それにしても、今回は皇太子殿下からの招待状に妹同伴とか、さらに仲を悪化させる気なのかしらね」
レティシアは御立腹のようだ。だか、相変わらず表情にはあまりださない。
「皇太子殿下は兄達の学園でのご友人でもありますから、悪化させるのが目的ではないとおもうのですが、白黒つけさせるのが目的なのか、だだの余興なのか、いつも笑みを崩されない方なので、お考えを推測するのは難しいですね」
リーディアも考えていたことだか、皇太子殿下の考えることはいつも突然の思いつきのようなものだと認識しており、その思いつきに裏の意味があるのかは想像は難しかった。
「それにしても、今日は私がデザインしたドレスにしてくれたのね。とってもにあってるわ。本当にディアはモデル体型で羨ましいわ。わたしももっと胸があって、背が高かったらよかったのに。お兄様の色のドレスがとっても似合ってて・・・にやけちゃうわ」
レティシアは扇子を広げ口元を隠した。
「そっそれは、シアだって同じでしょ。お兄様との事がばれたらまだ、だめなんじゃないの?」
リーディアは小声で周りに視線をむける。
「まぁばれたらばれたで・・・、お兄様の対応がたいへんなだけだから、なるべくばれなきゃいいのよ」
と、ウインクする。
そんなレティシアを見て、リーディアは羨ましく思うのだ。いつか、自分も好きな人と、シリウスと踊れたらと・・・。
シリウスも、ジルベルトも、基本は身内か、断れない格上の貴族としか踊らない。公爵家同士であってもシリウスは、ほとんどシアとしか踊らないのだ。
しかし、その夢は、皇太子殿下の登場で、叶う事になる。
騎士団団長ジルベルトのパートナーであるリーディアは兄の希望もあり、ドレスは動きやすいシルエットのマーメイドドレスにスリットが入ったものを選んだ。色は特に指定されなかったため、シリウス様の瞳の色にしたのは、兄には内緒だ。
招待状が届き、妹同伴の指定に、兄にダンス勝負をするのだと聞かされた。リーディアはダンスは嫌いではないが、あまり重要視はしておらず、いつもそつなくこなす程度しかしてこなかった。
しかし、勝負にこだわる兄はリーディアにダンスの練習を強要した。難しく、テンポの速いダンスがこなせるように、この2週間猛特訓されのだ。
リーディアは運動神経がよかったためか、兄の指導がよかったのか、練習では問題なく踊るようになっていた。
踊れるようになったが、シアの方が自分よりダンスが上手いというのは理解しているため、不安はあった。
それにダンスのうまさを誰がどのように勝負をきめるのかもわからなかったため、負けた場合の兄の機嫌が悪くなる事を考え憂鬱になった。
パーティにはすでに、魔導師団団長シリウスと、パートナーのレティシアが来ていた。レティシアもリーディア同様、ジルベルトの瞳の色のドレスを身につけていた。
お互いに目で、似た者同士だとアイコンタクトし口元が緩んだ。
「やっときたか、ジルベルト。遅かったから、来ないのかと思ったぞ」
シリウスはジルベルトと対峙し睨み合った。シリウスもレティシアとダンスをあわせてきたのだろう、自信溢れる様子だ。
「時間には別に遅れたりはしていないさ。お前が気がせいて、早く来すぎたのだろ」
ジルベルトも相変わらず反論している。
リーディアもレティシアも、相変わらずの仲の悪さに呆れている。
しかし、今後この状態が続くとお互いまずい。
レティシアはジルベルトと婚約する予定であるし、リーディアはシリウスに想いをよせているのだから。2人が仲良くとはならずとも、ある程度普通に接することができるようになればと願うばかりだ。
「お兄様、少しディアと話したいから席を外すますね」
レティシアは、リーディアを2人から離れた。レティシアがいなくなったことに気付かず、2人相変わらず言い合いを続けている。
レティシアは飲み物をリーディアに手渡し、壁側まで誘導した。
「本当、お兄様たちには困ったものね。ジル様も私の兄とも義理の兄になるのだから、少しは仲良くするようにしてほしいものだわ。それにしても、今回は皇太子殿下からの招待状に妹同伴とか、さらに仲を悪化させる気なのかしらね」
レティシアは御立腹のようだ。だか、相変わらず表情にはあまりださない。
「皇太子殿下は兄達の学園でのご友人でもありますから、悪化させるのが目的ではないとおもうのですが、白黒つけさせるのが目的なのか、だだの余興なのか、いつも笑みを崩されない方なので、お考えを推測するのは難しいですね」
リーディアも考えていたことだか、皇太子殿下の考えることはいつも突然の思いつきのようなものだと認識しており、その思いつきに裏の意味があるのかは想像は難しかった。
「それにしても、今日は私がデザインしたドレスにしてくれたのね。とってもにあってるわ。本当にディアはモデル体型で羨ましいわ。わたしももっと胸があって、背が高かったらよかったのに。お兄様の色のドレスがとっても似合ってて・・・にやけちゃうわ」
レティシアは扇子を広げ口元を隠した。
「そっそれは、シアだって同じでしょ。お兄様との事がばれたらまだ、だめなんじゃないの?」
リーディアは小声で周りに視線をむける。
「まぁばれたらばれたで・・・、お兄様の対応がたいへんなだけだから、なるべくばれなきゃいいのよ」
と、ウインクする。
そんなレティシアを見て、リーディアは羨ましく思うのだ。いつか、自分も好きな人と、シリウスと踊れたらと・・・。
シリウスも、ジルベルトも、基本は身内か、断れない格上の貴族としか踊らない。公爵家同士であってもシリウスは、ほとんどシアとしか踊らないのだ。
しかし、その夢は、皇太子殿下の登場で、叶う事になる。
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