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第80話 茹でカニ
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藤和さんと話が一段落ついたところで一旦、自宅に戻り玄関を開けると、トタトタという音と共に桜とフーちゃんが玄関まで迎えにきてくれた。
「おじちゃん……」
桜が何かを訴えたいかのような目をしている。
そして――、フーちゃんも目をウルウルとさせていた。
これは、まさか……。
俺が居なくて寂しかったというアレなのか?
やれやれ――、おじちゃんも忙しいんだぞ? と、内心、ほんの少しだけ優越感に浸ってみる。
「――お腹空いたの……。今日はカニなの?」
「ワンワン!」
「……そ、そうだな。夕食の用意でもするか」
分かっていた。
分かっていたさ。
店までは歩いて1分も掛からない距離だから。
だけど、少しくらいは夢を見させてくれてもいいと思うんだよな。
「とりあえず、カニを茹でるか」
俺の言葉に桜とフーちゃんが頷いてくる。
犬は、加熱した物ならカニは食べられるから、今日のフーちゃんの夕飯はタラバガニの茹でたのになる。
かなり豪華な代物だ。
「……………………ドッグフードでいいか?」
「ガウガウ!」
フーちゃん、怒りの舞いを見せてくる。
具体的には、俺の足元でピョンピョンと飛び跳ねるだけだが――。
「分かった、わかった。カニを食べさせてあげるから」
まったく――、まるで人間の言葉が分かるかのようにリアクションを取るのは本当にやめてほしい。
「おじちゃん、何か手伝うことある?」
「火を使うから、居間で待っていればいいから」
これで火傷なんてさせたら、妹に顔向けができない。
それでも、その内――、料理の仕方を教えないといけないな……。
ただ、俺が教えようとするとカップ麺かレトルトか素麺かホットケーキになるが……。
「あれ?」
もしかして俺って料理が殆どできないのでは……。
カニを茹でるくらいなら、インターネットで料理の検索をしたから簡単に出来るが――、それ以外の料理はからっきしだ。
少し料理の勉強をした方がいいな……。
そんな事を少しだけ思いつつも――、俺は大きな鍋を用意して水を注ぐ。
そして塩を入れたあと沸騰させカニを入れてから落し蓋をして中火で放置。
「――さて」
冷蔵庫から麦茶が入ったピッチャーを取り出す。
そしてコップを持ったまま居間に入ると、フーちゃんと桜が遊んでいた。
「フーちゃん! 空中で回転!」
「わう!」
俺の見ている前で、フーちゃんは柱に爪を立てながら垂直に走っていくと天井の梁に向かって跳躍。
天井までの高さは、4メートル近くあるので、別に飛んでも問題ないが――。
「――ん?」
――目を擦る。
一瞬、フーちゃんが空中を足場にして2段ジャンプをしたかのように見えたが……、気のせいだよな……?
きっと長時間運転で目が疲れているのかも知れない。
自分にそう言い聞かせていると――、天井スレスレまでジャンプをしたフーちゃんは、そのあと空中でクルクルと回転しながら桜の頭の上にポフッという音と共に乗っかった。
「ふむ……」
「――あ……。お、おじちゃん!? こ、これは――」
どうやら俺に見られていたことに気が付いた桜が慌てるが何故に慌てるのかサッパリ分からない。
「最近の犬は、身体能力がすごいんだな」
さすがは異世界の犬。
柱を登っていくとは驚きだ。
これが飼いならされている日本犬との差なのかも知れない。
「――う、うん……」
「まぁ、それはいいとして――、カニが出来るまで20分くらい掛かるから、しばらく待ちだな」
2人では食べきれない量のカニを買ってきた。
冷凍庫に入れても良いと思ったが深夜を通して作業をしてくれるのだから、英気を養ってもらうとしよう。
美味しい料理は活力の源だろうし。
「そうなるとアレか?」
「おじちゃん?」
「いや――、ちょっとな」
昔に高校時代に使ったキャンプセットが、親父の日誌を見つけた物置部屋にあったはず。
かなりのカニの量があるし、藤和さんだけでなく差し入れとして焼きカニや茹でカニを振る舞うとしよう。
物置と化している部屋に行く。
そして――、そんな俺の後ろをトコトコと桜と、フーちゃんが付いてくる。
「おじちゃん、どこにいくの?」
「キャンプ用品を取りにいくんだよ」
「キャンプ? 山に行くの?」
「――いや」
俺は、答えつつ物置部屋の戸を開けた後、電気をつける。
中には親父や母親が暮らしていた時に使っていた物で、処分しきれていない物が所狭しと置かれていた。
「――さて……」
部屋の中を物色していくと、すぐにキャンプセットが見つかる。
「おじちゃん、それは?」
「これは、ステンレスグリルって言うものだよ。あとは……、あったあった、これだな」
「これ重いの……」
「ほら、ケガするから危ないぞ」
俺は、キャンプで使う際のバーベキューセットが入った箱の上に木炭が入った段ボール箱を載せて持ち上げる。
そして、部屋から出たあと台所を通る際に――。
「桜、戸棚から割り箸と紙のお皿と紙コップを出してくれるか?」
「うん」
桜が紙のお皿とコップと箸を戸棚から出している間に冷蔵庫から、麦茶の入ったピッチャーを2個出して木炭が入った段ボール箱の上に載せる。
「これでいいの?」
「それじゃ、この上に載せてくれるか?」
持ち上げている段ボールの上に載せてくれるように頼むが、
「桜も一緒に持っていくの!」
「わん!」
どうやら、桜もフーちゃんも興味に駆られたのか一緒に着いてくる模様。
まぁ、反対する理由もない。
「それじゃいくか」
「うん!」
「わん!」
家を出たあと、月山雑貨店の――、駐車場まで行ったところで丁度、店から藤和さんが出てきた。
「月山様、夕飯は済んで――」
途中まで言いかけたところで、俺と桜が手に持っている物を見て藤和さんが首を傾げる。
「藤和さん。少し休憩にしませんか? 丁度、夕飯時ですし……」
「――ですが……、時間的に――」
「作業員の英気を養うのも雇用主の気配りだと思いますので、どうでしょうか? 作業が遅れた分に掛かる人件費は自分が持ちますので……」
俺の言葉に、藤和さんが逡巡(しゅんじゅん)すると、店舗内を見たあと。
「分かりました。それで、見た感じ何かを調理するように見受けられますが?」
「はい。実は札幌に行ってきたのですが――」
「それは踝様より伺っております」
「カニを大量に買ってきました」
「――そ、それは……、つまり……」
「皆さんでカニを食べませんか? 飲み物に関しては麦茶になってしまいますが」
提案した内容に藤和さんが、唇に人差し指を当てると、「本当に、いいのでしょうか? 決して安いお値段では……、それに私のところのスポットのアルバイトだけですと……」
「もちろんトラックの運転手の方にも、それどころか、いま此処にいる全ての人で食事をしましょう! 人数が多い方が食事は美味しいですから」
「分かりました。そこまでおっしゃられるのでしたら」
「おお、五郎。そんな物を持ってどうしたのだ?」
俺と藤和さんが話している事に気が付いた田口村長が店から出てくると近づいてくる。
「いえ、じつは休憩がてらバーベキューでもしようかと」
「ほう! それなら儂が炭に火をつけておくから食材の用意をしてきなさい」
「分かりました。――それでは、よろしくお願いします」
「桜、食材を取りに戻るぞ」
「うん」
家に戻る途中、「おじちゃん、皆って桜も一緒に食べていいの?」と、桜が話しかけてくるが――。
「ああ、皆でご飯を食べると美味しいからな」
「パーティなの?」
「カニパーティだ!」
家に戻ったあとは、茹でてあったカニ。
そして、冷凍して少しずつ消費しようと思っていた生のカニが20匹。
それらを発砲スチールの箱に入れて月山雑貨店の駐車場まで戻る。
「おじちゃん……」
桜が何かを訴えたいかのような目をしている。
そして――、フーちゃんも目をウルウルとさせていた。
これは、まさか……。
俺が居なくて寂しかったというアレなのか?
やれやれ――、おじちゃんも忙しいんだぞ? と、内心、ほんの少しだけ優越感に浸ってみる。
「――お腹空いたの……。今日はカニなの?」
「ワンワン!」
「……そ、そうだな。夕食の用意でもするか」
分かっていた。
分かっていたさ。
店までは歩いて1分も掛からない距離だから。
だけど、少しくらいは夢を見させてくれてもいいと思うんだよな。
「とりあえず、カニを茹でるか」
俺の言葉に桜とフーちゃんが頷いてくる。
犬は、加熱した物ならカニは食べられるから、今日のフーちゃんの夕飯はタラバガニの茹でたのになる。
かなり豪華な代物だ。
「……………………ドッグフードでいいか?」
「ガウガウ!」
フーちゃん、怒りの舞いを見せてくる。
具体的には、俺の足元でピョンピョンと飛び跳ねるだけだが――。
「分かった、わかった。カニを食べさせてあげるから」
まったく――、まるで人間の言葉が分かるかのようにリアクションを取るのは本当にやめてほしい。
「おじちゃん、何か手伝うことある?」
「火を使うから、居間で待っていればいいから」
これで火傷なんてさせたら、妹に顔向けができない。
それでも、その内――、料理の仕方を教えないといけないな……。
ただ、俺が教えようとするとカップ麺かレトルトか素麺かホットケーキになるが……。
「あれ?」
もしかして俺って料理が殆どできないのでは……。
カニを茹でるくらいなら、インターネットで料理の検索をしたから簡単に出来るが――、それ以外の料理はからっきしだ。
少し料理の勉強をした方がいいな……。
そんな事を少しだけ思いつつも――、俺は大きな鍋を用意して水を注ぐ。
そして塩を入れたあと沸騰させカニを入れてから落し蓋をして中火で放置。
「――さて」
冷蔵庫から麦茶が入ったピッチャーを取り出す。
そしてコップを持ったまま居間に入ると、フーちゃんと桜が遊んでいた。
「フーちゃん! 空中で回転!」
「わう!」
俺の見ている前で、フーちゃんは柱に爪を立てながら垂直に走っていくと天井の梁に向かって跳躍。
天井までの高さは、4メートル近くあるので、別に飛んでも問題ないが――。
「――ん?」
――目を擦る。
一瞬、フーちゃんが空中を足場にして2段ジャンプをしたかのように見えたが……、気のせいだよな……?
きっと長時間運転で目が疲れているのかも知れない。
自分にそう言い聞かせていると――、天井スレスレまでジャンプをしたフーちゃんは、そのあと空中でクルクルと回転しながら桜の頭の上にポフッという音と共に乗っかった。
「ふむ……」
「――あ……。お、おじちゃん!? こ、これは――」
どうやら俺に見られていたことに気が付いた桜が慌てるが何故に慌てるのかサッパリ分からない。
「最近の犬は、身体能力がすごいんだな」
さすがは異世界の犬。
柱を登っていくとは驚きだ。
これが飼いならされている日本犬との差なのかも知れない。
「――う、うん……」
「まぁ、それはいいとして――、カニが出来るまで20分くらい掛かるから、しばらく待ちだな」
2人では食べきれない量のカニを買ってきた。
冷凍庫に入れても良いと思ったが深夜を通して作業をしてくれるのだから、英気を養ってもらうとしよう。
美味しい料理は活力の源だろうし。
「そうなるとアレか?」
「おじちゃん?」
「いや――、ちょっとな」
昔に高校時代に使ったキャンプセットが、親父の日誌を見つけた物置部屋にあったはず。
かなりのカニの量があるし、藤和さんだけでなく差し入れとして焼きカニや茹でカニを振る舞うとしよう。
物置と化している部屋に行く。
そして――、そんな俺の後ろをトコトコと桜と、フーちゃんが付いてくる。
「おじちゃん、どこにいくの?」
「キャンプ用品を取りにいくんだよ」
「キャンプ? 山に行くの?」
「――いや」
俺は、答えつつ物置部屋の戸を開けた後、電気をつける。
中には親父や母親が暮らしていた時に使っていた物で、処分しきれていない物が所狭しと置かれていた。
「――さて……」
部屋の中を物色していくと、すぐにキャンプセットが見つかる。
「おじちゃん、それは?」
「これは、ステンレスグリルって言うものだよ。あとは……、あったあった、これだな」
「これ重いの……」
「ほら、ケガするから危ないぞ」
俺は、キャンプで使う際のバーベキューセットが入った箱の上に木炭が入った段ボール箱を載せて持ち上げる。
そして、部屋から出たあと台所を通る際に――。
「桜、戸棚から割り箸と紙のお皿と紙コップを出してくれるか?」
「うん」
桜が紙のお皿とコップと箸を戸棚から出している間に冷蔵庫から、麦茶の入ったピッチャーを2個出して木炭が入った段ボール箱の上に載せる。
「これでいいの?」
「それじゃ、この上に載せてくれるか?」
持ち上げている段ボールの上に載せてくれるように頼むが、
「桜も一緒に持っていくの!」
「わん!」
どうやら、桜もフーちゃんも興味に駆られたのか一緒に着いてくる模様。
まぁ、反対する理由もない。
「それじゃいくか」
「うん!」
「わん!」
家を出たあと、月山雑貨店の――、駐車場まで行ったところで丁度、店から藤和さんが出てきた。
「月山様、夕飯は済んで――」
途中まで言いかけたところで、俺と桜が手に持っている物を見て藤和さんが首を傾げる。
「藤和さん。少し休憩にしませんか? 丁度、夕飯時ですし……」
「――ですが……、時間的に――」
「作業員の英気を養うのも雇用主の気配りだと思いますので、どうでしょうか? 作業が遅れた分に掛かる人件費は自分が持ちますので……」
俺の言葉に、藤和さんが逡巡(しゅんじゅん)すると、店舗内を見たあと。
「分かりました。それで、見た感じ何かを調理するように見受けられますが?」
「はい。実は札幌に行ってきたのですが――」
「それは踝様より伺っております」
「カニを大量に買ってきました」
「――そ、それは……、つまり……」
「皆さんでカニを食べませんか? 飲み物に関しては麦茶になってしまいますが」
提案した内容に藤和さんが、唇に人差し指を当てると、「本当に、いいのでしょうか? 決して安いお値段では……、それに私のところのスポットのアルバイトだけですと……」
「もちろんトラックの運転手の方にも、それどころか、いま此処にいる全ての人で食事をしましょう! 人数が多い方が食事は美味しいですから」
「分かりました。そこまでおっしゃられるのでしたら」
「おお、五郎。そんな物を持ってどうしたのだ?」
俺と藤和さんが話している事に気が付いた田口村長が店から出てくると近づいてくる。
「いえ、じつは休憩がてらバーベキューでもしようかと」
「ほう! それなら儂が炭に火をつけておくから食材の用意をしてきなさい」
「分かりました。――それでは、よろしくお願いします」
「桜、食材を取りに戻るぞ」
「うん」
家に戻る途中、「おじちゃん、皆って桜も一緒に食べていいの?」と、桜が話しかけてくるが――。
「ああ、皆でご飯を食べると美味しいからな」
「パーティなの?」
「カニパーティだ!」
家に戻ったあとは、茹でてあったカニ。
そして、冷凍して少しずつ消費しようと思っていた生のカニが20匹。
それらを発砲スチールの箱に入れて月山雑貨店の駐車場まで戻る。
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