31 / 437
第31話 桜の異変
しおりを挟む
殆ど仮眠という形で睡眠をとった俺は、眠気に晒されながらも朝食を作っていた。
ちなみに桜は、縁側に座ったまま外を見ている。
今日の朝食は、インターネットで子供を育てている主婦の方々からアドバイスをもらった料理――、子供が好きだという朝食の一つ、ホットドッグを作っている。
作り方は、ホットドッグ用のパンの真ん中に包丁で切れ込みを入れて、千切って洗ったレタスを間に敷き詰めたあと、上からソーセージを載せる。
そして、トマトケチャップを掛けたあと、レンジで2分ほど温めて完成。
中々の力作と言っていいだろう。
「桜、朝ごはんだぞ」
「…………うん」
どこか元気がないように感じるが、気のせいではないよな……。
二人で、ホットドッグを食べる。
一応、何か問題を抱えていないか聞いておいた方がいいだろう。
「桜」
桜がホットドッグを食べながら顔を上げてくる。
「何か気になることでもあったか?」
とりあえず遠まわしに聞いてみるが、桜は無言で首を左右に振るだけ。
どうして、桜が落ち込んでいるのか――、その原因が……、まったく分からない。
「今日は、朝食を食べたら出かけようと思う」
「……牛乳貰いにいくの?」
「――いや、今日は、牛乳は貰いにいかないな」
「……そうなの……」
シュンとしてしまう桜。
もしかしたらプリンが食べられないことに落ち込んでいるのかもしれない。
それに桜は、プリンは幸せの味とも言っていたからな。
ホットドッグを食べながら、和美ちゃんの祖父である根室正文さんが差し入れで持ってきてくれた牛乳を飲む。
「それじゃ、俺の用事が済んだら根室さんの家に行って見るとしよう」
「――! ほ、本当なの!?」
桜が、ハッ! と、した表情をすると若干興奮気味に早口で確認をしてきた。
そんなにプリンが食べたいのか……。
「ああ、本当だ。全部の用事が済んだら、根室さんの家に行くとしよう」
「うん!」
満足げに頷く桜。
そんな桜を見ながら、ふと壁に掛けておいた時計が目に入る。
時刻は、午前9時を指し示していた。
いつもなら、とっくに和美ちゃんが遊びにきている時間だが……、今日は珍しく来ていない。
もしかしたら根室さんも、朝早くから遊びに行かないようにと注意をしたのかも知れないな。
食事を摂ったあと、桜と一緒に目黒さんの家に向かう。
理由は、宝飾品に使われている宝石を鑑定してもらうためだ。
あまりにも飛びぬけた代物とかだと、質屋に持っていくと大騒ぎになる可能性があるかも知れないからだが……。
「月山です」
「ゴロウか? こんな朝早くから、どうかしたのか?」
「じつは、目黒さんに見て欲しい物がありまして……」
「見て欲しい物?」
俺は、ノーマン辺境伯から塩の代金として受け取った宝石が取り付けられた宝飾品――、ネックレスや腕輪や指輪などを、袋から取り出す。
「これを見てもらえますか?」
宝石などが付けられている宝飾品を目黒さんへと手渡す。
隣で座った桜などは「きれい……」と、女の子らしい感想を述べていたが――。
腕輪や指輪――、そしてネックレスを受け取った目黒さんは宝石鑑定用ルーペで宝石を一目見た後、俺へ視線を向けてくる。
「まったく……、何て物を持ってくるのだ」
呆れられた様子で、目黒さんは溜息交じりに語り掛けてきた。
「何か問題でもありましたか?」
「問題だらけだ。まずは、この琥珀が使われているネックレスだが――」
正直、俺には宝石の知識などまったくと言っていいほどない。
琥珀に何の問題があるのかすら想像もつかないが……。
「ゴロウ、お前は琥珀がどうやって作られるのか知っているか?」
「いえ……、鉱物と言う事は聞いたことがありますが……」
「まったく――、琥珀というのは樹脂の化石なのだ。つまり鉱石ではない」
「なるほど……」
「なるほどじゃない。琥珀が樹脂の化石であるという事は――、必然的に異世界の大気や土壌、さらに言えば微生物や虫などを内包している可能性もあるということだ」
「――あ……」
その言葉に俺は思わず声を上げる。
つまり、俺が持ってきた宝飾品の中には、琥珀があり……、その中には――。
「うむ。虫が入っている。儂は虫には詳しくはないが――、異世界から来た虫なのだ。もしだ! これを売った後に流通ルートに流れた場合、新種の虫だったらどうなると思う?」
「それは……、出どころを調べられる……、――ということでしょうか?」
「そうだ。つまり、この琥珀は手元に置いておくのは危険ということだ」
「たしかに……」
「それと、宝石に関してもだが――」
「宝石も何か問題でも?」
「問題だらけだ。たとえば、このエメラルド原石だが――、ネックレスに使われている物だが原石でも100カラットはある。価格としては最低でも数百万円だ」
「エメラルド? 翡翠ではなくて?」
「エメラルドの原石だ。こんな物を、質屋に持っていけば大問題になるぞ。先に、儂の所に持ってきてよかった。これからは、異世界の物を売る前には先に儂の所にもってくるように。いいな?」
「はい……」
桜の目の前で、注意を受けた後は全ての宝飾品を目黒さんに確認してもらうが、その都度、目黒さんに強い視線を向けられた。
そんな目で見られても、俺は宝石のことはまったく分からないのだ。
宝石の原石が幾らで、どのくらいの価値があると言われても正直困る。
1時間ほどして、全ての鑑定が終わったのか溜息交じりに目黒さんが宝飾品が入った袋を俺へと返してきた。
「とりあえず、全部で時価総額2億円と言ったところだな」
「2億円……」
すごい……、これを全部、売れば――、桜にも色々な服を買ってあげられるし新車を購入することもフォークリフトの新品も購入することが出来る。
さらに冷凍ケースから冷蔵ケースまで買えるし自動販売機も……。
「それは、異世界に全部返しておけよ?」
「――はい……」
「そんな物を、捌けるルートなど儂でも持っておらん。それと宝石での支払いは、今後は遠慮してもらうように言っておくのだ。金や銀の売買取引ですら公安や税務署などが目を光らせているのだからな」
「わかりました……」
たしかに目黒さんの言う通りだ。
異世界へ繋がる店と言う事が国や自治体にバレたらどうなるか分かったものじゃない。
それに……、異世界へ繋げるためには魔力が必要だ。
下手をしたら、俺や桜は科学者たちにモルモットにされかねないし、結城村の皆にも迷惑がかかる。
それなら、さっさと返した方がいいだろう。
「あと、こちらの金なんですが……」
宝飾品に関してはお金に代えられない。
あとは金に関してだが――。
「これなら問題はないな。こういう金だけの装飾品なら売ってしまっても問題ない」
「そうですか」
「あっ、目黒さん。こちらを――」
金だけで作られている指輪を一つ――、鑑定料として目黒さんに渡す。
俺から指輪を受け取った目黒さんは小さく頷くと――。
「そういえば、ゴロウ」
「はい?」
「一度、金を売りにいった店には二度と金を売りには行かないようにな。足がつくと困るからな」
「分かりました」
目黒さんのアドバイスに頷く。
やはり金の売買については、慎重を期した方が良さそうだ。
「ゴロウ、金の売買については仲買人を使うのは悪手だからな」
「それは……」
たしかに目黒さんの言う通りだ。
一人に任せたところで、必ず金の売買について問題が浮上してくる。
これからの事を考えると、金の取引量は莫大な量になりかねない。
そうなると……、金の流通に関しても考えていかないといけないだろう。
目黒さんの家から出たあと、俺は根室さんの家へと向かう。
理由は、桜と約束したからだ。
夏休みが終わるまでは、まあ3週間近くある。
今日は、珍しく和美ちゃんは来なかったが――、やはり毎日3キロの距離を歩くのは大変なのかも知れないな。
ちなみに桜は、縁側に座ったまま外を見ている。
今日の朝食は、インターネットで子供を育てている主婦の方々からアドバイスをもらった料理――、子供が好きだという朝食の一つ、ホットドッグを作っている。
作り方は、ホットドッグ用のパンの真ん中に包丁で切れ込みを入れて、千切って洗ったレタスを間に敷き詰めたあと、上からソーセージを載せる。
そして、トマトケチャップを掛けたあと、レンジで2分ほど温めて完成。
中々の力作と言っていいだろう。
「桜、朝ごはんだぞ」
「…………うん」
どこか元気がないように感じるが、気のせいではないよな……。
二人で、ホットドッグを食べる。
一応、何か問題を抱えていないか聞いておいた方がいいだろう。
「桜」
桜がホットドッグを食べながら顔を上げてくる。
「何か気になることでもあったか?」
とりあえず遠まわしに聞いてみるが、桜は無言で首を左右に振るだけ。
どうして、桜が落ち込んでいるのか――、その原因が……、まったく分からない。
「今日は、朝食を食べたら出かけようと思う」
「……牛乳貰いにいくの?」
「――いや、今日は、牛乳は貰いにいかないな」
「……そうなの……」
シュンとしてしまう桜。
もしかしたらプリンが食べられないことに落ち込んでいるのかもしれない。
それに桜は、プリンは幸せの味とも言っていたからな。
ホットドッグを食べながら、和美ちゃんの祖父である根室正文さんが差し入れで持ってきてくれた牛乳を飲む。
「それじゃ、俺の用事が済んだら根室さんの家に行って見るとしよう」
「――! ほ、本当なの!?」
桜が、ハッ! と、した表情をすると若干興奮気味に早口で確認をしてきた。
そんなにプリンが食べたいのか……。
「ああ、本当だ。全部の用事が済んだら、根室さんの家に行くとしよう」
「うん!」
満足げに頷く桜。
そんな桜を見ながら、ふと壁に掛けておいた時計が目に入る。
時刻は、午前9時を指し示していた。
いつもなら、とっくに和美ちゃんが遊びにきている時間だが……、今日は珍しく来ていない。
もしかしたら根室さんも、朝早くから遊びに行かないようにと注意をしたのかも知れないな。
食事を摂ったあと、桜と一緒に目黒さんの家に向かう。
理由は、宝飾品に使われている宝石を鑑定してもらうためだ。
あまりにも飛びぬけた代物とかだと、質屋に持っていくと大騒ぎになる可能性があるかも知れないからだが……。
「月山です」
「ゴロウか? こんな朝早くから、どうかしたのか?」
「じつは、目黒さんに見て欲しい物がありまして……」
「見て欲しい物?」
俺は、ノーマン辺境伯から塩の代金として受け取った宝石が取り付けられた宝飾品――、ネックレスや腕輪や指輪などを、袋から取り出す。
「これを見てもらえますか?」
宝石などが付けられている宝飾品を目黒さんへと手渡す。
隣で座った桜などは「きれい……」と、女の子らしい感想を述べていたが――。
腕輪や指輪――、そしてネックレスを受け取った目黒さんは宝石鑑定用ルーペで宝石を一目見た後、俺へ視線を向けてくる。
「まったく……、何て物を持ってくるのだ」
呆れられた様子で、目黒さんは溜息交じりに語り掛けてきた。
「何か問題でもありましたか?」
「問題だらけだ。まずは、この琥珀が使われているネックレスだが――」
正直、俺には宝石の知識などまったくと言っていいほどない。
琥珀に何の問題があるのかすら想像もつかないが……。
「ゴロウ、お前は琥珀がどうやって作られるのか知っているか?」
「いえ……、鉱物と言う事は聞いたことがありますが……」
「まったく――、琥珀というのは樹脂の化石なのだ。つまり鉱石ではない」
「なるほど……」
「なるほどじゃない。琥珀が樹脂の化石であるという事は――、必然的に異世界の大気や土壌、さらに言えば微生物や虫などを内包している可能性もあるということだ」
「――あ……」
その言葉に俺は思わず声を上げる。
つまり、俺が持ってきた宝飾品の中には、琥珀があり……、その中には――。
「うむ。虫が入っている。儂は虫には詳しくはないが――、異世界から来た虫なのだ。もしだ! これを売った後に流通ルートに流れた場合、新種の虫だったらどうなると思う?」
「それは……、出どころを調べられる……、――ということでしょうか?」
「そうだ。つまり、この琥珀は手元に置いておくのは危険ということだ」
「たしかに……」
「それと、宝石に関してもだが――」
「宝石も何か問題でも?」
「問題だらけだ。たとえば、このエメラルド原石だが――、ネックレスに使われている物だが原石でも100カラットはある。価格としては最低でも数百万円だ」
「エメラルド? 翡翠ではなくて?」
「エメラルドの原石だ。こんな物を、質屋に持っていけば大問題になるぞ。先に、儂の所に持ってきてよかった。これからは、異世界の物を売る前には先に儂の所にもってくるように。いいな?」
「はい……」
桜の目の前で、注意を受けた後は全ての宝飾品を目黒さんに確認してもらうが、その都度、目黒さんに強い視線を向けられた。
そんな目で見られても、俺は宝石のことはまったく分からないのだ。
宝石の原石が幾らで、どのくらいの価値があると言われても正直困る。
1時間ほどして、全ての鑑定が終わったのか溜息交じりに目黒さんが宝飾品が入った袋を俺へと返してきた。
「とりあえず、全部で時価総額2億円と言ったところだな」
「2億円……」
すごい……、これを全部、売れば――、桜にも色々な服を買ってあげられるし新車を購入することもフォークリフトの新品も購入することが出来る。
さらに冷凍ケースから冷蔵ケースまで買えるし自動販売機も……。
「それは、異世界に全部返しておけよ?」
「――はい……」
「そんな物を、捌けるルートなど儂でも持っておらん。それと宝石での支払いは、今後は遠慮してもらうように言っておくのだ。金や銀の売買取引ですら公安や税務署などが目を光らせているのだからな」
「わかりました……」
たしかに目黒さんの言う通りだ。
異世界へ繋がる店と言う事が国や自治体にバレたらどうなるか分かったものじゃない。
それに……、異世界へ繋げるためには魔力が必要だ。
下手をしたら、俺や桜は科学者たちにモルモットにされかねないし、結城村の皆にも迷惑がかかる。
それなら、さっさと返した方がいいだろう。
「あと、こちらの金なんですが……」
宝飾品に関してはお金に代えられない。
あとは金に関してだが――。
「これなら問題はないな。こういう金だけの装飾品なら売ってしまっても問題ない」
「そうですか」
「あっ、目黒さん。こちらを――」
金だけで作られている指輪を一つ――、鑑定料として目黒さんに渡す。
俺から指輪を受け取った目黒さんは小さく頷くと――。
「そういえば、ゴロウ」
「はい?」
「一度、金を売りにいった店には二度と金を売りには行かないようにな。足がつくと困るからな」
「分かりました」
目黒さんのアドバイスに頷く。
やはり金の売買については、慎重を期した方が良さそうだ。
「ゴロウ、金の売買については仲買人を使うのは悪手だからな」
「それは……」
たしかに目黒さんの言う通りだ。
一人に任せたところで、必ず金の売買について問題が浮上してくる。
これからの事を考えると、金の取引量は莫大な量になりかねない。
そうなると……、金の流通に関しても考えていかないといけないだろう。
目黒さんの家から出たあと、俺は根室さんの家へと向かう。
理由は、桜と約束したからだ。
夏休みが終わるまでは、まあ3週間近くある。
今日は、珍しく和美ちゃんは来なかったが――、やはり毎日3キロの距離を歩くのは大変なのかも知れないな。
629
お気に入りに追加
1,959
あなたにおすすめの小説
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
悪役令嬢の兄です、ヒロインはそちらです!こっちに来ないで下さい
たなぱ
BL
生前、社畜だったおれの部屋に入り浸り、男のおれに乙女ゲームの素晴らしさを延々と語り、仮眠をしたいおれに見せ続けてきた妹がいた
人間、毎日毎日見せられたら嫌でも内容もキャラクターも覚えるんだよ
そう、例えば…今、おれの目の前にいる赤い髪の美少女…この子がこのゲームの悪役令嬢となる存在…その幼少期の姿だ
そしておれは…文字としてチラッと出た悪役令嬢の行いの果に一家諸共断罪された兄
ナレーションに
『悪役令嬢の兄もまた死に絶えました』
その一言で説明を片付けられ、それしか登場しない存在…そんな悪役令嬢の兄に転生してしまったのだ
社畜に優しくない転生先でおれはどう生きていくのだろう
腹黒?攻略対象×悪役令嬢の兄
暫くはほのぼのします
最終的には固定カプになります
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
グーダラ王子の勘違い救国記~好き勝手にやっていたら世界を救っていたそうです~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
ある日、ティルナグ王国の自堕落王子として有名なエルクは国王である父から辺境へ追放を言い渡される。
その後、準備もせずに木の上で昼寝をしていると、あやまって木から落ちてしまう。
そして目を覚ますと……前世の記憶を蘇らせていた。
これは自堕落に過ごしていた第二王子が、記憶を甦らせたことによって、様々な勘違いをされていく物語である。
その勘違いは種族間の蟠りを消していき、人々を幸せにしていくのだった。
悪意か、善意か、破滅か
野村にれ
恋愛
婚約者が別の令嬢に恋をして、婚約を破棄されたエルム・フォンターナ伯爵令嬢。
婚約者とその想い人が自殺を図ったことで、美談とされて、
悪意に晒されたエルムと、家族も一緒に爵位を返上してアジェル王国を去った。
その後、アジェル王国では、徐々に異変が起こり始める。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました
如月 雪名
ファンタジー
★2024年9月19日に2巻発売&コミカライズ化決定!(web版とは設定が異なる部分があります)
🔷第16回ファンタジー小説大賞。5/3207位で『特別賞』を受賞しました!!応援ありがとうございます(*^_^*)
💛小説家になろう累計PV1,820万以上達成!!
※感想欄を読まれる方は、申し訳ありませんがネタバレが多いのでご注意下さい<m(__)m>
スーパーの帰り道、突然異世界へ転移させられた、椎名 沙良(しいな さら)48歳。
残された封筒には【詫び状】と書かれており、自分がカルドサリ王国のハンフリー公爵家、リーシャ・ハンフリー、第一令嬢12歳となっているのを知る。
いきなり異世界で他人とし生きる事になったが、現状が非常によろしくない。
リーシャの母親は既に亡くなっており、後妻に虐待され納屋で監禁生活を送っていたからだ。
どうにか家庭環境を改善しようと、与えられた4つの能力(ホーム・アイテムBOX・マッピング・召喚)を使用し、早々に公爵家を出て冒険者となる。
虐待されていたため貧弱な体と体力しかないが、冒険者となり自由を手にし頑張っていく。
F級冒険者となった初日の稼ぎは、肉(角ウサギ)の配達料・鉄貨2枚(200円)。
それでもE級に上がるため200回頑張る。
同じ年頃の子供達に、からかわれたりしながらも着実に依頼をこなす日々。
チートな能力(ホームで自宅に帰れる)を隠しながら、町で路上生活をしている子供達を助けていく事に。
冒険者で稼いだお金で家を購入し、住む所を与え子供達を笑顔にする。
そんな彼女の行いを見守っていた冒険者や町人達は……。
やがて支援は町中から届くようになった。
F級冒険者からC級冒険者へと、地球から勝手に召喚した兄の椎名 賢也(しいな けんや)50歳と共に頑張り続け、4年半後ダンジョンへと進む。
ダンジョンの最終深部。
ダンジョンマスターとして再会した兄の親友(享年45)旭 尚人(あさひ なおと)も加わり、ついに3人で迷宮都市へ。
テイムした仲間のシルバー(シルバーウルフ)・ハニー(ハニービー)・フォレスト(迷宮タイガー)と一緒に楽しくダンジョン攻略中。
どこか気が抜けて心温まる? そんな冒険です。
残念ながら恋愛要素は皆無です。
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる