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第25話 現地視察と取引交渉
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――ただ、一点だけ気になった物が目に入った。
壁掛けの写真――、人物は年齢としては70歳ほど。
名前は、藤和一と書かれている。
以前に、親父の業務日誌に出てきた名前。
「それでは、こちらにお座りください」
事務所内の一角。
パーティションで区切られた場所に、俺と桜は通される。
ソファーに座ったあとは、30代の女性が入ってくると3人分のお茶を出したあと、頭を下げて立ち去った。
「お待たせしました」
広辞苑のような分厚い資料を持って現れた藤和一成は、テーブルを挟んで向かい側に座る。
「いえ、こちらこそ――、突然来てしまって――」
「いえいえ、このようなご時世ですから……。それで、月山さんは当社のご利用は初めてでいらっしゃいますよね?」
丁度、話題を振ってきてくれたな。
気になったことを聞くとしよう。
「その前に、失礼ですが――、事務所内の壁に掛けられている肖像画の方ですが……」
「ああ、私の父です」
「なるほど……、おそらくですが月山雑貨店と藤和一さんの間では、取引があったと思うのですが――」
「私の父が……ですか?」
「はい。私の父の業務日誌に書いてあったので……、ですが――、再度、取り引きを行おうと電話をした会社が、株式会社藤和だったのです。そちらでは、取引データは残っていたのですが、断られてしまって……」
「そうですか……」
俺の言葉を聞いていた藤和一成さんが沈んだ表情になり。
「――実は……、株式会社藤和は、私の父である藤和一が興した会社なのです。ただ――、母が他界してからボケてしまい土地・建物・権利を専務であった飯塚幸三に奪われてしまったのです。私は、アメリカに仕事で滞在していたので……、そのことに気が付かず、気が付いた時には――」
「そうですか……」
あまり深入りにするのはあれだな。
「申し訳ありません。このような話を――」
「いえ、こちらこそ」
「それでは商談の話に戻させて頂いても?」
「ええ」
「――では、月山様は、どのような商品をお求めでしょうか?」
「じつは、そのことなのですが……。月山雑貨店は、これから開店させる予定なのですが、仕入れの商品など、まだどこの問屋・仲卸とも契約をしていない状態でして……」
「――と、言いますと? まさか、これから問屋を探されるということでしょうか?」
「ええ、まあ――、そうなります」
俺は溜息交じりに、結城村の月山雑貨店が置かれている状況を説明する。
「なるほどなるほど……、それでは我が問屋の藤和が全力で商品入荷と発注をお手伝いしたいと思います。法人口座などは、すでに開設されていらっしゃいますか?」
「いえ……」
そういえば、法人口座なんて作ってないな。
「畏まりました。それでは、お支払いは個人口座と言う事で宜しいでしょうか?」
その言葉に、俺は目黒さんから注意された事を思い出す。
目黒さんは、銀行経由で取引を行った場合、公的機関に資金の流れが知られてしまうと言っていた。
つまり、金の流通経路が判明する可能性がある! ということだ。
月山雑貨店が異世界と繋がっているという事情を知っている人数は少なければ少ない方がいい。
それなら銀行口座を経由して取引を行うのはナンセンスだろう。
「しばらくは現金でお願いできますか?」
「――げ、現金でございますか?」
一瞬、藤和一成の表情が明るく見えた気がしたが、気のせいだろう。
まあ、せっかく見つかった父親の代から利用していた問屋だ。
現金で駄目なら、口座も上手くやれば何とかなるだろう。
「不都合があれば、銀行口座でも構いませんが……」
「――い、いえ! そんな事はありません。現金ですね! もちろんです。いつでもニコニコ一括払いは当社も歓迎しております」
「そうですか」
現金で取引が出来る事に内心、安堵する。
「月山様。出来れば――、一度、店舗の方にお伺いさせて頂きたいのですが……」
「構いませんが?」
まぁ、俺としても店を始める以上、商品はきちんと置いておきたい。
プロの目線から、どういう物を置けばいいのかをアドバイスしてもらえることは頼もしいことだ。
「それでは少しお待ちください」
藤和一成は立ち上がると、俺達が座っていたブースから出ていく。
そして、先ほどお茶を持ってきた女性と話をしたあとすぐに戻って来る。
「月山様、お待たせしました。今から、向かいたいと思うのですが案内してもらっても?」
「構いませんが? 他のお客などは大丈夫ですか?」
「――はい。もちろんです。すぐに向かいましょう!」
すぐに現場を視察してくれるのは、こちらとしても願ったり叶ったりなんだが……、月山雑貨店が、どこの問屋とも仲卸とも契約をしていないと言った時、現金で払うと言ったとき、明らかにやる気を見せていたんだが……、やはり手付かずの店舗というのは珍しいのかもしれないな。
問屋の藤和から出たあと、桜と共に車に乗り込む。
そして藤和一成が運転する車が、問屋の藤和の敷地から出てくる。
車は軽トラック。
俺の車を先頭に走り始める。
そして結城村の月山雑貨店に到着したのは、それから2時間後。
軽トラックと言う事もあり坂道を上がる際に、速度が出ず時間が掛かったのが原因だ。
「こちらが月山雑貨店になります」
店のシャッターは開いていた。
リフォーム踝が店内改装をしていたからであった。
「おお、五郎。どこに行っていたんだ?」
「ちょっと問屋が見つかったので――」
「そうか、そうか。ようやく開店か。酒やタバコを置いてくれると助かる」
「検討します」
「おお、ずいぶんと大きな店舗なのですね。これなら、物資が大量に必要ですね」
店内に入った藤和一成が、カタログを片手に持ちながら独り言を呟いていた。
リフォーム会社 踝が工事している間――、店内を一通り見終わったあと、これからの打ち合わせということで実家の居間へと場所を移す。
現在の時刻は、午後4時。
7月下旬と言う事もあり、まだ日は高く熱い。
「こちらへどうぞ」
藤和さんを居間に通す。
4部屋の内、一部屋は応接室として使う予定だったので、テーブルしか置いていない事が幸いし、二人分の座布団だけを用意するだけで事足りた。
「桜、俺は藤和さんとお店の事で話をするから部屋で待っているんだよ」
俺の言葉にぶんぶんと首を横に振ってきたかと思うと、姪っ子の桜はタタッと小走りで自分の部屋に入り、ノートを持ってすぐに戻ってきた。
「おじちゃん! 桜も一緒にいくの!」
まっすぐに目を見て話しかけてくる桜。
「それじゃノートだけ借りていいか? まだ、正式に契約が済んだわけではないから分かってくれるか?」
「…………う、うん」
目を伏せて桜が頷くのを見ながら、頭を撫でる。
さすがに、こちらも色々と渡したくない情報があるのだ。
安易に話を持っていくのはよろしくはない。
桜が部屋に入っていくのを見送ったあと、藤和さんが待っている居間へと戻る前に台所に行き、麦茶のボトルを冷蔵庫から取り出しコップに氷を入れたあと、麦茶を注いでから居間へと戻る。
「藤和さん、お待たせしました」
「――いえ、こちらこそ」
二人して用意した麦茶を飲んだあと、今度の仕入れなどに関して俺から話し始める。
「それで店舗内を見て頂いてどうでしたでしょうか?」
「そうですね……。まずは、私が思ったのはずいぶんと広い店舗だったという事です。そのため、多くの製品が置けると思っているのですが――」
藤和さんが言い淀む。
「プロの立場から見て、何か改善提案とかあれば遠慮なく言っていただけますか?」
「――いえ、改善提案というよりかは予算的にどうなのか……、と、思いまして――」
「なるほど……。そうですね、予算は200万円くらいを考えています」
「に、200万円ですか!?」
「はい。即金で200万円です」
「なるほど、なるほど」
藤和さんは、真剣な表情でカタログをテーブルの上に載せてくる。
どうやら、早く商談に入りたいようだ。
まぁ、こんな田舎まで来て商談が成立しないと藤和さんが困るのは分かる。
だが、俺としては先に確認しておきたい事がある。
「それと……」
「何か要望があれば、すぐに対応させていただきます!」
先に金額を提示したのが功を制したのか、打てば響くがごとく答えが返ってくる。
「じつは塩が欲しいのです」
「塩ですか? 調味料と言う事でしょうか?」
「そうですね」
まあ、異世界で使うのだから、それも調味料だろう。
「当社と致しましては塩の在庫は特にあります。それで量としては如何ほど――」
「はい。10トンほど塩が欲しいのです。ご用意できますか?」
「じゅ、10トンでございますか?」
「はい。とりあえず10トン欲しいのですが……、ご用意できますでしょうか? その分は200万円とは別に100万円を即金で用意しております」
俺の問いかけに、藤和一成が唾を飲み込んだ音が聞こえてきた。
壁掛けの写真――、人物は年齢としては70歳ほど。
名前は、藤和一と書かれている。
以前に、親父の業務日誌に出てきた名前。
「それでは、こちらにお座りください」
事務所内の一角。
パーティションで区切られた場所に、俺と桜は通される。
ソファーに座ったあとは、30代の女性が入ってくると3人分のお茶を出したあと、頭を下げて立ち去った。
「お待たせしました」
広辞苑のような分厚い資料を持って現れた藤和一成は、テーブルを挟んで向かい側に座る。
「いえ、こちらこそ――、突然来てしまって――」
「いえいえ、このようなご時世ですから……。それで、月山さんは当社のご利用は初めてでいらっしゃいますよね?」
丁度、話題を振ってきてくれたな。
気になったことを聞くとしよう。
「その前に、失礼ですが――、事務所内の壁に掛けられている肖像画の方ですが……」
「ああ、私の父です」
「なるほど……、おそらくですが月山雑貨店と藤和一さんの間では、取引があったと思うのですが――」
「私の父が……ですか?」
「はい。私の父の業務日誌に書いてあったので……、ですが――、再度、取り引きを行おうと電話をした会社が、株式会社藤和だったのです。そちらでは、取引データは残っていたのですが、断られてしまって……」
「そうですか……」
俺の言葉を聞いていた藤和一成さんが沈んだ表情になり。
「――実は……、株式会社藤和は、私の父である藤和一が興した会社なのです。ただ――、母が他界してからボケてしまい土地・建物・権利を専務であった飯塚幸三に奪われてしまったのです。私は、アメリカに仕事で滞在していたので……、そのことに気が付かず、気が付いた時には――」
「そうですか……」
あまり深入りにするのはあれだな。
「申し訳ありません。このような話を――」
「いえ、こちらこそ」
「それでは商談の話に戻させて頂いても?」
「ええ」
「――では、月山様は、どのような商品をお求めでしょうか?」
「じつは、そのことなのですが……。月山雑貨店は、これから開店させる予定なのですが、仕入れの商品など、まだどこの問屋・仲卸とも契約をしていない状態でして……」
「――と、言いますと? まさか、これから問屋を探されるということでしょうか?」
「ええ、まあ――、そうなります」
俺は溜息交じりに、結城村の月山雑貨店が置かれている状況を説明する。
「なるほどなるほど……、それでは我が問屋の藤和が全力で商品入荷と発注をお手伝いしたいと思います。法人口座などは、すでに開設されていらっしゃいますか?」
「いえ……」
そういえば、法人口座なんて作ってないな。
「畏まりました。それでは、お支払いは個人口座と言う事で宜しいでしょうか?」
その言葉に、俺は目黒さんから注意された事を思い出す。
目黒さんは、銀行経由で取引を行った場合、公的機関に資金の流れが知られてしまうと言っていた。
つまり、金の流通経路が判明する可能性がある! ということだ。
月山雑貨店が異世界と繋がっているという事情を知っている人数は少なければ少ない方がいい。
それなら銀行口座を経由して取引を行うのはナンセンスだろう。
「しばらくは現金でお願いできますか?」
「――げ、現金でございますか?」
一瞬、藤和一成の表情が明るく見えた気がしたが、気のせいだろう。
まあ、せっかく見つかった父親の代から利用していた問屋だ。
現金で駄目なら、口座も上手くやれば何とかなるだろう。
「不都合があれば、銀行口座でも構いませんが……」
「――い、いえ! そんな事はありません。現金ですね! もちろんです。いつでもニコニコ一括払いは当社も歓迎しております」
「そうですか」
現金で取引が出来る事に内心、安堵する。
「月山様。出来れば――、一度、店舗の方にお伺いさせて頂きたいのですが……」
「構いませんが?」
まぁ、俺としても店を始める以上、商品はきちんと置いておきたい。
プロの目線から、どういう物を置けばいいのかをアドバイスしてもらえることは頼もしいことだ。
「それでは少しお待ちください」
藤和一成は立ち上がると、俺達が座っていたブースから出ていく。
そして、先ほどお茶を持ってきた女性と話をしたあとすぐに戻って来る。
「月山様、お待たせしました。今から、向かいたいと思うのですが案内してもらっても?」
「構いませんが? 他のお客などは大丈夫ですか?」
「――はい。もちろんです。すぐに向かいましょう!」
すぐに現場を視察してくれるのは、こちらとしても願ったり叶ったりなんだが……、月山雑貨店が、どこの問屋とも仲卸とも契約をしていないと言った時、現金で払うと言ったとき、明らかにやる気を見せていたんだが……、やはり手付かずの店舗というのは珍しいのかもしれないな。
問屋の藤和から出たあと、桜と共に車に乗り込む。
そして藤和一成が運転する車が、問屋の藤和の敷地から出てくる。
車は軽トラック。
俺の車を先頭に走り始める。
そして結城村の月山雑貨店に到着したのは、それから2時間後。
軽トラックと言う事もあり坂道を上がる際に、速度が出ず時間が掛かったのが原因だ。
「こちらが月山雑貨店になります」
店のシャッターは開いていた。
リフォーム踝が店内改装をしていたからであった。
「おお、五郎。どこに行っていたんだ?」
「ちょっと問屋が見つかったので――」
「そうか、そうか。ようやく開店か。酒やタバコを置いてくれると助かる」
「検討します」
「おお、ずいぶんと大きな店舗なのですね。これなら、物資が大量に必要ですね」
店内に入った藤和一成が、カタログを片手に持ちながら独り言を呟いていた。
リフォーム会社 踝が工事している間――、店内を一通り見終わったあと、これからの打ち合わせということで実家の居間へと場所を移す。
現在の時刻は、午後4時。
7月下旬と言う事もあり、まだ日は高く熱い。
「こちらへどうぞ」
藤和さんを居間に通す。
4部屋の内、一部屋は応接室として使う予定だったので、テーブルしか置いていない事が幸いし、二人分の座布団だけを用意するだけで事足りた。
「桜、俺は藤和さんとお店の事で話をするから部屋で待っているんだよ」
俺の言葉にぶんぶんと首を横に振ってきたかと思うと、姪っ子の桜はタタッと小走りで自分の部屋に入り、ノートを持ってすぐに戻ってきた。
「おじちゃん! 桜も一緒にいくの!」
まっすぐに目を見て話しかけてくる桜。
「それじゃノートだけ借りていいか? まだ、正式に契約が済んだわけではないから分かってくれるか?」
「…………う、うん」
目を伏せて桜が頷くのを見ながら、頭を撫でる。
さすがに、こちらも色々と渡したくない情報があるのだ。
安易に話を持っていくのはよろしくはない。
桜が部屋に入っていくのを見送ったあと、藤和さんが待っている居間へと戻る前に台所に行き、麦茶のボトルを冷蔵庫から取り出しコップに氷を入れたあと、麦茶を注いでから居間へと戻る。
「藤和さん、お待たせしました」
「――いえ、こちらこそ」
二人して用意した麦茶を飲んだあと、今度の仕入れなどに関して俺から話し始める。
「それで店舗内を見て頂いてどうでしたでしょうか?」
「そうですね……。まずは、私が思ったのはずいぶんと広い店舗だったという事です。そのため、多くの製品が置けると思っているのですが――」
藤和さんが言い淀む。
「プロの立場から見て、何か改善提案とかあれば遠慮なく言っていただけますか?」
「――いえ、改善提案というよりかは予算的にどうなのか……、と、思いまして――」
「なるほど……。そうですね、予算は200万円くらいを考えています」
「に、200万円ですか!?」
「はい。即金で200万円です」
「なるほど、なるほど」
藤和さんは、真剣な表情でカタログをテーブルの上に載せてくる。
どうやら、早く商談に入りたいようだ。
まぁ、こんな田舎まで来て商談が成立しないと藤和さんが困るのは分かる。
だが、俺としては先に確認しておきたい事がある。
「それと……」
「何か要望があれば、すぐに対応させていただきます!」
先に金額を提示したのが功を制したのか、打てば響くがごとく答えが返ってくる。
「じつは塩が欲しいのです」
「塩ですか? 調味料と言う事でしょうか?」
「そうですね」
まあ、異世界で使うのだから、それも調味料だろう。
「当社と致しましては塩の在庫は特にあります。それで量としては如何ほど――」
「はい。10トンほど塩が欲しいのです。ご用意できますか?」
「じゅ、10トンでございますか?」
「はい。とりあえず10トン欲しいのですが……、ご用意できますでしょうか? その分は200万円とは別に100万円を即金で用意しております」
俺の問いかけに、藤和一成が唾を飲み込んだ音が聞こえてきた。
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