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第63話 キルワ王国のダンジョン探索(18)

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 思わず『賢者』という職業に、私は顔を引きつらせてしまう。

「何かありましたか? エミさん」
「いえ、何でもありません」

 たしかに回復魔法と攻撃魔法を同時に扱う事が出来るから、賢者というのは強ち間違ってはいないけど……。

「それでは、今後の予定ですが――」

 リアナさんの話を聞いたあと、私はアネットさんやユーリエさんと共に宿へと戻った。
 


「ただいま戻りましたっ」
「あら、おかえりなさい」

 メルサさんが出迎えてくれると共に、首を傾げる。

「何かあったの?」
「その事に関しては――」
「そうね。まずは落ち着いた方が良さそうね。椅子に座っていて! お茶を用意するから」
「ありがとうございます」
 
 私を含めた3人は、席に座る。
 しばらくすると、お盆を手にしたメルサさんがリビングに入ってくると、お盆からカップを4つテーブルの上に置いたあと、お茶を注いでいく。
 それぞれ、カップを受け取り、メルサさんが椅子に座ったところで、彼女は、私達を見て口を開く。

「それで、何か深刻なことでもあったの?」
「じつは……」

 私は、アイテムボックスから冒険者ギルドカードを取り出しメルサさんへ渡す。

「すごいわね! 冒険者ランクがB? Bランク!? それって、アネットとユーリエとランクよね!? エミさんって、そんなに強かったの?」
「村では下の下の強さでした」
「そうなの!? エミさんの村って、どんな村だったの?」
「そうですね……。すごい村でした。強い魔法になると人類が絶滅する武器とかがありました」
「「「それって、どんな魔界!?」」」

 私の説明に3人の声が重なるけど、とくに間違っていないので訂正するようなことはしない。

「それにしてもエミさんの村ってすごいのね」
「色々と危険な村がいっぱいありました」

 とくに核爆弾とか、自動小銃とか、あんなものが、こんな剣と魔法なファンタジー世界にあったら本当に大変なところになりますね。
 
「そういえば、エミの村は外界とは殆ど交流がないって以前に教えてくれたよな?」
「そうですね。殆ど処か未来永劫、交流はないと思います」
「それなら良かったわ」
「せやな」
「ああ、エミの村が他の村と交流していたら大変な事になるところだった」
「そうですね」

 私も、そこは同意するところです。

「やけど、これでわかったわ。エミはんの戦闘力が尋常やない説明もつくわ」
「だな。あのブレイズを単身で倒すだけのことはある」
「――え? ブレイズって……、あのブレイズ? キルワ王国の中でも、5本指に入るAランク冒険者の?」

 二人が漏らした言葉に反応したのは、メルサさん。

「せや。エミはんが瞬殺しておったで」
「……エミさん、本当に強いのね」
「いえ。村の中では最弱レベルでした」

 そんなに持ち上げられると困ります。



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