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第62話 キルワ王国のダンジョン探索(17)
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冒険者ギルドマスターから、お墨付きをもらってから1時間程が経過したところで一人の女性がノックの後に室内に入ってくる。
「マスター。用意が出来ました」
室内に入ってきたのはリアナさん。
私達がダンジョン探索に入る為にパーティ申請をした時に担当した女性。
その女性が、ネルガンさんに話しかけると、彼は私の方を見てくる。
「それではエミ殿」
「はい?」
「新しく冒険者ギルドカードを発行する手続きが出来た。実力としてはブレイズと同格かそれ以上ということで、冒険者ランクをFランクから変更したいと思うが、それでいいか?」
「それってAランク以上になるという事ですか?」
「うむ。そうなる」
「流石にAランクは……」
私としては平々凡々に生きていきたいので、あまり高いランク付けをされても困るので、頭を振っておく。
「ふむ。どう思う? ブレイズ」
「マスターが考えればいいと思いますが? どうせ後継人はマスターになるんでしょうし」
「そうだな……。だが、本人がAランクでは不服とするとSランクか?」
「――いえ! 普通にDとかEランクでお願いします。私は、普通に暮らしたいので!」
あまり目立ちたくない私としては、ここはキチンと断っておきたい。
「仕方ないな……、リアナ君」
「はい、マスター」
「エミ君のランクはBランクと言う事にしておいてくれ」
「分かりました。討伐実績などは、どうしましょうか? Bランクへの昇格ですと、何か実績が必要になると思いますが……」
「先週に運び込まれたレッドドラゴン討伐の実績をつければいい。報酬は出せないが、それでよいかな? エミ殿」
「私としてはBランクも辞退していのですけど……無理そうですよね……」
「うむ。さすがにブレイズを倒したことは冒険者ギルドの人間なら知っていることだ。そんな人間をBランク以下で登録している方が問題になるし目立つだろう」
「分かりました……」
私は渋々と首肯する。
「では、リアナ君。対応は、それで頼む」
「畏まりました。マスター」
「――では、エミさん。登録を冒険者ギルドカードの再発行を致しますので、こちらへ」
冒険者ギルドの受付の女性リアナさんと共に、ギルドマスターの部屋から出た私達は、1階へと降りていく。
すると、喧噪慌ただしい1階フロアが静まりかえる。
もちろん、原因は一つしかない。
だって、皆の視線が私に向けられていたから。
「エミさん」
「はい」
リアナさんに案内され針の筵状態の雰囲気の中、受付前の椅子へと腰を下ろす。
「――では、冒険者ギルドカードをお預かりしてもいいでしょうか?」
私は頷きながら冒険者ギルドカードをアイテムボックスから取り出してリアナさんへ渡す。
それからしばらくして――。
「こちらがエミさんの正しい査定をした結果の冒険者ギルドカードとなります。冒険者ランクはBランクです」
「すごいな」
後ろでアネットさんが感嘆の声を上げているけど、私としてはBランク冒険者というのは正直、断りたかったけど、そんな事をすれば逆に目立つのでリアナさんから冒険者ギルドカードを預かり視線をカードへと落とす。
すると、発行場所は王都スルトーンの冒険者ギルドへ変わっており、職業は賢者となっていた。
「マスター。用意が出来ました」
室内に入ってきたのはリアナさん。
私達がダンジョン探索に入る為にパーティ申請をした時に担当した女性。
その女性が、ネルガンさんに話しかけると、彼は私の方を見てくる。
「それではエミ殿」
「はい?」
「新しく冒険者ギルドカードを発行する手続きが出来た。実力としてはブレイズと同格かそれ以上ということで、冒険者ランクをFランクから変更したいと思うが、それでいいか?」
「それってAランク以上になるという事ですか?」
「うむ。そうなる」
「流石にAランクは……」
私としては平々凡々に生きていきたいので、あまり高いランク付けをされても困るので、頭を振っておく。
「ふむ。どう思う? ブレイズ」
「マスターが考えればいいと思いますが? どうせ後継人はマスターになるんでしょうし」
「そうだな……。だが、本人がAランクでは不服とするとSランクか?」
「――いえ! 普通にDとかEランクでお願いします。私は、普通に暮らしたいので!」
あまり目立ちたくない私としては、ここはキチンと断っておきたい。
「仕方ないな……、リアナ君」
「はい、マスター」
「エミ君のランクはBランクと言う事にしておいてくれ」
「分かりました。討伐実績などは、どうしましょうか? Bランクへの昇格ですと、何か実績が必要になると思いますが……」
「先週に運び込まれたレッドドラゴン討伐の実績をつければいい。報酬は出せないが、それでよいかな? エミ殿」
「私としてはBランクも辞退していのですけど……無理そうですよね……」
「うむ。さすがにブレイズを倒したことは冒険者ギルドの人間なら知っていることだ。そんな人間をBランク以下で登録している方が問題になるし目立つだろう」
「分かりました……」
私は渋々と首肯する。
「では、リアナ君。対応は、それで頼む」
「畏まりました。マスター」
「――では、エミさん。登録を冒険者ギルドカードの再発行を致しますので、こちらへ」
冒険者ギルドの受付の女性リアナさんと共に、ギルドマスターの部屋から出た私達は、1階へと降りていく。
すると、喧噪慌ただしい1階フロアが静まりかえる。
もちろん、原因は一つしかない。
だって、皆の視線が私に向けられていたから。
「エミさん」
「はい」
リアナさんに案内され針の筵状態の雰囲気の中、受付前の椅子へと腰を下ろす。
「――では、冒険者ギルドカードをお預かりしてもいいでしょうか?」
私は頷きながら冒険者ギルドカードをアイテムボックスから取り出してリアナさんへ渡す。
それからしばらくして――。
「こちらがエミさんの正しい査定をした結果の冒険者ギルドカードとなります。冒険者ランクはBランクです」
「すごいな」
後ろでアネットさんが感嘆の声を上げているけど、私としてはBランク冒険者というのは正直、断りたかったけど、そんな事をすれば逆に目立つのでリアナさんから冒険者ギルドカードを預かり視線をカードへと落とす。
すると、発行場所は王都スルトーンの冒険者ギルドへ変わっており、職業は賢者となっていた。
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