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第57話 キルワ王国のダンジョン探索(12)
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「ケホッ――」
地面の上を転げた時に、土が口に入ったので私は土を吐き出した後、咥内を水で洗い流しながら、ブレイドさんへ視線を向ける。
彼は、満足した表情で私を見下ろしていた。
そんな私達の戦いを見ていた冒険者達から、「一体何が……?」という声が聞こえてくる。
「おいおい。冒険者達の中で、いま程度の動きを見極めることを出来る奴はいなかったのか?」
ブレイドさんが、周囲を見渡しながら――、とくにアネットさんやユーリエさんの方を注視しながら言葉を紡いでいる。
それは、明らかに二人の力量を見極めようとしているように。
私は視線を切った彼に向かって、地面に含まれていた砂鉄を操りダガーを生み出す。
さらにブレイドさんに向けて投擲する。
ただ、数本投げたダガーは空中で粉々に粉砕された。
「この俺に、その程度の投擲は効かないというのは数合打ち合ったお前には分かるはずだが?」
彼は、凶悪な笑みを浮かべると私の方へと語り掛けてくる。
「――ッ!?」
思わず、私は、その場から腕の力だけで後方へと飛び退く。
それと同時に、私が倒れていた地面が突然爆発する。
「ほう。これも避けるか」
「爆発系……それも初級魔法ですか」
私は、魔力が動いたのを感知したので間一髪で避けることはできたのだけれど……。
「なるほど。魔力の動きを察知したのか」
「無論です」
剣士としての技量では、私よりも遥かに上。
しかも魔法に至っては詠唱なしで発動してくる。
私の予測では恐らく、純粋な魔法ではなく魔法の亜種――、固有スキルと言ったところだと思う。
「ブレイズさん! これは、やりすぎです!」
「リアナ。冒険者の実力を見るのが、今回の試験だという事を忘れるな」
「ですが! 副ギルドマスターの力を、これだけ避けることができるのでしたら、それで十分なのではないですか?」
「たしかにな……」
そこで、ブレイズさんは頭を掻いたあと、私に向かってフランベルジュの切っ先を向けてくる。
「こいつは実力を隠している。冒険者の実力を正しく知っておくことは、冒険者ギルドの規定で決まっているからな」
「――ですが!」
「くどいっ!」
リアナさんが、戦いを止めようとしていたけれど、それをブレイズさんは一蹴する。
「生半可なことでは、止まる事はありませんか……」
「そうだな。覚悟はできたか?」
「……仕方ないですね」
私は溜息をつく。
相手が、本気で――、こちらに害を為そうとしてくるのでしたら、本気で戦うしかない。
手加減はしない。
殺しはしないけど。
「ほう……。姿を変えていたのか?」
私は、全ての魔力制御を戦闘に収束させる為に自らの偽装を解除する。
金髪碧眼から、黒眼黒髪へと姿が変化し――、それと同時に地面に手を付ける事もなく大気中の原子構成を弄り分子並列を変えていき、さらに電磁力を展開し、生成した武器を空中に待機させる。
さらに地面から高硬度の小太刀を二本生成。
それを右手と左手でそれぞれ携える。
「本気で行きます」
「かかってこい! お前の実力が、どの程度か見せてもらおう!」
地面の上を転げた時に、土が口に入ったので私は土を吐き出した後、咥内を水で洗い流しながら、ブレイドさんへ視線を向ける。
彼は、満足した表情で私を見下ろしていた。
そんな私達の戦いを見ていた冒険者達から、「一体何が……?」という声が聞こえてくる。
「おいおい。冒険者達の中で、いま程度の動きを見極めることを出来る奴はいなかったのか?」
ブレイドさんが、周囲を見渡しながら――、とくにアネットさんやユーリエさんの方を注視しながら言葉を紡いでいる。
それは、明らかに二人の力量を見極めようとしているように。
私は視線を切った彼に向かって、地面に含まれていた砂鉄を操りダガーを生み出す。
さらにブレイドさんに向けて投擲する。
ただ、数本投げたダガーは空中で粉々に粉砕された。
「この俺に、その程度の投擲は効かないというのは数合打ち合ったお前には分かるはずだが?」
彼は、凶悪な笑みを浮かべると私の方へと語り掛けてくる。
「――ッ!?」
思わず、私は、その場から腕の力だけで後方へと飛び退く。
それと同時に、私が倒れていた地面が突然爆発する。
「ほう。これも避けるか」
「爆発系……それも初級魔法ですか」
私は、魔力が動いたのを感知したので間一髪で避けることはできたのだけれど……。
「なるほど。魔力の動きを察知したのか」
「無論です」
剣士としての技量では、私よりも遥かに上。
しかも魔法に至っては詠唱なしで発動してくる。
私の予測では恐らく、純粋な魔法ではなく魔法の亜種――、固有スキルと言ったところだと思う。
「ブレイズさん! これは、やりすぎです!」
「リアナ。冒険者の実力を見るのが、今回の試験だという事を忘れるな」
「ですが! 副ギルドマスターの力を、これだけ避けることができるのでしたら、それで十分なのではないですか?」
「たしかにな……」
そこで、ブレイズさんは頭を掻いたあと、私に向かってフランベルジュの切っ先を向けてくる。
「こいつは実力を隠している。冒険者の実力を正しく知っておくことは、冒険者ギルドの規定で決まっているからな」
「――ですが!」
「くどいっ!」
リアナさんが、戦いを止めようとしていたけれど、それをブレイズさんは一蹴する。
「生半可なことでは、止まる事はありませんか……」
「そうだな。覚悟はできたか?」
「……仕方ないですね」
私は溜息をつく。
相手が、本気で――、こちらに害を為そうとしてくるのでしたら、本気で戦うしかない。
手加減はしない。
殺しはしないけど。
「ほう……。姿を変えていたのか?」
私は、全ての魔力制御を戦闘に収束させる為に自らの偽装を解除する。
金髪碧眼から、黒眼黒髪へと姿が変化し――、それと同時に地面に手を付ける事もなく大気中の原子構成を弄り分子並列を変えていき、さらに電磁力を展開し、生成した武器を空中に待機させる。
さらに地面から高硬度の小太刀を二本生成。
それを右手と左手でそれぞれ携える。
「本気で行きます」
「かかってこい! お前の実力が、どの程度か見せてもらおう!」
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