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第52話 ダンジョン探索(2)
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「やっぱり暑いですね」
私は風の魔法で周囲の大気を操作しながら体温調節しながら溜息をつく。
そんな私の横では、手のひらをパタパタと動かしながら「そうだな」と、言葉を返してくるエリザさん。
エリザさんの場合は、黒のインナーの上に白色を基調とした花柄の長袖と服を着ている。
もちろん、その服には身体強化・物理防御・魔法防御の文字が付与されていて超人的な力を出せるようにしてある。
ただし、素材は森で採れたドラゴンの皮を使った鎧なので、通気性はとっても悪い。
軽いけど、砂漠ではあまり着たくは無いもの。
ただ、エルザさんは、砂漠の気候に順応し始めているので、元々の身体の性能が違うのかも知れない。
「それにしては、エリザさんは、そんなに暑いようには見えないですね」
実際、汗は白い肌の上の上に浮き上がってはいるけれど、足取りはシッカリとしているし……。
たいして、私と言えばスカートの裾が短い白いワンピースを着ている。
それなのに、とっても暑い。
きっと風の魔法で涼をとっていなければ、すぐに倒れそう。
「まぁ、ドラゴンの鎧だからな!」
「そうですか」
意味不明な事を言っているエリザさんの言葉を適当に受け流しながら、簡素な住宅街から迷宮都市グラナドの繁華街に出た。
繁華街に出てからは、朝早いというのに多くの人混みがある大通りを歩き見えてきた冒険者ギルドの建物の中へと入る。
冒険者ギルドの建物の中に入ると、室内は魔道具により室内は心地よく感じる程度の涼しい気温に保たれていた。
「やっぱり、クーラーという魔道具は欲しいですね」
私は、風の魔法を解除しながら呟く。
「アリーシャ」
「はい?」
「受付に人がいっぱいいるぞ?」
「え?」
冒険者ギルドの受付へ視線を向ける私。
すると視線の先には、冒険者ギルドの受付があり、全ての受付の前には、それぞれ数十人ずつ並んでいた。
もちろん、装備は統一なんてされていないから、冒険者だというのは一目で分かってしまう。
「これって……、もしかして……」
「ああ、みんな考えることは同じだって事だな」
「……ですよね」
つまり、冒険者の皆さんも、涼しい時間帯に活動したいってこと。
そして、よくよく考えれば昼間よりも、遥かに人通りが多い繁華街の大通り。
あれらも気温が上がる前に行動しておきたいという考えを持った人たちなのかも知れないです。
「とりあえず、アリーシャは座って待っていろ。もう限界なんだろ?」
「すいません……」
回復魔法で体力を回復したと思っていたのに、思っていたよりも疲れが酷い。
思ったよりも疲れているのかも……。
それに蒸し暑かったから満足に眠れてないし。
「エリザさんは、すごいですね」
私は、冒険者ギルドの受付に並んだエリザさんの後ろ姿を見て目を閉じた。
私は風の魔法で周囲の大気を操作しながら体温調節しながら溜息をつく。
そんな私の横では、手のひらをパタパタと動かしながら「そうだな」と、言葉を返してくるエリザさん。
エリザさんの場合は、黒のインナーの上に白色を基調とした花柄の長袖と服を着ている。
もちろん、その服には身体強化・物理防御・魔法防御の文字が付与されていて超人的な力を出せるようにしてある。
ただし、素材は森で採れたドラゴンの皮を使った鎧なので、通気性はとっても悪い。
軽いけど、砂漠ではあまり着たくは無いもの。
ただ、エルザさんは、砂漠の気候に順応し始めているので、元々の身体の性能が違うのかも知れない。
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実際、汗は白い肌の上の上に浮き上がってはいるけれど、足取りはシッカリとしているし……。
たいして、私と言えばスカートの裾が短い白いワンピースを着ている。
それなのに、とっても暑い。
きっと風の魔法で涼をとっていなければ、すぐに倒れそう。
「まぁ、ドラゴンの鎧だからな!」
「そうですか」
意味不明な事を言っているエリザさんの言葉を適当に受け流しながら、簡素な住宅街から迷宮都市グラナドの繁華街に出た。
繁華街に出てからは、朝早いというのに多くの人混みがある大通りを歩き見えてきた冒険者ギルドの建物の中へと入る。
冒険者ギルドの建物の中に入ると、室内は魔道具により室内は心地よく感じる程度の涼しい気温に保たれていた。
「やっぱり、クーラーという魔道具は欲しいですね」
私は、風の魔法を解除しながら呟く。
「アリーシャ」
「はい?」
「受付に人がいっぱいいるぞ?」
「え?」
冒険者ギルドの受付へ視線を向ける私。
すると視線の先には、冒険者ギルドの受付があり、全ての受付の前には、それぞれ数十人ずつ並んでいた。
もちろん、装備は統一なんてされていないから、冒険者だというのは一目で分かってしまう。
「これって……、もしかして……」
「ああ、みんな考えることは同じだって事だな」
「……ですよね」
つまり、冒険者の皆さんも、涼しい時間帯に活動したいってこと。
そして、よくよく考えれば昼間よりも、遥かに人通りが多い繁華街の大通り。
あれらも気温が上がる前に行動しておきたいという考えを持った人たちなのかも知れないです。
「とりあえず、アリーシャは座って待っていろ。もう限界なんだろ?」
「すいません……」
回復魔法で体力を回復したと思っていたのに、思っていたよりも疲れが酷い。
思ったよりも疲れているのかも……。
それに蒸し暑かったから満足に眠れてないし。
「エリザさんは、すごいですね」
私は、冒険者ギルドの受付に並んだエリザさんの後ろ姿を見て目を閉じた。
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