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第51話 ダンジョン探索(1)
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家路についた後は、夕食を摂り室内を氷の魔法で冷やしてから就寝。
ただ――、就寝した後は魔法が切れることもあり、翌朝に目覚めたときは汗で寝間着もベトベト。
「とりあえず……」
私は浴場で、魔法で水を作りだしてから水浴びをする。
「ふう」
汗を洗い流したあとは、下着を着てから魔法文字を書いた白色のワンピースを着てから、鉄の胸当てを装備する。
右手には、魔法文字を刻んだ1メートル30センチほどの杖。
杖の先には、森の中で見つけたクリスタルを括りつけてある。
「アリーシャ、おはよー」
「エリザさん……?」
部屋に戻り用意が終わったところで、居間へと向かうとエリザさんが床板の上でゴロゴロとしていて私の姿を見た途端に話しかけてきた。
エリザさんは、白のシャツとショートパンツだけという部屋着。
「あの……エリザさん」
「どうした?」
「――いえ。今日から、迷宮都市グラナドのダンジョンに潜るって話をしていましたよね?」
「…………あっ!」
「忘れていました?」
「そ、そんなことないぞ! こう見えても英気を養っていたんだっ!」
「そうなのですか?」
「う、うむ! それにしてもアリーシャはノリノリだな!」
「ノリノリって……死活問題なのですから急がないと駄目ですよね? エリザさん、早く用意してきてくださいね」
「分かった」
すぐにエリザさんが居間から出ていくと、10分ほどで居間に戻ってくる。
エリザさんの装備は、全て魔法が付与されていて通常時の数十倍から数百倍の力を発揮する事が出来て、尚且つ装備も騎士風の様相で見栄えもとてもいいのです。
「待たせたか!」
「最初から待っています」
「そういう時は、たった今、来たばかり! って返答してくるのでは?」
「どこの聖女の恋愛事情の小説の一節を持ち出されても困るのですけれど?」
私は、小さく溜息をつきながら呟く。
聖女の恋愛事情というのは、異世界ニホンという国から召喚された聖女が体験談を小説に書いた物で、そのラストの方で勇者と聖女の会話の一節。
聖女が執筆した恋愛小説は数十冊に及び、多くの国で読まれていたりする。
もちろん自由に恋愛結婚ができない貴族の令嬢にも人気で――。
ううん、貴族の淑女とか令嬢だからこそ自由な恋愛が描かれている小説は、聖女が召喚されてから数百年経過している今でも大人気。
「アリーシャも読んだことがあるのか」
「当然です。貴族の淑女でしたら、誰でも恋焦がれる物ですし」
「――ん? 貴族?」
「貴族でもということです」
私の『貴族の淑女』という言葉に引っかかりを覚えたのかエリザさんが疑問を浮かべてくるけれど、私はすぐに言葉を訂正していく。
「そうなのか」
「はい。平民の方も見ていますから。それよりも、エリザさん、さっさと行きましょう!」
「そうだな」
私は、エリザさんと共に家を出る。
そのあとは、魔法でドアや家を施錠してから迷宮都市グラナドの冒険者ギルドへと向かう。
ただ――、就寝した後は魔法が切れることもあり、翌朝に目覚めたときは汗で寝間着もベトベト。
「とりあえず……」
私は浴場で、魔法で水を作りだしてから水浴びをする。
「ふう」
汗を洗い流したあとは、下着を着てから魔法文字を書いた白色のワンピースを着てから、鉄の胸当てを装備する。
右手には、魔法文字を刻んだ1メートル30センチほどの杖。
杖の先には、森の中で見つけたクリスタルを括りつけてある。
「アリーシャ、おはよー」
「エリザさん……?」
部屋に戻り用意が終わったところで、居間へと向かうとエリザさんが床板の上でゴロゴロとしていて私の姿を見た途端に話しかけてきた。
エリザさんは、白のシャツとショートパンツだけという部屋着。
「あの……エリザさん」
「どうした?」
「――いえ。今日から、迷宮都市グラナドのダンジョンに潜るって話をしていましたよね?」
「…………あっ!」
「忘れていました?」
「そ、そんなことないぞ! こう見えても英気を養っていたんだっ!」
「そうなのですか?」
「う、うむ! それにしてもアリーシャはノリノリだな!」
「ノリノリって……死活問題なのですから急がないと駄目ですよね? エリザさん、早く用意してきてくださいね」
「分かった」
すぐにエリザさんが居間から出ていくと、10分ほどで居間に戻ってくる。
エリザさんの装備は、全て魔法が付与されていて通常時の数十倍から数百倍の力を発揮する事が出来て、尚且つ装備も騎士風の様相で見栄えもとてもいいのです。
「待たせたか!」
「最初から待っています」
「そういう時は、たった今、来たばかり! って返答してくるのでは?」
「どこの聖女の恋愛事情の小説の一節を持ち出されても困るのですけれど?」
私は、小さく溜息をつきながら呟く。
聖女の恋愛事情というのは、異世界ニホンという国から召喚された聖女が体験談を小説に書いた物で、そのラストの方で勇者と聖女の会話の一節。
聖女が執筆した恋愛小説は数十冊に及び、多くの国で読まれていたりする。
もちろん自由に恋愛結婚ができない貴族の令嬢にも人気で――。
ううん、貴族の淑女とか令嬢だからこそ自由な恋愛が描かれている小説は、聖女が召喚されてから数百年経過している今でも大人気。
「アリーシャも読んだことがあるのか」
「当然です。貴族の淑女でしたら、誰でも恋焦がれる物ですし」
「――ん? 貴族?」
「貴族でもということです」
私の『貴族の淑女』という言葉に引っかかりを覚えたのかエリザさんが疑問を浮かべてくるけれど、私はすぐに言葉を訂正していく。
「そうなのか」
「はい。平民の方も見ていますから。それよりも、エリザさん、さっさと行きましょう!」
「そうだな」
私は、エリザさんと共に家を出る。
そのあとは、魔法でドアや家を施錠してから迷宮都市グラナドの冒険者ギルドへと向かう。
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