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第46話 迷宮都市グラナド(18)
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「安堵するのは、まだ早いと思うけどね……」
「どういう意味でしょうか?」
先ほど、何の問題もないとヨランダさんは診察結果を口にしたはずですけれど、その口ぶりからは、根本的な解決はしていないと言われているような……。
「ああ、すまないね。とりあえず、今現在は問題無いと話しただけだし、あくまでも今後の事だから気にしなくていいよ」
「え? それって、今後は何か問題があるという事ですか? そう言うことですよね? 何か、問題があるのでしたら、話して頂けませんか?」
「うん。そうだね」
ヨランダさんが、頷くと口を開く。
「君が熱を出して倒れた原因は、一言で言えば寒暖差と言ったところだろうね」
「寒暖差? それって、気候の変動に肉体がついて行けないという事ですよね? よく、北国の方が砂漠などに行くと気候が合わずに体調を崩すという……」
「そうなる」
「――ですが、私の場合は体調管理をキチンとしていましたし、それが原因だとは思えませんが……」
「君のことは、エリザ君から聞きましたけど自宅に滞在している時は、邸宅の周囲を氷の壁で囲っているらしいね」
「はい。迷宮都市グラナドは砂漠の都市ですので気候が暑いので」
「うん。それはエリザ君から聞いた。ただ、それが、一番の原因だという事を、まずは理解してほしい」
「つまり、どういう事でしょうか?」
「そうだね。まずは魔法という現象が何なのか? と、言うことをアリーシャ君は理解しているかな?」
一瞬、私は首を傾げる。
魔法が起こす現象というのは、魔導士なら誰でも最初に習う事だから。
つまり、私が基礎も理解できてない魔導士と目の前に座っている女性は話していたから。
「ああ、すまないね。別に君が未熟な魔導士と言っている訳ではないんだよ」
「それは分かっていますが……」
思わず、何て答えていいのか分からず歯切れの悪い口調になってしまう。
「ここにはね、他の国では見られない特徴があるのは知っているかね?」
「それは……はい」
私は、図書館で見た書物を思い出しながら頷く。
少なくとも私が住んでいた後宮の書物室には置かれていない書物などが大量に保管されていて、驚くことが多くあった。
それを思い出し、自然と頷いていた。
「そうか。ここには異世界から齎された知識や、超古代文明の遺跡から掘り出された多くの遺物や書物が存在している。それらから、他国よりも医学が進んでいる。そこから見るに、魔法というのは結果的には物理現象の結果に過ぎないという事になっている」
「物理現象……」
「ああ、他国では神々の神秘や神の奇跡はたまた悪魔との契約などと言われているが、その現象は千差万別あるが、収束すると物理現象に他ならない」
「物理というのは、物という意味ですよね?」
「いや、そうではないよ」
「目の前にあるモノという意味ではないと?」
「私も詳しくは知らないが、簡単に説明をするならある法則に従って運動している物の総称を物理現象というらしい。詳しくは、この迷宮都市グラナドを作った初代が知っていたらしいが……」
「そうですか……」
魔導士としては知りたい核心の部分ではあったけれど、物事の本質では無いので引き下がることにする。
「それで、氷の魔法は物理現象である以上、何かしら問題が起きたという事ですよね?」
「ああ、察しが良くて助かる」
ヨランダさんは頷く。
「――で、アリーシャ君。君は熱中症で倒れた」
「どういう意味でしょうか?」
先ほど、何の問題もないとヨランダさんは診察結果を口にしたはずですけれど、その口ぶりからは、根本的な解決はしていないと言われているような……。
「ああ、すまないね。とりあえず、今現在は問題無いと話しただけだし、あくまでも今後の事だから気にしなくていいよ」
「え? それって、今後は何か問題があるという事ですか? そう言うことですよね? 何か、問題があるのでしたら、話して頂けませんか?」
「うん。そうだね」
ヨランダさんが、頷くと口を開く。
「君が熱を出して倒れた原因は、一言で言えば寒暖差と言ったところだろうね」
「寒暖差? それって、気候の変動に肉体がついて行けないという事ですよね? よく、北国の方が砂漠などに行くと気候が合わずに体調を崩すという……」
「そうなる」
「――ですが、私の場合は体調管理をキチンとしていましたし、それが原因だとは思えませんが……」
「君のことは、エリザ君から聞きましたけど自宅に滞在している時は、邸宅の周囲を氷の壁で囲っているらしいね」
「はい。迷宮都市グラナドは砂漠の都市ですので気候が暑いので」
「うん。それはエリザ君から聞いた。ただ、それが、一番の原因だという事を、まずは理解してほしい」
「つまり、どういう事でしょうか?」
「そうだね。まずは魔法という現象が何なのか? と、言うことをアリーシャ君は理解しているかな?」
一瞬、私は首を傾げる。
魔法が起こす現象というのは、魔導士なら誰でも最初に習う事だから。
つまり、私が基礎も理解できてない魔導士と目の前に座っている女性は話していたから。
「ああ、すまないね。別に君が未熟な魔導士と言っている訳ではないんだよ」
「それは分かっていますが……」
思わず、何て答えていいのか分からず歯切れの悪い口調になってしまう。
「ここにはね、他の国では見られない特徴があるのは知っているかね?」
「それは……はい」
私は、図書館で見た書物を思い出しながら頷く。
少なくとも私が住んでいた後宮の書物室には置かれていない書物などが大量に保管されていて、驚くことが多くあった。
それを思い出し、自然と頷いていた。
「そうか。ここには異世界から齎された知識や、超古代文明の遺跡から掘り出された多くの遺物や書物が存在している。それらから、他国よりも医学が進んでいる。そこから見るに、魔法というのは結果的には物理現象の結果に過ぎないという事になっている」
「物理現象……」
「ああ、他国では神々の神秘や神の奇跡はたまた悪魔との契約などと言われているが、その現象は千差万別あるが、収束すると物理現象に他ならない」
「物理というのは、物という意味ですよね?」
「いや、そうではないよ」
「目の前にあるモノという意味ではないと?」
「私も詳しくは知らないが、簡単に説明をするならある法則に従って運動している物の総称を物理現象というらしい。詳しくは、この迷宮都市グラナドを作った初代が知っていたらしいが……」
「そうですか……」
魔導士としては知りたい核心の部分ではあったけれど、物事の本質では無いので引き下がることにする。
「それで、氷の魔法は物理現象である以上、何かしら問題が起きたという事ですよね?」
「ああ、察しが良くて助かる」
ヨランダさんは頷く。
「――で、アリーシャ君。君は熱中症で倒れた」
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