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第83話 王都事件(8)
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アディ―さんに怒られること、日が暮れるまで。
夕食を摂り終えた私は寝姿に着替えるとベッドの上に倒れ込む。
「今日は、疲れました」
幼少期から王城に上がっていた私にアディーさんは、しばらくしてから教育係りという体裁で実家から送られてきた侍女で、主な仕事はお母様との連絡、つまり橋渡しだと気がついたのは、10歳頃になってから。
年齢が近い私に実家より寂しくないようにと派遣されてきたと壮大な勘違いをしていた時期もありました。
「はぁ……。あと王都に滞在するのは2週間くらいかしら?」
一人呟きながら絶望的な思いが募ってしまう。
こんな外にも遊びにいけない状況で、家の中に閉じ込められる仕打ち。
辺境で暮らしていた時は、川で遊んだり魚を釣ったりフェルシアさんをモフモフして自由に昼寝できたのが懐かしい。
「つらいです……」
妃教育として王城で暮らしていた時は何とも思わなかったけれども、一度でも自由を謳歌してしまうと籠の中の鳥というのは、とても窮屈で退屈。
「何か気分転換したいわね」
「そうですか。それでは、お茶会を開かれては如何でしょうか?」
私の独り言に、答えてきたのはアディ―さん。
いつの間に部屋に入ってきたのか……。
「えっと……。アディー? 何時頃から部屋の中にいたのかしら?」
「先ほど、ノックを致しました」
「……そうなのね」
全然、気がつかなかった。
「何度もノックを致しましたが、お返事が無いようでしたので、何かあれば困ると思いお部屋に入らせて頂きました」
「そ、そう……」
「はい」
「それで、どこから話を聞いていたのかしら?」
「エリーゼ様の『つらいです』という部分からです。エリーゼ様は、おひとりを好んでおりましたので、気がつきませんでした。気分転換をされたいという事ですので、貴族の令嬢の方々へ招待状を送りお茶会を開かれては如何でしょうか?」
「お茶会……。わたし、そういうのはちょっと……」
一応、メレンドルフ公爵家は国でも有数の大貴族。
さらに元・王太子様との婚約者であった時の人である私は、社交界の場では注目の的のはず。
とくに他人の恋愛やドロドロな恋愛系の話が好きな淑女の方々には。
「ちなみにカーネルより、すでにフェンリルを手懐けた冒険者としてエリーゼ様は、貴族や王族だけでなく精霊教会や城下町の方々にも、その実績は知れ渡っているとのことです。そして王都に滞在しているということも」
「……え?」
しばし無言になってしまった後、私は「えええーっ」と、声を上げてしまう。
夕食を摂り終えた私は寝姿に着替えるとベッドの上に倒れ込む。
「今日は、疲れました」
幼少期から王城に上がっていた私にアディーさんは、しばらくしてから教育係りという体裁で実家から送られてきた侍女で、主な仕事はお母様との連絡、つまり橋渡しだと気がついたのは、10歳頃になってから。
年齢が近い私に実家より寂しくないようにと派遣されてきたと壮大な勘違いをしていた時期もありました。
「はぁ……。あと王都に滞在するのは2週間くらいかしら?」
一人呟きながら絶望的な思いが募ってしまう。
こんな外にも遊びにいけない状況で、家の中に閉じ込められる仕打ち。
辺境で暮らしていた時は、川で遊んだり魚を釣ったりフェルシアさんをモフモフして自由に昼寝できたのが懐かしい。
「つらいです……」
妃教育として王城で暮らしていた時は何とも思わなかったけれども、一度でも自由を謳歌してしまうと籠の中の鳥というのは、とても窮屈で退屈。
「何か気分転換したいわね」
「そうですか。それでは、お茶会を開かれては如何でしょうか?」
私の独り言に、答えてきたのはアディ―さん。
いつの間に部屋に入ってきたのか……。
「えっと……。アディー? 何時頃から部屋の中にいたのかしら?」
「先ほど、ノックを致しました」
「……そうなのね」
全然、気がつかなかった。
「何度もノックを致しましたが、お返事が無いようでしたので、何かあれば困ると思いお部屋に入らせて頂きました」
「そ、そう……」
「はい」
「それで、どこから話を聞いていたのかしら?」
「エリーゼ様の『つらいです』という部分からです。エリーゼ様は、おひとりを好んでおりましたので、気がつきませんでした。気分転換をされたいという事ですので、貴族の令嬢の方々へ招待状を送りお茶会を開かれては如何でしょうか?」
「お茶会……。わたし、そういうのはちょっと……」
一応、メレンドルフ公爵家は国でも有数の大貴族。
さらに元・王太子様との婚約者であった時の人である私は、社交界の場では注目の的のはず。
とくに他人の恋愛やドロドロな恋愛系の話が好きな淑女の方々には。
「ちなみにカーネルより、すでにフェンリルを手懐けた冒険者としてエリーゼ様は、貴族や王族だけでなく精霊教会や城下町の方々にも、その実績は知れ渡っているとのことです。そして王都に滞在しているということも」
「……え?」
しばし無言になってしまった後、私は「えええーっ」と、声を上げてしまう。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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