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第70話 法王様との対談(7)
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「うむ。枕を特注させたのだが、どうかの?」
枕に手のひらを当てると、モフッ! という音が聞こえてくるほど、弾力があるけれど柔らかい。
これは、少なくとも……フェルシアさんのモフモフ布団に近いです!
「またレベルが上がった気がします」
「そうか?」
「はい。私が知っている以前の枕よりも完成度は遥かに高いです。これから、こう! 頭を置いただけで……すやー」
一瞬にして、私の意識は睡魔の向こうへ。
そして何度か体を揺さぶられる感覚。
「エリーゼ様っ!」
「はっ! ウルリカ。私、どうかしたの?」
「枕に頭を乗せた瞬間、寝ていました」
「え? そうなの?」
恐るべき精霊教会で作られた枕なだけはありますね。
以前の枕も寝るまでには数秒かかりましたけど、今回は即堕ちでした。
「それで、ここは……。私の部屋?」
「はい」
「あっ! 法王様を待たせているのでは!?」
「そこは問題ありません。法王様は、エリーゼ様が何時も通りだと安心した様子で王都に戻られるためにエリーゼ様が寝ている間に出立なされました」
「そうなのね……。お見送りも出来ないなんて……」
「法王様としては、その事に関しては怒ってはおられませんでしたので、問題ないかと――。それに、長話が中断されたのは良かったのかも知れません」
「どういうこと?」
あのまま話をしていたら何か問題があったのかしら?
「法王様が、どういうお考えで、このような辺境の地までお越しになられたのかは分かりませんが、教会騎士団の人間は、エリーゼ様の婚姻が破談になった事を喜んでいる節が見受けられました」
「そうなの?」
「はい。情報収集の為に冒険者をカーネル殿が、公爵邸中に配置しておりましたが、教会騎士団の面々は、そのような話をしていたとか」
「そう……」
「それと、教会としてはエリーゼ様に聖女として教会に属して欲しいと思っても居るようです」
「それはないですね……」
聖女として特別扱いされることは、私は、そんなの望んでいない。
それだったら、まだ王家に嫁ぐ方がいい。
というよりも、このままいくと婚約は王家の血筋の方と一緒になる可能性は高いと思うけど……。
でも、それは公爵家の娘として生まれたのだから当然で、いまの野放しに放置されている状況の方が、稀有だとも思う。
「エリーゼ様は、聖女としての御立場は好きではないのですね」
「そうね。私は、自分が特別扱いされることは好きではないわ。だって、誰もが私に聖女としての役割を願ってくるのだから」
「ですが、それは王妃としても同じでは?」
「私に王妃という立場は似つかわしくないと思っているの。だって、妃教育を受ければ分かるけど、王妃様は大変ですもの」
色々と行動制限はかかるし、お昼寝は自由にできないし……。
枕に手のひらを当てると、モフッ! という音が聞こえてくるほど、弾力があるけれど柔らかい。
これは、少なくとも……フェルシアさんのモフモフ布団に近いです!
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「そうか?」
「はい。私が知っている以前の枕よりも完成度は遥かに高いです。これから、こう! 頭を置いただけで……すやー」
一瞬にして、私の意識は睡魔の向こうへ。
そして何度か体を揺さぶられる感覚。
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「はっ! ウルリカ。私、どうかしたの?」
「枕に頭を乗せた瞬間、寝ていました」
「え? そうなの?」
恐るべき精霊教会で作られた枕なだけはありますね。
以前の枕も寝るまでには数秒かかりましたけど、今回は即堕ちでした。
「それで、ここは……。私の部屋?」
「はい」
「あっ! 法王様を待たせているのでは!?」
「そこは問題ありません。法王様は、エリーゼ様が何時も通りだと安心した様子で王都に戻られるためにエリーゼ様が寝ている間に出立なされました」
「そうなのね……。お見送りも出来ないなんて……」
「法王様としては、その事に関しては怒ってはおられませんでしたので、問題ないかと――。それに、長話が中断されたのは良かったのかも知れません」
「どういうこと?」
あのまま話をしていたら何か問題があったのかしら?
「法王様が、どういうお考えで、このような辺境の地までお越しになられたのかは分かりませんが、教会騎士団の人間は、エリーゼ様の婚姻が破談になった事を喜んでいる節が見受けられました」
「そうなの?」
「はい。情報収集の為に冒険者をカーネル殿が、公爵邸中に配置しておりましたが、教会騎士団の面々は、そのような話をしていたとか」
「そう……」
「それと、教会としてはエリーゼ様に聖女として教会に属して欲しいと思っても居るようです」
「それはないですね……」
聖女として特別扱いされることは、私は、そんなの望んでいない。
それだったら、まだ王家に嫁ぐ方がいい。
というよりも、このままいくと婚約は王家の血筋の方と一緒になる可能性は高いと思うけど……。
でも、それは公爵家の娘として生まれたのだから当然で、いまの野放しに放置されている状況の方が、稀有だとも思う。
「エリーゼ様は、聖女としての御立場は好きではないのですね」
「そうね。私は、自分が特別扱いされることは好きではないわ。だって、誰もが私に聖女としての役割を願ってくるのだから」
「ですが、それは王妃としても同じでは?」
「私に王妃という立場は似つかわしくないと思っているの。だって、妃教育を受ければ分かるけど、王妃様は大変ですもの」
色々と行動制限はかかるし、お昼寝は自由にできないし……。
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