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第63話 王都へ行きましょう(8)
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王都へと馬で向かう冒険者の方を送ってから2週間ほどが経過し――、朝食を摂った私は、館の中庭でお昼のお茶をしていた。
お茶会に参加しているのは、面々は――、
イオス村に新しく誘致する事になった冒険者ギルドの暫定的なギルドマスターであるカーネルさん。
そしてイオス村の村長であり代官のアルさんにイスタンブールの商業ギルドマスターのロマネスクさん。
そして、最後に公爵家の令嬢の私と、ウルリカの5人。
お茶会にロマネスクさんが参加しているのは、冒険者ギルド支部設立の許可が下りたという報告書を彼が持参したから。
それと、イオス村で採れている野菜の販売とルートの目途が立ったということもある。
「――で、ロマネスクさん」
「何ですかな?」
「冒険者ギルドの設立の書類に関しましては目を通しましたが、イスタンブールの冒険者ギルドの下部組織という形なのは、王宮側の許可を得る時間が無かったと思っていいのでしょうか?」
「そうなりますな。冒険者ギルドだけでなく、商業ギルドも国の機関の一つという事になっていますので、新しく支部を作る場合には手続きなどで3ヵ月近く掛かる為、それまでの暫定的な支部と言うことで通してあります」
「なるほど……。――では、イオス村での商業ギルド設立の書類もありますが、これに関しては?」
「冒険者ギルドを作りますと素材の買い取りなどは商業ギルドが行うことになりますので前もってという形ですな」
「そういうことですか。――ですが、冒険者ギルドで買い取りをする事も可能なのですよね?」
「可能ですが、冒険者ギルドで購入したものを商業ギルド経由で市場に回す事になりますと、ギルド間での取引の際に手数料が発生しますから」
「つまり、その手数料分冒険者の方にお渡しすると?」
「はい。そう考えております。実際に労働者に賃金が回った方が健全な財政運用が出来ますので……」
私は、ロマネスクさんの言葉に頷く。
つまり中抜きは極力減らして労働者に還元した方が労働意欲は損なわれないと、ロマネスクさんは言っている。
「分かりました。では、冒険者ギルドと商業ギルドの建設はなるべく早く出来るように手配致します。アルさん、お願いできますか?」
「分かりました」
横に座っていたアルさんが、頷き返してくるのを確認しつつ、私は口を開く。
「次に、こちらの書類なのですが武器屋と防具屋、あと製鉄所の建築なのですが、これは冒険者ギルドに所属している方用という感じでいいのでしょうか?」
私の問いかけにロマネスクさんは頷きながら「そうなりすな。あとは、人が暮らしていく分には、色々な工具や調理器具が必要になりますので、そのためです」と、説明してくる。
「そうですか。分かりました。では、早めに手配の方をお願いします。私も、そろそろ王都に向かわなくてはいけませんので、アルさんに後はお任せします」
お茶会に参加しているのは、面々は――、
イオス村に新しく誘致する事になった冒険者ギルドの暫定的なギルドマスターであるカーネルさん。
そしてイオス村の村長であり代官のアルさんにイスタンブールの商業ギルドマスターのロマネスクさん。
そして、最後に公爵家の令嬢の私と、ウルリカの5人。
お茶会にロマネスクさんが参加しているのは、冒険者ギルド支部設立の許可が下りたという報告書を彼が持参したから。
それと、イオス村で採れている野菜の販売とルートの目途が立ったということもある。
「――で、ロマネスクさん」
「何ですかな?」
「冒険者ギルドの設立の書類に関しましては目を通しましたが、イスタンブールの冒険者ギルドの下部組織という形なのは、王宮側の許可を得る時間が無かったと思っていいのでしょうか?」
「そうなりますな。冒険者ギルドだけでなく、商業ギルドも国の機関の一つという事になっていますので、新しく支部を作る場合には手続きなどで3ヵ月近く掛かる為、それまでの暫定的な支部と言うことで通してあります」
「なるほど……。――では、イオス村での商業ギルド設立の書類もありますが、これに関しては?」
「冒険者ギルドを作りますと素材の買い取りなどは商業ギルドが行うことになりますので前もってという形ですな」
「そういうことですか。――ですが、冒険者ギルドで買い取りをする事も可能なのですよね?」
「可能ですが、冒険者ギルドで購入したものを商業ギルド経由で市場に回す事になりますと、ギルド間での取引の際に手数料が発生しますから」
「つまり、その手数料分冒険者の方にお渡しすると?」
「はい。そう考えております。実際に労働者に賃金が回った方が健全な財政運用が出来ますので……」
私は、ロマネスクさんの言葉に頷く。
つまり中抜きは極力減らして労働者に還元した方が労働意欲は損なわれないと、ロマネスクさんは言っている。
「分かりました。では、冒険者ギルドと商業ギルドの建設はなるべく早く出来るように手配致します。アルさん、お願いできますか?」
「分かりました」
横に座っていたアルさんが、頷き返してくるのを確認しつつ、私は口を開く。
「次に、こちらの書類なのですが武器屋と防具屋、あと製鉄所の建築なのですが、これは冒険者ギルドに所属している方用という感じでいいのでしょうか?」
私の問いかけにロマネスクさんは頷きながら「そうなりすな。あとは、人が暮らしていく分には、色々な工具や調理器具が必要になりますので、そのためです」と、説明してくる。
「そうですか。分かりました。では、早めに手配の方をお願いします。私も、そろそろ王都に向かわなくてはいけませんので、アルさんに後はお任せします」
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