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第54話 代官を選定しましょう。(4)
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――翌朝。
「えーっと……、ウルリカ?」
「はい。どうかなさいましたか? エリーゼ様」
昨日、ウルリカと話していて決まったお父様への連絡。
それは、アルさんを村の代官として任命させる為の許可申請の願い。
フェルシアさんに、お父様までウルリカを連れて行ってもらえるようにお願いしておいたのだけれど……。
「どうして、ウルリカが朝からいるの? 昨日、朝一番にお父様の御屋敷に向かうって……」
「その事に関しましては、カーネル殿へお願いしました」
「カーネルさんに!? ――で、でも、フェルシアさんには、私はそんな事は言ってないわよ?」
「カーネル殿が、私達がフェンリルの話を聞くことは出来なくとも、話は通じると提案され、カーネル殿がフェンリルに頼み、メレンドルフ公爵邸へと出立しました」
「……そ、そうなの……? そ、それで、どうして、カーネルさんが?」
「エリーゼ様をサポートするのがメイドの仕事ですので――、それにカーネル殿は、ルーカス様と面識があるという事ですので」
「……そう……なのね……」
ウルリカが、公爵邸に行っている間に惰眠を貪ろうとしていたのに!
「エリーゼ様、私が不在の間、怠惰に過ごそうなどと考えておられたのでは?」
「――そ、そんなことないわよ?」
「それは、よろしゅうございました。では、本日の予定でございますが――」
「え? 本日の予定って?」
「代官をお決めになられるのですから、職務の範囲をアルさんと事前に取り決めておくのは当然かと思いますが?」
「……そうね」
私は仕方なく頷く。
大変なのは今だけ! と、自身を鼓舞しつつ。
それからアルさんが館に来てから数時間で、任せられる仕事の範囲が決まった。
書類を作り、ようやく休めると思ったところで――。
「今、戻ったぞ」
執務室をノックして入ってきたのはカーネルさん。
「も、もう戻ってきたのですか?」
「ああ、さすがにフェンリルの移動は早いな」
フェルシアさん、もう少しゆっくり移動してもいいのに……。
「さすがはフェンリル殿ですな」
そう言葉を紡ぐのはアルさん。
そして、それに頷くカーネルさん。
「これは村の長も居られたのか? いや――、アル殿と言った方がいいか。メレンドルフ公爵より書簡を預かってきた」
そう言いながら、カーネルさんが差し出してきた書簡。
受け取り中を確認すると、フェルベール地方に関しては、私に一任すると書かれている。
それは、つまりアルさんへの代官任命権もあるということ。
「えっと、お父様から私へフェルベール地方統治の全権は移譲されましたので、アルさんを、イオス村の代官として任命します」
「分かりました。それでは、書類作成を致しますかな」
「そうですわね」
それから、さらに代官業務に関しての話を行い――、夕方までお昼寝なしで私は頑張った。
「もう無理ですー」
夕飯を食べてお風呂に入り、力尽きたかのようにフェルシアさんの毛の中にダイブする私。
「どうした? 主」
「どうした? じゃないです。もう、ウルリカを連れて行ってくれればよかったですのに」
「最近、主がだらけているようだったからな」
「私のどこがだらけていると!?」
フェルシアさんの毛の中で、チロちゃんを抱きながら私は反論しながら眠りについた。
「えーっと……、ウルリカ?」
「はい。どうかなさいましたか? エリーゼ様」
昨日、ウルリカと話していて決まったお父様への連絡。
それは、アルさんを村の代官として任命させる為の許可申請の願い。
フェルシアさんに、お父様までウルリカを連れて行ってもらえるようにお願いしておいたのだけれど……。
「どうして、ウルリカが朝からいるの? 昨日、朝一番にお父様の御屋敷に向かうって……」
「その事に関しましては、カーネル殿へお願いしました」
「カーネルさんに!? ――で、でも、フェルシアさんには、私はそんな事は言ってないわよ?」
「カーネル殿が、私達がフェンリルの話を聞くことは出来なくとも、話は通じると提案され、カーネル殿がフェンリルに頼み、メレンドルフ公爵邸へと出立しました」
「……そ、そうなの……? そ、それで、どうして、カーネルさんが?」
「エリーゼ様をサポートするのがメイドの仕事ですので――、それにカーネル殿は、ルーカス様と面識があるという事ですので」
「……そう……なのね……」
ウルリカが、公爵邸に行っている間に惰眠を貪ろうとしていたのに!
「エリーゼ様、私が不在の間、怠惰に過ごそうなどと考えておられたのでは?」
「――そ、そんなことないわよ?」
「それは、よろしゅうございました。では、本日の予定でございますが――」
「え? 本日の予定って?」
「代官をお決めになられるのですから、職務の範囲をアルさんと事前に取り決めておくのは当然かと思いますが?」
「……そうね」
私は仕方なく頷く。
大変なのは今だけ! と、自身を鼓舞しつつ。
それからアルさんが館に来てから数時間で、任せられる仕事の範囲が決まった。
書類を作り、ようやく休めると思ったところで――。
「今、戻ったぞ」
執務室をノックして入ってきたのはカーネルさん。
「も、もう戻ってきたのですか?」
「ああ、さすがにフェンリルの移動は早いな」
フェルシアさん、もう少しゆっくり移動してもいいのに……。
「さすがはフェンリル殿ですな」
そう言葉を紡ぐのはアルさん。
そして、それに頷くカーネルさん。
「これは村の長も居られたのか? いや――、アル殿と言った方がいいか。メレンドルフ公爵より書簡を預かってきた」
そう言いながら、カーネルさんが差し出してきた書簡。
受け取り中を確認すると、フェルベール地方に関しては、私に一任すると書かれている。
それは、つまりアルさんへの代官任命権もあるということ。
「えっと、お父様から私へフェルベール地方統治の全権は移譲されましたので、アルさんを、イオス村の代官として任命します」
「分かりました。それでは、書類作成を致しますかな」
「そうですわね」
それから、さらに代官業務に関しての話を行い――、夕方までお昼寝なしで私は頑張った。
「もう無理ですー」
夕飯を食べてお風呂に入り、力尽きたかのようにフェルシアさんの毛の中にダイブする私。
「どうした? 主」
「どうした? じゃないです。もう、ウルリカを連れて行ってくれればよかったですのに」
「最近、主がだらけているようだったからな」
「私のどこがだらけていると!?」
フェルシアさんの毛の中で、チロちゃんを抱きながら私は反論しながら眠りについた。
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