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第49話 最近、皆さん、私に厳しくないですか?
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「チロちゃん、ごめんね」
「わんっ!」
私の膝の上に乗ってきて頬をぺロペロしてくる真っ白な仔犬のチロちゃん。
抱きしめながら、私は気を付けようと思い何か忘れている事に気がつく。
「あのカーネルさん」
「なんだ?」
「ロマネスクさんは、もう帰られたのですか?」
「――いや、アルとアネットと共に商談をしているはずだぞ。それにフェンリルも戻ってきてないからな」
「え? フェルシアさんが戻ってきてない?」
「ああ――、それがどうかしたのか?」
「じつは、フェルシアさんは私のことを主と呼んでいたので、大丈夫なのかと心配になりまして――」
「そうだな……」
チロちゃんが、私の命と生命がリンクしているのなら、フェルシアさんもリンクしているのでは? と、私は思ってしまう。
それは、私の話を聞いていたカーネルさんも頷く内容で。
少し沈黙が続く。
すると部屋の窓がガタガタと揺れる。
そして、上空からフェルシアさんが落ちてくると音もなく芝の上へ降り立った。
「私なら、何の問題もない。子らと違い、契約はしていないからな」
「フェルシアさん!?」
外へと通じる窓が開いていた事もあり、フェルシアさんの声が入ってくる。
「何て言ったんだ?」
カーネルさんが聞いてくる。
「フェルシアさんは、私と契約はしていないそうです」
「そうなのか? なるほど……、ずいぶんと恩を感じているんだな」
「――貴様ほどではない」
「今、何か言われたような……」
「えっとフェルシアさんは、カーネルさんの恩を感じているという言葉に、カーネルさん程ではないと言っています」
「そうか……」
カーネルさんが溜息をつく。
「とりあえず、今日はエリーゼは一日休んでおくといい。まだ本調子ではないだろう?」
「――え? ということは寝ていてもいいという事ですか?」
それはそれで願ったり叶ったりですけど……。
「そうすると帳簿をつける仕事は……」
「明日、がんばればいいだろう?」
「あ、はい……」
どうやら翌日に仕事が移動するみたい。
誰かがやってくれるという事は無さそう。
「それじゃ俺は、ロマネスクに会ってくるがフェンリルにロマネスクをイスタンブールまで送ってもらえるように伝えてくれないか?」
「分かりました」
「主よ、話は聞いていたから問題ない」
「はい。それではフェルシアさん、宜しくお願いします」
カーネルさんが部屋から出ていき、フェルシアさんも一瞬で中庭から姿を消し、室内に残ったのは私とウルリカとチロちゃんだけ。
「それではエリーゼ様。少し、お早いですが横になると致しましょう」
「そうね……」
明日の仕事が大変そうになりそうだけど……、仕方ないわよね。
「わんっ!」
私の膝の上に乗ってきて頬をぺロペロしてくる真っ白な仔犬のチロちゃん。
抱きしめながら、私は気を付けようと思い何か忘れている事に気がつく。
「あのカーネルさん」
「なんだ?」
「ロマネスクさんは、もう帰られたのですか?」
「――いや、アルとアネットと共に商談をしているはずだぞ。それにフェンリルも戻ってきてないからな」
「え? フェルシアさんが戻ってきてない?」
「ああ――、それがどうかしたのか?」
「じつは、フェルシアさんは私のことを主と呼んでいたので、大丈夫なのかと心配になりまして――」
「そうだな……」
チロちゃんが、私の命と生命がリンクしているのなら、フェルシアさんもリンクしているのでは? と、私は思ってしまう。
それは、私の話を聞いていたカーネルさんも頷く内容で。
少し沈黙が続く。
すると部屋の窓がガタガタと揺れる。
そして、上空からフェルシアさんが落ちてくると音もなく芝の上へ降り立った。
「私なら、何の問題もない。子らと違い、契約はしていないからな」
「フェルシアさん!?」
外へと通じる窓が開いていた事もあり、フェルシアさんの声が入ってくる。
「何て言ったんだ?」
カーネルさんが聞いてくる。
「フェルシアさんは、私と契約はしていないそうです」
「そうなのか? なるほど……、ずいぶんと恩を感じているんだな」
「――貴様ほどではない」
「今、何か言われたような……」
「えっとフェルシアさんは、カーネルさんの恩を感じているという言葉に、カーネルさん程ではないと言っています」
「そうか……」
カーネルさんが溜息をつく。
「とりあえず、今日はエリーゼは一日休んでおくといい。まだ本調子ではないだろう?」
「――え? ということは寝ていてもいいという事ですか?」
それはそれで願ったり叶ったりですけど……。
「そうすると帳簿をつける仕事は……」
「明日、がんばればいいだろう?」
「あ、はい……」
どうやら翌日に仕事が移動するみたい。
誰かがやってくれるという事は無さそう。
「それじゃ俺は、ロマネスクに会ってくるがフェンリルにロマネスクをイスタンブールまで送ってもらえるように伝えてくれないか?」
「分かりました」
「主よ、話は聞いていたから問題ない」
「はい。それではフェルシアさん、宜しくお願いします」
カーネルさんが部屋から出ていき、フェルシアさんも一瞬で中庭から姿を消し、室内に残ったのは私とウルリカとチロちゃんだけ。
「それではエリーゼ様。少し、お早いですが横になると致しましょう」
「そうね……」
明日の仕事が大変そうになりそうだけど……、仕方ないわよね。
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