探偵幼稚園クロウ 三つの謎に挑む

女児のお話

二人の話を聞いた俊が、疑問を口にする。

「生物室には、二人しか、入らないっていってたね。グロウ幼稚園では、選択学習日に専門の先生が招かれるはずだが」

毎週火曜日の午後に 選択学習の授業があり、
各分野のスペシャリストが指導者として、
グロウ幼稚園に招かれるということだ。

「ああ、牛込先生ね。R大学から、週に一度、生物の牛込先生が来てたんだけど、最近来ないのよー。なんか、感じ悪い女だから、園児が集まんなくて、クビになったんじゃないかって噂よー」

と、ルミがいうと

「あら、でも、時々、職員室で見かけましてよ。クビにはなっていないんじゃないかしら」
と、マリエが、訂正した。

「あら、そうなの？」

生物の先生が、内臓を詰め間違えるとは、思えないけど、出入りする可能性は高そうだ。

つめ間違えといえば、よく内臓の配置がちがうことに気がついたね。と、俊が尋ねると、

マリエは
「わたくし、漫画家になるために美術大をめざしてますの。何度もスケッチした人体模型はしっかり記憶に残ってますわ。」
と、いい、ルミは

「わたしはアスリート専属ドクターになるつもりだから、臓器の配置なんて常識よ」

チラチラとハヤテの方を見ながら、嬉しそうに宣言する

当のハヤテは、今日のおやつ『キドニーパイ』を頬張っている。

よりによって、この話題でキドニーパイとはねえ。

(キドニーとは腎臓の意味である)