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地下31階 生物室 (踊る人体模型)

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グロウ幼稚園には 7不思議の噂がある

そのうちのひとつが『人体模型は深夜におどる』だ。

(昔、かくれんぼをしていた園児が生物室に隠れたが、熟睡してしまった。
深夜に目覚めた園児は、人体模型が ゆらゆら踊っているのをみて、気絶してしまった。

翌朝、みつかった園児は内臓をえぐられていた。そして、その臓器は人体模型のパーツのかわりに中に、収められていたらしい。。。。)

ひえーー。幼稚園の七不思議にしては、グロテスクである。

そんなグロテスクな不思議に関係あるんじゃないかしら、と、
探偵幼稚園クロウ(濁点なしのエリート幼稚園。。らしい)
に相談に来たのは、グロウ幼稚園の女児たちだった。

マリエとルミという名前のふたり。
彼女たち、自称ハヤテ親衛隊。

「わたくしたちは、美しき骨格と筋肉を尊びますのよ。ハヤテ様の骨格、筋肉はすばらしいですわ」

ハヤテの運動能力の高さを考えれば、納得はいく。が、幼稚園児が、それを言うとなると、少々、末恐ろしくもある。

彼女たちは、いつも昼休みに 生物室で、人体模型の筋肉をスケッチしている。

ある日、いつものように生物室に入った二人は違和感を覚えた。

人体模型が、定位置のホワイトボード横から、中央に移動していたのだ。

ホワイトボードの横には 準備室に通じるドアもあるため、だれかが、準備室に用事があって、うごかしたのかもしれないと、その日は納得した。

しかし、翌日、また生物室にはいると、今度は人体模型の腕が引っこ抜かれて、テーブルの上に置かれていた。

そして、また次の日は、嵌め込み式の内臓が、めちゃめちゃな配置に突っ込まれていた。

これまで、生物室にはいる園児など、マリエとルミしかいなかったのに、いったいどういうことだろう。

もしかしたら、模型が深夜に踊りだしているのではないか。

自分達は呪われてしまうんじゃないかと、心配して探偵幼稚園に相談にきたということらしい。









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