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みなさん、お集まりです

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翌日、クロウ幼稚園には

月助星助
警備員の元村
エレベーターボーイの中西が顔を揃えていた。
お菓子は、、、、、ない。

おもてなしは客を選ぶということらしい。

そして、ケイトもいない。双子がよほど苦手なようだ。

「さて、今日は、体育室の怪と噂される事柄をはっきりさせるために集まっていただきました。」

俊が進行する。
「まずは、孝太がこの赤い紙をしらべてくれました。この紙からは、、微量の接着剤が検出されたそうです。月助くん星助くん、これを使ったのは君たちだね。」

「うん。そうだよ。6才になった記念に6って書いたんだ。」月助がうなずく。

「あれ、6だったの?」
と、元村がおどろく。

「どうやって、模様を作ったか元村さんに説明してあげてください」

「ボクはさ、ペンキでかいちゃおうっていったんだけど、この前、先生に『今度悪いことしたら、オーストリアのお母様に連絡しますよ。』って、怒られたばっかりだから、ペンキはだめって、ツッキーがいうからさ」

と、星助が口を尖らせる。

二人の両親は音楽家で、世界中をまわっているのだそうだ。

「だからさ。太い両面テープで、床に6って、貼ってさ。
 大きい扇風機で、ちっさく切った赤い紙をばあってとばしたんだよ。

くっつかない紙は階段のほうのドアまでとんでった。」

両面テープを貼っているときは、モニターでみても、こどもたちがごそごそ動いているだけなので、印象に残らなかったのだろう。

月助があとを続ける
「写真撮ったあとは、両面テープはがしてさ。落とした紙はもう一回、扇風機で階段のほうにまとめて、回収したんだ。」

「いくらか回収もれもあったようですよ。うちのハヤテとワットがみつけました。」
と俊がいうと

「待ってください。ぼくも床のすみまで見ました。赤い紙なんて、絶対なかったはずです。」
と、元村がうったえる。

「二人には大人の協力者がいたんですよ。ねえ、中西さん。」

俊は視線を中西さんにうつした。

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