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清田先生の恋

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「清田先生は、あの日昼過ぎに池にいってますよね。」
「な、なぜ、それを」

「こどもの観察力と好奇心を甘くみてはいけませんよ」

清田先生が、度々、池に行くのを見かけた園児が、こっそり後をつけていたようだ。

「前日、雨が振りだす前にも、清田先生はあの池で、ある女性とケンカしていました。そうですね。花田さん。」

花田さんが、気まずそうに清田先生の方をみる。

「清田先生と花田さんが、恋人同士だというのは園児の間では有名だよ。」
ケイトが爪をみがきながらつぶやく。

花田が覚悟を決めて話し出す。

「はい。私達はあの前日、池でケンカしてたんです。本当にこの男はダメ人間で。。。賭け事して借金作って。。。」

「く。。。」

「あんまり、腹が立ったので、誕生日にもらったネックレスを池の近くに投げ捨てたんです。でも、夜に雨が降って、やっぱり、気になって翌日捜しにいったんですが、見つからなくって。清田がひろったのかなあと、売ればお金になるし。。。」

「清田先生、どうですか。」

「冗談じゃない。捜しにいったのは、売るためじゃない。大切なものだからだ。でも、みつからなくって。」

「二人の大切なネックレスだそうですよ。かずこさん、ようこさん」

みんなの視線が二人に集まった。

「だって。。。レンレンにピッタリだと思ったんですもの」

レンレン?

「俊、もってきたよー」

ハヤテが身体の倍近くありそうな大きなパンダのぬいぐるみを抱えてきた。
首に綺麗なネックレスをしている。

「それは、教室のすみにおいてあるぬいぐるみじゃないか。きづかなかった。毎日みていたはずなのに」

前日、二人がケンカしたといううわさをきいたかずこと取り巻きたちは、清田が池にむかうのを追いかけた。なにか、面白いことが起こるかもしれないと。

清田はしばらく、草むらでごそごそしていたが、すぐに諦めて帰っていった。何をしていたのかと、興味本意で池に近づいた彼女たちが、キラキラ光るネックレスをみつけてもちかえったというわけらしい。

「君たちの取り巻きはおしゃべりだね。ぜーんぶ話してくれたよ」

ケイトは飴とムチを自在に使い分ける。




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