探偵幼稚園クロウ 三つの謎に挑む

第三回探偵会議 はじまりますか

クロウ幼稚園に入ると、カレーの匂いがした。

なんだ普通の昼食もあるんじゃないか。毎回、フルコースの食事でもでるんじゃないかと思っていた。

洗面台では、孝太がやたら丁寧に右の上の歯をみがいている。虫歯でもあるのか。

「ねえ、俊、やっぱりナンは、オーブンじゃ、だめだよ。専用の焼き窯作ってもらおうよー」

ケイトのいう窯って、あのたて穴みたいなのの壁面にベッタン、ベッタンとナンをはりつけるやつのことだろか。
そんなものつくってるうちに、あんたたちは卒園しちゃうんじゃ？

「ワットはそんなだから、仕事遅いんだよ。そんなもん、電話一本いれたら、明日には美味しいナンがたべられるさ」

そういうものなのか。
ん？今、私、さりげなくディすられた気がするぞ。

今日は、ケイトの布団に大きく名前を貼って グロウ幼稚園に向けて干してやる。

孝太は丁寧に丁寧に今度は左の上の歯を磨いている。

ところで、ハヤテは?

「お昼ご飯の残りをもらいにグロウ幼稚園にいってるんじゃないかな。そろそろ、会議始めるから、ワットさん、呼んできて。たぶん、給食室だよ」

ハヤテは、本当に富豪の息子なのだろうか。

部屋をでるとき 孝太の方をチラリとみてみた。

そろそろ、下の歯磨きに移動したかな？


また右の上の歯磨きにもどっていた!