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執事登場
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クロウ幼稚園に帰ると、チョコの甘い香りがした。そして
「お帰りなさいませ。お坊っちゃまがた。」
執事がいた! 執事としかみえない佇まいで初老の男性がにっこりほほえんでいる。
「ただいま。セザール」
「フォンダンショコラが冷めてしまったので、つくりなおしておきましたよ。そちらのお客様もよろしかったらどうぞ」
「お客様じゃないよ。セザールが病院に通う間、探偵の手伝いをしてくれるんだ。僕達はワットさんって、呼んでいる」
いつの間にか、電気界大物の名前を付けられた。。。まあ、よいけれど。フォンダンショコラ美味しそうだし。
それにしても、大人がいないと思ったが、ちゃんと執事がいたんだな。
セザールはなんでもできるパーフェクト執事であるのだが、高齢のため眼医者、歯医者、リュウマチ、耳鼻科、循環器などの通院が必要で、その不在の間にこどもたちの世話をする人間を求人したということのようだ。
そういえば、隣のグロウ幼稚園とスモックが同じだったけどあれは偶然?
「グロウ幼稚園はこのクロウ幼稚園の分園なんだよ。どちらも僕の曾祖父が経営者だからね」
と、俊がふんぞりかえる。
こっちの方が分園じゃないのかと思うが、余計なことはいわないでおこう。
私たちが、フォンダンショコラを食べている間にセザールにシャワーをあびさせられていたハヤテが着替えておやつの席につくと、俊がぐるりと皆の顔を見回した。
「では探偵会議をはじめよう」
「お帰りなさいませ。お坊っちゃまがた。」
執事がいた! 執事としかみえない佇まいで初老の男性がにっこりほほえんでいる。
「ただいま。セザール」
「フォンダンショコラが冷めてしまったので、つくりなおしておきましたよ。そちらのお客様もよろしかったらどうぞ」
「お客様じゃないよ。セザールが病院に通う間、探偵の手伝いをしてくれるんだ。僕達はワットさんって、呼んでいる」
いつの間にか、電気界大物の名前を付けられた。。。まあ、よいけれど。フォンダンショコラ美味しそうだし。
それにしても、大人がいないと思ったが、ちゃんと執事がいたんだな。
セザールはなんでもできるパーフェクト執事であるのだが、高齢のため眼医者、歯医者、リュウマチ、耳鼻科、循環器などの通院が必要で、その不在の間にこどもたちの世話をする人間を求人したということのようだ。
そういえば、隣のグロウ幼稚園とスモックが同じだったけどあれは偶然?
「グロウ幼稚園はこのクロウ幼稚園の分園なんだよ。どちらも僕の曾祖父が経営者だからね」
と、俊がふんぞりかえる。
こっちの方が分園じゃないのかと思うが、余計なことはいわないでおこう。
私たちが、フォンダンショコラを食べている間にセザールにシャワーをあびさせられていたハヤテが着替えておやつの席につくと、俊がぐるりと皆の顔を見回した。
「では探偵会議をはじめよう」
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