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第73話:怪しげな場所
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現ミカエル国王のヒニクンを調査するため、王城の地下の鉱脈に潜っていた。
赤髪の女剣士ケンセイ=エルザを案内人として、ミスリル鉱脈の第二階層を探索。
彼女の案内で怪しい人影を見た場所にたどり着く。
「ハルク、この先の空間よ。わたしが人影を見たのは」
ボクを探すために、エルザはミスリル鉱脈を探索していたという。その道中の第二階層で、第三者の存在を確認していたのだ。
「ん、この先なの? この先はたしか、採掘済みの広い坑道があったはずだけど」
このミスリル鉱山はボクが一人で採掘した場所。中は細部に至るまで覚えている。
だが、エルザが示した場所は、既にミスリル鉱石を掘りつくした場所。
だから万が一金目当てで採掘する人は、いない場所なのだ。
「ふむ。小僧、気を付けるんじゃぞ。つまり相手は金目当てじゃないかもしれん」
「金目当て以外で……了解です」
経験豊富なドワーフ職人のドルトンさんの忠告に、運転する気を引き締める。
相手が何者か知らない。だが金目の物意外な目的なら、危険な思考の持ち主の可能性があるのだ。
周囲を警戒しながら“ハルク式荷馬車・参式”をゆっくり前進させていく。
「あっ、ハルク君。開けた場所です!」
細い坑道から視界が、一気に開けてきた。前方を警戒していたサラが声をあげる。
「ん? アレはなんじゃ?」
次に声をあげたのはドルトンさん。開けた空洞の奥に、何かの建造物を発見したのだ。
「アレも小僧が作ったものか?」
「いえ、違います。ボクが掘った時は、あんな物はありませんでした」
建造物は明らかに人工的な物だった。遠目でよく分からないが、何かの神殿のようにも見える。
詳しく調べるためにはもう少し近づいて、荷馬車から降りる必要がある。
「もしかして、あれがヒニクン国王の秘密かもしれません。調べてみましょう!」
周囲を警戒しながら建造物に、荷馬車を近づけていく。今のところ周囲に動く物の気配はない。
「それじゃ、降りて、皆で調査をしてみましょう!」
荷馬車に乗って見ただけだと、細かい部分まで調べることができない。経験と知識な豊富な搭乗者たちに、ボクは調査の協力を依頼する。
「おい、小僧、無茶を言うな。この外の魔素の濃さだと、ドワーフのワシですら動けなくなる。剣聖の嬢ちゃんでもギリギリ。サラの嬢ちゃんに至っては命の危険もあるぞ!」
ドルトンさんの指摘は当たっている。慣れない人たちにとって、このミスリル鉱脈の空気と強めの重力は、かなり身体に毒となる。
特に第二階層は、先ほどの上の階層よりも過酷な環境なのだ。
「あっ、そうでしたね。でも心配はありません。皆さんは、この服を着てください!」
ボクが【収納】から取り出したのは、三着の全身服。サイズに合わせて、三人に手渡していく。
「ん? いきなり服を出して、どうつもりじゃ? こんな服を着たところで、どうなるんだ?」
ドルトンさんをはじめ、三人とも首を傾げてきた。これは説明をしないで渡したボクの失態。ちゃんと説明しないと。
「あっ、失礼しました。それは《対環境服》といます。劣悪な環境でも活動できる機能が付いています!」
《対環境服》はボクが出発前に作っておいた超魔具。主な素材は生地のように薄く加工したミスリス金属だ。
形的には頭から全身まで覆っているので、魔素の悪影響を受けない。
また服の背中の箱には、簡易型の《空気清浄器》と《重力制御装置》が内蔵されている。
そのため着用者は魔素が濃くて、重力か強い階層の中でも活動が可能となるのだ。
「……という訳で、その《対環境服》があれば、荷馬車の外でも活動可能なんです!」
全員に機能の説明をする。少し複雑な説明だったけど、理解してくれたかな?
「ふう……こんなコンパクと背負い箱の中に、そんな機能を内蔵したとは。しかも全身を包む服とは……あいかわらず、小僧の発想力は、とんでもないのう。さて、着てみるとするか」
「よく分かりませんでしたが、さすがですハル君! さっそく着てみますね!」
「えっ? 二人とも何の疑問もなく、この怪しい服を着るの⁉ ちょ、ちょっと待ってよ!」
三人とも《対環境服》の説明を理解してくれた。
早速、今までの服を脱いで下着姿になろうとする。その上から《対環境服》を着込んでいくのだ。
「あっ、このカーテンで隠すね!」
サラとエルザは年頃の女の子。下着姿を直視する訳にはいかない。
荷馬車の中に設置しておいたカーテン機能で、二人は見えないように着替えをしてもらう。
男性のドルトンさんは、ボクの隣で着替えていく。
「ふむ。これでいいのか、小僧?」
「はい、大丈夫です! この腰のベルトに、今までの道具や武器も付けられます」
「なるほど、こうか。ふむ、想像以上に動きやすいし、これなら外に出ても問題はないのう」
「そうですね。機能はもちろん、着用性も重視しているので!」
《対環境服》をメインとなるミスリス金属を、今回は極限まで薄く加工している。
お蔭でかなり身体にフィットしたデザインになってしまった。だが、その分だけ身体の動きを阻害することはない。
着用者は下着感覚で《対環境服》を装備できるのだ。
「ハルク君、こっちも終わりました!」
カーテンの向こう側の女性陣も、着替えが終わったようだ。サラはカーテンを開けて確認作業にしてもらう。
「うん、二人も大丈夫だよ。それによく似合っているよ!」
《対環境服》は個人に合わせて、デザインと色を少し変えている。
女性陣は赤やピンク、黄色を基調とした色。男性のドルトンさんは黒と茶色を基調とした色だ。
「たしかに信じられないくらいに動きやすい服だけど、ちょっと体のラインが出すぎで、少し恥ずかしいわね、これ。特に胸が……」
着用感に満足しながらも、エルザは何やら顔を赤くしている。
「大丈夫ですよ、エルザさん。可愛らしくて、すごく似合っていますよ」
「あ、ありがとう、サラ。それにしてもローブ姿だと分かなかったけど、サラはそんなに胸が大きかったのね。うらやましいわ」
「えっ……そ、そんなことないですよ! エルザさんのスレンダーな体型も女性らしくて、うらやましいですよ!」
何やら女性陣同士で盛り上がっている。おそらく《対環境服》のデザインの話だろう。服飾の話を女の子は好きなのだ。
「えーと、とりあえず全員、問題はなさそうだね。それじゃ、外に出て調査をしてみよう!」
《対環境服》の装着は完璧。頭の部分も兜のようにスッポリかぶるタイプなので、空気も自動的に吸えるのだ。
「それじゃ、扉を開けて、調査に行くよ!」
「ええ、こっちは大丈夫だけど。ねぇ、さっきから気になっていたけど、ハルクはまだ着替えいの、この《対環境服》に?」
「え、ボク? “慣れている”から大丈夫だよ」
「えっ、慣れている⁉ この《剣聖》であるわたしですら、加護を最大級に発動しても、苦しかったこの外の環境を⁉」
「あっはっはっは……この辺は子どもの頃からの遊び場だからね。それじゃ、開けるよ!」
プシュー!
荷馬車の密閉扉を解放する。
こうして怪しげな神殿風の建造物を、ボクたち四人で調査するのであった。
赤髪の女剣士ケンセイ=エルザを案内人として、ミスリル鉱脈の第二階層を探索。
彼女の案内で怪しい人影を見た場所にたどり着く。
「ハルク、この先の空間よ。わたしが人影を見たのは」
ボクを探すために、エルザはミスリル鉱脈を探索していたという。その道中の第二階層で、第三者の存在を確認していたのだ。
「ん、この先なの? この先はたしか、採掘済みの広い坑道があったはずだけど」
このミスリル鉱山はボクが一人で採掘した場所。中は細部に至るまで覚えている。
だが、エルザが示した場所は、既にミスリル鉱石を掘りつくした場所。
だから万が一金目当てで採掘する人は、いない場所なのだ。
「ふむ。小僧、気を付けるんじゃぞ。つまり相手は金目当てじゃないかもしれん」
「金目当て以外で……了解です」
経験豊富なドワーフ職人のドルトンさんの忠告に、運転する気を引き締める。
相手が何者か知らない。だが金目の物意外な目的なら、危険な思考の持ち主の可能性があるのだ。
周囲を警戒しながら“ハルク式荷馬車・参式”をゆっくり前進させていく。
「あっ、ハルク君。開けた場所です!」
細い坑道から視界が、一気に開けてきた。前方を警戒していたサラが声をあげる。
「ん? アレはなんじゃ?」
次に声をあげたのはドルトンさん。開けた空洞の奥に、何かの建造物を発見したのだ。
「アレも小僧が作ったものか?」
「いえ、違います。ボクが掘った時は、あんな物はありませんでした」
建造物は明らかに人工的な物だった。遠目でよく分からないが、何かの神殿のようにも見える。
詳しく調べるためにはもう少し近づいて、荷馬車から降りる必要がある。
「もしかして、あれがヒニクン国王の秘密かもしれません。調べてみましょう!」
周囲を警戒しながら建造物に、荷馬車を近づけていく。今のところ周囲に動く物の気配はない。
「それじゃ、降りて、皆で調査をしてみましょう!」
荷馬車に乗って見ただけだと、細かい部分まで調べることができない。経験と知識な豊富な搭乗者たちに、ボクは調査の協力を依頼する。
「おい、小僧、無茶を言うな。この外の魔素の濃さだと、ドワーフのワシですら動けなくなる。剣聖の嬢ちゃんでもギリギリ。サラの嬢ちゃんに至っては命の危険もあるぞ!」
ドルトンさんの指摘は当たっている。慣れない人たちにとって、このミスリル鉱脈の空気と強めの重力は、かなり身体に毒となる。
特に第二階層は、先ほどの上の階層よりも過酷な環境なのだ。
「あっ、そうでしたね。でも心配はありません。皆さんは、この服を着てください!」
ボクが【収納】から取り出したのは、三着の全身服。サイズに合わせて、三人に手渡していく。
「ん? いきなり服を出して、どうつもりじゃ? こんな服を着たところで、どうなるんだ?」
ドルトンさんをはじめ、三人とも首を傾げてきた。これは説明をしないで渡したボクの失態。ちゃんと説明しないと。
「あっ、失礼しました。それは《対環境服》といます。劣悪な環境でも活動できる機能が付いています!」
《対環境服》はボクが出発前に作っておいた超魔具。主な素材は生地のように薄く加工したミスリス金属だ。
形的には頭から全身まで覆っているので、魔素の悪影響を受けない。
また服の背中の箱には、簡易型の《空気清浄器》と《重力制御装置》が内蔵されている。
そのため着用者は魔素が濃くて、重力か強い階層の中でも活動が可能となるのだ。
「……という訳で、その《対環境服》があれば、荷馬車の外でも活動可能なんです!」
全員に機能の説明をする。少し複雑な説明だったけど、理解してくれたかな?
「ふう……こんなコンパクと背負い箱の中に、そんな機能を内蔵したとは。しかも全身を包む服とは……あいかわらず、小僧の発想力は、とんでもないのう。さて、着てみるとするか」
「よく分かりませんでしたが、さすがですハル君! さっそく着てみますね!」
「えっ? 二人とも何の疑問もなく、この怪しい服を着るの⁉ ちょ、ちょっと待ってよ!」
三人とも《対環境服》の説明を理解してくれた。
早速、今までの服を脱いで下着姿になろうとする。その上から《対環境服》を着込んでいくのだ。
「あっ、このカーテンで隠すね!」
サラとエルザは年頃の女の子。下着姿を直視する訳にはいかない。
荷馬車の中に設置しておいたカーテン機能で、二人は見えないように着替えをしてもらう。
男性のドルトンさんは、ボクの隣で着替えていく。
「ふむ。これでいいのか、小僧?」
「はい、大丈夫です! この腰のベルトに、今までの道具や武器も付けられます」
「なるほど、こうか。ふむ、想像以上に動きやすいし、これなら外に出ても問題はないのう」
「そうですね。機能はもちろん、着用性も重視しているので!」
《対環境服》をメインとなるミスリス金属を、今回は極限まで薄く加工している。
お蔭でかなり身体にフィットしたデザインになってしまった。だが、その分だけ身体の動きを阻害することはない。
着用者は下着感覚で《対環境服》を装備できるのだ。
「ハルク君、こっちも終わりました!」
カーテンの向こう側の女性陣も、着替えが終わったようだ。サラはカーテンを開けて確認作業にしてもらう。
「うん、二人も大丈夫だよ。それによく似合っているよ!」
《対環境服》は個人に合わせて、デザインと色を少し変えている。
女性陣は赤やピンク、黄色を基調とした色。男性のドルトンさんは黒と茶色を基調とした色だ。
「たしかに信じられないくらいに動きやすい服だけど、ちょっと体のラインが出すぎで、少し恥ずかしいわね、これ。特に胸が……」
着用感に満足しながらも、エルザは何やら顔を赤くしている。
「大丈夫ですよ、エルザさん。可愛らしくて、すごく似合っていますよ」
「あ、ありがとう、サラ。それにしてもローブ姿だと分かなかったけど、サラはそんなに胸が大きかったのね。うらやましいわ」
「えっ……そ、そんなことないですよ! エルザさんのスレンダーな体型も女性らしくて、うらやましいですよ!」
何やら女性陣同士で盛り上がっている。おそらく《対環境服》のデザインの話だろう。服飾の話を女の子は好きなのだ。
「えーと、とりあえず全員、問題はなさそうだね。それじゃ、外に出て調査をしてみよう!」
《対環境服》の装着は完璧。頭の部分も兜のようにスッポリかぶるタイプなので、空気も自動的に吸えるのだ。
「それじゃ、扉を開けて、調査に行くよ!」
「ええ、こっちは大丈夫だけど。ねぇ、さっきから気になっていたけど、ハルクはまだ着替えいの、この《対環境服》に?」
「え、ボク? “慣れている”から大丈夫だよ」
「えっ、慣れている⁉ この《剣聖》であるわたしですら、加護を最大級に発動しても、苦しかったこの外の環境を⁉」
「あっはっはっは……この辺は子どもの頃からの遊び場だからね。それじゃ、開けるよ!」
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