49 / 56
第四章 この世界の秘密
地下五階層は、平和な魔物の町でした
しおりを挟む
魔物の森は、やはりB級もC級がいない状態で、あっさり地下迷宮がある洞窟まではたどり着くことができたが、地下迷宮一階層からは、以前の何倍もB級もC級の出現頻度が増えていた。
丁度いいので、親衛隊八人だけで、魔物との対戦経験を積ませることにした。
態と、B級魔物の気配がする方に進み、対戦させてみたが、なんとか討ち取ったものの、怪我人続出。剣術の腕は確かだが、タフで何度切りつけても倒れない魔物相手だと、まだまだ、A級冒険者の様な臨機応変な対応ができない。
それでも、地下三階層の入り口に到着する頃には、ほとんど怪我しない程になってきたのは流石と言うべきか。
今日は、地下三階層まで進む予定でいたが、予想以上に手古摺ったので、一旦外に出て、明日、出直すことにして、野営することにした。
親衛隊は、キャンプの設営には慣れていて、食材も持参していて、美味しい料理を作ってくれる。テントも持参してきていて、雨風をしのげるので、本当に助かる。見張りも、親衛隊が交代でやってくれ、熟睡することもでき、至れり尽くせりだ。
二日目は、B級魔物を回避するようにして進んだこともあり、地下三階層も無事、突破して、地下四階層に進むことができた。A級魔物を回避して戦わない様にしたのと、ベルゼブブが居なかったからでもある。聖剣を手に入れてしまったからか、もう門番があらわれなくなってしまって、あの魔人とは再戦できなくなってしまった。
それはさておき、問題は、どこに五階層の入り口があるかという捜索。
十五人がバラバラに、捜索地区を決めて、虱潰しに、墓を確認していったが、やはりどこにも隠し通路らしきものがない。
「本当に、この階層から、五階層に進めるのか? もしかして、別の入り口があるんじゃないのか」
ケントがとんでもないことを言い出した。もしそうだとすると、膨大な捜索をしなければならなくなる。
「うわっ」
その時、突然、悲鳴の様な声が聞こえてきた。
声の聞こえてきた方に急いで行ったが、何がおきたのか分からない。
全員を確認すると、親衛隊のルーカスの姿がなかった。
「彼は、どの地区を確認していの?」
リアムに確認し、ルーカスが担当していたエリアを、今度は全員で虱潰しに探していくことにした。
「うわっ」
また一人いなくなった。今度はメイソン。場所が絞り込めてきたので、慎重に探していると、押すと、例の転送ゲートが現れる墓を見つけた。
「これ。知ってる。手を振れると引き込まれて、別世界につれていかれるんだ」
ケントは、黒龍フェルニゲシュが突如消えた時を思い出したのか、そんな変な事をいいだしたけど、これは転送魔法のゲートで、別の場所と繋がっていると、説明して、私からそのゲートに飛び込んだ。
着いた先は、明るい別世界。街灯等は立っていないが、天井や壁がうっすら光っていて、東京の夜の様に、明るい。
王都ほどではないが、二階建ての家が立ち並んでいる地下都市で、魔人や魔物か沢山闊歩している。中央には、塔の様な六階建て位の建造物が聳え建っていて、あれが魔王城らしい。
「うわっ、なんだここは」
つぎつぎ、仲間が現れる。
「ルーカスとメイソンは見つかったか」
つい、この地下都市に見とれていて、探すのを忘れていた。
「メグ、どうする。あれだけの魔物が相手だと、全滅しかねないぞ」
戦闘の意志がないのか、私たちに気づいていないのかはわからないけど、今のところ、襲ってくる気配はない。女・子供の人型魔人が多く、強そうな魔物も見当たらないが、それでも何千、何万もの住人が生活している。もし戦闘になれば、全滅は免れない。
そこに、ゴブリンらしき小さな鬼の魔人が笑顔で近づいてきた。
リアムが戦闘態勢をとったけど、「戦闘は禁止よ」と、剣をしまわせた。
「敵でない。友達。仲良し」
なんと、人間の言葉を話して来た。
「あなたは、人間の言葉がはなせるの」
メグが魔界語で話しかけた。
「なんだ。魔界語が話せる人が居たんだ。よかった。じゃあ、僕についてきて。お友達のところにあんないするから」
どうやら、ゴブリンではなく、鬼人の子供らしい。
「通訳してくれよ」
ケントに言われて、説明してあげた。親衛隊の皆や新メンバの三人は、唖然としていたが、リットやメグが説明してあげていた。
そして、その子についていくと、メイソンとルーカスが、母親らしき鬼人の美女から接待を受けていた。
「隊長、来てくれたんですね。正直、どうすればいいのか分からなくって。敵意はないみたいなんですが、魔人なので」
「勇者は、魔界語を話せるらしい。ここはメグさんに任せて、彼女の指示にしたがうだけだ」
その鬼人の女性に、どうして我々を歓迎してくれるのか訊いたところ、魔王からの指示なんだそう。
人間が来るかもしれないので、決して戦わず、歓迎して、魔王城まで案内しろと言われ、人間を出迎える言葉も教えてもらっていたのだとか。
やはり、父は人間を滅ぼす意志はないと確信した。
その後、食事や寝室の準備ができるまで、町でも見て回わるように言われ、町を見て回ったが、本当に人間界と変わらない普通の生活をしていた。
人間の代わりに、魔物が生活しているだけ。鬼人だけでなく、魔人や魔獣、ありとあらゆる種族の魔物が闊歩して賑わっている。
彼らは皆、私達人間を歓迎していて、拍子抜けというか、魔物に対する認識をあらためさせらることになった。
丁度いいので、親衛隊八人だけで、魔物との対戦経験を積ませることにした。
態と、B級魔物の気配がする方に進み、対戦させてみたが、なんとか討ち取ったものの、怪我人続出。剣術の腕は確かだが、タフで何度切りつけても倒れない魔物相手だと、まだまだ、A級冒険者の様な臨機応変な対応ができない。
それでも、地下三階層の入り口に到着する頃には、ほとんど怪我しない程になってきたのは流石と言うべきか。
今日は、地下三階層まで進む予定でいたが、予想以上に手古摺ったので、一旦外に出て、明日、出直すことにして、野営することにした。
親衛隊は、キャンプの設営には慣れていて、食材も持参していて、美味しい料理を作ってくれる。テントも持参してきていて、雨風をしのげるので、本当に助かる。見張りも、親衛隊が交代でやってくれ、熟睡することもでき、至れり尽くせりだ。
二日目は、B級魔物を回避するようにして進んだこともあり、地下三階層も無事、突破して、地下四階層に進むことができた。A級魔物を回避して戦わない様にしたのと、ベルゼブブが居なかったからでもある。聖剣を手に入れてしまったからか、もう門番があらわれなくなってしまって、あの魔人とは再戦できなくなってしまった。
それはさておき、問題は、どこに五階層の入り口があるかという捜索。
十五人がバラバラに、捜索地区を決めて、虱潰しに、墓を確認していったが、やはりどこにも隠し通路らしきものがない。
「本当に、この階層から、五階層に進めるのか? もしかして、別の入り口があるんじゃないのか」
ケントがとんでもないことを言い出した。もしそうだとすると、膨大な捜索をしなければならなくなる。
「うわっ」
その時、突然、悲鳴の様な声が聞こえてきた。
声の聞こえてきた方に急いで行ったが、何がおきたのか分からない。
全員を確認すると、親衛隊のルーカスの姿がなかった。
「彼は、どの地区を確認していの?」
リアムに確認し、ルーカスが担当していたエリアを、今度は全員で虱潰しに探していくことにした。
「うわっ」
また一人いなくなった。今度はメイソン。場所が絞り込めてきたので、慎重に探していると、押すと、例の転送ゲートが現れる墓を見つけた。
「これ。知ってる。手を振れると引き込まれて、別世界につれていかれるんだ」
ケントは、黒龍フェルニゲシュが突如消えた時を思い出したのか、そんな変な事をいいだしたけど、これは転送魔法のゲートで、別の場所と繋がっていると、説明して、私からそのゲートに飛び込んだ。
着いた先は、明るい別世界。街灯等は立っていないが、天井や壁がうっすら光っていて、東京の夜の様に、明るい。
王都ほどではないが、二階建ての家が立ち並んでいる地下都市で、魔人や魔物か沢山闊歩している。中央には、塔の様な六階建て位の建造物が聳え建っていて、あれが魔王城らしい。
「うわっ、なんだここは」
つぎつぎ、仲間が現れる。
「ルーカスとメイソンは見つかったか」
つい、この地下都市に見とれていて、探すのを忘れていた。
「メグ、どうする。あれだけの魔物が相手だと、全滅しかねないぞ」
戦闘の意志がないのか、私たちに気づいていないのかはわからないけど、今のところ、襲ってくる気配はない。女・子供の人型魔人が多く、強そうな魔物も見当たらないが、それでも何千、何万もの住人が生活している。もし戦闘になれば、全滅は免れない。
そこに、ゴブリンらしき小さな鬼の魔人が笑顔で近づいてきた。
リアムが戦闘態勢をとったけど、「戦闘は禁止よ」と、剣をしまわせた。
「敵でない。友達。仲良し」
なんと、人間の言葉を話して来た。
「あなたは、人間の言葉がはなせるの」
メグが魔界語で話しかけた。
「なんだ。魔界語が話せる人が居たんだ。よかった。じゃあ、僕についてきて。お友達のところにあんないするから」
どうやら、ゴブリンではなく、鬼人の子供らしい。
「通訳してくれよ」
ケントに言われて、説明してあげた。親衛隊の皆や新メンバの三人は、唖然としていたが、リットやメグが説明してあげていた。
そして、その子についていくと、メイソンとルーカスが、母親らしき鬼人の美女から接待を受けていた。
「隊長、来てくれたんですね。正直、どうすればいいのか分からなくって。敵意はないみたいなんですが、魔人なので」
「勇者は、魔界語を話せるらしい。ここはメグさんに任せて、彼女の指示にしたがうだけだ」
その鬼人の女性に、どうして我々を歓迎してくれるのか訊いたところ、魔王からの指示なんだそう。
人間が来るかもしれないので、決して戦わず、歓迎して、魔王城まで案内しろと言われ、人間を出迎える言葉も教えてもらっていたのだとか。
やはり、父は人間を滅ぼす意志はないと確信した。
その後、食事や寝室の準備ができるまで、町でも見て回わるように言われ、町を見て回ったが、本当に人間界と変わらない普通の生活をしていた。
人間の代わりに、魔物が生活しているだけ。鬼人だけでなく、魔人や魔獣、ありとあらゆる種族の魔物が闊歩して賑わっている。
彼らは皆、私達人間を歓迎していて、拍子抜けというか、魔物に対する認識をあらためさせらることになった。
10
お気に入りに追加
49
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる