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第三章 裏切りと復讐の果て
閑話 盛りがついたミラ
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[今回は、R-18指定のエッチな話です。本文とは全く関係のない話なので、未成年者や、エッチな話が嫌いな人は、読まずに飛ばして下さい]
初めての地下迷宮任務を終え、四人でキース村に戻ろうとしていた時だった。
「ミラ、今日はやたらと大人しいな。どうしたんだ」
ケントがボクの肩に手を回して引き寄せてきた。
普段なら、思いっきり腹に肘鉄をぶち込んでやるけど、今日はそんな気になれない。
「うん、ちょっとね」
ミラは必死に気づかれない様に務めているが、昨晩から発情期が始まっていた。
だから、男に身体を振れられるだけで、身体がぞわぞわして、アソコまで疼き出し、セックスしたくて堪らなくなってまう。
「悩み毎なら、言ってみろよ。さっきも、普段なら狂戦士になって一番に攻撃するのに、静観していたんで、気になってたんだ」
「実は……。なんでもない。平気だから」
正直、ケントに抱いてもらいたいたくて堪らない。抱いて欲しいと言葉にしたい。
ケントは、ボクをよく食事に誘って奢ってくれたりするし、ボクも彼が好き。
去年の発情期は、知り合ってまだあまり経っていなかったこともあり、必死に我慢して、一週間が過ぎるのを待ったけど、今は違う。兎獣人の男ではなくても、セックスしたい。
でも、彼は性に淡泊なエルフ族の男。そんなことを言えば、きっと嫌われてしまう。
「水臭いな。俺とお前の仲だろう。正直に話せよ」
「じゃあ、言うけど、ケントって、奥さんのこと未だに忘れられないんでしょう。奥さん以外の女と寝たことがあるのかなって、ずっと訊きたかったの」
彼は、いきなり肩から手を放し、真剣な顔になった。
「その話はやめてくれ。娘の事は時々思い出したりするが、妻の事は、もう忘れた。それから、他の女と寝たかと言う質問は、勿論、寝たさ。チェーンズ(以前のチーム)に居た時は、娼館に付き合わされたからな。オリーブの芽になってからも、一度だけ、娼婦を買ったことがある。俺だって、男だからな。それで気が済んだか」
「うん。疑問が解消して、すっきりした。で、これからが、本題なんだけど……」
「そろそろ、日没になるけど、どうする。このまま歩けば、深夜にはキース村に付けそうだけど、ここで野営する選択肢もあるよ」
折角、抱いて欲しいと言えそうだったのに、メグに邪魔されてしまった。
結局、少し速足で、村まで帰ることになり、その後、黙々と早歩きして、切り出す機会を逸してしまった。
キース村の宿屋で独りになると、我慢できなくなっていた。
ミラは、全裸になって、自慰を始めた。壁一枚挟んだ向こうには、メグがいるので、声を上げない様に注意して、性欲を満たした。
ミラは大人びて見えるが、メグより一つ年上の十八歳だ。兎獣人は人間より短命で、成長も早く、十四歳になると独立して自分の家を持ち、子作りを始める。しかも、その相手は一人でない。十六歳の時の発情期には、十四人もの男とセックスを楽しんだ。
兎獣人族は、母子共生型といって、母親が子供を独りで育て、子供の父親が誰なのかもわからないのが普通だ。その女性に好意を寄せた男は、日頃から貢ぎ物をして、繁殖期になると、抱かせてもらいに、女の家に通う。
既に交尾中の時は、その男と奪い合う様に抱いたりもする。発情期の女は、五人程の男とセックスするのが普通の事なのだ。
勿論、男も一人の女だけでなく、何人もの女に貢ぎ物をしていて、繁殖期には何人もの家を渡り歩くのが普通だ。
若く美人のミラは、人気も高く、毎年の様に男の数が増えていき、十六歳の時は、一日五人以上の男に抱かれ、一日中セックスしている程の一週間を送った。
なのに、人間の町で住むようになったことで、去年は誰も抱きに来る男がおらず、欲求不満で、発狂しそうになった。
王都を独りで散歩していると、良く人間の男に声を掛けられるので、それを期待して、町中を歩いてみたが、そんな時に限り、ナンパしてくる男が居なかった。
だから、去年は、毎晩宿でこうして自慰をした。けど、今年はボクに貢ぎ物をくれる男が二人いる。最悪でも、リットとケントのどちらかとは、セックスするつもり。
その日は、満足するまで自慰を繰り返し、眠ることができたけど、翌日は最悪だった。
全員で野宿して、雑魚寝することになったからだ。一日目の時も、野宿だったけど、それほど強い性欲は湧かないので、我慢できたけど、今日は三日目。
皆が寝息を立て始めたので、自慰しても構わないけど、流石にそれをする勇気はない。
寝てしまいたいけど、身体か火照り、厭らしいことばかり考えてしまい、寝むれない。
そう言えば、今日の最初の見張りはリットだったので、起き出して、リットを誘う事にした。
ボクがそっと彼の背後に近づくと、慌てて怖い顔で振り向いた。
「びっくりした。ミラか。どうしたの? 寝れない?」
「うん、興奮して身体が火照っていてね。話をしてもいい」
「勿論さ。大歓迎だよ」
「リットって童貞だよね。童貞を捨てるなら、メグがいいと考えてるのかな」
「なんだよ。いきなり。師匠は、あくまでボクの師。憧れはあるけど、恐れ多くて、抱く気はないかな。それより、ミラこそ、ケントとはどうなの。キスくらいした?」
「あいつとは何もないさ。よく酒を飲んで馬鹿話をするだけ」
「ふうん。そういうことにしといてあげるよ」
「背が伸びたからといって、本当に生意気なんだから。それで童貞は大切な誰かのために、取っておくつもりなの?」
「童貞なんて、自慢にも何にもならない。できれば最初の相手は好きな人がいいとは思ってるけど、こだわりはない。機会があれば、直ぐにでも捨てたいよ」
「なら、……」
「しっ。狼だ。ミラは手出ししないで。大きな音を立てると、皆が起きちゃうから」
そう言って、リットは、たった一人で狼の群れを相手し始めてしまった。
魔法をむやみに打たず、相手を一か所に集める様に誘導し、効率よく仕留めていく。生意気だけど、その実力は確かで、本当に、とんでもない魔導士だ。
また、誘う機会を逸してしまったけど、夜風で身体が冷えたこともあって、なんとか眠ることができた。
でも、明け方、見張り番になってから、ずっと最悪な気分。したいのを我慢していたら、イライラしてきて、欲求不満でちょっとしたことで当たり散らしてしまうこととなった。
深夜に王都に着いたけど、リットにもケントにも酷いことを言って喧嘩してしまった手前、誘えなくなってしまった。
仕方なく、いつもの宿で自慰したけど、やはり自慰ではものたりない。男に抱かれたくてならない。
次の日は、ケントに謝罪して、抱いてもらおうとも思ったけど、ボクから謝るのはやはり嫌。だから、町を散歩して、誰かがナンパしてくれないかと歩き回った。
けど、誰もナンパしてくれない。仕方ないので、宿に戻ろうとしていたら、男二人が近づいてきた。
「よっ、お姉ちゃん、良い体してるじゃないか。俺たちと楽しいことしないか」
「食事を奢ってくれるなら、付き合ってもいいよ」
そんな訳で、食事を奢ってもらい、沢山お酒を飲ませて貰い、彼らのアパートに着いていった。
二年前、3Pも経験していたので、二人の男相手でも問題ないと始めたものの、しゃぶってくれと、差し出してきた男のペニスを見て驚いた。
人間は、セックスに特化して進化したと聞いていたけど、信じられない程大きかったのだ。兎獣人の男も様々だけど、大きくても十三センチ。大抵は十二センチ以下だ。でも、この男はだらんとしていも十三センチ以上ある。
それでも頑張って、口に含んだら、更に大きくなっていった。勃起すると十五センチあり、信じられないほど太い。今まさに挿入しようとしている男のも、同じ位にデカかった。
こんなのを入れたら、壊れちゃう。
「嫌。ボク帰る」
ミラは突然暴れ出し、彼らの股間を蹴り上げて、服を抱えて、全裸で逃走した。
人間って、あんなに太く大きい性器だったんだ。奴隷にされた仲間は、あんなのを入れられて甚振られているのかと思うと可哀そうでならなかった。
そして、エルフ族ってどうなんだろうと、疑問を抱き始める。
ケントもやはり大きいのかな。彼もあの太さなら、どうしよう。あのくらいは、受け入れる様にならないと駄目なのかな。そんなことで、悩むことになった。
そして、翌日は、もうセックスの事は忘れようと、石切り場まで出かけて行って、身体を動かして、汗を流してストレスを発散させた。
今年も誰ともセックスせずに終わるのかと思いながら、宿で身体を拭いていると、ケントがデートの誘いにやってきた。
きっと怒ってると思っていたけど、やはりボクのことが大好きみたい。
デートといっても、単に二人で食事して、酒を飲んで話すだけだけど、ケントと一緒にいるのは本当に楽しい。
「ねえ、ボクとセックスしてみない」
酒の勢いで、ついに告白した。
「やはりな。お前、盛りがついてるだろう。どうも色っぽいし、おかしいと思った」
「仕方ないじゃない。戦士でも、女に生まれてしまったんだから。ねぇ、しようよ」
「抱いてやってもいいが、去年はどうしてたんだ」
ボクが誰かとセックスしたんじゃないかと、嫉妬している。
「去年は、我慢した。でも、今年はケントに抱いてもらいたいの。お願い」
「我慢したって、どうやったんだ。正直に話さないと、抱いてやらない」
嫉妬じゃなかった。人の弱みに付け込んで、恥ずかしいことを言わそうなんて最低。
「ならいい。リットに抱いてもらうから」
「わかったよ。抱いてやるから」
そんな訳で、彼のアパートに行って、早速、キスして、服を脱がされ、愛撫が始まった。
けど、延々と愛撫を続けてきて、パンツを脱いでもくれない。
「ねぇ、お願い。早く入れてよ」
「だめ。まだたったの十分じゃないか」
兎獣人の男は、前戯もそこそこに、直ぐに挿入して、激しく腰を振ってくる。一回約十分で、休憩をとりながら、一時間かけて、三回位射精してくるが普通。なので、こんなに長く愛撫されたのは初めてだった。
しかも、今度はアソコを舐め始めた。初めての体験で、猛烈に恥ずかしかったけど、気持ちいい。ああっ、行っちゃう。
「兎獣人族も、絶頂を迎えると、痙攣するんだな。じゃあ、入れてやるよ」
パンツを脱ぐと、やはり大きかった。でも、十四センチ弱。これなら何とか受け入れ可能な大きさ。
「ああ、大きい。気持ちいいよ」
ずっと焦らされ続けてきた所為か、信じられないほど気持ちよかった。
「ミラこそ、いい締まりだ。最高に気持ちいいよ」
好きな男に抱かれるのは、本当に幸せな気分になれて最高。
でも、彼はゆっくりと出し入れしてきて、気持ちいいけど、あの一気に上り詰めような気持ち良さが得られない。
「ねぇ、もっと速く動いてよ」
「だめ。じっくりと楽しむのが俺の流儀なんだから」
こんなゆっくりした出し入れでは、行けないと思っていたら、逆だった。
上り詰めるのは時間がかかるけど、そこから先は信じられない程の快楽の連続。ボクが行っても出さずに、体位変更して、また動いてきて、直ぐに行ってしまう。
今までは、一回のセックスで一回行ける程度だっただけに、こんな最高のセックスがあったんだと、初めて知った。
でも、流石に三十分近く動き続けられると、意識が朦朧としてきて、いけなくなってくる。
「お願い、もう限界。早く出して、終わりにして」
「ああ、俺も出そうだが、中に出しても構わないのか」
「うん、ボク、不妊症みたいで、一度も妊娠したことないから」
ミラは知らないが、バーサク化できる女獣人は、子供を産めないのだ。
「ああ、駄目。また行っちゃう」
今までのゆったりしたピストンが、急に激しくなった。
ミラがまた絶頂を迎えると、ケントも直ぐに動かなくなった。漸く射精したらしい。
ああ、しあわせ。今日はいろんな初めてを体験したけど、本当に幸せ。こうやって、深く挿入したまま、いつまでも抱きしめてもらえるのも初めてだけど、最高の幸せを感じられる。
そして、漸く離れて、二人で並んで横になると、ケントが言ってきた。
「なあ、俺たち、ちゃんと付き合わないか。お前、発情期でなくても、セックスできるんだろう」
「うん。エルフ族の女と同じ。ちゃんと濡れるし、気持ちよくもなれる。でも、そういう気はおきないけどね」
「それは、交際する気はないということか?」
「そうじゃないけど、セックスは、繁殖期以外はしたくないだけ。繁殖期なら、一日中でもしたいけど、普段は、愛撫されても、くすぐったく感じてしまって。今まで通りの付き合いて、いいでしょう」
「じゃあ、年に一度の恋人関係な」
そう言ってキスしてきたけど、あれほど行き捲って満足していたのに、またしたくなってきた。
「年に一度じゃないよ。繁殖期は毎日したいもの。もう一度しよう。明日もしよう」
「おい、勘弁してくれよ。エルフ族の男は、人間の男とちがって、淡泊なんだから」
ケントはそう言って、その日は抱いてくなかったけど、翌日もちゃんと付き合ってくれた。
そして、ひと月ほどの時間が過ぎた。
「なあ、今晩、俺のアパートに遊びにこないか」
ケントがまた、ボクの肩を抱いてきた。
ボム。腕を振り払って前を向き、鳩尾に思いっきり拳をぶち込んでやった。
「一度抱いたからといって、馴れ馴れしくしないで。あの時は、病気だっただけ。あんたなんて好きでもなんでもないんだから」
すっかりいつものミラに戻っていた。
初めての地下迷宮任務を終え、四人でキース村に戻ろうとしていた時だった。
「ミラ、今日はやたらと大人しいな。どうしたんだ」
ケントがボクの肩に手を回して引き寄せてきた。
普段なら、思いっきり腹に肘鉄をぶち込んでやるけど、今日はそんな気になれない。
「うん、ちょっとね」
ミラは必死に気づかれない様に務めているが、昨晩から発情期が始まっていた。
だから、男に身体を振れられるだけで、身体がぞわぞわして、アソコまで疼き出し、セックスしたくて堪らなくなってまう。
「悩み毎なら、言ってみろよ。さっきも、普段なら狂戦士になって一番に攻撃するのに、静観していたんで、気になってたんだ」
「実は……。なんでもない。平気だから」
正直、ケントに抱いてもらいたいたくて堪らない。抱いて欲しいと言葉にしたい。
ケントは、ボクをよく食事に誘って奢ってくれたりするし、ボクも彼が好き。
去年の発情期は、知り合ってまだあまり経っていなかったこともあり、必死に我慢して、一週間が過ぎるのを待ったけど、今は違う。兎獣人の男ではなくても、セックスしたい。
でも、彼は性に淡泊なエルフ族の男。そんなことを言えば、きっと嫌われてしまう。
「水臭いな。俺とお前の仲だろう。正直に話せよ」
「じゃあ、言うけど、ケントって、奥さんのこと未だに忘れられないんでしょう。奥さん以外の女と寝たことがあるのかなって、ずっと訊きたかったの」
彼は、いきなり肩から手を放し、真剣な顔になった。
「その話はやめてくれ。娘の事は時々思い出したりするが、妻の事は、もう忘れた。それから、他の女と寝たかと言う質問は、勿論、寝たさ。チェーンズ(以前のチーム)に居た時は、娼館に付き合わされたからな。オリーブの芽になってからも、一度だけ、娼婦を買ったことがある。俺だって、男だからな。それで気が済んだか」
「うん。疑問が解消して、すっきりした。で、これからが、本題なんだけど……」
「そろそろ、日没になるけど、どうする。このまま歩けば、深夜にはキース村に付けそうだけど、ここで野営する選択肢もあるよ」
折角、抱いて欲しいと言えそうだったのに、メグに邪魔されてしまった。
結局、少し速足で、村まで帰ることになり、その後、黙々と早歩きして、切り出す機会を逸してしまった。
キース村の宿屋で独りになると、我慢できなくなっていた。
ミラは、全裸になって、自慰を始めた。壁一枚挟んだ向こうには、メグがいるので、声を上げない様に注意して、性欲を満たした。
ミラは大人びて見えるが、メグより一つ年上の十八歳だ。兎獣人は人間より短命で、成長も早く、十四歳になると独立して自分の家を持ち、子作りを始める。しかも、その相手は一人でない。十六歳の時の発情期には、十四人もの男とセックスを楽しんだ。
兎獣人族は、母子共生型といって、母親が子供を独りで育て、子供の父親が誰なのかもわからないのが普通だ。その女性に好意を寄せた男は、日頃から貢ぎ物をして、繁殖期になると、抱かせてもらいに、女の家に通う。
既に交尾中の時は、その男と奪い合う様に抱いたりもする。発情期の女は、五人程の男とセックスするのが普通の事なのだ。
勿論、男も一人の女だけでなく、何人もの女に貢ぎ物をしていて、繁殖期には何人もの家を渡り歩くのが普通だ。
若く美人のミラは、人気も高く、毎年の様に男の数が増えていき、十六歳の時は、一日五人以上の男に抱かれ、一日中セックスしている程の一週間を送った。
なのに、人間の町で住むようになったことで、去年は誰も抱きに来る男がおらず、欲求不満で、発狂しそうになった。
王都を独りで散歩していると、良く人間の男に声を掛けられるので、それを期待して、町中を歩いてみたが、そんな時に限り、ナンパしてくる男が居なかった。
だから、去年は、毎晩宿でこうして自慰をした。けど、今年はボクに貢ぎ物をくれる男が二人いる。最悪でも、リットとケントのどちらかとは、セックスするつもり。
その日は、満足するまで自慰を繰り返し、眠ることができたけど、翌日は最悪だった。
全員で野宿して、雑魚寝することになったからだ。一日目の時も、野宿だったけど、それほど強い性欲は湧かないので、我慢できたけど、今日は三日目。
皆が寝息を立て始めたので、自慰しても構わないけど、流石にそれをする勇気はない。
寝てしまいたいけど、身体か火照り、厭らしいことばかり考えてしまい、寝むれない。
そう言えば、今日の最初の見張りはリットだったので、起き出して、リットを誘う事にした。
ボクがそっと彼の背後に近づくと、慌てて怖い顔で振り向いた。
「びっくりした。ミラか。どうしたの? 寝れない?」
「うん、興奮して身体が火照っていてね。話をしてもいい」
「勿論さ。大歓迎だよ」
「リットって童貞だよね。童貞を捨てるなら、メグがいいと考えてるのかな」
「なんだよ。いきなり。師匠は、あくまでボクの師。憧れはあるけど、恐れ多くて、抱く気はないかな。それより、ミラこそ、ケントとはどうなの。キスくらいした?」
「あいつとは何もないさ。よく酒を飲んで馬鹿話をするだけ」
「ふうん。そういうことにしといてあげるよ」
「背が伸びたからといって、本当に生意気なんだから。それで童貞は大切な誰かのために、取っておくつもりなの?」
「童貞なんて、自慢にも何にもならない。できれば最初の相手は好きな人がいいとは思ってるけど、こだわりはない。機会があれば、直ぐにでも捨てたいよ」
「なら、……」
「しっ。狼だ。ミラは手出ししないで。大きな音を立てると、皆が起きちゃうから」
そう言って、リットは、たった一人で狼の群れを相手し始めてしまった。
魔法をむやみに打たず、相手を一か所に集める様に誘導し、効率よく仕留めていく。生意気だけど、その実力は確かで、本当に、とんでもない魔導士だ。
また、誘う機会を逸してしまったけど、夜風で身体が冷えたこともあって、なんとか眠ることができた。
でも、明け方、見張り番になってから、ずっと最悪な気分。したいのを我慢していたら、イライラしてきて、欲求不満でちょっとしたことで当たり散らしてしまうこととなった。
深夜に王都に着いたけど、リットにもケントにも酷いことを言って喧嘩してしまった手前、誘えなくなってしまった。
仕方なく、いつもの宿で自慰したけど、やはり自慰ではものたりない。男に抱かれたくてならない。
次の日は、ケントに謝罪して、抱いてもらおうとも思ったけど、ボクから謝るのはやはり嫌。だから、町を散歩して、誰かがナンパしてくれないかと歩き回った。
けど、誰もナンパしてくれない。仕方ないので、宿に戻ろうとしていたら、男二人が近づいてきた。
「よっ、お姉ちゃん、良い体してるじゃないか。俺たちと楽しいことしないか」
「食事を奢ってくれるなら、付き合ってもいいよ」
そんな訳で、食事を奢ってもらい、沢山お酒を飲ませて貰い、彼らのアパートに着いていった。
二年前、3Pも経験していたので、二人の男相手でも問題ないと始めたものの、しゃぶってくれと、差し出してきた男のペニスを見て驚いた。
人間は、セックスに特化して進化したと聞いていたけど、信じられない程大きかったのだ。兎獣人の男も様々だけど、大きくても十三センチ。大抵は十二センチ以下だ。でも、この男はだらんとしていも十三センチ以上ある。
それでも頑張って、口に含んだら、更に大きくなっていった。勃起すると十五センチあり、信じられないほど太い。今まさに挿入しようとしている男のも、同じ位にデカかった。
こんなのを入れたら、壊れちゃう。
「嫌。ボク帰る」
ミラは突然暴れ出し、彼らの股間を蹴り上げて、服を抱えて、全裸で逃走した。
人間って、あんなに太く大きい性器だったんだ。奴隷にされた仲間は、あんなのを入れられて甚振られているのかと思うと可哀そうでならなかった。
そして、エルフ族ってどうなんだろうと、疑問を抱き始める。
ケントもやはり大きいのかな。彼もあの太さなら、どうしよう。あのくらいは、受け入れる様にならないと駄目なのかな。そんなことで、悩むことになった。
そして、翌日は、もうセックスの事は忘れようと、石切り場まで出かけて行って、身体を動かして、汗を流してストレスを発散させた。
今年も誰ともセックスせずに終わるのかと思いながら、宿で身体を拭いていると、ケントがデートの誘いにやってきた。
きっと怒ってると思っていたけど、やはりボクのことが大好きみたい。
デートといっても、単に二人で食事して、酒を飲んで話すだけだけど、ケントと一緒にいるのは本当に楽しい。
「ねえ、ボクとセックスしてみない」
酒の勢いで、ついに告白した。
「やはりな。お前、盛りがついてるだろう。どうも色っぽいし、おかしいと思った」
「仕方ないじゃない。戦士でも、女に生まれてしまったんだから。ねぇ、しようよ」
「抱いてやってもいいが、去年はどうしてたんだ」
ボクが誰かとセックスしたんじゃないかと、嫉妬している。
「去年は、我慢した。でも、今年はケントに抱いてもらいたいの。お願い」
「我慢したって、どうやったんだ。正直に話さないと、抱いてやらない」
嫉妬じゃなかった。人の弱みに付け込んで、恥ずかしいことを言わそうなんて最低。
「ならいい。リットに抱いてもらうから」
「わかったよ。抱いてやるから」
そんな訳で、彼のアパートに行って、早速、キスして、服を脱がされ、愛撫が始まった。
けど、延々と愛撫を続けてきて、パンツを脱いでもくれない。
「ねぇ、お願い。早く入れてよ」
「だめ。まだたったの十分じゃないか」
兎獣人の男は、前戯もそこそこに、直ぐに挿入して、激しく腰を振ってくる。一回約十分で、休憩をとりながら、一時間かけて、三回位射精してくるが普通。なので、こんなに長く愛撫されたのは初めてだった。
しかも、今度はアソコを舐め始めた。初めての体験で、猛烈に恥ずかしかったけど、気持ちいい。ああっ、行っちゃう。
「兎獣人族も、絶頂を迎えると、痙攣するんだな。じゃあ、入れてやるよ」
パンツを脱ぐと、やはり大きかった。でも、十四センチ弱。これなら何とか受け入れ可能な大きさ。
「ああ、大きい。気持ちいいよ」
ずっと焦らされ続けてきた所為か、信じられないほど気持ちよかった。
「ミラこそ、いい締まりだ。最高に気持ちいいよ」
好きな男に抱かれるのは、本当に幸せな気分になれて最高。
でも、彼はゆっくりと出し入れしてきて、気持ちいいけど、あの一気に上り詰めような気持ち良さが得られない。
「ねぇ、もっと速く動いてよ」
「だめ。じっくりと楽しむのが俺の流儀なんだから」
こんなゆっくりした出し入れでは、行けないと思っていたら、逆だった。
上り詰めるのは時間がかかるけど、そこから先は信じられない程の快楽の連続。ボクが行っても出さずに、体位変更して、また動いてきて、直ぐに行ってしまう。
今までは、一回のセックスで一回行ける程度だっただけに、こんな最高のセックスがあったんだと、初めて知った。
でも、流石に三十分近く動き続けられると、意識が朦朧としてきて、いけなくなってくる。
「お願い、もう限界。早く出して、終わりにして」
「ああ、俺も出そうだが、中に出しても構わないのか」
「うん、ボク、不妊症みたいで、一度も妊娠したことないから」
ミラは知らないが、バーサク化できる女獣人は、子供を産めないのだ。
「ああ、駄目。また行っちゃう」
今までのゆったりしたピストンが、急に激しくなった。
ミラがまた絶頂を迎えると、ケントも直ぐに動かなくなった。漸く射精したらしい。
ああ、しあわせ。今日はいろんな初めてを体験したけど、本当に幸せ。こうやって、深く挿入したまま、いつまでも抱きしめてもらえるのも初めてだけど、最高の幸せを感じられる。
そして、漸く離れて、二人で並んで横になると、ケントが言ってきた。
「なあ、俺たち、ちゃんと付き合わないか。お前、発情期でなくても、セックスできるんだろう」
「うん。エルフ族の女と同じ。ちゃんと濡れるし、気持ちよくもなれる。でも、そういう気はおきないけどね」
「それは、交際する気はないということか?」
「そうじゃないけど、セックスは、繁殖期以外はしたくないだけ。繁殖期なら、一日中でもしたいけど、普段は、愛撫されても、くすぐったく感じてしまって。今まで通りの付き合いて、いいでしょう」
「じゃあ、年に一度の恋人関係な」
そう言ってキスしてきたけど、あれほど行き捲って満足していたのに、またしたくなってきた。
「年に一度じゃないよ。繁殖期は毎日したいもの。もう一度しよう。明日もしよう」
「おい、勘弁してくれよ。エルフ族の男は、人間の男とちがって、淡泊なんだから」
ケントはそう言って、その日は抱いてくなかったけど、翌日もちゃんと付き合ってくれた。
そして、ひと月ほどの時間が過ぎた。
「なあ、今晩、俺のアパートに遊びにこないか」
ケントがまた、ボクの肩を抱いてきた。
ボム。腕を振り払って前を向き、鳩尾に思いっきり拳をぶち込んでやった。
「一度抱いたからといって、馴れ馴れしくしないで。あの時は、病気だっただけ。あんたなんて好きでもなんでもないんだから」
すっかりいつものミラに戻っていた。
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(追記2018.07.24)
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