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第三章 裏切りと復讐の果て
ついに戦争が起きてしまいました
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ギルド窓口にて、四人それぞれに傭兵参加依頼を受け、詳細説明を聞いてから、愛馬に跨って、集合地点のナージ村に出向いた。
既に、百人程の冒険者が集まっていて、『邪眼の目』をはじめ、あの時地下迷宮からの救出劇に協力していくれたチームや、その他の顔見知りも多く参加していた。
その中に、ブラックリスト登録されていてギルド依頼を直接受けられない筈のトムとケンもいて、彼らが近づいてきた。
「先日は、ありがとうございました」
「あなたたちは、依頼が受けられないんじゃなかったの?」
「ギルド依頼は受けられないけど、国の一大事に、何か手伝えないかって、参加しました」
意外と、良い所があるじゃないと、見直した。
「ジェットさん達は来てないの?」
「二人は、引退しました。俺たち、今は『月光』というチームに所属しています」
「初めまして、『月光』のリーダーをしているレオです。噂のメグ様に一目会いたいと思っていましたが、漸く願いが叶いました。よろしくお願いします」
ケンの背後から、三十代の男が現れ、握手を求めてきたが、首に掛けられていたプレートは鉄製だった。
「レオさんは、最近、この地にやってきたばかりだけど、元千人将だった軍人で、実力は凄いんだ」
ケンが自慢気に、説明してくれた。
「剣術にはいささか自信はありますが、この国一の凄腕魔法剣士様の足元にも及びませんよ。どんな剣戟が見られるのか、今から本当に楽しみです」
男は、握手の手を放すと、二人を引き連れる様に、引き返していった。
その後も、救出作戦に参加した人たちや、仲良しチームの面々が、もう大丈夫なのかと、次々とやって来て、挨拶を交わしているうちに、集合時間になった。
あの後も、続々と人が集まり、傭兵参加者は、総勢百五十二名に膨れ上がっていた。
そして、四十歳位の鎧姿のイケメン紳士が、皆の前の台に登壇した。
「私が、君たち傭兵部隊を率いることになったモーリーだ。これから五十人ずつの三部隊に分けて、正規軍の支援についてもらう。君たちは、魔物討伐の専門家と訊いているので、魔物出現時には、速やかに撃退してくれることを期待している。魔物がいない場合は、基本、後方支援だが、形勢が怪しい場合には、支援に入ってもらう。覚悟しておいてくれ。それと、各隊の隊長の指示には、忠実に従う様に。以上だ」
そんな訳で、チーム分けが行われたが、冒険者プレートで、単純に振り分けていく。Aランク冒険者とBランク冒険者の一部がA小隊。Bランク冒険者の大半がB小隊。Cランク以下の冒険者は、C小隊となった。
オリーブの芽の四人は、当然、C小隊だ。
勿論、C小隊は扱いも最低。戦力として期待できない役立たずなんだからと、雑用仕事ばかり、押し付けられる。そのうえ、小隊長は威張り散らし、完全に見下している。
ミラはすっかり切れて、怒り爆発しそうになり、メグはたしなめてばかりいた。
そして、二日後の昼、汚く臭い洗濯物を洗っていると、伝令の使者がやってきた。
ワイバーンの軍勢が、カーマン山脈を越えて現れたとの知らせだった。なんと、三十体以上もの大群だという。
漸く、私たちの出番だと、思わずガッツポーズまでしたのに、出動命令が出たのは、A小隊とB小隊だけ。C小隊はそのまま後方支援を命じられた。
これじゃ、何のために参加したのか分からない。
三十体以上ものワイバーンが相手だと、百人の熟練冒険者でも、全滅しかねない。
ミラだけでなく、C小隊の全員が不満を言い出し、収集がつかなくなっていく。
そのうち、続々とロンブル帝国の兵が山越えしてきたとの知らせも来て、国王軍も出陣していき、僅かな国王軍と、C小隊のみが、ナージ村基地で留守番をすることになった。
前線で激しい魔物との闘いが繰り広げられている筈なのに、Cランク以下の冒険者だからと、トイレ掃除なんかさせられ、戦闘にも参加させてもらえないことが、悔しくてならない。
日没直後にも伝令が来て、救援要請かとC小隊全員が小隊長の所に集まったが、戦闘はまだ開始されておらず、互いに前線基地を作って、にらみ合いが続いているとの知らせだった。
でも、前線基地が作られているのなら、そこに移動して待機した方が、直ぐに動ける。
「小隊長。私たちも、その前線基地まで、行きましょう」
C小隊を代表して、メグが、小隊長に上申した。
「我々の任務は、兵糧を守ることだ。たかがCランクの癖に、上官に口出しするんじゃない」
こんなところに敵襲があるわけないのに、無駄な事をすると、不満でならなかった。
だが、その深夜、事件が起きた。
「火事だ。起きろ」
食料倉庫辺りが赤くそまり、燃えていた。
「リット、出番だよ」
メグは、リットと共に、人だかりを押しのけて、倉庫に近づき、高圧放水を繰り出して、鎮火に当たった。
「ウォーターブローが使える人は、一緒に消化して」
でも、こんな防御魔法を習得している魔法師はいないのか、誰も放水に参加してくれない。代わりに、つらら攻撃を繰り出してくれた魔法師も居たが、持続的な放水でないので、焼け石に水。
火は少し弱まったものの、倉庫は燃え続けているが、二人の放水時間が切れ、クールタイムになってしまった。
「小隊長、指示をお願いします」
「大変だ。どうしよう」
小隊長は、全く役立たずだ。やはり、私たちでなんとかするしかない。
「食料さえ、無事なら、建物を崩壊させても構いませんか」
「やむを得んが、何をするつもりだ」
「火は、空気があるから燃えるんです。真空を造り出せば、鎮火できますから」
メグはメンバー三人を呼び寄せて円陣を組んで、作戦を伝えた。
「みなさん、大爆発が起きますので、後ろに下がって、物陰に隠れてください」
ケントとミラが、野次馬状態の冒険者や、国王軍兵士を避難させ、リットとミラが、倉庫上空に向け、石の玉を放出した。
ドッカン。
大爆発とともに、火は急激に消えていく。リットとミラは、岩柱壁でその爆風を防ぎ、すぐさま、クールタイムが過ぎた放水で、止めとばかりに完全消火した。
「なんなんだ。今の魔法は?」
「爆裂魔法です。あなたたちは冒険者ランクだけで、私たちの実力を測っていますが、私たち『オリーブの芽』は、モーリー王国最強のチームと自負しております。それをこんなところに、飼い殺しにするなんて、愚策以外のなにものでもありません」
「わかった。モーリー隊長に進言してみる。だが、お前たちは直ぐに食料を安全な場所に移動させろ」
また雑用仕事を命じられ、黙々と作業をしたが、見張りがいた筈なのに、どうやって誰にも気づかれずに、食糧庫に火をつけたのか不思議でならなかった。
明け方頃、伝令が戻って来て、食料を全て、前線基地まで搬送し、そのままワイバーン討伐に加わる様にと、指示がでた。
馬車で食料を全て搬送し、前線基地に着いた頃には、既に激しい戦争が始まっていた。
「お前が、『オリーブの芽』のリーダーのメグか。皆から話を聞いた。お前たちの働き、大いに期待している。ワイバーンは、左右二手に分かれて、挟撃を企てているが、現在、傭兵軍で、それを食い止めている。だが、先ほど、右翼が押されているとの情報を貰った。君たちC小隊は、右翼のB小隊の支援に入ってくれ」
モーリー傭兵隊長から、直々の命令を貰い、C小隊は、右翼の援軍として出陣することになった。
「喉が渇いているでしょう。特性のアイスハーブティーです。どうぞ」
月光の三人が、水筒と木製コップとを持って現れ、C小隊の皆に配りだした。
喉がカラカラだったので、本当に気が利く人なんだなと、有難く頂くことにした。
ハチミツも混ぜてあるのか、少し甘みもあり、美味しく、ごくごくと飲み干してから、急いで右翼戦場へと赴いた。
既に、百人程の冒険者が集まっていて、『邪眼の目』をはじめ、あの時地下迷宮からの救出劇に協力していくれたチームや、その他の顔見知りも多く参加していた。
その中に、ブラックリスト登録されていてギルド依頼を直接受けられない筈のトムとケンもいて、彼らが近づいてきた。
「先日は、ありがとうございました」
「あなたたちは、依頼が受けられないんじゃなかったの?」
「ギルド依頼は受けられないけど、国の一大事に、何か手伝えないかって、参加しました」
意外と、良い所があるじゃないと、見直した。
「ジェットさん達は来てないの?」
「二人は、引退しました。俺たち、今は『月光』というチームに所属しています」
「初めまして、『月光』のリーダーをしているレオです。噂のメグ様に一目会いたいと思っていましたが、漸く願いが叶いました。よろしくお願いします」
ケンの背後から、三十代の男が現れ、握手を求めてきたが、首に掛けられていたプレートは鉄製だった。
「レオさんは、最近、この地にやってきたばかりだけど、元千人将だった軍人で、実力は凄いんだ」
ケンが自慢気に、説明してくれた。
「剣術にはいささか自信はありますが、この国一の凄腕魔法剣士様の足元にも及びませんよ。どんな剣戟が見られるのか、今から本当に楽しみです」
男は、握手の手を放すと、二人を引き連れる様に、引き返していった。
その後も、救出作戦に参加した人たちや、仲良しチームの面々が、もう大丈夫なのかと、次々とやって来て、挨拶を交わしているうちに、集合時間になった。
あの後も、続々と人が集まり、傭兵参加者は、総勢百五十二名に膨れ上がっていた。
そして、四十歳位の鎧姿のイケメン紳士が、皆の前の台に登壇した。
「私が、君たち傭兵部隊を率いることになったモーリーだ。これから五十人ずつの三部隊に分けて、正規軍の支援についてもらう。君たちは、魔物討伐の専門家と訊いているので、魔物出現時には、速やかに撃退してくれることを期待している。魔物がいない場合は、基本、後方支援だが、形勢が怪しい場合には、支援に入ってもらう。覚悟しておいてくれ。それと、各隊の隊長の指示には、忠実に従う様に。以上だ」
そんな訳で、チーム分けが行われたが、冒険者プレートで、単純に振り分けていく。Aランク冒険者とBランク冒険者の一部がA小隊。Bランク冒険者の大半がB小隊。Cランク以下の冒険者は、C小隊となった。
オリーブの芽の四人は、当然、C小隊だ。
勿論、C小隊は扱いも最低。戦力として期待できない役立たずなんだからと、雑用仕事ばかり、押し付けられる。そのうえ、小隊長は威張り散らし、完全に見下している。
ミラはすっかり切れて、怒り爆発しそうになり、メグはたしなめてばかりいた。
そして、二日後の昼、汚く臭い洗濯物を洗っていると、伝令の使者がやってきた。
ワイバーンの軍勢が、カーマン山脈を越えて現れたとの知らせだった。なんと、三十体以上もの大群だという。
漸く、私たちの出番だと、思わずガッツポーズまでしたのに、出動命令が出たのは、A小隊とB小隊だけ。C小隊はそのまま後方支援を命じられた。
これじゃ、何のために参加したのか分からない。
三十体以上ものワイバーンが相手だと、百人の熟練冒険者でも、全滅しかねない。
ミラだけでなく、C小隊の全員が不満を言い出し、収集がつかなくなっていく。
そのうち、続々とロンブル帝国の兵が山越えしてきたとの知らせも来て、国王軍も出陣していき、僅かな国王軍と、C小隊のみが、ナージ村基地で留守番をすることになった。
前線で激しい魔物との闘いが繰り広げられている筈なのに、Cランク以下の冒険者だからと、トイレ掃除なんかさせられ、戦闘にも参加させてもらえないことが、悔しくてならない。
日没直後にも伝令が来て、救援要請かとC小隊全員が小隊長の所に集まったが、戦闘はまだ開始されておらず、互いに前線基地を作って、にらみ合いが続いているとの知らせだった。
でも、前線基地が作られているのなら、そこに移動して待機した方が、直ぐに動ける。
「小隊長。私たちも、その前線基地まで、行きましょう」
C小隊を代表して、メグが、小隊長に上申した。
「我々の任務は、兵糧を守ることだ。たかがCランクの癖に、上官に口出しするんじゃない」
こんなところに敵襲があるわけないのに、無駄な事をすると、不満でならなかった。
だが、その深夜、事件が起きた。
「火事だ。起きろ」
食料倉庫辺りが赤くそまり、燃えていた。
「リット、出番だよ」
メグは、リットと共に、人だかりを押しのけて、倉庫に近づき、高圧放水を繰り出して、鎮火に当たった。
「ウォーターブローが使える人は、一緒に消化して」
でも、こんな防御魔法を習得している魔法師はいないのか、誰も放水に参加してくれない。代わりに、つらら攻撃を繰り出してくれた魔法師も居たが、持続的な放水でないので、焼け石に水。
火は少し弱まったものの、倉庫は燃え続けているが、二人の放水時間が切れ、クールタイムになってしまった。
「小隊長、指示をお願いします」
「大変だ。どうしよう」
小隊長は、全く役立たずだ。やはり、私たちでなんとかするしかない。
「食料さえ、無事なら、建物を崩壊させても構いませんか」
「やむを得んが、何をするつもりだ」
「火は、空気があるから燃えるんです。真空を造り出せば、鎮火できますから」
メグはメンバー三人を呼び寄せて円陣を組んで、作戦を伝えた。
「みなさん、大爆発が起きますので、後ろに下がって、物陰に隠れてください」
ケントとミラが、野次馬状態の冒険者や、国王軍兵士を避難させ、リットとミラが、倉庫上空に向け、石の玉を放出した。
ドッカン。
大爆発とともに、火は急激に消えていく。リットとミラは、岩柱壁でその爆風を防ぎ、すぐさま、クールタイムが過ぎた放水で、止めとばかりに完全消火した。
「なんなんだ。今の魔法は?」
「爆裂魔法です。あなたたちは冒険者ランクだけで、私たちの実力を測っていますが、私たち『オリーブの芽』は、モーリー王国最強のチームと自負しております。それをこんなところに、飼い殺しにするなんて、愚策以外のなにものでもありません」
「わかった。モーリー隊長に進言してみる。だが、お前たちは直ぐに食料を安全な場所に移動させろ」
また雑用仕事を命じられ、黙々と作業をしたが、見張りがいた筈なのに、どうやって誰にも気づかれずに、食糧庫に火をつけたのか不思議でならなかった。
明け方頃、伝令が戻って来て、食料を全て、前線基地まで搬送し、そのままワイバーン討伐に加わる様にと、指示がでた。
馬車で食料を全て搬送し、前線基地に着いた頃には、既に激しい戦争が始まっていた。
「お前が、『オリーブの芽』のリーダーのメグか。皆から話を聞いた。お前たちの働き、大いに期待している。ワイバーンは、左右二手に分かれて、挟撃を企てているが、現在、傭兵軍で、それを食い止めている。だが、先ほど、右翼が押されているとの情報を貰った。君たちC小隊は、右翼のB小隊の支援に入ってくれ」
モーリー傭兵隊長から、直々の命令を貰い、C小隊は、右翼の援軍として出陣することになった。
「喉が渇いているでしょう。特性のアイスハーブティーです。どうぞ」
月光の三人が、水筒と木製コップとを持って現れ、C小隊の皆に配りだした。
喉がカラカラだったので、本当に気が利く人なんだなと、有難く頂くことにした。
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