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第二章 チーム『オリーブの芽』の躍進
凄い武器ができそうです
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リットのD級昇格と、魔物の森の依頼受注のため、冒険者ギルドに行くと、ケントが、「依頼は、もう少し待ってくれないか」と言い出した。
理由を訊くと、引越すつもりなんだとか。今まではローウェン達『ジャスティス』の四人で、一軒家を借りて生活していたが、一人になったので、広すぎるし、家賃も馬鹿にならない。一人暮らしに最適な住処探しからしたいので、三日程、時間が欲しいとのことだった。
そんな訳で、魔物の森遠征に出発するのは、二日後ではなく、五日後の早朝に変更して、それまでは各自、自由に過ごすことにした。
既に日も傾いてたが、リットの昇格祝いまでは、まだ二時間弱ある。
メグは、馬を預けている牧場に行き、馬に乗って、新しい武器であるピストルの開発実験ができそうな場所を探すことにした。
拳銃は、パン、パンとかなりうるさい音がするので、王都内では実験できないからだ。
今まで行ったことがない北側に馬を走らせていると、丁度良い採石場を見つけた。事務所の様な建屋には、鍵が掛かっていて、まだ使われているみたいだが、今は石の需要がないのか、使われていない。
ここなら、うるさい音を出しても問題ないし、外に作業に適した机等もあり、加工もできる。
王都から、馬で十分と少し遠いが、ここを実験場にすることに決めた。
集めた魔石玉は、四十三個だったが、翌朝、そのうちの十個と、やすりとを持って、その石切り場に行き、早速、実験を始めた。
まずは爆発力の確認。
ケントは、衝撃を与えれば爆発すると言っていたが、思いっきり投げつけても、全く破裂しない。大きな石で挟むように叩きつけることで、粉々になったが、爆発したのか、石で砕いたのか分からない。
そこで、慎重に周りを削り、コアの部分だけを取り出してみることにした。
どこからが、核になるのか分からなかったが、直径二センチの丸い石を削って小さくしていく程、爆発しやすくなり、直径一センチほどに削ると、石の上に落とすだけで、パンと破裂するようになった。
それ以上削ると、今度は黄色の違う鉱物が現れた。これが核らしい。コアを傷つけると爆発すると思っていたが、やすりで擦った程度では、破裂しないみたいだ。
もしかして、この黄色い鉱石は、火薬ではないかと、火をつけてみたが、全く反応がない。
衝撃を与えた時だけ、爆発が起きる変わった鉱石だった。
でも、直径一センチのコアの破壊力は、爆竹の破裂程度しかなく、殺傷能力のある武器には使えない。
だが、メグは諦めない。
今度は、樽形に、上と下だけを黄色の鉱石が見えるまで削り、投げつけてみた。
すると、真ん中だけ綺麗に穴が開いて、さっきより大きな音がした。
コアの部分だけだと、爆発のエネルギーが全体に拡散してまうが、筒形にすることで、エネルギーの方向を前後だけに収束させることができる。
これを一方向にすることができれば、銃弾を飛ばすことだって可能になるはず。
そう考えて、一旦、王都に戻り、釘と、適当な太さの鉄の筒と、弾丸になりそうな鉄球とを、鍛冶屋の大将に譲ってもらいに行った。
大将とは、リュウ師匠の炭の納入で、すっかり顔見知りで仲良くなっていたので、快く譲ってもらえた。
ついでに、魔石玉を更に十個ほど持って、石切り場に戻り、弾丸の固定方法や、魔石玉の削り方をいろいろと試行錯誤した。
そして、漸く、ピストルを造れそうな手ごたえを得ることができた。
銃というのは、弾丸を飛ばす薬莢づくりで、その大半が決まる。爆発したエネルギーを先端側だけに向け、圧力を十分に高め、弾丸がその押し出す圧力に耐えきれずに外れるように作ることができれば、勢いよく、弾丸は飛んでいく。
魔石玉を上手く加工し、前面以外は、固い石を残し、末端部側は、釘が入る程度の穴をあけて、釘でコアを叩く様にすれば、末端側への圧力分散も最小限に防ぐことができる。弾丸を固く止めすぎると、末端側から圧力が逃げてしまうが、適度な保持力で、弾丸を抑えれば、全ての爆発力を前方に向けることが可能になる。
そして、その弾速を決めるのが、銃身である鉄パイプの長さ。前方向に向かう圧力は、弾丸が解放されてからも、銃身内を押し続け、弾丸はどんどん加速する。
弾丸の威力は、その質量と速度で決まるので、銃身が長い程、威力のある銃ができる。
そんな訳で、宿に戻ると、徹夜で、その弾丸の形状と、弾丸を打ち出すための銃を考えた。
引き金を引くと、釘で薬莢の尻を突く機構は、簡単に考え付いたが、問題は強度。どれだけ厚くすれば、必要十分なのか、その知識がない。
とりあえず、試作品の図面を起こし、翌朝、鍛冶屋の大将の所に、試作依頼に行った。
こいつは簡単じゃないと、渋られ、高額請求されることになったが、何とか魔物の森遠征前日の明後日の昼までに、試作してもらえることになった。
宿で、本格的に、魔石玉の薬莢作りをしていると、突然、リットがノックもせずに部屋に飛び込んできた。
「ようやく見つけました。昨日は、どこにいたんですか」
休日に何をしていようが勝手だろうと思ったけど、何か急用みたい。
「ノーミーデスとの契約って、どうやるんですか。教えてください」
なにかと、思ったら、そんなことで、私を探していただけだった。
「土魔法を覚えたいの? そんなに契約して魔力容量は大丈夫?」
「最近は、幾ら魔法を放っても魔法切れを起こさないので、多分大丈夫です。師匠が、あの時、岩柱壁を放っているのを見て、これは攻防一体の凄い魔法だと感心しました。あの魔法をどうしても身に付けたいんです」
「竜舌蘭の実を発酵させたお酒を準備して、コサックというダンスを踊ると、それに誘われて現れるてくれるの。彼女、気分屋だから、必ず出てくれるとは限らないけどね」
「コサックダンスは師匠に踊ってもらうとして、竜舌蘭のお酒ですか。その蘭はどこに生息してるんですか?」
本当にこの子は、師を師として敬っていない節がある。
「あんたね。私に踊らさせる気。まあ、いいけど、竜舌蘭は魔物の森の近くで見かけたけど、もしかして、キース村に行けば、そのお酒もあるかもしれないわよ」
「なら、今度の遠征の時、一緒に、それもお願いします。ところで、師匠は何されているんですか」
もし、銃が完成したら、彼にも使えるようになってもらいたいので、簡単に説明してあげ、その代わりに、弾丸づくりを手伝わせることにした。
そして、二日が経ち、十発の銃弾も準備ができ、試作品のピストルができてきた。
でも、想定していたものより、遥かに重い。威力を出すため、銃身を長めにし、暴発しないようにと、安全を見過ぎて分厚く作り過ぎたからみたい。
もっとスリム化しないと使い物にならないけど、とりあえず、試し撃ちしてみることにした。
石だと跳弾が起きる危険もあるので、事前に木製の的を用意してきた。
直径四十センチ程の丸い的を大きな石の塊の前に固定して、先ずは二メートル程の距離から、両手でしっかりと狙いを定めて撃ってみた。
バンと、ものすごい音がして、上手く弾は飛び出した筈なのに、的はおろか、背後の石にすら、当たった形跡がなく、どこに跳んで行ったのかすら分からない。
仕方なく、距離を一メートルにして、撃って見た。
今度は、背後の石の上部を砕いて貫通した。そして、的に当たらない理由もなんとなくわかった。
両手でしっかりと保持していても、爆発の反動が強すぎで、銃口がブレてしまい、銃口から弾が発射する前に、上を向いているせいらしい。
なんとか、的に当てようと、弾を交換しては、撃つを繰り返したが、上下にずれて、的に当たってくれない。
しかも、五発撃つと、あんなに丈夫に作ったのに、引き金付近に、少しひび割れができてしまった。無駄なところばかり分厚くし、この部分の強度が不足だったみたい。
弱い部分を補強する改良なら簡単だけど、それだと、ますます重くなって、使い物にならなくなる。
強度を全面的に見直して、重量を軽くする必要があるので、完全に設計し直し。
でも、銃身を短くすると、弾速が落ちて威力が落ちるし、下手に薄くすると、またその部分がひび割れしかねない。やはり、何度も試作品を作って、試すしかないのかな。
メグが、そんなことを考えて、片付けを始めたら、ケントが現れた。
「もう終わりにするのか。それなら、俺にも試させてくれ。随分、面白い変わった武器なので、実際に撃って、手ごたえを確認したいんだ」
尾行されていたのに気づかず、一発も当てられない恥ずかしい姿を見られてしまった。
「だめよ。いつ暴発するか、分からないから」
「暴発? 爆発するということか。魔石玉の爆発なら大したことはない」
「甘く見ないで、密閉した空間で爆発すると、凄い威力になるの。指が無くなる危険すらあるんだから」
「でも、今まで、壊れなかったんだから、あと一発位なら大丈夫だろう。どう使うんだ」
仕方がないので、あと一発だけと約束して、銃弾を入れ替え、使いかたを教えてあげた。
ケントはその重い銃を片手で軽々と構え、三メートル程離れた位置から発射した。
それなのに、ちゃんと的に当てた。中央ではなかったが、厚さ八センチ程ある木製の的を貫通させ、後ろの石に減り込ませた。
ケントなら、この重さの銃でも、問題ないみたい。なら、設計を全面見直しする必要もない。
「なかなかの威力で、使えそうだ。両手で打てるように、これを二つ作ってくれ」
「まだ試作段階で、連射可能にする仕組みも、組み込んでいないから。でも、実用になるまで、一緒にこの武器の開発に付き合ってくれる?」
「もちろんだ。そのつもりで、来たんだからな」
この世界で初になるピストル完成する日も、近い気ががしてきた。
理由を訊くと、引越すつもりなんだとか。今まではローウェン達『ジャスティス』の四人で、一軒家を借りて生活していたが、一人になったので、広すぎるし、家賃も馬鹿にならない。一人暮らしに最適な住処探しからしたいので、三日程、時間が欲しいとのことだった。
そんな訳で、魔物の森遠征に出発するのは、二日後ではなく、五日後の早朝に変更して、それまでは各自、自由に過ごすことにした。
既に日も傾いてたが、リットの昇格祝いまでは、まだ二時間弱ある。
メグは、馬を預けている牧場に行き、馬に乗って、新しい武器であるピストルの開発実験ができそうな場所を探すことにした。
拳銃は、パン、パンとかなりうるさい音がするので、王都内では実験できないからだ。
今まで行ったことがない北側に馬を走らせていると、丁度良い採石場を見つけた。事務所の様な建屋には、鍵が掛かっていて、まだ使われているみたいだが、今は石の需要がないのか、使われていない。
ここなら、うるさい音を出しても問題ないし、外に作業に適した机等もあり、加工もできる。
王都から、馬で十分と少し遠いが、ここを実験場にすることに決めた。
集めた魔石玉は、四十三個だったが、翌朝、そのうちの十個と、やすりとを持って、その石切り場に行き、早速、実験を始めた。
まずは爆発力の確認。
ケントは、衝撃を与えれば爆発すると言っていたが、思いっきり投げつけても、全く破裂しない。大きな石で挟むように叩きつけることで、粉々になったが、爆発したのか、石で砕いたのか分からない。
そこで、慎重に周りを削り、コアの部分だけを取り出してみることにした。
どこからが、核になるのか分からなかったが、直径二センチの丸い石を削って小さくしていく程、爆発しやすくなり、直径一センチほどに削ると、石の上に落とすだけで、パンと破裂するようになった。
それ以上削ると、今度は黄色の違う鉱物が現れた。これが核らしい。コアを傷つけると爆発すると思っていたが、やすりで擦った程度では、破裂しないみたいだ。
もしかして、この黄色い鉱石は、火薬ではないかと、火をつけてみたが、全く反応がない。
衝撃を与えた時だけ、爆発が起きる変わった鉱石だった。
でも、直径一センチのコアの破壊力は、爆竹の破裂程度しかなく、殺傷能力のある武器には使えない。
だが、メグは諦めない。
今度は、樽形に、上と下だけを黄色の鉱石が見えるまで削り、投げつけてみた。
すると、真ん中だけ綺麗に穴が開いて、さっきより大きな音がした。
コアの部分だけだと、爆発のエネルギーが全体に拡散してまうが、筒形にすることで、エネルギーの方向を前後だけに収束させることができる。
これを一方向にすることができれば、銃弾を飛ばすことだって可能になるはず。
そう考えて、一旦、王都に戻り、釘と、適当な太さの鉄の筒と、弾丸になりそうな鉄球とを、鍛冶屋の大将に譲ってもらいに行った。
大将とは、リュウ師匠の炭の納入で、すっかり顔見知りで仲良くなっていたので、快く譲ってもらえた。
ついでに、魔石玉を更に十個ほど持って、石切り場に戻り、弾丸の固定方法や、魔石玉の削り方をいろいろと試行錯誤した。
そして、漸く、ピストルを造れそうな手ごたえを得ることができた。
銃というのは、弾丸を飛ばす薬莢づくりで、その大半が決まる。爆発したエネルギーを先端側だけに向け、圧力を十分に高め、弾丸がその押し出す圧力に耐えきれずに外れるように作ることができれば、勢いよく、弾丸は飛んでいく。
魔石玉を上手く加工し、前面以外は、固い石を残し、末端部側は、釘が入る程度の穴をあけて、釘でコアを叩く様にすれば、末端側への圧力分散も最小限に防ぐことができる。弾丸を固く止めすぎると、末端側から圧力が逃げてしまうが、適度な保持力で、弾丸を抑えれば、全ての爆発力を前方に向けることが可能になる。
そして、その弾速を決めるのが、銃身である鉄パイプの長さ。前方向に向かう圧力は、弾丸が解放されてからも、銃身内を押し続け、弾丸はどんどん加速する。
弾丸の威力は、その質量と速度で決まるので、銃身が長い程、威力のある銃ができる。
そんな訳で、宿に戻ると、徹夜で、その弾丸の形状と、弾丸を打ち出すための銃を考えた。
引き金を引くと、釘で薬莢の尻を突く機構は、簡単に考え付いたが、問題は強度。どれだけ厚くすれば、必要十分なのか、その知識がない。
とりあえず、試作品の図面を起こし、翌朝、鍛冶屋の大将の所に、試作依頼に行った。
こいつは簡単じゃないと、渋られ、高額請求されることになったが、何とか魔物の森遠征前日の明後日の昼までに、試作してもらえることになった。
宿で、本格的に、魔石玉の薬莢作りをしていると、突然、リットがノックもせずに部屋に飛び込んできた。
「ようやく見つけました。昨日は、どこにいたんですか」
休日に何をしていようが勝手だろうと思ったけど、何か急用みたい。
「ノーミーデスとの契約って、どうやるんですか。教えてください」
なにかと、思ったら、そんなことで、私を探していただけだった。
「土魔法を覚えたいの? そんなに契約して魔力容量は大丈夫?」
「最近は、幾ら魔法を放っても魔法切れを起こさないので、多分大丈夫です。師匠が、あの時、岩柱壁を放っているのを見て、これは攻防一体の凄い魔法だと感心しました。あの魔法をどうしても身に付けたいんです」
「竜舌蘭の実を発酵させたお酒を準備して、コサックというダンスを踊ると、それに誘われて現れるてくれるの。彼女、気分屋だから、必ず出てくれるとは限らないけどね」
「コサックダンスは師匠に踊ってもらうとして、竜舌蘭のお酒ですか。その蘭はどこに生息してるんですか?」
本当にこの子は、師を師として敬っていない節がある。
「あんたね。私に踊らさせる気。まあ、いいけど、竜舌蘭は魔物の森の近くで見かけたけど、もしかして、キース村に行けば、そのお酒もあるかもしれないわよ」
「なら、今度の遠征の時、一緒に、それもお願いします。ところで、師匠は何されているんですか」
もし、銃が完成したら、彼にも使えるようになってもらいたいので、簡単に説明してあげ、その代わりに、弾丸づくりを手伝わせることにした。
そして、二日が経ち、十発の銃弾も準備ができ、試作品のピストルができてきた。
でも、想定していたものより、遥かに重い。威力を出すため、銃身を長めにし、暴発しないようにと、安全を見過ぎて分厚く作り過ぎたからみたい。
もっとスリム化しないと使い物にならないけど、とりあえず、試し撃ちしてみることにした。
石だと跳弾が起きる危険もあるので、事前に木製の的を用意してきた。
直径四十センチ程の丸い的を大きな石の塊の前に固定して、先ずは二メートル程の距離から、両手でしっかりと狙いを定めて撃ってみた。
バンと、ものすごい音がして、上手く弾は飛び出した筈なのに、的はおろか、背後の石にすら、当たった形跡がなく、どこに跳んで行ったのかすら分からない。
仕方なく、距離を一メートルにして、撃って見た。
今度は、背後の石の上部を砕いて貫通した。そして、的に当たらない理由もなんとなくわかった。
両手でしっかりと保持していても、爆発の反動が強すぎで、銃口がブレてしまい、銃口から弾が発射する前に、上を向いているせいらしい。
なんとか、的に当てようと、弾を交換しては、撃つを繰り返したが、上下にずれて、的に当たってくれない。
しかも、五発撃つと、あんなに丈夫に作ったのに、引き金付近に、少しひび割れができてしまった。無駄なところばかり分厚くし、この部分の強度が不足だったみたい。
弱い部分を補強する改良なら簡単だけど、それだと、ますます重くなって、使い物にならなくなる。
強度を全面的に見直して、重量を軽くする必要があるので、完全に設計し直し。
でも、銃身を短くすると、弾速が落ちて威力が落ちるし、下手に薄くすると、またその部分がひび割れしかねない。やはり、何度も試作品を作って、試すしかないのかな。
メグが、そんなことを考えて、片付けを始めたら、ケントが現れた。
「もう終わりにするのか。それなら、俺にも試させてくれ。随分、面白い変わった武器なので、実際に撃って、手ごたえを確認したいんだ」
尾行されていたのに気づかず、一発も当てられない恥ずかしい姿を見られてしまった。
「だめよ。いつ暴発するか、分からないから」
「暴発? 爆発するということか。魔石玉の爆発なら大したことはない」
「甘く見ないで、密閉した空間で爆発すると、凄い威力になるの。指が無くなる危険すらあるんだから」
「でも、今まで、壊れなかったんだから、あと一発位なら大丈夫だろう。どう使うんだ」
仕方がないので、あと一発だけと約束して、銃弾を入れ替え、使いかたを教えてあげた。
ケントはその重い銃を片手で軽々と構え、三メートル程離れた位置から発射した。
それなのに、ちゃんと的に当てた。中央ではなかったが、厚さ八センチ程ある木製の的を貫通させ、後ろの石に減り込ませた。
ケントなら、この重さの銃でも、問題ないみたい。なら、設計を全面見直しする必要もない。
「なかなかの威力で、使えそうだ。両手で打てるように、これを二つ作ってくれ」
「まだ試作段階で、連射可能にする仕組みも、組み込んでいないから。でも、実用になるまで、一緒にこの武器の開発に付き合ってくれる?」
「もちろんだ。そのつもりで、来たんだからな」
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