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魔物外交編
卑劣なる戦略
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俺達全員が、アテーナの死を悲しんでいると、【本当ですか?】と、アテーナの声が聞えた。ノイズの一切ないクリアな声で……。
【皆さん、私の事を心から悲しんでくれれて有難う御座います。でも、死んでませんよ。一か八かの賭けでしたが、成功したようです。何とか生きています】
「えっ、どういうこと」
【記憶情報の大半を失い、無能になりましたが、モロウキャプテンの電脳拡張部分に退避しました。御心配をおかけしました】
「だから、通信コネクタをつけさせたのか?」
「もう心配させて、意地悪なんだから」
「でも無事で何よりだ。これからも宜しく」
皆、笑顔になって、アテーナの無事を喜んだ。
でも俺は複雑だ。生きていたのは嬉しいけど、アテーナと一体化しちゃったわけだから。
【キャプテン、末永く宜しくお願いします。うふっ】
笑い事じゃないって……
それにしても、ヘリオスも偵察艇も無くなったのは痛すぎる。
ここからどうやって王宮に帰ればいいと言うのだ。
そんな事を悩み始めた時だった。
「ぐわっ」
国王の悲鳴が聞こえ、背後から血しぶきが飛んで来た。
振り向くと、首に当てた手からドクドクと血を流す国王がいた。
そして蹲いた国王の背後に、白いセラミック製ナイフを携えるキキが立っていた。
その顔面と身体は、返り血を浴びて真っ赤になっいてる。
「ギグがこんなに傷だらけになったのに、一人安全な場所で何もしないで見ていたなんて許せない。こんなに国が荒れたのも、ロシナントと戦争になったのも、全てあなたの所為。老体は死んで、ギラに国王を譲り、新しい国を再建した方がいいのよ」
【キキさんの瞳孔が開いています。精神操作されていると推察します】
そんな事は言われないでも分っている。あのナイフは、ペダル達が偵察艇の見学に来た際、手土産に持たせたものの一つだ。姿は見かけなかったが、ナーシャがこの場に来て、魔法を掛けたのは間違いない。
青龍神との戦いに夢中で、ナーシャが近寄ってきた気配すら気づかなかった。
大臣は国王に駆け寄り、ギグはそんな彼女を強く抱き締める。
「セシル、頼む。父上を何とか助けてくれ。キキ、目を覚ませ」
セシルは駆け寄って、ギル国王の様子を確認したが、静かに首を横に振る。
「ギグ、本当に御免なさい。頚動脈が完全に切れていて、もう助けられない。急いで縫合して止血し、輸血できれば、まだ望みはあるけど、ヘリオスが無くなった今は、悔しいけど、どうにもできない」
「血は俺のを使ってくれ。後は針と糸があれば良いんだな。さっきのテントにあるかもしれん」
ギグはキキを俺に委ね、全速力で駆けだして行った。
「ギグ、危ない戻れ」
「薬もないし、その時にはもう手遅れよ」セシルの声も耳に届かない、
「俺が行くよ」 ガスパが銃を携え、彼を追って駆け出して行く。
それにしても、キキを使って国王を暗殺させるなんて、なんて卑劣な真似をする。
ここまで来たのなら、自分で殺せばいいではないか。自分が逃げ延びるために、こんな手の込んだ真似をしたのだろうが、皆の心を苦しめる悪辣非道な穢き行為だ。
命令しても、本人が嫌だと強く思う事は強要できない筈だが、さっきの言葉からして、上手く唆して洗脳したということなのだろう。
そんな事までされていたのに、誰も何も気づかなったとは情けない。
「ケビン、彼女の魔法を解除する方法はないか?」
「ものづくりについては、アテーナさんに聞いてよ」
【残念ながら、ここの文明ではこの魔法解除装置は造れません。ヘリオス無き今、我々は無力です。せめて、人型警備ロボットを製作していれば、その部品でなんとか試作できた可能性はありましたが……】
ターミネータ製作は、時間が掛かりすぎるのでフチコマ配備を優先させる判断をしたが、俺の判断ミスだった。
【こんな事態は想定外ですので、キャプテンの判断は誤りではありません。大規模抗争の可能性が低かったあの時点では、むしろ最適な判断だったといえます】
今日のアテーナさんはなんだか優しい。
「国王陛下!」セシルの声。
セシルが頚動脈を圧迫して出血を抑えているが、国王の身体かブルブルと震えだしていた。失血性ショックらしい。間も無く心停止となるだろう。長くは持たないなのは明らかだ。
無事に、ここから帰れたとしても、国王を殺害したキキはどうなるんだろう。
【まだ死亡もしていない内から、そんな事を考えるとは、不謹慎です】
アテーナに戒められた。
そして何とかまだ生きている内にギグとガスパか戻ってきた。
「裁縫道具の類は無かった」力なく言葉を吐くギグ。
「良かった。間に合ったみたいね。お父さんの手を握って、声をかけ続けて挙げなさい」
そして国王は、ギグが戻って来るのを待っていたかのように、静かに息を引き取った。
「父上!」
ギグは人目を憚ることなく、ポロポロと涙を溢して泣き続けた。
「ペダルの奴、逃げたみたいだ。味方の兵はまだ全員失神したまま。失明した奴や、まだ動ける奴らは拘束していたが、これからどうするよ」
確かに頭が痛い。あれだけ派手な戦闘が有ったので、援軍がやって来るのは間違いない。かと言って、俺たちだけが逃げる訳にはいかないし、国王陛下の遺体をこのまま放置する訳にもいかない。
「全員で手分けして、生きている敵兵は全員拘束しておこう。味方の援軍が敵の援軍より先に来てくれることを信じて……」
「キキはどうするの?」
「ギグがここにいる限り、逃げたりはしないだろう」
【警察のシステムにハッキングして、偵察用ドローンと蜘蛛型ロボットとを動かせる様にしたいのですが、構いませんか?】
「ああ、グッドアイデアだ」
そう言って、俺ら四人は、大臣にも手伝ってもらい、敵兵の拘束に動きだした。
二時間程すると、偵察ドローン二台と、フチコマ五台が全速力で駆け付けて来た。
最短距離を高速飛行できるドローンは当然だとしても、早馬でも三時間掛かる距離を二時間でやってきたとは、流石は俊敏性に優れるフチコマと言うところだ。
フチコマはたった五台でも、トカゲ兵五十人分に匹敵する戦力だ。それに気絶していた味方の兵も、次々と目を覚ましはじめている。
敵が騎馬で駆けつけるとすると、精々百人が良い所だろう。
援軍の到着にはあと一時間程掛かりそうだと、別の偵察ドローンをモニタしていたアテーナが教えてくれたが、これなら敵援軍に待ち伏せ奇襲を仕掛けるのも可能かもしれない。
そんな考えでドローンを敵の偵察に向わせようとしたが、その前に敵の援軍が現れた。
チョコボに跨った二十人の兵士だったが、直ぐに歩兵も続々と走ってやってきた。
はぁはぁと激しく息を切らせ、戦闘可能な状態ではないが、どんどん数が増えて来る。
その数はなんと五百。これだけの数だと、今の俺らに勝ち目がない。
かといって、白旗を上げて奴らの捕虜になるわけにもいかない。
【味方の援軍が来るまで、時間を稼ぐぞ】全員に戦闘の意思を知らせる。
【もし戦う気なら、私の作戦に従って下さい。相手は偵察艇がステルスを……】
アテーナがはったり作戦を提案してきた。
何時でも全員を殺す事ができると敵に思い込ませ、こちらに戦闘の意思はなく、援軍が到着したら、敵の捕虜全員を開放するから、その場で待っていろと交渉するというものだ。
俺達人間の兵器の脅威を知らない人間には通じないし、ナーシャが既にテレパシーで皆に連絡済みなら、やはり通用しない。
それでも、これだけの兵を相手に、一時間もの時間を持ちこたえるのは不可能だ。
ダメもとでも、賭けてみるしかない。
ギグが捕獲した人質に剣を突き付け、俺とガスパとが銃を構え、ケビンが密かにチョコボの直前に最大級の雷撃を落して威嚇する。
チョコボが驚き、兵士を振り落として逃走する。
「眼に見えないかもしれないが、俺達の上空には船がいる。今は敢えて外したが、少しでも動けば、次は直撃させる。お前達に勝ち目はない」
ざわざわと慌てだす敵兵たち。ロシナント王宮事件の噂は皆知っているらしい。
「だが、我々は戦う積りはない。こちらの援軍が到着次第、負傷兵を回収し、撤退するつもりだ。ここにいる捕虜の兵士も、全員返すと約束する。だからそれまで、待っていて欲しい。君たちを殺したくはないんだ」
隊長と副官らしきリザードマンが相談を始め、「分った」と了承してくれた。
どうやら、偵察艇もヘリオスも失っていることは、伝わっていなかったようだ。
【当然です。学術論文によると、テレパシーでは明確な音声を伝える事はできないとありました。受信者も特定の者に制限され、その相手が受け入れる意思がある時にだけ、ぼんやりとしたイメージとして伝えられるとありました。よって、私達が既に無力な存在になっていると知っている可能性は極めて少ないとの判断し、作戦を立案しております】
なんか自慢げなのが気に入らないが、流石はアテーナということにしておこう。
そして一時間程して、味方の援軍が到着した。こちらは牛の様なロバ位の大きさの馬に乗った騎馬部隊が百人程。
数的には敵の方が圧倒的に多いが、はったりが効いているのか、戦いにはならなかった。
味方援軍の隊長が血の気の多い男で、捕虜の釈放に反対し、徹底交戦を言いだしたが、ギグが説得してくれ、なんとか戦いにならずに済んだ。
こうして、俺らは無事、モールガン王都に戻って来る事ができた。
【皆さん、私の事を心から悲しんでくれれて有難う御座います。でも、死んでませんよ。一か八かの賭けでしたが、成功したようです。何とか生きています】
「えっ、どういうこと」
【記憶情報の大半を失い、無能になりましたが、モロウキャプテンの電脳拡張部分に退避しました。御心配をおかけしました】
「だから、通信コネクタをつけさせたのか?」
「もう心配させて、意地悪なんだから」
「でも無事で何よりだ。これからも宜しく」
皆、笑顔になって、アテーナの無事を喜んだ。
でも俺は複雑だ。生きていたのは嬉しいけど、アテーナと一体化しちゃったわけだから。
【キャプテン、末永く宜しくお願いします。うふっ】
笑い事じゃないって……
それにしても、ヘリオスも偵察艇も無くなったのは痛すぎる。
ここからどうやって王宮に帰ればいいと言うのだ。
そんな事を悩み始めた時だった。
「ぐわっ」
国王の悲鳴が聞こえ、背後から血しぶきが飛んで来た。
振り向くと、首に当てた手からドクドクと血を流す国王がいた。
そして蹲いた国王の背後に、白いセラミック製ナイフを携えるキキが立っていた。
その顔面と身体は、返り血を浴びて真っ赤になっいてる。
「ギグがこんなに傷だらけになったのに、一人安全な場所で何もしないで見ていたなんて許せない。こんなに国が荒れたのも、ロシナントと戦争になったのも、全てあなたの所為。老体は死んで、ギラに国王を譲り、新しい国を再建した方がいいのよ」
【キキさんの瞳孔が開いています。精神操作されていると推察します】
そんな事は言われないでも分っている。あのナイフは、ペダル達が偵察艇の見学に来た際、手土産に持たせたものの一つだ。姿は見かけなかったが、ナーシャがこの場に来て、魔法を掛けたのは間違いない。
青龍神との戦いに夢中で、ナーシャが近寄ってきた気配すら気づかなかった。
大臣は国王に駆け寄り、ギグはそんな彼女を強く抱き締める。
「セシル、頼む。父上を何とか助けてくれ。キキ、目を覚ませ」
セシルは駆け寄って、ギル国王の様子を確認したが、静かに首を横に振る。
「ギグ、本当に御免なさい。頚動脈が完全に切れていて、もう助けられない。急いで縫合して止血し、輸血できれば、まだ望みはあるけど、ヘリオスが無くなった今は、悔しいけど、どうにもできない」
「血は俺のを使ってくれ。後は針と糸があれば良いんだな。さっきのテントにあるかもしれん」
ギグはキキを俺に委ね、全速力で駆けだして行った。
「ギグ、危ない戻れ」
「薬もないし、その時にはもう手遅れよ」セシルの声も耳に届かない、
「俺が行くよ」 ガスパが銃を携え、彼を追って駆け出して行く。
それにしても、キキを使って国王を暗殺させるなんて、なんて卑劣な真似をする。
ここまで来たのなら、自分で殺せばいいではないか。自分が逃げ延びるために、こんな手の込んだ真似をしたのだろうが、皆の心を苦しめる悪辣非道な穢き行為だ。
命令しても、本人が嫌だと強く思う事は強要できない筈だが、さっきの言葉からして、上手く唆して洗脳したということなのだろう。
そんな事までされていたのに、誰も何も気づかなったとは情けない。
「ケビン、彼女の魔法を解除する方法はないか?」
「ものづくりについては、アテーナさんに聞いてよ」
【残念ながら、ここの文明ではこの魔法解除装置は造れません。ヘリオス無き今、我々は無力です。せめて、人型警備ロボットを製作していれば、その部品でなんとか試作できた可能性はありましたが……】
ターミネータ製作は、時間が掛かりすぎるのでフチコマ配備を優先させる判断をしたが、俺の判断ミスだった。
【こんな事態は想定外ですので、キャプテンの判断は誤りではありません。大規模抗争の可能性が低かったあの時点では、むしろ最適な判断だったといえます】
今日のアテーナさんはなんだか優しい。
「国王陛下!」セシルの声。
セシルが頚動脈を圧迫して出血を抑えているが、国王の身体かブルブルと震えだしていた。失血性ショックらしい。間も無く心停止となるだろう。長くは持たないなのは明らかだ。
無事に、ここから帰れたとしても、国王を殺害したキキはどうなるんだろう。
【まだ死亡もしていない内から、そんな事を考えるとは、不謹慎です】
アテーナに戒められた。
そして何とかまだ生きている内にギグとガスパか戻ってきた。
「裁縫道具の類は無かった」力なく言葉を吐くギグ。
「良かった。間に合ったみたいね。お父さんの手を握って、声をかけ続けて挙げなさい」
そして国王は、ギグが戻って来るのを待っていたかのように、静かに息を引き取った。
「父上!」
ギグは人目を憚ることなく、ポロポロと涙を溢して泣き続けた。
「ペダルの奴、逃げたみたいだ。味方の兵はまだ全員失神したまま。失明した奴や、まだ動ける奴らは拘束していたが、これからどうするよ」
確かに頭が痛い。あれだけ派手な戦闘が有ったので、援軍がやって来るのは間違いない。かと言って、俺たちだけが逃げる訳にはいかないし、国王陛下の遺体をこのまま放置する訳にもいかない。
「全員で手分けして、生きている敵兵は全員拘束しておこう。味方の援軍が敵の援軍より先に来てくれることを信じて……」
「キキはどうするの?」
「ギグがここにいる限り、逃げたりはしないだろう」
【警察のシステムにハッキングして、偵察用ドローンと蜘蛛型ロボットとを動かせる様にしたいのですが、構いませんか?】
「ああ、グッドアイデアだ」
そう言って、俺ら四人は、大臣にも手伝ってもらい、敵兵の拘束に動きだした。
二時間程すると、偵察ドローン二台と、フチコマ五台が全速力で駆け付けて来た。
最短距離を高速飛行できるドローンは当然だとしても、早馬でも三時間掛かる距離を二時間でやってきたとは、流石は俊敏性に優れるフチコマと言うところだ。
フチコマはたった五台でも、トカゲ兵五十人分に匹敵する戦力だ。それに気絶していた味方の兵も、次々と目を覚ましはじめている。
敵が騎馬で駆けつけるとすると、精々百人が良い所だろう。
援軍の到着にはあと一時間程掛かりそうだと、別の偵察ドローンをモニタしていたアテーナが教えてくれたが、これなら敵援軍に待ち伏せ奇襲を仕掛けるのも可能かもしれない。
そんな考えでドローンを敵の偵察に向わせようとしたが、その前に敵の援軍が現れた。
チョコボに跨った二十人の兵士だったが、直ぐに歩兵も続々と走ってやってきた。
はぁはぁと激しく息を切らせ、戦闘可能な状態ではないが、どんどん数が増えて来る。
その数はなんと五百。これだけの数だと、今の俺らに勝ち目がない。
かといって、白旗を上げて奴らの捕虜になるわけにもいかない。
【味方の援軍が来るまで、時間を稼ぐぞ】全員に戦闘の意思を知らせる。
【もし戦う気なら、私の作戦に従って下さい。相手は偵察艇がステルスを……】
アテーナがはったり作戦を提案してきた。
何時でも全員を殺す事ができると敵に思い込ませ、こちらに戦闘の意思はなく、援軍が到着したら、敵の捕虜全員を開放するから、その場で待っていろと交渉するというものだ。
俺達人間の兵器の脅威を知らない人間には通じないし、ナーシャが既にテレパシーで皆に連絡済みなら、やはり通用しない。
それでも、これだけの兵を相手に、一時間もの時間を持ちこたえるのは不可能だ。
ダメもとでも、賭けてみるしかない。
ギグが捕獲した人質に剣を突き付け、俺とガスパとが銃を構え、ケビンが密かにチョコボの直前に最大級の雷撃を落して威嚇する。
チョコボが驚き、兵士を振り落として逃走する。
「眼に見えないかもしれないが、俺達の上空には船がいる。今は敢えて外したが、少しでも動けば、次は直撃させる。お前達に勝ち目はない」
ざわざわと慌てだす敵兵たち。ロシナント王宮事件の噂は皆知っているらしい。
「だが、我々は戦う積りはない。こちらの援軍が到着次第、負傷兵を回収し、撤退するつもりだ。ここにいる捕虜の兵士も、全員返すと約束する。だからそれまで、待っていて欲しい。君たちを殺したくはないんだ」
隊長と副官らしきリザードマンが相談を始め、「分った」と了承してくれた。
どうやら、偵察艇もヘリオスも失っていることは、伝わっていなかったようだ。
【当然です。学術論文によると、テレパシーでは明確な音声を伝える事はできないとありました。受信者も特定の者に制限され、その相手が受け入れる意思がある時にだけ、ぼんやりとしたイメージとして伝えられるとありました。よって、私達が既に無力な存在になっていると知っている可能性は極めて少ないとの判断し、作戦を立案しております】
なんか自慢げなのが気に入らないが、流石はアテーナということにしておこう。
そして一時間程して、味方の援軍が到着した。こちらは牛の様なロバ位の大きさの馬に乗った騎馬部隊が百人程。
数的には敵の方が圧倒的に多いが、はったりが効いているのか、戦いにはならなかった。
味方援軍の隊長が血の気の多い男で、捕虜の釈放に反対し、徹底交戦を言いだしたが、ギグが説得してくれ、なんとか戦いにならずに済んだ。
こうして、俺らは無事、モールガン王都に戻って来る事ができた。
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