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第四章 僕が神様なんかになっていいのかな
4-5 モテキが訪れているのかもしれません その2
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僕は魚人族の討伐隊兵士二名に道案内してもらい、一匹目のフェア・ドラゴンフライの幼体の許を訪れた。
ドラゴンフライと言う名前から、蜻蛉の幼虫、ヤゴの魔物に違いないと予想していたが、その通りで、巨大な顎を持つ、全長二メートル程のヤゴの魔物だった。
鑑定するとレベルは25と低いが、能力値は高く、人間レベルの60以上の強さがある。
スキルや魔法等で特に注意する必要はなく、今の僕なら楽に勝てそうだが、僕の苦手な水中戦だ。
ここは慎重に万全を期して、戦う事にした。
『健斗、泡を交換しろって言ってるよ』
『ああ、一旦戻るよ』
このバブルヘルメットは既に三分程経過しているので、開戦前に交換するつもりだったが、鑑定のため、敵の前に回り込んだので、戦うものと誤解されてしまったらしい。
戻って、まずは僕一人で戦って、敵の出方を観察するからと話すと、いろいろと心配された。
激しい戦闘だと酸素消費が多くなるので、三分経過したら一旦戻り、泡を交換しろとか、以心伝心で合図してくれたら、石礫や、氷礫で援護射撃するからとか言われた。
でも、僕は泡交換せず一回で仕留めるつもりだ。苦手な水中戦とはいえ、五分も掛からないとの読みだ。
それでも、フェンに攻撃増加と防御増加のバフだけは、掛けてもらって、突っ込んでいった。
近接する間に、状態異常無効化、魔法無効化、継続治癒を発動して万全な状態にしておいた。
でも、それは全くの杞憂だった。
五メートル程の距離の時、様子見に水中では効果の低い火球を放ってみたのだが、全く回避できずに直撃を受けて、HPが削れ、それだけでSPが急激に減り、僕にビビりだした。
二メートル程に近づくと、顎アタックを仕掛けてきたが、思ったほどの速度はなく、簡単に斧で防御できた。
そのまま、瞬歩で一気に近づき、斧を振りかぶると、さっと後退して距離を取り、再び顎を伸ばしてきた。でも、そのまま振り下ろし、顎に斧無双を直撃させてやったら、顎が壊れ、元の状態に戻らなくなった。
すると、彼の主たる攻撃手段が壊れたからか、SPが更に減っていく。
僕は逃走させない様に、足を真空斬で、まとめて数本、同時に壊していった。
逃げられないと悟り、壊れた顎で必死に攻撃してきたが、そんなものが当たる訳もない。
胴体の甲殻はそれなりに固く、なかなか破壊することができなかったが、その甲羅も壊し、二分も掛からず止めをさせた。
「たった一人で。信じられん。強い」
魚人兵が目を丸くして、驚いていたが、能力値差からすると当然の結果だ。水中戦だと警戒しすぎた。
二匹目は、フェイだけに任せてみた。
すると、いきなりヤゴの背に跨って、ヤゴをバリバリと食べだした。よほど肉が食べたかったらしい。
そんな訳で五分程の時間がかかってしまったが、それでも酸素補給不要で、二匹を簡単に倒すことができた。
三匹目もフェイ一人。危機にならない限り噛みつきは勿論、格闘技も禁止として戦わせてみた。
今度は秒殺。魔法防壁があるので、近接して雷撃を放っても巻き込まれることない。弱らせて、至近距離から、石礫や水刀を放って、秒殺してみせた。
魚人族十五人でも勝てなかった相手だと言うのに、本当に頼もしい相棒だ。
兵士二人は、直ぐに宴会の準備をしなければと言い出したが、僕は成虫二匹も狩るつもりだから案内して欲しいとお願いした。
二人は顔を見合わせ、相談を始めたが、僕たち二人なら勝てる可能性があると判断してもらえたようだ。
「巣の場所、分からない。でも、産卵場所、いつも同じ。いつ来るか、わからない。それでもいいか」
「ああ、その産卵場所に案内してくれ。奴らか来るまで、根気強く待つから」
そんな訳で、一人は里に帰り、もう一人が産卵場所へと案内してくれることになった。
陸地に上がると、僕は、レベル27で習得した乾燥で服を綺麗に乾かした。
レベル26以降に習得した魔法は、大雨、乾燥、開錠、忘却と、戦闘とは無関係な魔法ばかり。
どんな時に使えばいいのか分からないが、いざとなった時には便利で、今日も乾燥魔法が役に立った。
フェンも、「便利な魔法だね」と感心していたが、「お風呂を出せる魔法はないの」とすっかりお風呂好きになっている。
暫く、一緒に居た兵士も、一旦、里に戻り、明朝、弁当を持って来てくれる約束で、僕らは二人で、蜻蛉が産卵にくるのを待ち続けることになった。
兵士の話だと、五日ほど前にこの下の木の根に産卵されていたので、二日以内には産卵に来るとの話だったが、最悪、ここで二日間も待ち続けなければならない。
既に深夜で、気温もかなり低かったが、僕らはもう寒さはへっちゃらだ。
暖を取るものがない隠れ家で生活していたので、共にレベルアップ毎に極寒耐性を獲得していき、僕はレベルMaxで、フェイはレベル4だ。だから、この時間でもそれほど寒さを感じない。
それでも、寒い事は寒いので、二人で抱き合って、身体を温めあって寝た。
フェンは、すやすやと直ぐに寝息を立てて寝たが、豊満な柔らかな胸を押し当て、足を絡めて抱き着いたままだ。しかも、今朝の進化で、本当に色っぽくなった。
偽乳だとわかっていても、興奮してきて、アソコがむくむくと大きくなってっいく。
フェンは僕と結ばれたがっているし、エルフの秘薬で、指と胸とが元通りになったら、愛し合うのも悪くない。
愛娘の様な存在なのに、そんなことまで、考えてしまった。
でも、一旦勃起してしまうと、寝むれない。それから暫くは悶々とした時間をすごすことになった。
ブーン。何かの羽音で目を覚ました。まだ太陽が地平線から登り切っていない早朝だったが、二匹の巨大蜻蛉が飛んでいた。体長三メートル以上もあるとんでもなく巨大な蜻蛉の魔物だ。
「フェン、起きろ。奴らが来たぞ」
フェンが身体を起こすと、急に腕がじんじんし始めた。長時間腕枕していたので左腕が完全に痺れている。
産卵までに時間かかる筈なので、左手の痺れがとれるまで、二匹の魔物の様子を観察することにした。
この角度では鑑定できないので、どちらが雄で、どっちが雌だか分からないが、尻尾がブルーで綺麗な方が雄だと勝手に判断した。鳥や虫は、雌を守るために、目立つ派手な方が雄で、地味なのが雌と相場が決まっている。
雌が川べりに着陸すると、雄が上空でホバリングしながら、なんどか軽く雌にタッチして、今度はお尻を曲げはじめた。
いよいよ交尾が始まるらしい。
そう思っていると、その尾の先端から、四本の指が延びてきて、その指で彼女の彼女の首を絞め始めた。
苦しいのか、雌は尾をのけ反らせるように曲げて、追い払おうとして、尻尾や胴を叩き始める。
だが、それは追い払うためではなく、生殖行動の為の刺激だった。オスの尾の付け根辺りから、にょきにょきと男性器が飛び出して来た。
雌は尾の先端に膣があるのか、その尾の先端を自ら探って、グイっと中に挿入した。
「蜻蛉の交尾って素敵だね。ちゃんとハートマークを作るんだね」
確かに、雌の頭がハートのとんがり位置にあたるハートマークになっている。
交尾は暫くかかる筈なので、今のうちに、仕留めることにして、さっと交尾中の二匹の前に回り込む。
レベル82と80というとんでもない化け物で、攻撃力も僕と同等で、機動力は12406と10334と、一万超もある。
まともに戦ったら、僕ら二人でも勝てない強敵だが、今は交尾の真っ最中だ。
二人とも、バフをフルに掛け、継続治癒で自動回復状態にして、先ずは僕が重力魔法を三連発。
その後、フェイが雷撃を放ち、僕が飛び込んでいき、羽の破壊に取り掛かった。だが、敵もそれだけはさせまいと身体を捻り胴体や尻尾で斧を受ける。フェンも蹴りで、羽の破壊に協力してくれたが、やはり羽だけは必死に守って来る。それでも、胴体や尾は、自由に攻撃させてもらえ、少しづつHPを削っていくことができた。
防御力、耐久力もそれなりなので、長期戦になったが、直ぐに交尾解除できないのか、十分以上も二匹一緒に絡みあっていた。
その間にHPを半分以上も削れ、雌と雄の羽根の一枚をそれぞれ、破く事にも成功した。
にもかかわらず、離れて二匹別々になってからの機動力は飛んでもなく高かった。八倍の重力魔法が掛かっているのに、素早く動き回り、その重力魔法も解けると、こちらの攻撃が全く当たらなくなる。範囲攻撃魔法すら、さっと交わしてしまうのだ。
重力魔法は、発動動作不要なので、それぞれ一回だけは掛けることができたが、それからは警戒して、常に飛び回って、もう重力魔法を掛けさせてもらえない。信じられない程の速度で飛び回り、体当たりや、噛みつき攻撃、ひっかき攻撃をしてくる。
こっちは自動回復状態なのに、奴らの一撃は飛んでもなく強烈で、どんどん体力を削らていく。
前半のハンデ分は、既に消えてしまい、このままでは僕らの負けが必然だ。
「僕が敵を誘い込むから、僕に竜巻を掛けてくれ」
「うん、わかった」
フェンは僕を巻き込むと分かっていても、躊躇なく竜巻を発動してくれた。
僕なら絶対に無事に逃げ出すと信じてくれているのだ。本当に良き相棒だ。
巨大な竜巻が出現すると、蜻蛉は慌てて逃げ出そうとした。だが、竜巻の吸引力はとんでもなく強い。僕ら三人は、竜巻の中に飲み込まれた。
風の激流は、ぐるぐると激しく回り、僕は連続瞬歩を何度も試みるが、なかなか抜け出せない。それでも、何とか竜巻から抜け出ることができ、眩暈で酷くふらつくことになったが、無事に着陸することができた。
でも、蜻蛉は羽根の一枚が破けていた為か脱出できず、そのまま地面に叩きつけられた。
思った通りに、蜻蛉は眩暈に弱いみたいで、重力魔法を五重に掛けることができ、残りの羽根の破壊にも成功。
機動力を失ってしまえば、もうこっちのもの。二人でボコボコにして、止めを刺すことができた。
当然、二人ともレベルアップ。フェンなんて、連続レベルアップし、27にまで上昇した。
高レベルの魔物二匹も倒したので当然だが、交尾中でなかったら、絶対に勝てない強敵だった。
でも、ふとこの魔石を持ち帰っても、フェア・ドラゴンフライの成虫を倒したと信じてもらえないと気づいてしまった。
冒険者ギルドには、魔石鑑定できる魔道具があり、何の魔物の魔石かが分かるが、この里にはそんな道具も、鑑定スキル持ちもいない。
そんな不安を抱いていると、昨日の半魚人兵士二人が、水面から顔を覗かせていた。
信じられないとばかりに、茫然として言葉を失っている。
二人の許に近寄ると、漸く彼らも正気をとりもどした。
「強い。あなた達、凄い。メシウス様と同じ」
その後、二人が持ってきた朝食を、無駄にしない様に平らげてから、里に帰還した。
既に、一人が先に帰り、報告していた様で、里長の屋敷の大宴会場に、村人が沢山集まっていて、拍手喝采で出迎えてくれた。
といっても、人数は四十人弱で、マーメード種は、村長やマームを含め僅か八人しかいない。
その一団が座る席にも、僕たちのために、巨大泡の空間が設けられていた。
今日も、炭水化物のマカロニの様なパスタ料理があり、昨晩、フェンが肉料理が無いのかと訊いていたからか、水鳥の丸焼きも置いてあった。
「いや、フェア・ドラゴンフライの成虫まで、討伐して頂けるとは、恐れ入った。感謝する。今日は、存分に楽しんでいってくれたまえ」
長はそういって、マーメード種の皆を紹介してくれた。
八人中、三人が女性で、四十歳位に見える美女が、神官の奥方だそうで、十三歳位に見える少女がマームの妹。魚人族では、十歳からが成人なのだそうで、今日は村の成人が全員集まっているのだそう。
子供は、この場には来ていないそうだが、魚人族の成人は、僅かに四十人弱しかいないということになる。
ステージでの演芸も始まった。先ずは、半魚人の楽器演奏。そして、子供の人魚が踊りを披露してくれた。
その踊りを見ながら、食事を食べていると、マームがいつの間に僕の後ろにきていて、「ちょっと来て」と僕を引っ張った。
フェンは、朝食を食べたばかりなのに、夢中になって、鳥の丸焼きを食べていたので、二人で宴会場から抜け出した。
「私に捕まって」
言われた通りに、胸の下辺りをハグすると、そのまま魚人族の里すら飛び出して、どんどん里から離れていく。
そして、かなり離れた川辺まで泳いてきて、「着いたわよ」と、停止してくれた。
そこはこの川では珍しい浅瀬になっていて、水深一メートルほどしかなく、立つことができる。
「私、一週間後に、結婚することになってるの。情けない程に弱い、僅か九歳の子供とよ。マーメイドの成人男性って、未婚者が一人もいないでしょう。来週彼が成人するから、私が彼と結婚して、母魚、卵を産み続ける人魚のことね、その母魚としての大任につくのよ。実は、半年前まで、訳あって、私達は、亜人族領ではない人族領土の無人島で生活していたの。でも、人族に襲われて、大半の同胞を失い、母魚だった母も捕まり、もう魚人族は絶滅の危機に瀕しているの。だから、私が母魚になって、沢山の卵を産み続けなければならない」
「ちょっと待って、マーメード種の成人は、確かに八人しか居なかったけど、セーランさんはお腹が大きかったみたいだし、妹さんもいるよね。それにマーマン種の成人は、三十人以上もいたから、問題ないんじゃないの」
「御免。説明不足よね。魚人族を支えるのはマーマン種だから、正直、マーメード種は、一割以下でも構わないの。問題は、マーマン種の子供が、十二人しかいないということ。マーマン種は、元々生殖能力が低く、夫婦になっても、有精卵をうめず、自分の子供をもうけられない。だから、有精卵を産んで、マーマンに分け与えるのがマーメイド種である母魚の役割。魚人族は年に一度の繁殖期にしか、卵を産めないけど、特殊な排卵誘発食を食べることで、毎月一個、卵を産める。それをマーマン種の家庭に授け、愛情をもって育てると、マーマン種の赤ちゃんが誕生するというわけ。勿論、有精卵だと思って産んでも、半分は無精卵だったりするんだけどね」
卵を育てた種別により、マーメード種になったり、マーマン種になったりするのだとは、驚かされた。
「で、ここからがお願い。私、あなたにあんな凄い快楽を教え込まれたから、欲求不満なの。結婚しても、彼だと、私を満足させる間もなく、射精しちゃうでしょう。仕方ないと我慢しなければならないのは分かってるけど、もう一度、あの時の快感を味わせてもらいたいの。いいでしょう」
こんなところに連れて来た時点で、そんな気はしていたので、回りくどい良い訳なんて不要だった。
ドリュアスのドリーとしていなければ、断ったかもしれないが、もう何人としても同じで、フェイやフェンに義理立てする必要はない。
「じゃあ、早速はじめようか」
この前と同じに、最初から、官能魔法を使って、先ずは一回指だけで行かせて、意識朦朧状態にしてやった。そして一旦離れて、官能魔法を解除し、今度は人魚のアソコがどんな感じなのか、味見をさせてもらうことにした。
黄色く飛び出している卵管を摘まんで、そこに鬼頭をあてがい、ゆっくりと押し込んでいく。
「ちょっと、何考えてるのそこは、卵を産むためのもので、そんなの入れる、ああっ」
何か言っていたが、構わず奥深くまで挿入してやった。
ぎゃあぎゃあ喚いて凄まじく暴れ出したが、とても気持ちいい。
僕が大きくなったからかもしれないが、フェイのよりもずっと細く、凄い締め付けの上、彼女も名器だった。
フェイのは、中の襞襞が、激しくうごめいて刺激するが、彼女のはゆっくりと中に引き込む様に蠕動運動する。吸引されているかのようで、その刺激が気持ちいい。
やがて、僕のサイズに最適化され、膣道も吸引力も緩くなってしまったが、彼女は面白いように行き捲り、遂には口から泡を吹いて、白目をむいたまま失神してしまった。僕も出そうだったので、構わず中にたっぷりと出してやった。久しぶりに身震いするほどの快感だった。
このまま、二連戦したい気分だが、フェンが探している気がするので、離れて終わりにすることにした。
「おい、大丈夫か」
「酷いよ。私達種族の男性器は短いから、中にいれたりはしないんだよ。あてがって射精し、それを吸い込むだけなのに、あんなのいれたら、吸引能力が低下して、受精卵が作れなくなっちゃうかもしれないじゃない」
なるほど、卵管内が吸引する様に動いていたのは、精液を中に吸引するためだったのか。
「しかも、あんなに大きいのを入れるなんて信じられない。有精卵を産めなくなったら、責任とってよね」
「責任って? 来週、結婚するんだよね」
「有精卵を産めない人魚なんて役立たずのお払い箱。彼は、私の妹と一緒になって、妹が母魚となって、子孫繁栄の任につくことになる。だから、私をお嫁さんにしなさい。どこに逃げても、必ず見つけ出して、お嫁さんにしてもらうから」
アソコは名器で、気持ちよかったけど、流石に人魚とは結婚はできない。
きっと有精卵を産めると信じたいが、卵管がかなり太くなり、吸引力が低下したのは間違いない。
やはり、ここは男らしく、責任を取って結婚すべきだ。でも、フェンが嫉妬しそうだし、水中セックスはやはり嫌だ。
彼女は陸には上がれないから、川から離れた場所で生活していれば、きっと探し出すことはできない筈だ。
そんな事を考えていると、マームがもっと恐ろしいことを言い出した。
「そんな嫌そうな顔しないでよ。水中セックスがいやなのよね。安心して、そうなったら、禁術魔法で人間になるから。もう二度と水中生活はできなくなるけど、そうすれば、陸の上でセックスできるから」
僕は、アンデルセン童話の人魚姫を思い出し、肌が粟立った。
記憶が曖昧だが、王子と結婚できず、泡になって消える前に、誰かから、恐ろしいことを言われた。
王子の心臓をナイフで刺して、その血を足に塗れば、人魚に戻れるから、王子を殺せと言われたのだ。
その人魚姫は、そんな大それたことできずに消えたが、マームの場合は……。
「まだそんな顔してる。もしかして、あのフェンリルの女と一緒になるつもり? ……そういうこと。なら、諦めてあげるけど、あんな気持ちいい体験すると、私、しないとおかしくなっちゃう。結婚しないでもいいけど、月に一度は、私を抱きに来て、それで許してあげる」
「それなら、なんとか」
「本当に失礼しちゃうけど、最後にもう一度だけして」
そんな訳で、もう一度抱いたけど、『健斗、どこ』とフェンの声がきこえた。
あの里から、一キロ以上離れていたはずだが、臭いを頼りに、こっちに捜しにきたらしい。一キロ離れているが、気配感知で直ぐに発見されてしまう。
僕は、頑張って出すことにしたが、フェンの声がしきりに聞こえるので、なかなかでない。
マームが再び失神したので、出さないまま終わりにして、アソコを必死に洗ってできるだけ臭いを落として、服をきた。
そして、一人で陸地に上がり、歩いていると、「なんで返事をしてくれないの」と遠くからフェンが走り寄ってきた。
「御免、ちょっとトンボの魔物と一人で戦ってたんだよ。結局、倒せず逃げて来たけどね」
気配感知では、人魚と魔物との区別がつかないので、これで誤魔化せる筈だ。
「嘘。あの人魚としてたでしょう。魚臭い匂いがたっぷりついてるもの」
あれほど必死に臭いを落としたつもりだったが、彼女の嗅覚には嘘をつけない。
「勘違いだって、川に落とされた際、パンツの中に魚がはいってきたから、臭いがついただけだって」
「本当?」
「ああ、本当だって」
「臭いはみんな違うから、嘘だってわかってるけど、そういう事にしといてあげる。その代わり、キスして」
その程度で機嫌をなおしてくれるなら、大歓迎だ。
だが、戻ろうとすると、今度は、ミリーに拉致された。必死に探しに来たフェイを濃霧で撒いて、あの巨木の彼女の部屋に連れ込まれた。拒んだけど、やはり彼女ともセックス。
その後、フェンが怒り狂って、僕は身体中、歯痕だらけにされることになった。
ドラゴンフライと言う名前から、蜻蛉の幼虫、ヤゴの魔物に違いないと予想していたが、その通りで、巨大な顎を持つ、全長二メートル程のヤゴの魔物だった。
鑑定するとレベルは25と低いが、能力値は高く、人間レベルの60以上の強さがある。
スキルや魔法等で特に注意する必要はなく、今の僕なら楽に勝てそうだが、僕の苦手な水中戦だ。
ここは慎重に万全を期して、戦う事にした。
『健斗、泡を交換しろって言ってるよ』
『ああ、一旦戻るよ』
このバブルヘルメットは既に三分程経過しているので、開戦前に交換するつもりだったが、鑑定のため、敵の前に回り込んだので、戦うものと誤解されてしまったらしい。
戻って、まずは僕一人で戦って、敵の出方を観察するからと話すと、いろいろと心配された。
激しい戦闘だと酸素消費が多くなるので、三分経過したら一旦戻り、泡を交換しろとか、以心伝心で合図してくれたら、石礫や、氷礫で援護射撃するからとか言われた。
でも、僕は泡交換せず一回で仕留めるつもりだ。苦手な水中戦とはいえ、五分も掛からないとの読みだ。
それでも、フェンに攻撃増加と防御増加のバフだけは、掛けてもらって、突っ込んでいった。
近接する間に、状態異常無効化、魔法無効化、継続治癒を発動して万全な状態にしておいた。
でも、それは全くの杞憂だった。
五メートル程の距離の時、様子見に水中では効果の低い火球を放ってみたのだが、全く回避できずに直撃を受けて、HPが削れ、それだけでSPが急激に減り、僕にビビりだした。
二メートル程に近づくと、顎アタックを仕掛けてきたが、思ったほどの速度はなく、簡単に斧で防御できた。
そのまま、瞬歩で一気に近づき、斧を振りかぶると、さっと後退して距離を取り、再び顎を伸ばしてきた。でも、そのまま振り下ろし、顎に斧無双を直撃させてやったら、顎が壊れ、元の状態に戻らなくなった。
すると、彼の主たる攻撃手段が壊れたからか、SPが更に減っていく。
僕は逃走させない様に、足を真空斬で、まとめて数本、同時に壊していった。
逃げられないと悟り、壊れた顎で必死に攻撃してきたが、そんなものが当たる訳もない。
胴体の甲殻はそれなりに固く、なかなか破壊することができなかったが、その甲羅も壊し、二分も掛からず止めをさせた。
「たった一人で。信じられん。強い」
魚人兵が目を丸くして、驚いていたが、能力値差からすると当然の結果だ。水中戦だと警戒しすぎた。
二匹目は、フェイだけに任せてみた。
すると、いきなりヤゴの背に跨って、ヤゴをバリバリと食べだした。よほど肉が食べたかったらしい。
そんな訳で五分程の時間がかかってしまったが、それでも酸素補給不要で、二匹を簡単に倒すことができた。
三匹目もフェイ一人。危機にならない限り噛みつきは勿論、格闘技も禁止として戦わせてみた。
今度は秒殺。魔法防壁があるので、近接して雷撃を放っても巻き込まれることない。弱らせて、至近距離から、石礫や水刀を放って、秒殺してみせた。
魚人族十五人でも勝てなかった相手だと言うのに、本当に頼もしい相棒だ。
兵士二人は、直ぐに宴会の準備をしなければと言い出したが、僕は成虫二匹も狩るつもりだから案内して欲しいとお願いした。
二人は顔を見合わせ、相談を始めたが、僕たち二人なら勝てる可能性があると判断してもらえたようだ。
「巣の場所、分からない。でも、産卵場所、いつも同じ。いつ来るか、わからない。それでもいいか」
「ああ、その産卵場所に案内してくれ。奴らか来るまで、根気強く待つから」
そんな訳で、一人は里に帰り、もう一人が産卵場所へと案内してくれることになった。
陸地に上がると、僕は、レベル27で習得した乾燥で服を綺麗に乾かした。
レベル26以降に習得した魔法は、大雨、乾燥、開錠、忘却と、戦闘とは無関係な魔法ばかり。
どんな時に使えばいいのか分からないが、いざとなった時には便利で、今日も乾燥魔法が役に立った。
フェンも、「便利な魔法だね」と感心していたが、「お風呂を出せる魔法はないの」とすっかりお風呂好きになっている。
暫く、一緒に居た兵士も、一旦、里に戻り、明朝、弁当を持って来てくれる約束で、僕らは二人で、蜻蛉が産卵にくるのを待ち続けることになった。
兵士の話だと、五日ほど前にこの下の木の根に産卵されていたので、二日以内には産卵に来るとの話だったが、最悪、ここで二日間も待ち続けなければならない。
既に深夜で、気温もかなり低かったが、僕らはもう寒さはへっちゃらだ。
暖を取るものがない隠れ家で生活していたので、共にレベルアップ毎に極寒耐性を獲得していき、僕はレベルMaxで、フェイはレベル4だ。だから、この時間でもそれほど寒さを感じない。
それでも、寒い事は寒いので、二人で抱き合って、身体を温めあって寝た。
フェンは、すやすやと直ぐに寝息を立てて寝たが、豊満な柔らかな胸を押し当て、足を絡めて抱き着いたままだ。しかも、今朝の進化で、本当に色っぽくなった。
偽乳だとわかっていても、興奮してきて、アソコがむくむくと大きくなってっいく。
フェンは僕と結ばれたがっているし、エルフの秘薬で、指と胸とが元通りになったら、愛し合うのも悪くない。
愛娘の様な存在なのに、そんなことまで、考えてしまった。
でも、一旦勃起してしまうと、寝むれない。それから暫くは悶々とした時間をすごすことになった。
ブーン。何かの羽音で目を覚ました。まだ太陽が地平線から登り切っていない早朝だったが、二匹の巨大蜻蛉が飛んでいた。体長三メートル以上もあるとんでもなく巨大な蜻蛉の魔物だ。
「フェン、起きろ。奴らが来たぞ」
フェンが身体を起こすと、急に腕がじんじんし始めた。長時間腕枕していたので左腕が完全に痺れている。
産卵までに時間かかる筈なので、左手の痺れがとれるまで、二匹の魔物の様子を観察することにした。
この角度では鑑定できないので、どちらが雄で、どっちが雌だか分からないが、尻尾がブルーで綺麗な方が雄だと勝手に判断した。鳥や虫は、雌を守るために、目立つ派手な方が雄で、地味なのが雌と相場が決まっている。
雌が川べりに着陸すると、雄が上空でホバリングしながら、なんどか軽く雌にタッチして、今度はお尻を曲げはじめた。
いよいよ交尾が始まるらしい。
そう思っていると、その尾の先端から、四本の指が延びてきて、その指で彼女の彼女の首を絞め始めた。
苦しいのか、雌は尾をのけ反らせるように曲げて、追い払おうとして、尻尾や胴を叩き始める。
だが、それは追い払うためではなく、生殖行動の為の刺激だった。オスの尾の付け根辺りから、にょきにょきと男性器が飛び出して来た。
雌は尾の先端に膣があるのか、その尾の先端を自ら探って、グイっと中に挿入した。
「蜻蛉の交尾って素敵だね。ちゃんとハートマークを作るんだね」
確かに、雌の頭がハートのとんがり位置にあたるハートマークになっている。
交尾は暫くかかる筈なので、今のうちに、仕留めることにして、さっと交尾中の二匹の前に回り込む。
レベル82と80というとんでもない化け物で、攻撃力も僕と同等で、機動力は12406と10334と、一万超もある。
まともに戦ったら、僕ら二人でも勝てない強敵だが、今は交尾の真っ最中だ。
二人とも、バフをフルに掛け、継続治癒で自動回復状態にして、先ずは僕が重力魔法を三連発。
その後、フェイが雷撃を放ち、僕が飛び込んでいき、羽の破壊に取り掛かった。だが、敵もそれだけはさせまいと身体を捻り胴体や尻尾で斧を受ける。フェンも蹴りで、羽の破壊に協力してくれたが、やはり羽だけは必死に守って来る。それでも、胴体や尾は、自由に攻撃させてもらえ、少しづつHPを削っていくことができた。
防御力、耐久力もそれなりなので、長期戦になったが、直ぐに交尾解除できないのか、十分以上も二匹一緒に絡みあっていた。
その間にHPを半分以上も削れ、雌と雄の羽根の一枚をそれぞれ、破く事にも成功した。
にもかかわらず、離れて二匹別々になってからの機動力は飛んでもなく高かった。八倍の重力魔法が掛かっているのに、素早く動き回り、その重力魔法も解けると、こちらの攻撃が全く当たらなくなる。範囲攻撃魔法すら、さっと交わしてしまうのだ。
重力魔法は、発動動作不要なので、それぞれ一回だけは掛けることができたが、それからは警戒して、常に飛び回って、もう重力魔法を掛けさせてもらえない。信じられない程の速度で飛び回り、体当たりや、噛みつき攻撃、ひっかき攻撃をしてくる。
こっちは自動回復状態なのに、奴らの一撃は飛んでもなく強烈で、どんどん体力を削らていく。
前半のハンデ分は、既に消えてしまい、このままでは僕らの負けが必然だ。
「僕が敵を誘い込むから、僕に竜巻を掛けてくれ」
「うん、わかった」
フェンは僕を巻き込むと分かっていても、躊躇なく竜巻を発動してくれた。
僕なら絶対に無事に逃げ出すと信じてくれているのだ。本当に良き相棒だ。
巨大な竜巻が出現すると、蜻蛉は慌てて逃げ出そうとした。だが、竜巻の吸引力はとんでもなく強い。僕ら三人は、竜巻の中に飲み込まれた。
風の激流は、ぐるぐると激しく回り、僕は連続瞬歩を何度も試みるが、なかなか抜け出せない。それでも、何とか竜巻から抜け出ることができ、眩暈で酷くふらつくことになったが、無事に着陸することができた。
でも、蜻蛉は羽根の一枚が破けていた為か脱出できず、そのまま地面に叩きつけられた。
思った通りに、蜻蛉は眩暈に弱いみたいで、重力魔法を五重に掛けることができ、残りの羽根の破壊にも成功。
機動力を失ってしまえば、もうこっちのもの。二人でボコボコにして、止めを刺すことができた。
当然、二人ともレベルアップ。フェンなんて、連続レベルアップし、27にまで上昇した。
高レベルの魔物二匹も倒したので当然だが、交尾中でなかったら、絶対に勝てない強敵だった。
でも、ふとこの魔石を持ち帰っても、フェア・ドラゴンフライの成虫を倒したと信じてもらえないと気づいてしまった。
冒険者ギルドには、魔石鑑定できる魔道具があり、何の魔物の魔石かが分かるが、この里にはそんな道具も、鑑定スキル持ちもいない。
そんな不安を抱いていると、昨日の半魚人兵士二人が、水面から顔を覗かせていた。
信じられないとばかりに、茫然として言葉を失っている。
二人の許に近寄ると、漸く彼らも正気をとりもどした。
「強い。あなた達、凄い。メシウス様と同じ」
その後、二人が持ってきた朝食を、無駄にしない様に平らげてから、里に帰還した。
既に、一人が先に帰り、報告していた様で、里長の屋敷の大宴会場に、村人が沢山集まっていて、拍手喝采で出迎えてくれた。
といっても、人数は四十人弱で、マーメード種は、村長やマームを含め僅か八人しかいない。
その一団が座る席にも、僕たちのために、巨大泡の空間が設けられていた。
今日も、炭水化物のマカロニの様なパスタ料理があり、昨晩、フェンが肉料理が無いのかと訊いていたからか、水鳥の丸焼きも置いてあった。
「いや、フェア・ドラゴンフライの成虫まで、討伐して頂けるとは、恐れ入った。感謝する。今日は、存分に楽しんでいってくれたまえ」
長はそういって、マーメード種の皆を紹介してくれた。
八人中、三人が女性で、四十歳位に見える美女が、神官の奥方だそうで、十三歳位に見える少女がマームの妹。魚人族では、十歳からが成人なのだそうで、今日は村の成人が全員集まっているのだそう。
子供は、この場には来ていないそうだが、魚人族の成人は、僅かに四十人弱しかいないということになる。
ステージでの演芸も始まった。先ずは、半魚人の楽器演奏。そして、子供の人魚が踊りを披露してくれた。
その踊りを見ながら、食事を食べていると、マームがいつの間に僕の後ろにきていて、「ちょっと来て」と僕を引っ張った。
フェンは、朝食を食べたばかりなのに、夢中になって、鳥の丸焼きを食べていたので、二人で宴会場から抜け出した。
「私に捕まって」
言われた通りに、胸の下辺りをハグすると、そのまま魚人族の里すら飛び出して、どんどん里から離れていく。
そして、かなり離れた川辺まで泳いてきて、「着いたわよ」と、停止してくれた。
そこはこの川では珍しい浅瀬になっていて、水深一メートルほどしかなく、立つことができる。
「私、一週間後に、結婚することになってるの。情けない程に弱い、僅か九歳の子供とよ。マーメイドの成人男性って、未婚者が一人もいないでしょう。来週彼が成人するから、私が彼と結婚して、母魚、卵を産み続ける人魚のことね、その母魚としての大任につくのよ。実は、半年前まで、訳あって、私達は、亜人族領ではない人族領土の無人島で生活していたの。でも、人族に襲われて、大半の同胞を失い、母魚だった母も捕まり、もう魚人族は絶滅の危機に瀕しているの。だから、私が母魚になって、沢山の卵を産み続けなければならない」
「ちょっと待って、マーメード種の成人は、確かに八人しか居なかったけど、セーランさんはお腹が大きかったみたいだし、妹さんもいるよね。それにマーマン種の成人は、三十人以上もいたから、問題ないんじゃないの」
「御免。説明不足よね。魚人族を支えるのはマーマン種だから、正直、マーメード種は、一割以下でも構わないの。問題は、マーマン種の子供が、十二人しかいないということ。マーマン種は、元々生殖能力が低く、夫婦になっても、有精卵をうめず、自分の子供をもうけられない。だから、有精卵を産んで、マーマンに分け与えるのがマーメイド種である母魚の役割。魚人族は年に一度の繁殖期にしか、卵を産めないけど、特殊な排卵誘発食を食べることで、毎月一個、卵を産める。それをマーマン種の家庭に授け、愛情をもって育てると、マーマン種の赤ちゃんが誕生するというわけ。勿論、有精卵だと思って産んでも、半分は無精卵だったりするんだけどね」
卵を育てた種別により、マーメード種になったり、マーマン種になったりするのだとは、驚かされた。
「で、ここからがお願い。私、あなたにあんな凄い快楽を教え込まれたから、欲求不満なの。結婚しても、彼だと、私を満足させる間もなく、射精しちゃうでしょう。仕方ないと我慢しなければならないのは分かってるけど、もう一度、あの時の快感を味わせてもらいたいの。いいでしょう」
こんなところに連れて来た時点で、そんな気はしていたので、回りくどい良い訳なんて不要だった。
ドリュアスのドリーとしていなければ、断ったかもしれないが、もう何人としても同じで、フェイやフェンに義理立てする必要はない。
「じゃあ、早速はじめようか」
この前と同じに、最初から、官能魔法を使って、先ずは一回指だけで行かせて、意識朦朧状態にしてやった。そして一旦離れて、官能魔法を解除し、今度は人魚のアソコがどんな感じなのか、味見をさせてもらうことにした。
黄色く飛び出している卵管を摘まんで、そこに鬼頭をあてがい、ゆっくりと押し込んでいく。
「ちょっと、何考えてるのそこは、卵を産むためのもので、そんなの入れる、ああっ」
何か言っていたが、構わず奥深くまで挿入してやった。
ぎゃあぎゃあ喚いて凄まじく暴れ出したが、とても気持ちいい。
僕が大きくなったからかもしれないが、フェイのよりもずっと細く、凄い締め付けの上、彼女も名器だった。
フェイのは、中の襞襞が、激しくうごめいて刺激するが、彼女のはゆっくりと中に引き込む様に蠕動運動する。吸引されているかのようで、その刺激が気持ちいい。
やがて、僕のサイズに最適化され、膣道も吸引力も緩くなってしまったが、彼女は面白いように行き捲り、遂には口から泡を吹いて、白目をむいたまま失神してしまった。僕も出そうだったので、構わず中にたっぷりと出してやった。久しぶりに身震いするほどの快感だった。
このまま、二連戦したい気分だが、フェンが探している気がするので、離れて終わりにすることにした。
「おい、大丈夫か」
「酷いよ。私達種族の男性器は短いから、中にいれたりはしないんだよ。あてがって射精し、それを吸い込むだけなのに、あんなのいれたら、吸引能力が低下して、受精卵が作れなくなっちゃうかもしれないじゃない」
なるほど、卵管内が吸引する様に動いていたのは、精液を中に吸引するためだったのか。
「しかも、あんなに大きいのを入れるなんて信じられない。有精卵を産めなくなったら、責任とってよね」
「責任って? 来週、結婚するんだよね」
「有精卵を産めない人魚なんて役立たずのお払い箱。彼は、私の妹と一緒になって、妹が母魚となって、子孫繁栄の任につくことになる。だから、私をお嫁さんにしなさい。どこに逃げても、必ず見つけ出して、お嫁さんにしてもらうから」
アソコは名器で、気持ちよかったけど、流石に人魚とは結婚はできない。
きっと有精卵を産めると信じたいが、卵管がかなり太くなり、吸引力が低下したのは間違いない。
やはり、ここは男らしく、責任を取って結婚すべきだ。でも、フェンが嫉妬しそうだし、水中セックスはやはり嫌だ。
彼女は陸には上がれないから、川から離れた場所で生活していれば、きっと探し出すことはできない筈だ。
そんな事を考えていると、マームがもっと恐ろしいことを言い出した。
「そんな嫌そうな顔しないでよ。水中セックスがいやなのよね。安心して、そうなったら、禁術魔法で人間になるから。もう二度と水中生活はできなくなるけど、そうすれば、陸の上でセックスできるから」
僕は、アンデルセン童話の人魚姫を思い出し、肌が粟立った。
記憶が曖昧だが、王子と結婚できず、泡になって消える前に、誰かから、恐ろしいことを言われた。
王子の心臓をナイフで刺して、その血を足に塗れば、人魚に戻れるから、王子を殺せと言われたのだ。
その人魚姫は、そんな大それたことできずに消えたが、マームの場合は……。
「まだそんな顔してる。もしかして、あのフェンリルの女と一緒になるつもり? ……そういうこと。なら、諦めてあげるけど、あんな気持ちいい体験すると、私、しないとおかしくなっちゃう。結婚しないでもいいけど、月に一度は、私を抱きに来て、それで許してあげる」
「それなら、なんとか」
「本当に失礼しちゃうけど、最後にもう一度だけして」
そんな訳で、もう一度抱いたけど、『健斗、どこ』とフェンの声がきこえた。
あの里から、一キロ以上離れていたはずだが、臭いを頼りに、こっちに捜しにきたらしい。一キロ離れているが、気配感知で直ぐに発見されてしまう。
僕は、頑張って出すことにしたが、フェンの声がしきりに聞こえるので、なかなかでない。
マームが再び失神したので、出さないまま終わりにして、アソコを必死に洗ってできるだけ臭いを落として、服をきた。
そして、一人で陸地に上がり、歩いていると、「なんで返事をしてくれないの」と遠くからフェンが走り寄ってきた。
「御免、ちょっとトンボの魔物と一人で戦ってたんだよ。結局、倒せず逃げて来たけどね」
気配感知では、人魚と魔物との区別がつかないので、これで誤魔化せる筈だ。
「嘘。あの人魚としてたでしょう。魚臭い匂いがたっぷりついてるもの」
あれほど必死に臭いを落としたつもりだったが、彼女の嗅覚には嘘をつけない。
「勘違いだって、川に落とされた際、パンツの中に魚がはいってきたから、臭いがついただけだって」
「本当?」
「ああ、本当だって」
「臭いはみんな違うから、嘘だってわかってるけど、そういう事にしといてあげる。その代わり、キスして」
その程度で機嫌をなおしてくれるなら、大歓迎だ。
だが、戻ろうとすると、今度は、ミリーに拉致された。必死に探しに来たフェイを濃霧で撒いて、あの巨木の彼女の部屋に連れ込まれた。拒んだけど、やはり彼女ともセックス。
その後、フェンが怒り狂って、僕は身体中、歯痕だらけにされることになった。
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