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シーズン8-ケラカ星系編
218-接近する主力艦
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離脱しようとした私だったが、すぐに船を戻した。
アドアステラが退いたことで、射線が開いてしまったからだ。
このままだと、後ろにいるグーンズフリートに攻撃が通ってしまう。
『アドアステラ、進路そのまま! 射線を守る必要はないぞ!』
「だが!」
『あまり見くびるな、私はお前を信じる! お前を信じる私を信じろ!』
「.....分かった!」
アドアステラは船を戻すことなく、敵陣へ向けて突っ込む。
フォートモジュールを起動し、戦艦を次々と屠っていく。
『カル、まずいよ! 主力艦が加速してる!』
「何?!」
戦艦を七隻沈めた時。
外を飛んでいたラビから通信が入った。
近すぎて分からないけど、どうやら主力艦が加速を始めたらしい。
「どこに向かってる?」
『多分...グーンズフリートの方だと思う!』
「まずいな....」
助けに行きたいけれど、まだ戦艦と巡洋艦が残っている。
その総数も遥かに多い。
どうしたら....
『ワープアウト反応、総数.....267』
「なっ!?」
シトリンがワープアウト反応があったことを告げる。
ブリッジにいる誰もが増援かと思った。
けれど.....
『助けに来たぞ、ゴールド野郎!』
その通信は、コロニーの付近にあった残骸から発信されていた。
完全に冷え切ったと思っていたけれど、この世界に来てすぐ航行したときのアドアステラのように、熱源を切って隠れていたらしい。
『こいつらは俺たちに任せてください!』
『少しは賞金寄こせ!』
ワープアウトしてきたのは、傭兵の艦隊だった。
コルベット、フリゲートや駆逐艦が中心で、巡洋艦がちらほら見える程度。
正直、海賊の純粋戦闘型の戦艦の相手が務まるかどうかは分からない。
だが。
「グーンズフリートを護るぞ、180°回頭!」
「アドアステラ、推進モードに切り替えます!」
スラスターを最大まで吹かして、アドアステラは最高速の80%にまで達する。
「撃て!」
『予測射撃、開始』
アドアステラの全砲門で攻撃するが、シールドがなくなっても硬すぎる。
おまけに、あっちも秒速1200mというとんでもない速度で飛んでいるから、レーザーが一面に当たらない。
『カル! こいつらの目的は我々ではない! 後ろのコロニーだ!』
「!」
フォースフィールドがあるとはいえ、超巨大質量の衝突に耐えられるほどではない。
そこまでやる理由があるっていうの?
イヤ。
もしかすると、突き刺さってコロニーを滅茶苦茶にしても、あの主力艦だけは無事だという保証がどこかにあるのかもしれない。
「.......だったら、やってやろうじゃないか」
これは賭けだ。
でも、私は守れない約束はしない。
「ユルト! その場から離れろ、俺にいい考えがある!」
『...信じるぞ、カル!』
「ああ!」
愚策も愚策。
だけど、いいと思う。
お兄ちゃんなら、
『思いついたらやってみろ。躊躇して後悔するよりはいい結果になるかもしれないぞ?』
って言うに違いない。
だから.....
「転進取り舵180°、よーそろー!」
全速力で主力艦を追い抜いたアドアステラは、敵の眼前で回頭する。
私は場をシトリンに任せ、そのまま甲板へと上がる。
「シトリン! 停止させろ、その場に固定! レーザー砲火は無視!」
『了解』
主力艦の発砲が、アドアステラへと直撃する。
その光に紛れて、私はカルセールを構えた。
アドアステラが退いたことで、射線が開いてしまったからだ。
このままだと、後ろにいるグーンズフリートに攻撃が通ってしまう。
『アドアステラ、進路そのまま! 射線を守る必要はないぞ!』
「だが!」
『あまり見くびるな、私はお前を信じる! お前を信じる私を信じろ!』
「.....分かった!」
アドアステラは船を戻すことなく、敵陣へ向けて突っ込む。
フォートモジュールを起動し、戦艦を次々と屠っていく。
『カル、まずいよ! 主力艦が加速してる!』
「何?!」
戦艦を七隻沈めた時。
外を飛んでいたラビから通信が入った。
近すぎて分からないけど、どうやら主力艦が加速を始めたらしい。
「どこに向かってる?」
『多分...グーンズフリートの方だと思う!』
「まずいな....」
助けに行きたいけれど、まだ戦艦と巡洋艦が残っている。
その総数も遥かに多い。
どうしたら....
『ワープアウト反応、総数.....267』
「なっ!?」
シトリンがワープアウト反応があったことを告げる。
ブリッジにいる誰もが増援かと思った。
けれど.....
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その通信は、コロニーの付近にあった残骸から発信されていた。
完全に冷え切ったと思っていたけれど、この世界に来てすぐ航行したときのアドアステラのように、熱源を切って隠れていたらしい。
『こいつらは俺たちに任せてください!』
『少しは賞金寄こせ!』
ワープアウトしてきたのは、傭兵の艦隊だった。
コルベット、フリゲートや駆逐艦が中心で、巡洋艦がちらほら見える程度。
正直、海賊の純粋戦闘型の戦艦の相手が務まるかどうかは分からない。
だが。
「グーンズフリートを護るぞ、180°回頭!」
「アドアステラ、推進モードに切り替えます!」
スラスターを最大まで吹かして、アドアステラは最高速の80%にまで達する。
「撃て!」
『予測射撃、開始』
アドアステラの全砲門で攻撃するが、シールドがなくなっても硬すぎる。
おまけに、あっちも秒速1200mというとんでもない速度で飛んでいるから、レーザーが一面に当たらない。
『カル! こいつらの目的は我々ではない! 後ろのコロニーだ!』
「!」
フォースフィールドがあるとはいえ、超巨大質量の衝突に耐えられるほどではない。
そこまでやる理由があるっていうの?
イヤ。
もしかすると、突き刺さってコロニーを滅茶苦茶にしても、あの主力艦だけは無事だという保証がどこかにあるのかもしれない。
「.......だったら、やってやろうじゃないか」
これは賭けだ。
でも、私は守れない約束はしない。
「ユルト! その場から離れろ、俺にいい考えがある!」
『...信じるぞ、カル!』
「ああ!」
愚策も愚策。
だけど、いいと思う。
お兄ちゃんなら、
『思いついたらやってみろ。躊躇して後悔するよりはいい結果になるかもしれないぞ?』
って言うに違いない。
だから.....
「転進取り舵180°、よーそろー!」
全速力で主力艦を追い抜いたアドアステラは、敵の眼前で回頭する。
私は場をシトリンに任せ、そのまま甲板へと上がる。
「シトリン! 停止させろ、その場に固定! レーザー砲火は無視!」
『了解』
主力艦の発砲が、アドアステラへと直撃する。
その光に紛れて、私はカルセールを構えた。
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