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シーズン6-ビージアイナ戦線編
173-ハダウガゴ第二アウトポスト奪還戦(前編)
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こうして、私たちは主力艦艦隊を退けた。
だが、宙域にはまだ艦隊が残存しており、ハダウガゴ内部でも複数の拠点を占領していた。
最悪基地を放棄する羽目になってでも、これらを撃滅する必要がある。
『私の送ったメールに応えてくれてありがとうございます』
「当然だ、しかし...来るまでもなかったな、王国騎士団の八面六臂の活躍で敵は撃退された」
『いえ...それでも、貴方がたが先行して突入しなければ、我々は死んでいました』
私たちを呼んだリドラ士官は、情報漏洩で処罰を受け更迭された。
その直前で、私たちは会話を交わした。
防衛しきれなかったというのに、プライドの高さから援軍を呼んだに等しい彼女を厄介払いした王国軍には反吐が出るけど、ここで怒ってもしょうがないことだ。
「それで? なんでまだ居るんだ」
『フッ、王国軍の指揮権を貰ったのでな。引き続き我と共に征こうぞ、カル』
私たちは現在、ハダウガゴ第三アウトポストに布陣している。
主力艦は流石に帰還したが、追加でやってきた二個艦隊を加えて、王国騎士団も随伴している。
だけど、シトリンが言うには...
『王国軍と王国騎士団の指揮系統は別々なので、連携は困難です。しかしながら、現在指揮は戦艦と合体したルークス内のアーラム王子が行なっているので、こちらには有利に動くと予想できます』
巡洋艦のルークスは、作業を経て王国騎士団の戦艦と合体して旗艦となっていた。
連携が取れない以上、どうしても両軍の干渉がぶつかり合う部分があるだろう。
最悪内部分裂もありうると思う。
『そう不安がるな。王国で生まれ育った生粋の民であれば、我が命に従う事に困惑はすれど不満を覚えることはせぬよ』
「そうか?」
『戦いが終われば、戦場でのデータより賞与を支給する予定である。命を賭けるだけの結果を受け取れたと思えばそれで良い』
「金で解決するのか?」
『済まぬな。王になる自分である以上、前例はそうそう作れぬのだ』
王子だと明かしてからのクロスは、何だか窮屈そうに見えた。
彼にも悩むことはあるのだなと私は何だか不思議な感覚を覚えていた。
『だが、カル。...お前には、何か特別な形で褒賞を与えられればと思っている』
「全てが終わってからにするべきだな、取らぬ狸の...なんとやらというわけだ」
『その通りだ、愚かな漁師は籠一杯の魚を幻視する』
そういう諺がこっちにもあるんだ。
ちょっと意味合いというか、ニュアンスは違うようだけど。
『よし。王国軍より戦域へのワープ申請が出た。これより、全艦連動ワープにて戦域へ突入する!』
『ワープコア連動開始』
「ワープドライブ、アクティベート!」
ノルスが報告すると同時に、全ての艦が一斉にワープ軌道へと乗った。
流石に凄まじい数の連動ワープだけあって、出力が段違いだ。
今までで一番短いワープを経て、私たちは第二アウトポストから少し離れた場所で停止した。
前哨基地の周囲には、ワープ妨害インターディクションアレイが無数に張り巡らされている。
「これは...厄介ですね」
「いいや、厄介ではない」
私はとある案を実行することにした。
この艦の最大火力は、主力艦のシールドに穴を開けられる、ならば。
「撃て!」
アドアステラの砲を、妨害アレイの本体に向け、撃つ。
その一斉射は、本体のシールドを貫通して内部まで破壊を齎し、フィールドの消失を招いた。
「よし。...これで、フィールドをいちいち抜ける必要はない」
『アドアステラ、よくやった。我らは前方に展開する、貴艦は砲撃を続行せよ』
「了解」
砲撃を続け、基地の周囲に点在するワープ妨害インターディクションアレイを撃ち抜いていく。
これで、不慮の事態があったとしてもいつでも逃げられる。
「旗艦に通達、これよりアドアステラも戦線に加わる!」
『感謝する、我らに続け!』
全ての妨害アレイを破壊したので、私たちは遠慮なく速度を上げ、進軍する王国騎士団の列に加わった。
だが、宙域にはまだ艦隊が残存しており、ハダウガゴ内部でも複数の拠点を占領していた。
最悪基地を放棄する羽目になってでも、これらを撃滅する必要がある。
『私の送ったメールに応えてくれてありがとうございます』
「当然だ、しかし...来るまでもなかったな、王国騎士団の八面六臂の活躍で敵は撃退された」
『いえ...それでも、貴方がたが先行して突入しなければ、我々は死んでいました』
私たちを呼んだリドラ士官は、情報漏洩で処罰を受け更迭された。
その直前で、私たちは会話を交わした。
防衛しきれなかったというのに、プライドの高さから援軍を呼んだに等しい彼女を厄介払いした王国軍には反吐が出るけど、ここで怒ってもしょうがないことだ。
「それで? なんでまだ居るんだ」
『フッ、王国軍の指揮権を貰ったのでな。引き続き我と共に征こうぞ、カル』
私たちは現在、ハダウガゴ第三アウトポストに布陣している。
主力艦は流石に帰還したが、追加でやってきた二個艦隊を加えて、王国騎士団も随伴している。
だけど、シトリンが言うには...
『王国軍と王国騎士団の指揮系統は別々なので、連携は困難です。しかしながら、現在指揮は戦艦と合体したルークス内のアーラム王子が行なっているので、こちらには有利に動くと予想できます』
巡洋艦のルークスは、作業を経て王国騎士団の戦艦と合体して旗艦となっていた。
連携が取れない以上、どうしても両軍の干渉がぶつかり合う部分があるだろう。
最悪内部分裂もありうると思う。
『そう不安がるな。王国で生まれ育った生粋の民であれば、我が命に従う事に困惑はすれど不満を覚えることはせぬよ』
「そうか?」
『戦いが終われば、戦場でのデータより賞与を支給する予定である。命を賭けるだけの結果を受け取れたと思えばそれで良い』
「金で解決するのか?」
『済まぬな。王になる自分である以上、前例はそうそう作れぬのだ』
王子だと明かしてからのクロスは、何だか窮屈そうに見えた。
彼にも悩むことはあるのだなと私は何だか不思議な感覚を覚えていた。
『だが、カル。...お前には、何か特別な形で褒賞を与えられればと思っている』
「全てが終わってからにするべきだな、取らぬ狸の...なんとやらというわけだ」
『その通りだ、愚かな漁師は籠一杯の魚を幻視する』
そういう諺がこっちにもあるんだ。
ちょっと意味合いというか、ニュアンスは違うようだけど。
『よし。王国軍より戦域へのワープ申請が出た。これより、全艦連動ワープにて戦域へ突入する!』
『ワープコア連動開始』
「ワープドライブ、アクティベート!」
ノルスが報告すると同時に、全ての艦が一斉にワープ軌道へと乗った。
流石に凄まじい数の連動ワープだけあって、出力が段違いだ。
今までで一番短いワープを経て、私たちは第二アウトポストから少し離れた場所で停止した。
前哨基地の周囲には、ワープ妨害インターディクションアレイが無数に張り巡らされている。
「これは...厄介ですね」
「いいや、厄介ではない」
私はとある案を実行することにした。
この艦の最大火力は、主力艦のシールドに穴を開けられる、ならば。
「撃て!」
アドアステラの砲を、妨害アレイの本体に向け、撃つ。
その一斉射は、本体のシールドを貫通して内部まで破壊を齎し、フィールドの消失を招いた。
「よし。...これで、フィールドをいちいち抜ける必要はない」
『アドアステラ、よくやった。我らは前方に展開する、貴艦は砲撃を続行せよ』
「了解」
砲撃を続け、基地の周囲に点在するワープ妨害インターディクションアレイを撃ち抜いていく。
これで、不慮の事態があったとしてもいつでも逃げられる。
「旗艦に通達、これよりアドアステラも戦線に加わる!」
『感謝する、我らに続け!』
全ての妨害アレイを破壊したので、私たちは遠慮なく速度を上げ、進軍する王国騎士団の列に加わった。
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