151 / 182
シーズン5-ショートバケーション編
149-新たな仲間・ラビ
しおりを挟む
こうして、私たちは海賊の要塞を攻略し、多額の賞金と報奨金を手にした。
……のだが。
「麗しの人~」
「ちょ、くっ付くな」
意外なおまけがついてきた。
ラビは私たちの手で病院に搬送され、高性能な医療ポッドで治療を受けた。
……のはいいんだけど、彼女は本当の意味で一文無しだった。
船もないし、保険は受け取ったようで少しばかりのお金は得られたようなのだが、行く当てもないとのことで.....私たちに同行すると言い出したのだ。
ということで、今はショッピングに出ている。
ラビのための雑貨類をそろえるために。
「ラビって、どんな服が好きなんだ?」
「麗しの人が選ぶなら、何でもいいよ」
ちなみに助けてから知った事だが、ラビとファイスは同郷だ。
同じロートラ狼人と、兎人だ。
そして、同時に衝撃の事実も。
「男用でいいんだよな?」
「麗しの人~....そんなに大声で言ったら、恥ずかしいよ?」
兎人は、雌雄同体なのだ。
つまり、そ、その.....下半身のあれも付いているという事だ。
お兄ちゃんも同じだけど、ラビはちょっと怖い。
「別に問題ないでしょう。そんな事を気にするような人間はいませんから」
そして、ファイスも怖い。
人を殺すような目でラビを常に見ている。
「何ー? 嫉妬してるの?」
「そのような事はございません」
「ラビ、ファイス。やめろ」
私は二人の睨み合いを止めさせる。
ラビは肩をすくめ、ファイスは鼻を鳴らした。
仲違いに繋がらなければいいけど.....
「ラビ、何か食べたいものはあるか?」
「麗しの人が振舞ってくれるなら、何でも!」
その後もショッピングをしたけれど、ラビは主張に主体性がなくて全部私のお任せだった。
どうしてそんなに私に任せるのか聞くと、
「麗しの人、あなたは私の恩人だからね~当然だよ~」
と返ってきた。
どうも洗脳されていた時の記憶があったみたいで、カルセールで救われたことを覚えているらしい。
それに、
「強い人に惚れるのは獣人の特徴だよ~麗しの人♡」
とべったりくっ付かれたので、本当なのだろう。
更に掘ってみると、
『ロートラの兎人種は生涯に一人しか伴侶を作らない、その伴侶を溺愛する』
等という情報まで出てきてしまった。
益々振りほどけなくなっちゃった。
「麗しの人~一緒にお風呂入ろう!」
ホテルに帰るなり、お風呂に誘われた。
まだグラーム星系だが、最終日も近いしという事で、全員でホテルに泊まることになったのだ。
「いいが」
「いいの!?」
私は仮面を外す。
「同性みたいなものだから、構わないよ」
「ええっ!?」
ラビがとても驚いた顔をする。
そういえば、最近は仮面が慣れっこになって、常に着けている。
確かにそれだと、驚くのも無理はないか。
「女の子だったんだね、麗しの人!」
「うん」
「でも...それだと、私はどうすればいいんだろう? 婿? それとも嫁?」
「今は、友達で!」
私は上着を脱いで、ラビと共に更衣室へ向かうのだった。
『ラビ・ティルニア』 年齢:26 性別:両性
ロートラ兎人。
ゴールド資格所有者であるが、3年前のフラルン星系襲撃事件にて行方不明。
死亡扱いでランクを凍結されていたが、現在は解除済み。
二つ名は『冷徹なる長耳』。
……のだが。
「麗しの人~」
「ちょ、くっ付くな」
意外なおまけがついてきた。
ラビは私たちの手で病院に搬送され、高性能な医療ポッドで治療を受けた。
……のはいいんだけど、彼女は本当の意味で一文無しだった。
船もないし、保険は受け取ったようで少しばかりのお金は得られたようなのだが、行く当てもないとのことで.....私たちに同行すると言い出したのだ。
ということで、今はショッピングに出ている。
ラビのための雑貨類をそろえるために。
「ラビって、どんな服が好きなんだ?」
「麗しの人が選ぶなら、何でもいいよ」
ちなみに助けてから知った事だが、ラビとファイスは同郷だ。
同じロートラ狼人と、兎人だ。
そして、同時に衝撃の事実も。
「男用でいいんだよな?」
「麗しの人~....そんなに大声で言ったら、恥ずかしいよ?」
兎人は、雌雄同体なのだ。
つまり、そ、その.....下半身のあれも付いているという事だ。
お兄ちゃんも同じだけど、ラビはちょっと怖い。
「別に問題ないでしょう。そんな事を気にするような人間はいませんから」
そして、ファイスも怖い。
人を殺すような目でラビを常に見ている。
「何ー? 嫉妬してるの?」
「そのような事はございません」
「ラビ、ファイス。やめろ」
私は二人の睨み合いを止めさせる。
ラビは肩をすくめ、ファイスは鼻を鳴らした。
仲違いに繋がらなければいいけど.....
「ラビ、何か食べたいものはあるか?」
「麗しの人が振舞ってくれるなら、何でも!」
その後もショッピングをしたけれど、ラビは主張に主体性がなくて全部私のお任せだった。
どうしてそんなに私に任せるのか聞くと、
「麗しの人、あなたは私の恩人だからね~当然だよ~」
と返ってきた。
どうも洗脳されていた時の記憶があったみたいで、カルセールで救われたことを覚えているらしい。
それに、
「強い人に惚れるのは獣人の特徴だよ~麗しの人♡」
とべったりくっ付かれたので、本当なのだろう。
更に掘ってみると、
『ロートラの兎人種は生涯に一人しか伴侶を作らない、その伴侶を溺愛する』
等という情報まで出てきてしまった。
益々振りほどけなくなっちゃった。
「麗しの人~一緒にお風呂入ろう!」
ホテルに帰るなり、お風呂に誘われた。
まだグラーム星系だが、最終日も近いしという事で、全員でホテルに泊まることになったのだ。
「いいが」
「いいの!?」
私は仮面を外す。
「同性みたいなものだから、構わないよ」
「ええっ!?」
ラビがとても驚いた顔をする。
そういえば、最近は仮面が慣れっこになって、常に着けている。
確かにそれだと、驚くのも無理はないか。
「女の子だったんだね、麗しの人!」
「うん」
「でも...それだと、私はどうすればいいんだろう? 婿? それとも嫁?」
「今は、友達で!」
私は上着を脱いで、ラビと共に更衣室へ向かうのだった。
『ラビ・ティルニア』 年齢:26 性別:両性
ロートラ兎人。
ゴールド資格所有者であるが、3年前のフラルン星系襲撃事件にて行方不明。
死亡扱いでランクを凍結されていたが、現在は解除済み。
二つ名は『冷徹なる長耳』。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!
GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲
俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。
今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。
「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」
その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。
当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!?
姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。
共に
第8回歴史時代小説参加しました!
特殊装甲隊 ダグフェロン 『廃帝と永遠の世紀末』 第五部 『カウラ・ベルガー大尉の誕生日』
橋本 直
SF
遼州司法局実働部隊に課せられる訓練『閉所白兵戦訓練』
いつもの閉所白兵戦訓練で同時に製造された友人の話から実はクリスマスイブが誕生日と分かったカウラ。
そんな彼女をお祝いすると言う名目でアメリアとかなめは誠の実家でのパーティーを企画することになる。
予想通り趣味に走ったプレゼントを用意するアメリア。いかにもセレブな買い物をするかなめ。そんな二人をしり目に誠は独自でのプレゼントを考える。
誠はいかにも絵師らしくカウラを描くことになった。
閑話休題的物語。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
薄い彼女
りゅう
SF
今年、大学四年になる神岡龍一は迷っていた。
就職先を決められないのだ。
そんな時、付き合っていた彼女の一言で彼の人生は大きく変わることになった。
彼女はこう言ったのだ。
「私には予知能力があるの」
もちろん、この一言で彼の人生は変わるのだが、それよりも驚いたのは彼女の存在確率が極めて低いという事実だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる