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シーズン4-スリーパー防衛編
116-罠
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そして、ついに決戦の日がやってきた。
数日にわたる星系内スキャンの結果、この星系に「巣」がない理由が分かった。
その理由は、星系に存在するワームホール。
そこから、スリーパードローンが沸き出しているのである。
前哨基地らしきものがワームホールの周囲にはあるが、それ以外は一切存在しない。
『ワームホールの向こうがどうなっているか分からないので、アドアステラで単騎突入し、偵察後に戻ってくる予定だ』
と、シラードには伝えてある。
その際に、
『ああ、待ってるぜ、カルちゃんよ』
とイジられたのが許せないが、とにかく私たちは単身で突入する。
既にワームホールの位置は特定してあるので、アドアステラをワープさせる。
『ワープ終了まで52分』
「長いな....」
こういった大きな戦いの終わりの前のワープは、ものすごく長いような気がする。
艦橋にはまだシトリンと私しかいない。
単艦での戦闘のため、各自メンテナンスに出ているのだ。
私もファイスが油圧系統のチェックをしてくれたので、安心して航行に集中できる。
『.......インターディクションを感知。通常空間に引き戻されます』
「やはり、ただでは近づかせてくれないか」
スリーパードローンによるワープ妨害。
流石にワームホールのある星系だけあって、やってくると思っていた。
けれど。
「ワープコア安定装置、起動!」
私たちのワープを妨害したあの装置は、カナードの研究が海賊に渡ったものだった。
スリーパードローンによるインターディクション(ワープ妨害)は、光速で飛ぶ船のワープドライブに干渉重力波を当ててワープを強制停止させるという原理である。
カナードはこれを更に応用し、ワープドライブのコアを安定化させることで重力干渉を無力化する研究に成功していた。
恐らく海賊によるワープ妨害が横行した後に、これを流布して名声を得るつもりだったのかもしれない。
更なる研究資金を得るために。
『インターディクションの無効化を確認』
「ワープコアスタビライザーセルの減少を確認、残り2」
インターディクション無効化には、安定化セルを消費する必要がある。
カナードが設計図を遺してくれたので、とりあえず初期生産で3つ作った。
「あの野郎、とんでもないものを遺して....」
この研究、全部然るべき場所に売ったら、とんでもない価格になるのに。
私にホイホイ渡しちゃってよかったのだろうか?
『売却しなくてよいのですか?』
「これがデータコアだったら良かったけど、コピー可能な設計図を山で遺してくれたんだし......絶対に入手先を疑われるよ?」
『成程』
データコアに入っているデータなら、研究機関でしか開けられないように保護されている。
だが、この場合は設計図が丸々データチップに入っているので、例えば研究機関の船を襲ったとか、横流し品じゃないかとかを疑われるだろう。
『ワープ目的地まで、残り1分』
「全員戻ってきたね」
そして、アドアステラは目的地であるワームホールへと辿り着く。
事前のプローブスキャンであれば、数隻のドローン戦艦がいるはず.....
『ワープが終了。通常空間へ出ます』
「待て、何かおかしい!」
アドアステラは正常にワームホールの周囲に出た。
だが、前哨基地はあるものの、ドローン戦艦の姿がない。
どういう事?
もしワープ妨害無効化で待ち伏せする戦力に全戦力を割いていたとしても、多少は戦力を....
『ワームホールの質量が急速に増大、引き込まれています』
「ワープドライブ起動!」
私は船を転進させ、ワープドライブを起動する。
だが、逃げきれない。
ワープドライブの起動に必要な加速が得られない。
それなら....
「ハイパージャンプッ!!」
『ワームホールの生成に重力干渉が影響している模様』
また、いつものパターンか.....
仕方ない、ならば出来ることをするまで。
「シラード!」
『――――ど、どうした!?』
「ワームホールに引き込まれている、この後どうなるか不明だが、しばらくはワームホールの周辺には近づかないように周知せよ!」
『分かった!』
「よし、全艦衝撃に備え、ワームホールへ突入する!」
逃げられない以上は、飛び込むしかない。
アドアステラは引力に引き込まれる形で加速し、ワームホールの内部へと入り込んだ。
数日にわたる星系内スキャンの結果、この星系に「巣」がない理由が分かった。
その理由は、星系に存在するワームホール。
そこから、スリーパードローンが沸き出しているのである。
前哨基地らしきものがワームホールの周囲にはあるが、それ以外は一切存在しない。
『ワームホールの向こうがどうなっているか分からないので、アドアステラで単騎突入し、偵察後に戻ってくる予定だ』
と、シラードには伝えてある。
その際に、
『ああ、待ってるぜ、カルちゃんよ』
とイジられたのが許せないが、とにかく私たちは単身で突入する。
既にワームホールの位置は特定してあるので、アドアステラをワープさせる。
『ワープ終了まで52分』
「長いな....」
こういった大きな戦いの終わりの前のワープは、ものすごく長いような気がする。
艦橋にはまだシトリンと私しかいない。
単艦での戦闘のため、各自メンテナンスに出ているのだ。
私もファイスが油圧系統のチェックをしてくれたので、安心して航行に集中できる。
『.......インターディクションを感知。通常空間に引き戻されます』
「やはり、ただでは近づかせてくれないか」
スリーパードローンによるワープ妨害。
流石にワームホールのある星系だけあって、やってくると思っていた。
けれど。
「ワープコア安定装置、起動!」
私たちのワープを妨害したあの装置は、カナードの研究が海賊に渡ったものだった。
スリーパードローンによるインターディクション(ワープ妨害)は、光速で飛ぶ船のワープドライブに干渉重力波を当ててワープを強制停止させるという原理である。
カナードはこれを更に応用し、ワープドライブのコアを安定化させることで重力干渉を無力化する研究に成功していた。
恐らく海賊によるワープ妨害が横行した後に、これを流布して名声を得るつもりだったのかもしれない。
更なる研究資金を得るために。
『インターディクションの無効化を確認』
「ワープコアスタビライザーセルの減少を確認、残り2」
インターディクション無効化には、安定化セルを消費する必要がある。
カナードが設計図を遺してくれたので、とりあえず初期生産で3つ作った。
「あの野郎、とんでもないものを遺して....」
この研究、全部然るべき場所に売ったら、とんでもない価格になるのに。
私にホイホイ渡しちゃってよかったのだろうか?
『売却しなくてよいのですか?』
「これがデータコアだったら良かったけど、コピー可能な設計図を山で遺してくれたんだし......絶対に入手先を疑われるよ?」
『成程』
データコアに入っているデータなら、研究機関でしか開けられないように保護されている。
だが、この場合は設計図が丸々データチップに入っているので、例えば研究機関の船を襲ったとか、横流し品じゃないかとかを疑われるだろう。
『ワープ目的地まで、残り1分』
「全員戻ってきたね」
そして、アドアステラは目的地であるワームホールへと辿り着く。
事前のプローブスキャンであれば、数隻のドローン戦艦がいるはず.....
『ワープが終了。通常空間へ出ます』
「待て、何かおかしい!」
アドアステラは正常にワームホールの周囲に出た。
だが、前哨基地はあるものの、ドローン戦艦の姿がない。
どういう事?
もしワープ妨害無効化で待ち伏せする戦力に全戦力を割いていたとしても、多少は戦力を....
『ワームホールの質量が急速に増大、引き込まれています』
「ワープドライブ起動!」
私は船を転進させ、ワープドライブを起動する。
だが、逃げきれない。
ワープドライブの起動に必要な加速が得られない。
それなら....
「ハイパージャンプッ!!」
『ワームホールの生成に重力干渉が影響している模様』
また、いつものパターンか.....
仕方ない、ならば出来ることをするまで。
「シラード!」
『――――ど、どうした!?』
「ワームホールに引き込まれている、この後どうなるか不明だが、しばらくはワームホールの周辺には近づかないように周知せよ!」
『分かった!』
「よし、全艦衝撃に備え、ワームホールへ突入する!」
逃げられない以上は、飛び込むしかない。
アドアステラは引力に引き込まれる形で加速し、ワームホールの内部へと入り込んだ。
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