112 / 222
シーズン4-スリーパー防衛編
112-ガキ大将アルゴ
しおりを挟む
ドローン狩りをしながら過ごすこと一週間。
ついに星系内のドローンが殆ど居なくなったので、ついに本拠地の掃討作戦が開始された。
といっても、そこまで大規模なものではない。
最初に旗艦艦隊が突入して、その後に私たちを含む後続の艦隊が突入。
スリーパーの優先攻撃対象を混乱させつつ、カナード製(表向きはカル名義になってるけど)の新武装でスリーパードローンを狙い撃ちにして数を減らしていく。
その間にアドアステラは単身で敵旗艦を叩く。
攻撃を回避しつつ旗艦を叩けるのがアドアステラくらいしかいなかったので仕方ないが、正直綱渡り過ぎるので遠慮したいが、
『頼む! これをやってくれたら後でなんでもするから!』
というシラードからの爆弾を喰らったので、やるしかない。
なんでもすると言われたのだから仕方ない。
『では、これより旗艦センティネルはステーション前座標へワープを開始する。通信が妨害された場合に備え、15分の猶予期間の後に後続は突入せよ』
シラードの声で通信が入り、センティネルははるか遠くへ向けてワープしていく。
その様子を見守っていた私は、すぐ隣にネメシスが飛んでくるのを見た。
『よう、カル』
「どうした?」
『いや何、同じシルバーのトップ同士頑張ろうぜ』
「そちらこそ、調子に乗って爆散しないようにな、また高額任務で起きたトラブルに駆けつけるのはごめんだぞ」
『......ああ、分かってるって』
流石にアルゴも懲りたらしく、すぐに隊列に戻っていった。
傭兵たちは、緊張の面持ちで第一報を待つ。
この戦い、最後に参戦した私と、それまで耐えて戦っていたネメシスの艦長アルゴに大きな期待がかかっている。
だからこそ、私はローカル通信を繋ぐ。
『こちら、傭兵ギルド所属、アドアステラ。センティネルからの通信には余裕があるため、事前に宣言しておく。ネメシス艦長、アルゴ・ヴェンタスがどう思っているかは知らないが、我々はこの戦いに置いて主力を担う気は無い。ただ敵を倒し、報酬を受け取るだけだ。異論は認めない、それが傭兵というものだろう? だから、余計な期待は自らの首を絞めるだけのものと知れ』
言い切った。
全員が聞いているかはわからないが、これである程度は――――
『てめえふざけんなよ!』
『――――守ってくれるんじゃねえのかよ!』
ダメか。
やっぱり、私たちは勝手に優秀なサポートか何かかと思われているようだ。
制御不能なブーイングが発生し、私はどうやって場を収めようか悩む。
その時。
『うるっせえぞ、雑魚共が! このアルゴ様にすら及ばねえくせに、俺のライバルにゴチャゴチャ言ってんじゃねえ! カルの言葉が理解できる奴は自分の身を守れ! それも出来ないやつなら、俺についてこい! 俺が全部倒してやるのを指くわえて見てろ!』
アルゴがローカル通信でまくし立てた。
何故か、それで騒ぎは鎮静化した。
アルゴはガキ大将みたいなところがあるし、もしかすると裏で結構人望を得ていたのかもしれない。
『.....な、俺凄いだろ、カル!』
「ああ、お前は凄いな....やはりバカはバカを纏められる才能があるという訳か」
『あっ、どういう事だよ、カル、おい――――』
私はアルゴとの通信を切った。
ほぼ同時に、センティネルから通信が入った。
『こちらセンティネル、通常通り交戦状態に入った。全艦ワープせよ、全艦ワープせよ』
全ての艦がワープドライブを起動し、加速を開始する。
アドアステラも、ノルスがワープドライブを起動したことでワープへと入り――――敵の元へと向かうのだった。
ついに星系内のドローンが殆ど居なくなったので、ついに本拠地の掃討作戦が開始された。
といっても、そこまで大規模なものではない。
最初に旗艦艦隊が突入して、その後に私たちを含む後続の艦隊が突入。
スリーパーの優先攻撃対象を混乱させつつ、カナード製(表向きはカル名義になってるけど)の新武装でスリーパードローンを狙い撃ちにして数を減らしていく。
その間にアドアステラは単身で敵旗艦を叩く。
攻撃を回避しつつ旗艦を叩けるのがアドアステラくらいしかいなかったので仕方ないが、正直綱渡り過ぎるので遠慮したいが、
『頼む! これをやってくれたら後でなんでもするから!』
というシラードからの爆弾を喰らったので、やるしかない。
なんでもすると言われたのだから仕方ない。
『では、これより旗艦センティネルはステーション前座標へワープを開始する。通信が妨害された場合に備え、15分の猶予期間の後に後続は突入せよ』
シラードの声で通信が入り、センティネルははるか遠くへ向けてワープしていく。
その様子を見守っていた私は、すぐ隣にネメシスが飛んでくるのを見た。
『よう、カル』
「どうした?」
『いや何、同じシルバーのトップ同士頑張ろうぜ』
「そちらこそ、調子に乗って爆散しないようにな、また高額任務で起きたトラブルに駆けつけるのはごめんだぞ」
『......ああ、分かってるって』
流石にアルゴも懲りたらしく、すぐに隊列に戻っていった。
傭兵たちは、緊張の面持ちで第一報を待つ。
この戦い、最後に参戦した私と、それまで耐えて戦っていたネメシスの艦長アルゴに大きな期待がかかっている。
だからこそ、私はローカル通信を繋ぐ。
『こちら、傭兵ギルド所属、アドアステラ。センティネルからの通信には余裕があるため、事前に宣言しておく。ネメシス艦長、アルゴ・ヴェンタスがどう思っているかは知らないが、我々はこの戦いに置いて主力を担う気は無い。ただ敵を倒し、報酬を受け取るだけだ。異論は認めない、それが傭兵というものだろう? だから、余計な期待は自らの首を絞めるだけのものと知れ』
言い切った。
全員が聞いているかはわからないが、これである程度は――――
『てめえふざけんなよ!』
『――――守ってくれるんじゃねえのかよ!』
ダメか。
やっぱり、私たちは勝手に優秀なサポートか何かかと思われているようだ。
制御不能なブーイングが発生し、私はどうやって場を収めようか悩む。
その時。
『うるっせえぞ、雑魚共が! このアルゴ様にすら及ばねえくせに、俺のライバルにゴチャゴチャ言ってんじゃねえ! カルの言葉が理解できる奴は自分の身を守れ! それも出来ないやつなら、俺についてこい! 俺が全部倒してやるのを指くわえて見てろ!』
アルゴがローカル通信でまくし立てた。
何故か、それで騒ぎは鎮静化した。
アルゴはガキ大将みたいなところがあるし、もしかすると裏で結構人望を得ていたのかもしれない。
『.....な、俺凄いだろ、カル!』
「ああ、お前は凄いな....やはりバカはバカを纏められる才能があるという訳か」
『あっ、どういう事だよ、カル、おい――――』
私はアルゴとの通信を切った。
ほぼ同時に、センティネルから通信が入った。
『こちらセンティネル、通常通り交戦状態に入った。全艦ワープせよ、全艦ワープせよ』
全ての艦がワープドライブを起動し、加速を開始する。
アドアステラも、ノルスがワープドライブを起動したことでワープへと入り――――敵の元へと向かうのだった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
グラッジブレイカー! ~ポンコツアンドロイド、時々かたゆでたまご~
尾野 灯
SF
人類がアインシュタインをペテンにかける方法を知ってから数世紀、地球から一番近い恒星への進出により、新しい時代が幕を開ける……はずだった。
だが、無謀な計画が生み出したのは、数千万の棄民と植民星系の独立戦争だった。
ケンタウリ星系の独立戦争が敗北に終ってから十三年、荒廃したコロニーケンタウルスⅢを根城に、それでもしぶとく生き残った人間たち。
そんな彼らの一人、かつてのエースパイロットケント・マツオカは、ひょんなことから手に入れた、高性能だがポンコツな相棒AIノエルと共に、今日も借金返済のためにコツコツと働いていた。
そんな彼らのもとに、かつての上官から旧ケンタウリ星系軍の秘密兵器の奪還を依頼される。高額な報酬に釣られ、仕事を受けたケントだったが……。
懐かしくて一周回って新しいかもしれない、スペースオペラ第一弾!
銀河文芸部伝説~UFOに攫われてアンドロメダに連れて行かれたら寝ている間に銀河最強になっていました~
まきノ助
SF
高校の文芸部が夏キャンプ中にUFOに攫われてアンドロメダ星雲の大宇宙帝国に連れて行かれてしまうが、そこは魔物が支配する星と成っていた。
8分間のパピリオ
横田コネクタ
SF
人間の血管内に寄生する謎の有機構造体”ソレウス構造体”により、人類はその尊厳を脅かされていた。
蒲生里大学「ソレウス・キラー操縦研究会」のメンバーは、20マイクロメートルのマイクロマシーンを操りソレウス構造体を倒すことに青春を捧げるーー。
というSFです。
仮想空間のなかだけでもモフモフと戯れたかった
夏男
SF
動物から嫌われる体質のヒロインがモフモフを求めて剣と魔法のVRオンラインゲームでテイマーを目指す話です。(なれるとは言っていない)
※R-15は保険です。
※小説家になろう様、カクヨム様でも同タイトルで投稿しております。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
My² Gene❇︎マイジーン ~URAZMARY~
泥色の卵
SF
【お知らせ】
他サイトで完結したので、定期的に投稿していきます。
【長期連載】
1話大体3〜5分で読めます。
▼あらすじ
My² Gene 第1部
広大な銀河の中。“My Gene”という何でも願いを叶える万能遺伝子が存在するとの御伽話があった。
ある星に薄金髪で能天気な学生が暮らしていた。彼の名はサンダー・パーマー=ウラズマリー。
電撃系の遺伝子能力を操る彼は、高等部卒業試験に向けて姉のような師匠と幼馴染の力を借りて奮闘していた。
そんな中ウラズマリーは突然何者かにさらわれ、“My Gene”と彼との関係を聞かされる。
そして彼は“My Gene”を探すために銀河へと旅立つことを決意する。
これは、電撃の能力を操る青年『ウラズマリー』が、仲間と共に万能遺伝子『My Gene』を巡って織りなす壮大な物語。
異能力×スペースアドベンチャー!!
第一部「万能遺伝子と宵闇の光」【完結】
現在第二部「血を喰らう獣」も連載中です。
-------------------------------------
少年漫画風な冒険もの小説です。
しっかりと読んでいただけるような物語を目指します。
楽しんでいただけるように頑張りますのでよろしくお願いします。
少数でも誰かにハマって面白いとおもっていただけたら嬉しいです。
第一章時点では純粋な冒険物語として見ていただけたらと思います。
チート、無双、ハーレムはありません。
【おそらく楽しんでいただける方】
・少年漫画とかが好きな方
・異能力バトルが好きな方
・細かめの戦闘描写がいける方
・仲間が増えていく冒険ものが好きな方
・伏線が好きな方
・ちょっとダークなのが好きな方
章が進むと色んな種類の悪い人や死の表現がでます。苦手な方は薄目での閲覧をお願いいたします。
誤字脱字や表現おかしいところは随時更新します。
ヒューマンエラーの多いザ・ヒューマンですのでご勘弁を…
※各話の表紙を随時追加していっています
異能力×スペースアドベンチャー×少年漫画風ストーリー!!
練りに練った物語です。
文章は拙いですが、興味を持っていただいた方に楽しんでいただけただけるよう執筆がんばります。
本編 序盤は毎日21〜24時くらいまでの間
間話 毎日21〜24時くらいまでの間
(努力目標)
一章が終わるごとに調整期間をいただく場合があります。ご了承ください。
古参読者であることが自慢できるほどの作品になれるよう努力していきますのでよろしくお願いいたします。
Night Sky
九十九光
SF
20XX年、世界人口の96%が超能力ユニゾンを持っている世界。この物語は、一人の少年が、笑顔、幸せを追求する物語。すべてのボカロPに感謝。モバスペBOOKとの二重投稿。
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる