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シーズン4-スリーパー防衛編
108-英雄への一歩
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『敵スリーパードローン、3タイプに分類。戦闘タイプ・援護タイプ・突撃タイプ。それぞれ、攻撃12、援護10、突撃17』
「よし、ポーラライズドモジュールオンライン、サブシステム起動」
「サブシステム、攻撃・防御・電子・遠隔・推進・遠隔カーネル起動」
「サブワープドライブ起動。シールドシステムに動力伝達」
アドアステラが、システム強化の力を帯びる。
全てのメインドライブの出力が兵装へ、サブシステムにより各電子システムのCPU出力が大幅に増加する。
『ターゲット開始、プライマリターゲットを設定します』
「プライマリターゲットに攻撃開始!」
カルが叫ぶと同時に、旋回した砲塔の砲身が微調整を行った後に射撃する。
ドローンの速度は遅く、大幅に強化された一撃が、槍のようにドローンに突き刺さった。
本来戦艦を相手にすることを想定された超集束レーザーは、スリーパードローンのシールドをまるで紙切れのように突き破り、その中身のドローンも同じ末路を辿らせた。
「とんでもない威力だな....」
そう呟いたのは、シラードである。
少なくともあの射撃一撃に、戦艦四隻並の出力があることを見抜いたのだ。
「閣下、あの艦は確か.....」
「カル・クロカワのものだ」
「成程.....ということは、息子は...」
ゼーレンの表情が暗くなる。
カルがカナードとの決着を付けに行ったのは、既にゼーレンにも伝えられているのだ。
「今は気にするな」
「敵ドローン数減少! 側面への圧力が低下し、攻撃が不明艦に集中しています!」
「......よし、全艦、アドアステラの周囲に展開しろ! シールドのない艦は後方へ!」
シールドのないネメシスもまた、転進しアドアステラの横を通り抜ける。
「......後は頼むぜ、カルゥ!」
その声は、アドアステラには届かないはずだった。
だが、ブリッジにいたカルは、
「頼まれてしまったな」
と呟いた。
アドアステラは連射でドローンの数を減らしていく。
ドローンたちはそれぞれで、アドアステラに攻撃を仕掛けるが、「回復するシールド」などという未知の事態に対処できず、パルスレーザーによってシールドに傷を負い、撃墜されていく。
「カルのやつに協力するのは癪だけどよ!」
「しょうがねえからやってやるぜ!」
そして、後方からの援護射撃により、アドアステラに向かうドローンの数も少ない。
元より総数が少なかったのもあり、その数は徐々に減少していく。
「ポーラライズドモジュール、サブシステムオフライン――――戦闘終了!」
そして。
アドアステラが停止し、戦闘の終わりを告げた。
「すげえな、あの船......」
「ああ、暴力の塊みたいなやつだった....」
傭兵たちは口々に呟く。
まるで全てを守るように最前面に展開したアドアステラは、そんな彼らの視線を浴びながら、静かに佇んでいた。
「....だが、まだ終わってないな」
カルはそう言うと、船を反転させ、旗艦センティネルへと向かわせる。
まるで英雄の凱旋を見るかのように、星系軍は道を開け、アドアステラはセンティネルへと近づいていくのであった。
「よし、ポーラライズドモジュールオンライン、サブシステム起動」
「サブシステム、攻撃・防御・電子・遠隔・推進・遠隔カーネル起動」
「サブワープドライブ起動。シールドシステムに動力伝達」
アドアステラが、システム強化の力を帯びる。
全てのメインドライブの出力が兵装へ、サブシステムにより各電子システムのCPU出力が大幅に増加する。
『ターゲット開始、プライマリターゲットを設定します』
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カルが叫ぶと同時に、旋回した砲塔の砲身が微調整を行った後に射撃する。
ドローンの速度は遅く、大幅に強化された一撃が、槍のようにドローンに突き刺さった。
本来戦艦を相手にすることを想定された超集束レーザーは、スリーパードローンのシールドをまるで紙切れのように突き破り、その中身のドローンも同じ末路を辿らせた。
「とんでもない威力だな....」
そう呟いたのは、シラードである。
少なくともあの射撃一撃に、戦艦四隻並の出力があることを見抜いたのだ。
「閣下、あの艦は確か.....」
「カル・クロカワのものだ」
「成程.....ということは、息子は...」
ゼーレンの表情が暗くなる。
カルがカナードとの決着を付けに行ったのは、既にゼーレンにも伝えられているのだ。
「今は気にするな」
「敵ドローン数減少! 側面への圧力が低下し、攻撃が不明艦に集中しています!」
「......よし、全艦、アドアステラの周囲に展開しろ! シールドのない艦は後方へ!」
シールドのないネメシスもまた、転進しアドアステラの横を通り抜ける。
「......後は頼むぜ、カルゥ!」
その声は、アドアステラには届かないはずだった。
だが、ブリッジにいたカルは、
「頼まれてしまったな」
と呟いた。
アドアステラは連射でドローンの数を減らしていく。
ドローンたちはそれぞれで、アドアステラに攻撃を仕掛けるが、「回復するシールド」などという未知の事態に対処できず、パルスレーザーによってシールドに傷を負い、撃墜されていく。
「カルのやつに協力するのは癪だけどよ!」
「しょうがねえからやってやるぜ!」
そして、後方からの援護射撃により、アドアステラに向かうドローンの数も少ない。
元より総数が少なかったのもあり、その数は徐々に減少していく。
「ポーラライズドモジュール、サブシステムオフライン――――戦闘終了!」
そして。
アドアステラが停止し、戦闘の終わりを告げた。
「すげえな、あの船......」
「ああ、暴力の塊みたいなやつだった....」
傭兵たちは口々に呟く。
まるで全てを守るように最前面に展開したアドアステラは、そんな彼らの視線を浴びながら、静かに佇んでいた。
「....だが、まだ終わってないな」
カルはそう言うと、船を反転させ、旗艦センティネルへと向かわせる。
まるで英雄の凱旋を見るかのように、星系軍は道を開け、アドアステラはセンティネルへと近づいていくのであった。
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