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シーズン4-スリーパー防衛編
102-正道か、邪道か
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「”頭”が高いッ!!」
カルセールの射撃を、カナードは左手で”受け止め”た。
貫通するはずだ。
カルとファイスはそう思った。
だが――――カナードはそれをゆっくりと押し留め、握り潰した。
「.....!」
「こんなちっぽけなエネルギーで、僕を倒せるとでも?」
「....」
カルは内心、焦った。
カルセールが通じなければ、肉体のスペックで勝てない以上カルに勝ち目がない。
「どこを見ているんだっ!?」
「ぐっ!!」
カナードがカルの眼前に現れる。
振るわれた拳を、カルは片手でパリィする。
受け流された衝撃が腕を伝って地面に抜け、周囲の床が砕ける。
「ガァアアアッ!!」
背後からファイスが、コンバットバトンによる突きを放った。
だが、
「あ、有り得な――――ゴァッ!!」
「ケモノ風情が!」
ファイスの膂力と、驚異的なカナードの防御力。
鉾と盾がぶつかり合い、鉾が負けた。
ファイスの右腕のコンバットバトンが砕け散り、カナードの後ろ回し蹴りを受けたファイスは吹き飛ばされる。
続いて、カナードはファイスを始末しようと動くが、カルがその足を引っかける。
「そうはさせん!」
「ハッ、考えが甘い!」
カナードを投げ飛ばそうとしたカルだったが、腕を掴まれて地面に叩きつけられる。
嫌な音がして、カルはその場に蹲った。
受け身を取れなかったのだ。
「どうだい? 僕の身体強化は。君の長い長い努力なんて、何の意味もない。君が何万年努力したって、たった数十年努力した僕には敵うわけもない」
「それが....正しい道だと.....」
「思っているさ。誰しも、歩んだ道が必ず正しいわけじゃないだろう?」
カルは折れそうだった。
自分の道は間違っていたのか? と。
だが直ぐに、立ち直る。
ここで負ければ、ファイスたちが。
失いたくないと思ったものを失ってしまう。
それに。
「力には責任が伴う。何の努力もなく得た力は、その責任に見合うものではない」
「僕に勝てないというのに、君は何を言っているんだい?」
カルは絶対に退くわけにはいかない。
努力すれば認めてもらえるのは、兄が教えてくれたことだ。
『努力は、必ず認められる。何故なら、この世の99%がお前の努力を妬み、認めないとしても。1%は賢者であり、お前の努力を素直に認めるからだ』
カナードは今まで、99%にしか出会えなかった。
けれど、世界のどこかには流歌を認めた兄、新輝のように。
必ず1%に出会えると教えたかった。
もしくは、出会った1%を無視していることを。
「ハァ!!」
「ぐ......捕まえたぞ!」
降りぬかれた拳を、カルはぎりぎりで躱して掴み、投げ飛ばそうとする。
だが、
「無駄だっ!」
膂力と体幹が違いすぎる。
カルはそのまま上に放り投げられ、宙を舞う。
「空では何もできないだろう!」
跳躍してきたカナードに対して、カルは腕を組む。
だが、その防御を貫通するように、強大な脚撃がカルを襲った。
その恐るべき威力の蹴りは、カルのパワードスーツを貫いて腕の骨を折り、カルを地面に墜落させた。
そこにカナードは、嬉々として突っ込んだ。
「死ね、努力バカが!」
「この距離なら身は守れないな!」
そして。
カルはゼロ距離からカルセールを放った。
大爆発が巻き起こり、今度は逆にカナードが吹き飛ぶ。
その左腕がカナードの肩から外れ、傷口から血が噴き出した。
「......一体、その武器は何なんだい? 君の努力よりも強いじゃないか」
「さあな」
カルはカルセールを仕舞い、慎重にカナードとの距離を取った。
カナードもまた、その驚異的な再生力で腕の血を止めた。
腕が生えるわけではない事を、カルは知る。
だがそれは、何の有利にもなりはしない。
再び、進展のないまま戦いは続くのだった。
カルセールの射撃を、カナードは左手で”受け止め”た。
貫通するはずだ。
カルとファイスはそう思った。
だが――――カナードはそれをゆっくりと押し留め、握り潰した。
「.....!」
「こんなちっぽけなエネルギーで、僕を倒せるとでも?」
「....」
カルは内心、焦った。
カルセールが通じなければ、肉体のスペックで勝てない以上カルに勝ち目がない。
「どこを見ているんだっ!?」
「ぐっ!!」
カナードがカルの眼前に現れる。
振るわれた拳を、カルは片手でパリィする。
受け流された衝撃が腕を伝って地面に抜け、周囲の床が砕ける。
「ガァアアアッ!!」
背後からファイスが、コンバットバトンによる突きを放った。
だが、
「あ、有り得な――――ゴァッ!!」
「ケモノ風情が!」
ファイスの膂力と、驚異的なカナードの防御力。
鉾と盾がぶつかり合い、鉾が負けた。
ファイスの右腕のコンバットバトンが砕け散り、カナードの後ろ回し蹴りを受けたファイスは吹き飛ばされる。
続いて、カナードはファイスを始末しようと動くが、カルがその足を引っかける。
「そうはさせん!」
「ハッ、考えが甘い!」
カナードを投げ飛ばそうとしたカルだったが、腕を掴まれて地面に叩きつけられる。
嫌な音がして、カルはその場に蹲った。
受け身を取れなかったのだ。
「どうだい? 僕の身体強化は。君の長い長い努力なんて、何の意味もない。君が何万年努力したって、たった数十年努力した僕には敵うわけもない」
「それが....正しい道だと.....」
「思っているさ。誰しも、歩んだ道が必ず正しいわけじゃないだろう?」
カルは折れそうだった。
自分の道は間違っていたのか? と。
だが直ぐに、立ち直る。
ここで負ければ、ファイスたちが。
失いたくないと思ったものを失ってしまう。
それに。
「力には責任が伴う。何の努力もなく得た力は、その責任に見合うものではない」
「僕に勝てないというのに、君は何を言っているんだい?」
カルは絶対に退くわけにはいかない。
努力すれば認めてもらえるのは、兄が教えてくれたことだ。
『努力は、必ず認められる。何故なら、この世の99%がお前の努力を妬み、認めないとしても。1%は賢者であり、お前の努力を素直に認めるからだ』
カナードは今まで、99%にしか出会えなかった。
けれど、世界のどこかには流歌を認めた兄、新輝のように。
必ず1%に出会えると教えたかった。
もしくは、出会った1%を無視していることを。
「ハァ!!」
「ぐ......捕まえたぞ!」
降りぬかれた拳を、カルはぎりぎりで躱して掴み、投げ飛ばそうとする。
だが、
「無駄だっ!」
膂力と体幹が違いすぎる。
カルはそのまま上に放り投げられ、宙を舞う。
「空では何もできないだろう!」
跳躍してきたカナードに対して、カルは腕を組む。
だが、その防御を貫通するように、強大な脚撃がカルを襲った。
その恐るべき威力の蹴りは、カルのパワードスーツを貫いて腕の骨を折り、カルを地面に墜落させた。
そこにカナードは、嬉々として突っ込んだ。
「死ね、努力バカが!」
「この距離なら身は守れないな!」
そして。
カルはゼロ距離からカルセールを放った。
大爆発が巻き起こり、今度は逆にカナードが吹き飛ぶ。
その左腕がカナードの肩から外れ、傷口から血が噴き出した。
「......一体、その武器は何なんだい? 君の努力よりも強いじゃないか」
「さあな」
カルはカルセールを仕舞い、慎重にカナードとの距離を取った。
カナードもまた、その驚異的な再生力で腕の血を止めた。
腕が生えるわけではない事を、カルは知る。
だがそれは、何の有利にもなりはしない。
再び、進展のないまま戦いは続くのだった。
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