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シーズン4-スリーパー防衛編
087-新たな任務へ
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「偶然にしては、出来過ぎかな...」
私は悩んでいた。
ライズコンソーシアムからの次の依頼は、重要人物の奪還。
先日の旅客船襲撃事件の際に海賊に攫われた、若き女性研究員を奪還せよという内容だった。
生死は問わず、その存在が確認できるだけでもいいそうだ。
つまりは、また海賊の拠点巡り。
今回は、アラッドという仲間がいるわけだ。
「みんな、仕事だ」
「「「「「!」」」」」
私がブリッジに上がると、全員が揃っていた。
特に集合はかけていないんだけど...何かを察知したのかもしれない。
「ライズ・コンソーシアムからの依頼でとある女性を探すことになった。今回は突入任務でもある。ファイス、同行してくれ」
「はっ」
「それから、今回の任務には同行者がいる」
「だ、誰...!?」
ケインが目を輝かせている。
あまり外との交流がないので、同行者の存在に期待しているのかもしれない。
「シルバー傭兵ジスティアン星座ランキング三位の、アラッド・シーナス。彼はこの惑星を離脱後、とあるアステロイドベルトで待機していてくれるから、戦闘時は共闘する」
基本的にはアラッドの艦を護衛する形で、こちらは動かずサブシステムとフォートモジュールで仕掛ける。
「彼は弟を探しているらしい。弟と研究員のデータを全員に配布するから、よく目を通すように」
「「「「「了解!」」」」」
全員が口を揃えて了承した。
私は彼の機体データを見る。
「AXIS-Ⅱ、Jistlier製フリゲート。シールド出力中、装甲耐久力低、速度と機動性に優れる...まあ、大体アドアステラと同じか。」
的になりそうにはない小型艦だ。
数や飽和攻撃を好む海賊からすると、相手にしにくい船だろう。
「キャパシタ出力は...まあ、それはそうか」
かなり改造されているようだが、素人仕事のようで、アドアステラの主砲一発よりも出力は低い。
「さあ、発艦用意! 各自チェックリストを更新せよ」
「ノルス、パワーコア異常なし。サブワープドライブ、ワープドライブ、ハイパードライブにも異常なし。反物質燃料の残量は72%!」
「ファイス、サブシステム各カーネル、システム、ハードチェック問題なし! ストロンチウム残量61%!」
「アリアです、ミサイルの製造はすでに完了しました、現在弾薬庫に500発を保管しています。発射管および自動装填システムに異常なし」
「ケイン! ドローンの補充は大丈夫! 制御システムに異常なし!」
『シトリン。レーダー、スキャン、ターゲッティングシステム、対電子戦防御、エンジニアリング、シールドジェネレータ、アーマーリペアラ含む各種モジュールに異常なし』
全員のチェックが終わる。
さあ、次は私の番だ。
思いっきりかっこつけて...
「操縦系に異常なし。各種チェックリストを確認した、ノルス! 機関始動!」
「パワーコアに点火します!」
「シトリン、ガントリーロックを解除しろ」
『既に完了しています』
アドアステラはスラスターを下方向に噴出させて、浮上する。
私は操縦桿を持ち上げ、精一杯アドアステラの角度を急なものへと変える。
「パワーコア、ワープドライブ、正常に起動。推力に出力伝達。」
「全員、衝撃に備え!」
アドアステラはメインスラスターから光の粒子を噴出させ、宇宙に向かって真っ直ぐ飛び出した。
私は悩んでいた。
ライズコンソーシアムからの次の依頼は、重要人物の奪還。
先日の旅客船襲撃事件の際に海賊に攫われた、若き女性研究員を奪還せよという内容だった。
生死は問わず、その存在が確認できるだけでもいいそうだ。
つまりは、また海賊の拠点巡り。
今回は、アラッドという仲間がいるわけだ。
「みんな、仕事だ」
「「「「「!」」」」」
私がブリッジに上がると、全員が揃っていた。
特に集合はかけていないんだけど...何かを察知したのかもしれない。
「ライズ・コンソーシアムからの依頼でとある女性を探すことになった。今回は突入任務でもある。ファイス、同行してくれ」
「はっ」
「それから、今回の任務には同行者がいる」
「だ、誰...!?」
ケインが目を輝かせている。
あまり外との交流がないので、同行者の存在に期待しているのかもしれない。
「シルバー傭兵ジスティアン星座ランキング三位の、アラッド・シーナス。彼はこの惑星を離脱後、とあるアステロイドベルトで待機していてくれるから、戦闘時は共闘する」
基本的にはアラッドの艦を護衛する形で、こちらは動かずサブシステムとフォートモジュールで仕掛ける。
「彼は弟を探しているらしい。弟と研究員のデータを全員に配布するから、よく目を通すように」
「「「「「了解!」」」」」
全員が口を揃えて了承した。
私は彼の機体データを見る。
「AXIS-Ⅱ、Jistlier製フリゲート。シールド出力中、装甲耐久力低、速度と機動性に優れる...まあ、大体アドアステラと同じか。」
的になりそうにはない小型艦だ。
数や飽和攻撃を好む海賊からすると、相手にしにくい船だろう。
「キャパシタ出力は...まあ、それはそうか」
かなり改造されているようだが、素人仕事のようで、アドアステラの主砲一発よりも出力は低い。
「さあ、発艦用意! 各自チェックリストを更新せよ」
「ノルス、パワーコア異常なし。サブワープドライブ、ワープドライブ、ハイパードライブにも異常なし。反物質燃料の残量は72%!」
「ファイス、サブシステム各カーネル、システム、ハードチェック問題なし! ストロンチウム残量61%!」
「アリアです、ミサイルの製造はすでに完了しました、現在弾薬庫に500発を保管しています。発射管および自動装填システムに異常なし」
「ケイン! ドローンの補充は大丈夫! 制御システムに異常なし!」
『シトリン。レーダー、スキャン、ターゲッティングシステム、対電子戦防御、エンジニアリング、シールドジェネレータ、アーマーリペアラ含む各種モジュールに異常なし』
全員のチェックが終わる。
さあ、次は私の番だ。
思いっきりかっこつけて...
「操縦系に異常なし。各種チェックリストを確認した、ノルス! 機関始動!」
「パワーコアに点火します!」
「シトリン、ガントリーロックを解除しろ」
『既に完了しています』
アドアステラはスラスターを下方向に噴出させて、浮上する。
私は操縦桿を持ち上げ、精一杯アドアステラの角度を急なものへと変える。
「パワーコア、ワープドライブ、正常に起動。推力に出力伝達。」
「全員、衝撃に備え!」
アドアステラはメインスラスターから光の粒子を噴出させ、宇宙に向かって真っ直ぐ飛び出した。
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