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シーズン3-ジスト星系編
061-シラード
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次元の割れ目。
その遥か、遥か奥底。
そこで眠りし者は、その目を開いた。
『”禁忌”が発生せり』
その者は思考する。
外へと漏れ出た兵たちが、それを見つけたのだ。
最大の禁忌を。
主から命じられ、報告するように命じられたそれが、今行われているのだ。
『排除しなければならない』
次元の奥底から、無数の羽音のような音が響く。
そして、暗黒の底で数千数万の光が輝き、虎視眈々と既知宇宙へと続く裂け目を狙う。
『行け、”禁忌”を滅せよ』
次元の裂け目は、あまり多くの”兵”を一度に通すことはできない。
しかしながら――――裂け目の存在が知られていない今、全てを外へ出すのは時間の問題だった――――
「ここがジストプライムⅠ.....」
ジスト星系第一番惑星へと、私は降りていた。
本来であれば数日の審査がいるであろう降下申請も、あのいけ好かない男が一瞬で通してくれた。
「主人、大丈夫ですか?」
「ファイスこそ、大丈夫か?」
ジストプライムⅠの気候は暑く、ファイスは舌を出して息を切らしていた。
私も、通気性の悪いマスク部分はちょっと汗ばんでいた。
「行くぞ」
早く涼しい場所に行こう。
私たちはドックを出て、街中を歩く。
ブライトプライムと違って、ジストプライムは他種族という訳ではないようだ。
ただ、不自然なほど体格の大きい人間などはいた。
「今日はどこへ向かうのですか、主人?」
「どうも、オルトス軍の関係施設らしい」
ファイスの質問に私は答える。
オルトス王国軍が私を呼びつけるなんて、絶対にあの准将関係だ。
助けなければよかったとは思うけれど、そうしていたらあのお爺さんは死んでいた。
難しいものだ。
「シルバー傭兵のカルだ、召喚に応じ、こちらへ来たのだが?」
「お待ちください...はい、はい...どうぞお通りください」
複数のゲートを通過して、私たちは軍の関係施設へと入る。
ファイスだけはゲート通過時に菌関連で何か引っ掛かり、殺菌室送りになったあと不機嫌そうにしながら帰ってきた。
「こちらで少しお待ちください」
一般兵らしい人は、広めの部屋に私たちを案内して、去っていく。
応接室のようで、窓からは光が差し込んでいた。
テーブルの上にはタッチパネルがあり、操作すると飲み物の名前のボタンが出てきた。
適当にジスト産茶と水を押すと、タッチパネルが上に競り上がり、その下に水とお茶の入った紙コップがあった。
私たちはそれを飲みながら、しばらく過ごした。
「待ったかな? であれば済まないと言っておこう」
退屈になってきた頃合いに、一人の男と、見知った顔の老人が現れた。
二人とも、軍の制服に身を包んでいる。
「いいや、構わない」
「儂の言った通りでしょう、気さくな人物ですと」
その時、ゼーレンが口を開く。
確かこの人は准将だから...目の前の人は、もっと偉いってことだろうか?
「...敬語を使った方がいいか?」
「その必要はない、君の事は友から聞いている」
友?
疑問に思う私だったが、次の瞬間に疑問は全て晴れた。
「俺の名はシラード・ナスティエ・ジスティアン。ジスト辺境伯にして、オルトス王国軍少将の座に就いている者だ...そして、我が友ディー...ディエゴ・アレンスター・ブライトエッジの親友でもある」
「...!」
物凄い大物と対面している。
それが直感的に分かっただけでなく、あのくされ警官の人脈が意外に広いことにも驚く私だった。
その遥か、遥か奥底。
そこで眠りし者は、その目を開いた。
『”禁忌”が発生せり』
その者は思考する。
外へと漏れ出た兵たちが、それを見つけたのだ。
最大の禁忌を。
主から命じられ、報告するように命じられたそれが、今行われているのだ。
『排除しなければならない』
次元の奥底から、無数の羽音のような音が響く。
そして、暗黒の底で数千数万の光が輝き、虎視眈々と既知宇宙へと続く裂け目を狙う。
『行け、”禁忌”を滅せよ』
次元の裂け目は、あまり多くの”兵”を一度に通すことはできない。
しかしながら――――裂け目の存在が知られていない今、全てを外へ出すのは時間の問題だった――――
「ここがジストプライムⅠ.....」
ジスト星系第一番惑星へと、私は降りていた。
本来であれば数日の審査がいるであろう降下申請も、あのいけ好かない男が一瞬で通してくれた。
「主人、大丈夫ですか?」
「ファイスこそ、大丈夫か?」
ジストプライムⅠの気候は暑く、ファイスは舌を出して息を切らしていた。
私も、通気性の悪いマスク部分はちょっと汗ばんでいた。
「行くぞ」
早く涼しい場所に行こう。
私たちはドックを出て、街中を歩く。
ブライトプライムと違って、ジストプライムは他種族という訳ではないようだ。
ただ、不自然なほど体格の大きい人間などはいた。
「今日はどこへ向かうのですか、主人?」
「どうも、オルトス軍の関係施設らしい」
ファイスの質問に私は答える。
オルトス王国軍が私を呼びつけるなんて、絶対にあの准将関係だ。
助けなければよかったとは思うけれど、そうしていたらあのお爺さんは死んでいた。
難しいものだ。
「シルバー傭兵のカルだ、召喚に応じ、こちらへ来たのだが?」
「お待ちください...はい、はい...どうぞお通りください」
複数のゲートを通過して、私たちは軍の関係施設へと入る。
ファイスだけはゲート通過時に菌関連で何か引っ掛かり、殺菌室送りになったあと不機嫌そうにしながら帰ってきた。
「こちらで少しお待ちください」
一般兵らしい人は、広めの部屋に私たちを案内して、去っていく。
応接室のようで、窓からは光が差し込んでいた。
テーブルの上にはタッチパネルがあり、操作すると飲み物の名前のボタンが出てきた。
適当にジスト産茶と水を押すと、タッチパネルが上に競り上がり、その下に水とお茶の入った紙コップがあった。
私たちはそれを飲みながら、しばらく過ごした。
「待ったかな? であれば済まないと言っておこう」
退屈になってきた頃合いに、一人の男と、見知った顔の老人が現れた。
二人とも、軍の制服に身を包んでいる。
「いいや、構わない」
「儂の言った通りでしょう、気さくな人物ですと」
その時、ゼーレンが口を開く。
確かこの人は准将だから...目の前の人は、もっと偉いってことだろうか?
「...敬語を使った方がいいか?」
「その必要はない、君の事は友から聞いている」
友?
疑問に思う私だったが、次の瞬間に疑問は全て晴れた。
「俺の名はシラード・ナスティエ・ジスティアン。ジスト辺境伯にして、オルトス王国軍少将の座に就いている者だ...そして、我が友ディー...ディエゴ・アレンスター・ブライトエッジの親友でもある」
「...!」
物凄い大物と対面している。
それが直感的に分かっただけでなく、あのくされ警官の人脈が意外に広いことにも驚く私だった。
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