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シーズン2-旅立ち編
054-不穏な戦場跡
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アドアステラは、最後の関門であるミョルカイを抜けた。
その先に存在するのは、ハイ・セキュリティ宙域であるローダス星系であり、ジスト星系までの橋渡し的な存在である。
『こちらローダス星系警備隊、そちらの所属と艦長及び船員の身分を明かせ』
入るや否やロックオンされて、そんな質問をされた。
私は慌てずそれに答える。
「こちらエンフォース所属、アドアステラ。俺の名前はカル・クロカワ、他の船員の王国民カードを提示する」
王国民カードとは、身分証明書のようなものである。
それを提示すると、ロックオンは解除された。
『身分は証明されたので、諸君らの通行を許可する! 航海の安全を祈る!』
「Fly Safe!」
Fly SafeはSNOの挨拶みたいなものだが、やはり通じなかった。
アドアステラはジストのスターゲートに軸線を合わせ、ワープ軌道に入る。
「それにしても、不思議な星系だ...」
星雲でもあるのか、窓の外に広がる宇宙は紫色に染まっていた。
それは、まるで遠くに来てしまったかのような、恐れをカルに抱かせた。
『...艦長、救難信号を受信しました』
「...またか」
このロー・セキュリティ宙域と隣接するローダス星系だと、偽の救難信号の可能性もあるけど...
「“困っている人を助けなさい”だからね」
お兄ちゃんの格言“本当に困っている人を助けなさい、必ずお礼が期待できるからな”は、本当に素晴らしいと思う。
私は困っている人を助け、悩みが解決した人は私に必死になってお礼をしようとする。
すごくいい循環だ。
奪ったり搾取するよりずっといいとお兄ちゃんは言っていたし、そうなんだろう。
「シトリン、ワープを中断する。発信元を特定して」
『すでに完了しています、艦長に転送いたしますね』
うーん、有能だ。
この辺は元店員故の機転だろうか?
ワープを停止したアドアステラは、一度クールダウンを挟んでから再度ワープに入る。
そして、救難信号の発せられている宙域までワープした。
「なんだ...あれ」
到着するや否や、私はそんな声を漏らした。
いや、そう呟くしかなかった。
既に艦隊は全滅しており、その周囲に無数の見慣れない小型の何かが飛んでいた。
それらは、アドアステラを発見すると同時に襲ってくる...事はなく、素早くワープアウトして行った。
「......たった数機で、艦隊を...?」
『艦長、艦内に生存者が認められます』
「分かった、救助しよう」
とにかく今は、失われそうな命を救う事が重要だな。
助けないと恩も発生しないし。
「ファイス、俺と一緒に来てくれ。宇宙服だと仮面は付けられないから、ルカとして行くよ」
「はっ」
男手がいると助かる。
私とファイスだと、ファイスの方が艦長っぽいからね。
「シトリンは索敵警戒、ノルスはいざという時アドアステラで艦隊に体当たりしてからワープ。私たちが乗り移れれば、宇宙に取り残されるよりはマシだから」
『了解』
「はっ」
ワープする物体に生身で捕まっているとどうなるかはまだ検証していないが、死ぬよりは多分マシだと思う。
私たちはケインに手伝ってもらいながら宇宙服を着て、エアロックへと向かった。
その先に存在するのは、ハイ・セキュリティ宙域であるローダス星系であり、ジスト星系までの橋渡し的な存在である。
『こちらローダス星系警備隊、そちらの所属と艦長及び船員の身分を明かせ』
入るや否やロックオンされて、そんな質問をされた。
私は慌てずそれに答える。
「こちらエンフォース所属、アドアステラ。俺の名前はカル・クロカワ、他の船員の王国民カードを提示する」
王国民カードとは、身分証明書のようなものである。
それを提示すると、ロックオンは解除された。
『身分は証明されたので、諸君らの通行を許可する! 航海の安全を祈る!』
「Fly Safe!」
Fly SafeはSNOの挨拶みたいなものだが、やはり通じなかった。
アドアステラはジストのスターゲートに軸線を合わせ、ワープ軌道に入る。
「それにしても、不思議な星系だ...」
星雲でもあるのか、窓の外に広がる宇宙は紫色に染まっていた。
それは、まるで遠くに来てしまったかのような、恐れをカルに抱かせた。
『...艦長、救難信号を受信しました』
「...またか」
このロー・セキュリティ宙域と隣接するローダス星系だと、偽の救難信号の可能性もあるけど...
「“困っている人を助けなさい”だからね」
お兄ちゃんの格言“本当に困っている人を助けなさい、必ずお礼が期待できるからな”は、本当に素晴らしいと思う。
私は困っている人を助け、悩みが解決した人は私に必死になってお礼をしようとする。
すごくいい循環だ。
奪ったり搾取するよりずっといいとお兄ちゃんは言っていたし、そうなんだろう。
「シトリン、ワープを中断する。発信元を特定して」
『すでに完了しています、艦長に転送いたしますね』
うーん、有能だ。
この辺は元店員故の機転だろうか?
ワープを停止したアドアステラは、一度クールダウンを挟んでから再度ワープに入る。
そして、救難信号の発せられている宙域までワープした。
「なんだ...あれ」
到着するや否や、私はそんな声を漏らした。
いや、そう呟くしかなかった。
既に艦隊は全滅しており、その周囲に無数の見慣れない小型の何かが飛んでいた。
それらは、アドアステラを発見すると同時に襲ってくる...事はなく、素早くワープアウトして行った。
「......たった数機で、艦隊を...?」
『艦長、艦内に生存者が認められます』
「分かった、救助しよう」
とにかく今は、失われそうな命を救う事が重要だな。
助けないと恩も発生しないし。
「ファイス、俺と一緒に来てくれ。宇宙服だと仮面は付けられないから、ルカとして行くよ」
「はっ」
男手がいると助かる。
私とファイスだと、ファイスの方が艦長っぽいからね。
「シトリンは索敵警戒、ノルスはいざという時アドアステラで艦隊に体当たりしてからワープ。私たちが乗り移れれば、宇宙に取り残されるよりはマシだから」
『了解』
「はっ」
ワープする物体に生身で捕まっているとどうなるかはまだ検証していないが、死ぬよりは多分マシだと思う。
私たちはケインに手伝ってもらいながら宇宙服を着て、エアロックへと向かった。
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