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シーズン2-旅立ち編
045-友情の誓い(語弊あり)
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数日後。
私たちは出発の準備を完全に整えた。
すっかり忘れていたコーポレーションからの救助報酬15000MSCも支払われた上、次なる行き先が決定した。
コーポレーションから、私たちの腕を見込んで大口の輸送依頼が舞い込んできたのだ。
報酬は200万MSCで、期限は2週間。
ジスト星系にあるジストⅡライズコンソーシアムまで、開封禁止の荷物を届けてほしいそうだ。
ただ、航路が問題だった。
スターゲートを経由する必要が必ずあるのだが(王国の端から端くらいの規模の移動のため)、道中でロー・セキュリティ星系...つまりは、星系軍より海賊の支配度合いが多めの宙域を通らなければならないのだ。
しかも、海賊国家カルメナスの星系に繋がるスターゲートがあるとか、Ve‘zの領域に隣接しているとか...とにかく最短ルートを通ると超悪路なのだそうだ。
緊急の要件だけど、その辺の傭兵には頼めない。
だから、私たちに依頼してきたのだろう。
「とにかく急ぐわけだから、これが終わったらさっさと出発するぞ」
「わかりました」
子爵邸に向けて走る車輌の中で、私はファイスにそう告げる。
一応最後になるわけだから、アレンスターにも挨拶をしていかないと。
「.....ん?」
その時、私の目にとある光景が映った。
正門前で、アレンスターが仁王立ちしているのだ。
「どうした?」
「カル、言いたいことがあるんだが......ちょっと一人で来てくれないか?」
「あ、ああ....」
一体何なんだろう?
私はニケを抜く準備をしながら、門の中へと入った。
「カル、今日出発なんだろう?」
「ああ」
「丁度いい」
アレンスターは懐に手を入れた。
即座に臨戦態勢を取る私だったが、懐から出てきたのは何かの結晶だった。
「この”岩塩を贈る”から、俺と”友達”になってほしい」
「友達は....もうなってないか?」
「だよな!」
直後、アレンスターは私に抱き着いた。
抱き着かれたと認識するのに、5秒ほどかかった。
「は、離して!」
「俺たち、友達だろ!?」
「友達でもそうそう抱き合ったりしない!」
これが文化の違い?
そもそも、岩塩がどうして友情の誓いに???
「待って待って! この岩塩は何?」
私はマスクを解除してアレンスターに説明を求める。
「そりゃあ....待て、もしかしてカル....お前、王国人じゃないのか!?」
「今更だよ!」
「そりゃ.....悪かった......なぁ、本当に知らないのか? 岩塩友達の意味」
「知らないかな....」
正直、興味もない。
「でも、改めて友達になってほしいなら......全然問題ないよ」
「.....そうか、じゃあ....死ぬなよ」
「勿論」
私とアレンスターは、互いに手を握って誓い合った。
『オルトス一般常識』
「岩塩の誓い」はオストプライムⅠの騎士エルダリが、王国歴201年に姫へ求婚する際に、宝石と見紛う岩塩を贈り、「友達」から始めてほしいと懇願した逸話からくる慣習である。
結果的に二人の仲は友情を越えた恋愛となり、ブライトエッジ子爵家の礎を作るに至った。
近年の有名な例としては、ノイスター現子爵が故エイスター子爵夫人に告白する際に同様の儀式を行った事である。
私たちは出発の準備を完全に整えた。
すっかり忘れていたコーポレーションからの救助報酬15000MSCも支払われた上、次なる行き先が決定した。
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報酬は200万MSCで、期限は2週間。
ジスト星系にあるジストⅡライズコンソーシアムまで、開封禁止の荷物を届けてほしいそうだ。
ただ、航路が問題だった。
スターゲートを経由する必要が必ずあるのだが(王国の端から端くらいの規模の移動のため)、道中でロー・セキュリティ星系...つまりは、星系軍より海賊の支配度合いが多めの宙域を通らなければならないのだ。
しかも、海賊国家カルメナスの星系に繋がるスターゲートがあるとか、Ve‘zの領域に隣接しているとか...とにかく最短ルートを通ると超悪路なのだそうだ。
緊急の要件だけど、その辺の傭兵には頼めない。
だから、私たちに依頼してきたのだろう。
「とにかく急ぐわけだから、これが終わったらさっさと出発するぞ」
「わかりました」
子爵邸に向けて走る車輌の中で、私はファイスにそう告げる。
一応最後になるわけだから、アレンスターにも挨拶をしていかないと。
「.....ん?」
その時、私の目にとある光景が映った。
正門前で、アレンスターが仁王立ちしているのだ。
「どうした?」
「カル、言いたいことがあるんだが......ちょっと一人で来てくれないか?」
「あ、ああ....」
一体何なんだろう?
私はニケを抜く準備をしながら、門の中へと入った。
「カル、今日出発なんだろう?」
「ああ」
「丁度いい」
アレンスターは懐に手を入れた。
即座に臨戦態勢を取る私だったが、懐から出てきたのは何かの結晶だった。
「この”岩塩を贈る”から、俺と”友達”になってほしい」
「友達は....もうなってないか?」
「だよな!」
直後、アレンスターは私に抱き着いた。
抱き着かれたと認識するのに、5秒ほどかかった。
「は、離して!」
「俺たち、友達だろ!?」
「友達でもそうそう抱き合ったりしない!」
これが文化の違い?
そもそも、岩塩がどうして友情の誓いに???
「待って待って! この岩塩は何?」
私はマスクを解除してアレンスターに説明を求める。
「そりゃあ....待て、もしかしてカル....お前、王国人じゃないのか!?」
「今更だよ!」
「そりゃ.....悪かった......なぁ、本当に知らないのか? 岩塩友達の意味」
「知らないかな....」
正直、興味もない。
「でも、改めて友達になってほしいなら......全然問題ないよ」
「.....そうか、じゃあ....死ぬなよ」
「勿論」
私とアレンスターは、互いに手を握って誓い合った。
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「岩塩の誓い」はオストプライムⅠの騎士エルダリが、王国歴201年に姫へ求婚する際に、宝石と見紛う岩塩を贈り、「友達」から始めてほしいと懇願した逸話からくる慣習である。
結果的に二人の仲は友情を越えた恋愛となり、ブライトエッジ子爵家の礎を作るに至った。
近年の有名な例としては、ノイスター現子爵が故エイスター子爵夫人に告白する際に同様の儀式を行った事である。
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