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シーズン1-序章
049-中央核内部戦 後編
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クラヴィスが呟いた直後。
周辺から、一斉に光線が放たれた。
クラヴィスはそれを跳躍して躱し、手甲で光線を弾いてショットガンを射撃する。
しかし、偵察排除ユニットの胴体は蛇腹管のようになっており、弾丸が当たらない。
「...っ!」
クラヴィスは身を翻し、背後に向けて射撃する。
生憎照明弾のような便利なものは持ち合わせていないため、熱源探知による予測射撃だ。
直後金属の反響音と共に火花が散る。
「一体無力化」
クラヴィスは呟く。
部屋は狭く、クラヴィスも自由に暴れられないが、それは向こうも同じである。
数が多いためぶつからないように動かざるを得ず、自然と動ける範囲が限定されてくるのだ。
「軌道を予測」
クラヴィスはノータイムで次の射線を決定し、スラスターで高速反転、射撃する。
確かな手応えを感じつつ、放たれた射撃を屈んで回避する。
「ふっ!」
スラスターを下向きに起動し、跳躍したクラヴィスは天井に張り付き、二か所に向けて射撃する。
「敵、残り熱源――――七機」
地面に降り立ったクラヴィスは、素早く入り口に向けて駆け出す。
直後、周囲の偵察排除ユニットが一斉に動き出す。
逃げられるのだけは避けなければならないと。
「予測通りです」
直後、クラヴィスは身を翻して散弾モードで射撃する。
射撃が偵察排除ユニットのうちの二機に命中し、一瞬バランスを崩す。
バランスを崩した二機を避けるように動いた一機に、クラヴィスは機関砲を叩き込む。
偵察排除ユニットは踊るように跳ねた後、沈黙する。
「ッ!」
肩のアーマーを使ってレーザーを受け止め、クラヴィスはショットガンを集中モードで二射、三射と放つ。
残り四機に、至近距離でクラヴィスはミサイルを放って無力化した。
衝撃波を手甲で受け止めるが、受け流せずに壁に激突した。
「ぐっ.......」
一瞬視界にノイズが走り、クラヴィスは苦悶の声を発する。
今の衝撃で、左胸にある機関の不調が決定的になったのだ。
「......はぁ」
クラヴィスは立ち上がると、エレベーターホールから出るためにゲートを開く。
「........進みましょう」
クラヴィスは歩き出そうとした。
その時――――――――
「があ.....ッ!?」
視界が、赤い警告に埋め尽くされる。
背後から、撃たれ、脇腹を損傷したのだ。
「No.2バッテリー、損傷....電力、不足..........フェイルセーフ機能、起動.......慣性制御ユニット、制御不能.......」
そしてクラヴィスは、再びその場に倒れた。
けれど、今度は違った。
言うなれば、致命傷である。
まるで、消えゆく命を現すように、脇腹から見える基盤が火花を放った。
「行け!」
ロケットランチャーが直撃し、重警備兵が吹き飛ぶ。
その横を歩兵が突撃し、ライフルをフルオートで連射して警備兵を打ち倒していく。
だが、それを防ぐように、強制排除ユニットが数機向かってくる。
排除ユニットの装甲は、ラウド少尉が率いる部隊の装備では破壊できない。
「ハーデン中尉、航空支援を頼みます!」
『了解、ラウド少尉』
ラウド少尉が通信で呼び掛けると、その通信を即座に受け取ったハーデンが応答を返す。
直後、上空を旋回していた白い機体が降下し、機銃の掃射を強制排除ユニットに降らせる。
「流石に硬いか.........ラウド少尉、そのまま待機するように言ってくれ!」
『了解!』
ハーデンは再上昇し、旋回する。
そして、機体の下部からミサイルが顔を覗かせた。
『ハーデン中尉! 後ろです!』
「チッ!」
ラウドの声に、ハーデンは背後を確認する。
背後に二機くっ付かれている。
「ラウド、一発で仕留める! その後の支援は保証できないぞ!」
『了解!』
ハーデンは風を切って機体を降下させると、照準を手動で合わせてミサイルを投下した。
そしてそのまま、背後から飛来した機銃の雨を振り切って逃げに転じる。
クラヴィスのように減速して背後に回ったり、本職の戦闘機乗りのような複雑な軌道は出来ない。
「くっ.........」
『ハッハハー!』
と、その時。
ハーデンを追っていた二機が、下からの連撃を受けて吹き飛ぶ。
墜落する2機と入れ替わるように上昇してきたのは、蒼の機体。
「まさか...蒼き刺突!? どうしてここに...」
ハーデンが驚きの表情を浮かべる。
反乱戦争と呼ばれた過去の大戦で名を挙げた、伝説の戦闘機乗りの専用機体である。
蒼き刺突は恐るべき速度で旋回し、ハーデンを追い抜いていく。
「貸し一つ.........か」
相手の言いたいことを瞬時に理解したハーデンは、つい溜息をつくのだった。
「ゲートが破れました!」
「よぉし、内部に突入しろ!」
そして、地表面では...陸上兵器発進口の非常口が破られ、内部に歩兵が突入した。
周辺から、一斉に光線が放たれた。
クラヴィスはそれを跳躍して躱し、手甲で光線を弾いてショットガンを射撃する。
しかし、偵察排除ユニットの胴体は蛇腹管のようになっており、弾丸が当たらない。
「...っ!」
クラヴィスは身を翻し、背後に向けて射撃する。
生憎照明弾のような便利なものは持ち合わせていないため、熱源探知による予測射撃だ。
直後金属の反響音と共に火花が散る。
「一体無力化」
クラヴィスは呟く。
部屋は狭く、クラヴィスも自由に暴れられないが、それは向こうも同じである。
数が多いためぶつからないように動かざるを得ず、自然と動ける範囲が限定されてくるのだ。
「軌道を予測」
クラヴィスはノータイムで次の射線を決定し、スラスターで高速反転、射撃する。
確かな手応えを感じつつ、放たれた射撃を屈んで回避する。
「ふっ!」
スラスターを下向きに起動し、跳躍したクラヴィスは天井に張り付き、二か所に向けて射撃する。
「敵、残り熱源――――七機」
地面に降り立ったクラヴィスは、素早く入り口に向けて駆け出す。
直後、周囲の偵察排除ユニットが一斉に動き出す。
逃げられるのだけは避けなければならないと。
「予測通りです」
直後、クラヴィスは身を翻して散弾モードで射撃する。
射撃が偵察排除ユニットのうちの二機に命中し、一瞬バランスを崩す。
バランスを崩した二機を避けるように動いた一機に、クラヴィスは機関砲を叩き込む。
偵察排除ユニットは踊るように跳ねた後、沈黙する。
「ッ!」
肩のアーマーを使ってレーザーを受け止め、クラヴィスはショットガンを集中モードで二射、三射と放つ。
残り四機に、至近距離でクラヴィスはミサイルを放って無力化した。
衝撃波を手甲で受け止めるが、受け流せずに壁に激突した。
「ぐっ.......」
一瞬視界にノイズが走り、クラヴィスは苦悶の声を発する。
今の衝撃で、左胸にある機関の不調が決定的になったのだ。
「......はぁ」
クラヴィスは立ち上がると、エレベーターホールから出るためにゲートを開く。
「........進みましょう」
クラヴィスは歩き出そうとした。
その時――――――――
「があ.....ッ!?」
視界が、赤い警告に埋め尽くされる。
背後から、撃たれ、脇腹を損傷したのだ。
「No.2バッテリー、損傷....電力、不足..........フェイルセーフ機能、起動.......慣性制御ユニット、制御不能.......」
そしてクラヴィスは、再びその場に倒れた。
けれど、今度は違った。
言うなれば、致命傷である。
まるで、消えゆく命を現すように、脇腹から見える基盤が火花を放った。
「行け!」
ロケットランチャーが直撃し、重警備兵が吹き飛ぶ。
その横を歩兵が突撃し、ライフルをフルオートで連射して警備兵を打ち倒していく。
だが、それを防ぐように、強制排除ユニットが数機向かってくる。
排除ユニットの装甲は、ラウド少尉が率いる部隊の装備では破壊できない。
「ハーデン中尉、航空支援を頼みます!」
『了解、ラウド少尉』
ラウド少尉が通信で呼び掛けると、その通信を即座に受け取ったハーデンが応答を返す。
直後、上空を旋回していた白い機体が降下し、機銃の掃射を強制排除ユニットに降らせる。
「流石に硬いか.........ラウド少尉、そのまま待機するように言ってくれ!」
『了解!』
ハーデンは再上昇し、旋回する。
そして、機体の下部からミサイルが顔を覗かせた。
『ハーデン中尉! 後ろです!』
「チッ!」
ラウドの声に、ハーデンは背後を確認する。
背後に二機くっ付かれている。
「ラウド、一発で仕留める! その後の支援は保証できないぞ!」
『了解!』
ハーデンは風を切って機体を降下させると、照準を手動で合わせてミサイルを投下した。
そしてそのまま、背後から飛来した機銃の雨を振り切って逃げに転じる。
クラヴィスのように減速して背後に回ったり、本職の戦闘機乗りのような複雑な軌道は出来ない。
「くっ.........」
『ハッハハー!』
と、その時。
ハーデンを追っていた二機が、下からの連撃を受けて吹き飛ぶ。
墜落する2機と入れ替わるように上昇してきたのは、蒼の機体。
「まさか...蒼き刺突!? どうしてここに...」
ハーデンが驚きの表情を浮かべる。
反乱戦争と呼ばれた過去の大戦で名を挙げた、伝説の戦闘機乗りの専用機体である。
蒼き刺突は恐るべき速度で旋回し、ハーデンを追い抜いていく。
「貸し一つ.........か」
相手の言いたいことを瞬時に理解したハーデンは、つい溜息をつくのだった。
「ゲートが破れました!」
「よぉし、内部に突入しろ!」
そして、地表面では...陸上兵器発進口の非常口が破られ、内部に歩兵が突入した。
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