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シーズン1-序章
048-中央核内部戦 前編
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中央核・中層。
爆風と共にゲートに大穴が開き、そこからクラヴィスが這い出た。
クラヴィスを迎え撃つように、扉の向こうの吹き抜けから銃撃が飛ぶ。
クラヴィスはそちらに向けて機関砲を放ち、相手の移動を確認するとすぐに前進した。
吹き抜けに飛び出したクラヴィスは、スラスターを下向きにして上に飛び出す。
攻撃の主である警備兵に、ショットガンを二発ほど放つ。
誘いに乗って一発目の射線を回避した警備兵は、二発目を喰らって吹き飛ぶ。
「やはり、おかしい....」
クラヴィスはそんなことを呟きながら、吹き抜けを下降していく。
その途中、何かを察知したように後退し、中距離からの近接誘導弾を迎撃する。
「近接誘導弾の誘導範囲は、あくまで近距離のみのはず.....」
近接誘導弾は中距離から撃たれたことで、本来の加速を失っていた。
クラヴィスは反撃として背のミサイルポッドを展開し、回廊の向こうへと射撃した。
直後、閃光と共に爆音が轟く。
「反応消失、降下します」
クラヴィスはこうして、敵を排除しながら進んでいく。
吹き抜けの終わりで、クラヴィスは情報精査を行う。
「こちらですか」
情報偽装を見破り、クラヴィスは壁に見えるようにされていたゲートをミサイルで破壊する。
残弾が少ないため、次からはシャードキャノンに切り替えようと思いつつ。
「ッ」
回廊を通り抜けたクラヴィスは、スラスターを下向きにしたまま素早く跳躍し、機関砲を起動して射線の起点に向けて射撃を行う。
そこに居たライフル装備の重警備兵は、機関砲の掃射を受けて腕が捥げ、ボディに深刻なダメージを受けて床に転がる。
クラヴィスはその警備兵を踏みつけ、中央部への道を突き進む。
「これは!?」
その時、クラヴィスの正面と背後のシャッターが閉まり、横の壁がスライドして何かが出てきた。
それは、二機の機関砲を装備した機兵だった。
その胴体部分には、人間が括りつけられていた。
「卑怯な.....!」
直後、重力子機関砲の特徴的な発震光が通路を断続的に照らす。
クラヴィスは残った片腕の手甲でそれを弾き飛ばすと、機兵に接近を試みる。
しかし、機兵は片方の機関砲を人間に当て、クラヴィスを脅した。
「やはり、奇妙ですね」
直後、クラヴィスは踵を返す。
機兵はクラヴィスが諦めたと思い、人間から砲口を離しクラヴィスに向ける。
だが、
「――――こんな短絡的な手に出るとは、何が起こっているのですか?」
クラヴィスは片足で一回転すると、ショットガンで片方の機関砲の接合部を撃ち抜いた。
機兵が人間にもう片方の砲身を向ける前に、クラヴィスは発砲した。
無慈悲にして正確無比の射撃が機兵の足を撃ち抜き、機兵はバランスを崩した。
次の瞬間、三発目が放たれて片方の腕も撃ち抜かれた。
「.....救出は出来ません、救難ピンを置いていきましょう」
クラヴィスはマガジンと一緒にピンをその場に排出し、即座にリロードしてから進み出す。
シャッターをシャードキャノンで破壊し、再び前進する。
「警備兵の動きがおかしい上、人間を囮にする等短絡的な戦法が多いようですね.....何かがあったのでしょう」
ここが本当にコロニー全体を管理するAIの腹の中ならば、クラヴィスはとっくに数の暴力で鎮圧されてもおかしくなかった。
それがなく、巡回しているのも通常警備に毛が生えた程度の戦力なのだ。
とはいえ、
「ここはまだ第二層ですから、深層に戦力を集中しているのでしょう」
クラヴィスが居るのは外殻から深く行った第二層。
ここから中央塔に侵入するのだ。
クラヴィスは回廊を抜けた先のエレベーターに目を付け、その扉を拳で破壊してシャフト内に侵入した。
そのまま上昇を開始する。
ついでに、エレベーターは下にあるようだったのでワイヤーを切断しておく。
「..............」
数十分上昇し、クラヴィスは扉を蹴破った。
中央管理局の7F、認証IDの発行に必要な場所だ。
クラヴィスは慎重に移動しつつ、奥の部屋に移動した。
奥で稼働しているコンピューターにアクセスし、自分の情報を赤外線で送信する。
クラヴィスは政府要人という事になっていて、コンピューターは何の躊躇もなくクラヴィスに認証コードを譲渡した。
「.....完了」
クラヴィスはコードを解析し、自力利用可能にしようとして......
「ッ!?」
慌てて窓から外に飛び出した。
背後で、管理局のビルに戦艦が突き刺さり、轟沈した。
「どうして......!」
クラヴィスはそう言いつつも、自分を追って降下してくる戦艦から逃げるように、管理局の中へと舞い戻る。
エレベーターの扉を破壊し、先程入った下層まで一気に降下する。
降下した先では、
「ッ! 撤退します!」
E.M.P投射装置を装備した機兵が、6機同時にクラヴィスを襲った。
クラヴィスは慌てて上昇したが、降りることが出来なくなった事に気付く。
「まさか......」
その時、遥か上から何かが落ちてきた。
それは、中型機兵だった。
クラヴィスは避ける事も出来ず、体当たりをもろに受けて落下する。
そして、一瞬E.M.Pの範囲に入った後に遥か下――――つまり、エレベーターの止まっている最下層に向けて落下した。
◇◆◇
「.......く」
クラヴィスは再起動した。
周囲は暗闇に包まれている。
先程と違い、使用不能になった装備はない。
ただし、片方の機関の不調をクラヴィスは咄嗟に悟った。
「..........」
クラヴィスは無言で自分を圧し潰していた機兵を除ける。
潰れたフレームが痛々しく、クラヴィスは咄嗟にそれから目を逸らした。
「ここは......最下層でしょうか?」
クラヴィスは呟くが、すぐにその考えを打ち消す。
中央管理局のエレベーターでは中層と下層の中間地点までしか降りられなかったはずだと。
ならば、今いるのがその場所なのだと理解する。
クラヴィスはエレベーターの扉を両手でこじ開け、その先を確認........しようとして、気付く。
扉の向こうもまた、暗闇だと。
「............敵の反応は無し」
クラヴィスは暗闇に足を踏み出す。
周囲を索敵するが、情報精査に反応はない。
クラヴィスの機眼ならば、暗闇は障害にはならない。
金属の反響音を響かせながら、クラヴィスは数歩歩く。
「どうやら、敵は存在しないようですね.....すこし今後のプランを.......え?」
その時である。
クラヴィスの視界の先、果てのない暗闇に、赤い光が灯った。
同時に、クラヴィスの視界に一、二....いや、数十....無数の熱源反応が浮かび上がる。
クラヴィスを囲むように、赤い光点が急速に増加していく。
「接敵、交戦します」
躊躇する暇もなかった。
クラヴィスは跳躍し、同時射撃を回避する。
その軌道を読んで放たれた遅延射撃を空中でスラスターを起動することで回避し、右手のショットガンを散弾モードにして射撃する。
暗闇を一瞬射撃光が照らし、直後に着弾による小爆発が部屋全体を一瞬照らす。
その際に、クラヴィスは敵の正体を見た。
「........偵察排除ユニット....!」
俊敏で、攻撃能力の高いまさにクラヴィスの天敵、それが彼女を取り囲んでいた。
クラヴィスは気を引き締め、戦闘へと突入するのだった。
爆風と共にゲートに大穴が開き、そこからクラヴィスが這い出た。
クラヴィスを迎え撃つように、扉の向こうの吹き抜けから銃撃が飛ぶ。
クラヴィスはそちらに向けて機関砲を放ち、相手の移動を確認するとすぐに前進した。
吹き抜けに飛び出したクラヴィスは、スラスターを下向きにして上に飛び出す。
攻撃の主である警備兵に、ショットガンを二発ほど放つ。
誘いに乗って一発目の射線を回避した警備兵は、二発目を喰らって吹き飛ぶ。
「やはり、おかしい....」
クラヴィスはそんなことを呟きながら、吹き抜けを下降していく。
その途中、何かを察知したように後退し、中距離からの近接誘導弾を迎撃する。
「近接誘導弾の誘導範囲は、あくまで近距離のみのはず.....」
近接誘導弾は中距離から撃たれたことで、本来の加速を失っていた。
クラヴィスは反撃として背のミサイルポッドを展開し、回廊の向こうへと射撃した。
直後、閃光と共に爆音が轟く。
「反応消失、降下します」
クラヴィスはこうして、敵を排除しながら進んでいく。
吹き抜けの終わりで、クラヴィスは情報精査を行う。
「こちらですか」
情報偽装を見破り、クラヴィスは壁に見えるようにされていたゲートをミサイルで破壊する。
残弾が少ないため、次からはシャードキャノンに切り替えようと思いつつ。
「ッ」
回廊を通り抜けたクラヴィスは、スラスターを下向きにしたまま素早く跳躍し、機関砲を起動して射線の起点に向けて射撃を行う。
そこに居たライフル装備の重警備兵は、機関砲の掃射を受けて腕が捥げ、ボディに深刻なダメージを受けて床に転がる。
クラヴィスはその警備兵を踏みつけ、中央部への道を突き進む。
「これは!?」
その時、クラヴィスの正面と背後のシャッターが閉まり、横の壁がスライドして何かが出てきた。
それは、二機の機関砲を装備した機兵だった。
その胴体部分には、人間が括りつけられていた。
「卑怯な.....!」
直後、重力子機関砲の特徴的な発震光が通路を断続的に照らす。
クラヴィスは残った片腕の手甲でそれを弾き飛ばすと、機兵に接近を試みる。
しかし、機兵は片方の機関砲を人間に当て、クラヴィスを脅した。
「やはり、奇妙ですね」
直後、クラヴィスは踵を返す。
機兵はクラヴィスが諦めたと思い、人間から砲口を離しクラヴィスに向ける。
だが、
「――――こんな短絡的な手に出るとは、何が起こっているのですか?」
クラヴィスは片足で一回転すると、ショットガンで片方の機関砲の接合部を撃ち抜いた。
機兵が人間にもう片方の砲身を向ける前に、クラヴィスは発砲した。
無慈悲にして正確無比の射撃が機兵の足を撃ち抜き、機兵はバランスを崩した。
次の瞬間、三発目が放たれて片方の腕も撃ち抜かれた。
「.....救出は出来ません、救難ピンを置いていきましょう」
クラヴィスはマガジンと一緒にピンをその場に排出し、即座にリロードしてから進み出す。
シャッターをシャードキャノンで破壊し、再び前進する。
「警備兵の動きがおかしい上、人間を囮にする等短絡的な戦法が多いようですね.....何かがあったのでしょう」
ここが本当にコロニー全体を管理するAIの腹の中ならば、クラヴィスはとっくに数の暴力で鎮圧されてもおかしくなかった。
それがなく、巡回しているのも通常警備に毛が生えた程度の戦力なのだ。
とはいえ、
「ここはまだ第二層ですから、深層に戦力を集中しているのでしょう」
クラヴィスが居るのは外殻から深く行った第二層。
ここから中央塔に侵入するのだ。
クラヴィスは回廊を抜けた先のエレベーターに目を付け、その扉を拳で破壊してシャフト内に侵入した。
そのまま上昇を開始する。
ついでに、エレベーターは下にあるようだったのでワイヤーを切断しておく。
「..............」
数十分上昇し、クラヴィスは扉を蹴破った。
中央管理局の7F、認証IDの発行に必要な場所だ。
クラヴィスは慎重に移動しつつ、奥の部屋に移動した。
奥で稼働しているコンピューターにアクセスし、自分の情報を赤外線で送信する。
クラヴィスは政府要人という事になっていて、コンピューターは何の躊躇もなくクラヴィスに認証コードを譲渡した。
「.....完了」
クラヴィスはコードを解析し、自力利用可能にしようとして......
「ッ!?」
慌てて窓から外に飛び出した。
背後で、管理局のビルに戦艦が突き刺さり、轟沈した。
「どうして......!」
クラヴィスはそう言いつつも、自分を追って降下してくる戦艦から逃げるように、管理局の中へと舞い戻る。
エレベーターの扉を破壊し、先程入った下層まで一気に降下する。
降下した先では、
「ッ! 撤退します!」
E.M.P投射装置を装備した機兵が、6機同時にクラヴィスを襲った。
クラヴィスは慌てて上昇したが、降りることが出来なくなった事に気付く。
「まさか......」
その時、遥か上から何かが落ちてきた。
それは、中型機兵だった。
クラヴィスは避ける事も出来ず、体当たりをもろに受けて落下する。
そして、一瞬E.M.Pの範囲に入った後に遥か下――――つまり、エレベーターの止まっている最下層に向けて落下した。
◇◆◇
「.......く」
クラヴィスは再起動した。
周囲は暗闇に包まれている。
先程と違い、使用不能になった装備はない。
ただし、片方の機関の不調をクラヴィスは咄嗟に悟った。
「..........」
クラヴィスは無言で自分を圧し潰していた機兵を除ける。
潰れたフレームが痛々しく、クラヴィスは咄嗟にそれから目を逸らした。
「ここは......最下層でしょうか?」
クラヴィスは呟くが、すぐにその考えを打ち消す。
中央管理局のエレベーターでは中層と下層の中間地点までしか降りられなかったはずだと。
ならば、今いるのがその場所なのだと理解する。
クラヴィスはエレベーターの扉を両手でこじ開け、その先を確認........しようとして、気付く。
扉の向こうもまた、暗闇だと。
「............敵の反応は無し」
クラヴィスは暗闇に足を踏み出す。
周囲を索敵するが、情報精査に反応はない。
クラヴィスの機眼ならば、暗闇は障害にはならない。
金属の反響音を響かせながら、クラヴィスは数歩歩く。
「どうやら、敵は存在しないようですね.....すこし今後のプランを.......え?」
その時である。
クラヴィスの視界の先、果てのない暗闇に、赤い光が灯った。
同時に、クラヴィスの視界に一、二....いや、数十....無数の熱源反応が浮かび上がる。
クラヴィスを囲むように、赤い光点が急速に増加していく。
「接敵、交戦します」
躊躇する暇もなかった。
クラヴィスは跳躍し、同時射撃を回避する。
その軌道を読んで放たれた遅延射撃を空中でスラスターを起動することで回避し、右手のショットガンを散弾モードにして射撃する。
暗闇を一瞬射撃光が照らし、直後に着弾による小爆発が部屋全体を一瞬照らす。
その際に、クラヴィスは敵の正体を見た。
「........偵察排除ユニット....!」
俊敏で、攻撃能力の高いまさにクラヴィスの天敵、それが彼女を取り囲んでいた。
クラヴィスは気を引き締め、戦闘へと突入するのだった。
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