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第2章
第122話
しおりを挟むsideキリト
高度10000m。地球では航空機が支配する領域であり、異世界では、飛行することが出来る大型の魔物が支配する危険領域。そこに、明らかに魔物ではない小さな人影が浮遊していた。
「おぉ、あいつ派手にやるな」
他人事のように岩場でひたすらリザードマンを狩るしているエントを眺めている残念美少年。知っての通り、新魔王のキリトくんである。
※双剣で舞っている内面も外面も超絶イケメンで完璧な有名な人では無いです。
そんな彼は気配を完璧に断ち、アホ魔力で空を浮遊している。
「エントの奴、なんかキャラ変わってるな。影が薄いの気にしている割に、気配をってか、影を薄くしてるし」
エントも、異世界デビューでコミュ症を克服している。この残念イケメンだけには言われたくないだろう。
「そろそろエントを連れて帰るかな。レベルも勇者如きには負ける事は無いぐらいまで成長しているだろうし」
仮開始から2時間。キリトはレベル上げ作業の終了をエントに告げようとしたその時。
「────次は下位の竜種の群れに突撃してくるか」
エントがまるで脳筋のような発言をした。
「へぇ~、下位の竜種に突撃か……リザードマン達だけじゃあ、戦った気もしていないだろうし、これで最後にするか」
そう呟いているとエントが影の中を潜り、動き出した。
「お、見つけたったぽい?で、そんなエントくんの目的の場所は………マジで?」
エントの行き先に目を向けたキリトは引いた様に言葉を漏らした。
そこには、優に10体を超える。というか、100体近い数の下位の竜種の群れであった。群れはゆったりとした足取りで移動していた。
「普通は群れに突っ込むって言っても100体近い群れに突っ込む奴はいないと思うけど……」
そう思っていてもエントは止まらない。それどころか泳ぐ速さをどんどん増していく。
「負ける事は無いと思うけど、この調子だとアレックス達よりもレベルが高くなりそうだな」
頬を人差し指で軽く掻きながら呟く。
「まぁ、俺が気にすることでもないし、微笑ましく見守っている事にしましょうか」
マジで逃げて、超逃げて!!
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