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第2章
第120話
しおりを挟む「ふぅ」
岩陰に座り込み小さく息を吐くエント。手にはまだ、リザードマンを斬った小刀が握られている。血は全く付着していない。
「5体相手だから慎重に殺ったけど、もう少し大胆にした方がいいのかな?」
そう呟きながら小刀の峰を撫でる。その手付きはまるで何かを愛でるようである。
「影から一体一体、相手してたら時間が掛かるし、戦闘にもムラが出るかもしれないな。………よし、次は集団を見つけ次第、突っ込んでみるか………」
岩陰から腰を上げ、背伸びをする。
「歩くと音が出るし岩が多いから面倒だな。『影隠れ』」
ドプンッ……
岩陰から影の中に潜り込むエント。
(これなら見つからないし遮蔽物も無いから動きやすいな。それに………)
影の中で目を凝らす。すると、約200m先に蠢く大きな影の群れを発見する。
(影の揺れで獲物を探すのが楽だな。背後から襲うか)
簡単に相手の奇襲パターン考え、影の中を猛スピードで泳ぐ。普通の水の中なら、大きな揺れで相手に気づかれるだろうが、エントが泳ぐのは影の中。難無く相手の背後を取ることに成功した。相手からは先程灰にしたリザードマンの様な鳴き声が聞こえてくる。
(この魔法便利だな。MP消費も火の息よりも少し多い程度だし、相手にはバレない。これは手放せないな。そんな事よりも相手の数はっと)
一体一体に指を向けて、ヒーフーミーと数えていく。
(………全部で7体か……さっきよりも多いけど。大丈夫かな?念のために、もう片方も小刀にしておくか)
左手のブレスレットを小刀に変化させ、相手の背後をとる。
(タイミングなんて今は関係ない。速さで速攻仕留める)
両手の小刀を構え、一番最後尾の影に張り付く。
(フッ!!)
影の中で大きく息を吐き影の中から勢い良く最後尾のリザードマンの背後を取り、その勢いで股下から一刀両断する。残り6体。
「シッ!!」
近くに居た左右2体のリザードマンをそれぞれ子刀で首を狩る。残りの4体
「「「「Σ ゚Д゚≡( /)/ギギャッ!」」」」
その残りの4体も背後から現れたエントに向き直るが、
「遅い……」
一番近くに居たリザードマンに一歩だけ踏み出し、懐に潜り込む。 無防備な首に小刀を滑り込ませて首を狩る。残り3体。
「やっぱり、首だけを狩るってのはワンパターンかな?」
小刀をペン回しの様にクルクルと手の中で遊び、顔には微笑みが浮かぶ。それを見たリザードマン達は後ずさる。
「さて、次はどうしようか…」
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