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第2章

第101話

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 コンッコンッ

 ビクッ!!×2

 ただのノックの音にビクリとするキリトとアレックス。正隆は、ただ、何も反応することなく平然としている。

「私です。零です。キリト様にアレックスいますか?」

「おう、いるぞ」

「あ、俺も居るっすよ」

「入ってもいいですか?」

「お、おう、鍵は開いてるから」

「では、失礼します」

 ガチャッ

 零が扉を開け、室内に入ってくる。順番は零、マレリー、クレアだ。そして、その3人は室内に入るなり微妙な顔をしながら3人を見ていた。

「どうして、3人とも正座をしているのですか?というか、その方は誰ですか?」

「お初にお目にかかります。自分は正隆といいます」

「で、正隆さん。貴方はどういった方なのですか?」

「自分はキリトさんが所持している魔書『七つの大罪』から呼び出されました。怠惰の正隆です」

「そうですか、丁寧なご挨拶ありがとうございます。では、3人とも、何故正座しているか聞いても宜しいですね?」

「「「はい」」」

「では、何故、正座しているのですか?」

 そう尋ねる零にキリトが最初に手を上げる。

「では、最初はキリトさんから」

「何となく?条件反射で?」

「自分は、キリトさんを見て」

「あ、自分も正座してたから、そうしないといけないと思って」

「それと、3人に渡すものがありまして」

「何ですか?」

「俺達がバイトしてる所の新商品で、ちなみにまだ、一般には出回っていない」

 そう言ってキリトは3つの小袋を取り出し3人に渡す。

「ありがとうございます」

「………ありがとう」

「わぁ~い♪ありがとうございます!!」

(((クレアマジ天使)))

 3人の心が繋がった。

「あ、あと、個人的な事でもう1つ連絡が」

「何ですか?」

「明日、城に行くから各自、自由行動ね」

「城、って事はミリアちゃんに会いに行くんすか?」

「違う違う。王様に会いに行くんだよ。依頼の報酬に王様との謁見も含ませたからな、そろそろ行こうと思って」

「唐突ですね」

「そりゃあ、今思い出したからな」

「「「「………」」」」

 無言4人の顔には「それ重要な事じゃないの?」といった顔をしている。最後の1人は「へぇ~」ぐらいにしか思っていない。

「以上です。3人は何かある?」

「いえ、特にはありません。これで、失礼させていただきます」

 そういうと、3人は部屋から出て行った。

「「………」」

「怖ったな」

「そっすね」

「え?どこがですか?」

「お前も時間が経てば分かるよ」

「うんうん」 

「?」

 キリトとアレックスが言っている事が分かっていない正隆。だが、その意味を知る未来は遠くない。
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